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民事訴訟法 第5条
条文
第5条(財産権上の訴え等についての管轄)
次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる。
一 財産権上の訴え
二 手形又は小切手による金銭の支払の請求を目的とする訴え
三 船員に対する財産権上の訴え
四 日本国内に住所(法人にあっては、事務所又は営業所。以下この号において同じ。)がない者又は住所が知れない者に対する財産権上の訴え
五 事務所又は営業所を有する者に対する訴えでその事務所又は営業所における業務に関するもの
六 船舶所有者その他船舶を利用する者に対する船舶又は航海に関する訴え
七 船舶債権その他船舶を担保とする債権に基づく訴え
八 会社その他の社団又は財団に関する訴えで次に掲げるもの
イ 会社その他の社団からの社員若しくは社員であった者に対する訴え、社員からの社員若しくは社員であった者に対する訴え又は社員であった者からの社員に対する訴えで、社員としての資格に基づくもの
ロ 社団又は財団からの役員又は役員であった者に対する訴えで役員としての資格に基づくもの
ハ 会社からの発起人若しくは発起人であった者又は検査役若しくは検査役であった者に対する訴えで発起人又は検査役としての資格に基づくもの
ニ 会社その他の社団の債権者からの社員又は社員であった者に対する訴えで社員としての資格に基づくもの
九 不法行為に関する訴え
十 船舶の衝突その他海上の事故に基づく損害賠償の訴え
十一 海難救助に関する訴え
十二 不動産に関する訴え
十三 登記又は登録に関する訴え
十四 相続権若しくは遺留分に関する訴え又は遺贈その他死亡によって効力を生ずべき行為に関する訴え
十五 相続債権その他相続財産の負担に関する訴えで前号に掲げる訴えに該当しないもの
次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる。
一 財産権上の訴え
二 手形又は小切手による金銭の支払の請求を目的とする訴え
三 船員に対する財産権上の訴え
四 日本国内に住所(法人にあっては、事務所又は営業所。以下この号において同じ。)がない者又は住所が知れない者に対する財産権上の訴え
五 事務所又は営業所を有する者に対する訴えでその事務所又は営業所における業務に関するもの
六 船舶所有者その他船舶を利用する者に対する船舶又は航海に関する訴え
七 船舶債権その他船舶を担保とする債権に基づく訴え
八 会社その他の社団又は財団に関する訴えで次に掲げるもの
イ 会社その他の社団からの社員若しくは社員であった者に対する訴え、社員からの社員若しくは社員であった者に対する訴え又は社員であった者からの社員に対する訴えで、社員としての資格に基づくもの
ロ 社団又は財団からの役員又は役員であった者に対する訴えで役員としての資格に基づくもの
ハ 会社からの発起人若しくは発起人であった者又は検査役若しくは検査役であった者に対する訴えで発起人又は検査役としての資格に基づくもの
ニ 会社その他の社団の債権者からの社員又は社員であった者に対する訴えで社員としての資格に基づくもの
九 不法行為に関する訴え
十 船舶の衝突その他海上の事故に基づく損害賠償の訴え
十一 海難救助に関する訴え
十二 不動産に関する訴え
十三 登記又は登録に関する訴え
十四 相続権若しくは遺留分に関する訴え又は遺贈その他死亡によって効力を生ずべき行為に関する訴え
十五 相続債権その他相続財産の負担に関する訴えで前号に掲げる訴えに該当しないもの
過去問・解説
(H20 司法 第59問 1)
Xは名古屋市に、Yは東京都千代田区に、Zは大阪市にそれぞれ住所を有するものとする。また、当事者間には管轄又は義務履行地に関する特段の合意はないものとする。
Yに対し500万円の貸金返還請求権を有しているXは、YのZに対する同額の請負代金債権を代位行使し、Zに対し、同額の支払を求める訴えを名古屋地方裁判所に提起することができる。
Xは名古屋市に、Yは東京都千代田区に、Zは大阪市にそれぞれ住所を有するものとする。また、当事者間には管轄又は義務履行地に関する特段の合意はないものとする。
Yに対し500万円の貸金返還請求権を有しているXは、YのZに対する同額の請負代金債権を代位行使し、Zに対し、同額の支払を求める訴えを名古屋地方裁判所に提起することができる。
(正答)✕
(解説)
4条は、1項において、「訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。」と規定し、2項において、「人の普通裁判籍は、住所により…定まる。」と規定している。
したがって、被告Zの住所地である大阪市を管轄する大阪地方裁判所が管轄権を有する。
そして、5条1号は、財産権上の訴えの管轄について「義務履行地」を掲げている。ここで、民法484条1項は、「弁済をすべき場所…は、…債権者の現在の住所において…しなければならない。」と規定している。
また、裁判例(東京高決昭 56.11.5)は、「債権を代位行使する場合、代位債権者…の名において被代位者…の権利を行使するものであって、代位債権者が…債権者となるものではない…。」としている。そのため、本肢における「債権者」とは、被保全債権を有する債権者ではなく、被代位権利を有する債務者を指すこととなる。
したがって、「債権者の現在の住所」とは、Yの住所である東京都千代田区となり、「義務履行地」を管轄する裁判所は東京地方裁判所となる。
一方で、名古屋地方裁判所は管轄権を有しない。
よって、Yに対し500万円の貸金返還請求権を有しているXは、YのZに対する同額の請負代金債権を代位行使し、Zに対し、同額の支払を求める訴えを名古屋地方裁判所ではなく、大阪地方裁判所又は東京地方裁判所に提起することができる。
4条は、1項において、「訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。」と規定し、2項において、「人の普通裁判籍は、住所により…定まる。」と規定している。
したがって、被告Zの住所地である大阪市を管轄する大阪地方裁判所が管轄権を有する。
そして、5条1号は、財産権上の訴えの管轄について「義務履行地」を掲げている。ここで、民法484条1項は、「弁済をすべき場所…は、…債権者の現在の住所において…しなければならない。」と規定している。
また、裁判例(東京高決昭 56.11.5)は、「債権を代位行使する場合、代位債権者…の名において被代位者…の権利を行使するものであって、代位債権者が…債権者となるものではない…。」としている。そのため、本肢における「債権者」とは、被保全債権を有する債権者ではなく、被代位権利を有する債務者を指すこととなる。
したがって、「債権者の現在の住所」とは、Yの住所である東京都千代田区となり、「義務履行地」を管轄する裁判所は東京地方裁判所となる。
一方で、名古屋地方裁判所は管轄権を有しない。
よって、Yに対し500万円の貸金返還請求権を有しているXは、YのZに対する同額の請負代金債権を代位行使し、Zに対し、同額の支払を求める訴えを名古屋地方裁判所ではなく、大阪地方裁判所又は東京地方裁判所に提起することができる。
(H20 司法 第59問 2)
Xは名古屋市に、Yは東京都千代田区に、Zは大阪市にそれぞれ住所を有するものとする。また、当事者間には管轄又は義務履行地に関する特段の合意はないものとする。
Xが、千葉市において所有する建物をYに代金1000万円で譲渡したが、Yが代金を支払わない場合、XはYに対する売買代金の支払を求める訴えを千葉地方裁判所に提起することができる。
Xは名古屋市に、Yは東京都千代田区に、Zは大阪市にそれぞれ住所を有するものとする。また、当事者間には管轄又は義務履行地に関する特段の合意はないものとする。
Xが、千葉市において所有する建物をYに代金1000万円で譲渡したが、Yが代金を支払わない場合、XはYに対する売買代金の支払を求める訴えを千葉地方裁判所に提起することができる。
(正答)✕
(解説)
5条12号は、不動産に関する訴えの管轄について「不動産の所在地」を掲げている。ここでいう「不動産に関する訴え」とは、不動産に関する権利を目的とする訴えをいい、売買契約に基づく売買代金支払請求権(民法555条参照)はこれに含まれない。 そのため、建物が千葉市に所在していたとしても、不動産の所在地を管轄する千葉地方裁判所に管轄は認められない。
なお、この場合に管轄を有するのは、被告Yの普通裁判籍の所在地を管轄する東京地方裁判所(4条2項)、義務履行地を管轄する名古屋地方裁判所(5条1号)である。
したがって、XはYに対する売買代金の支払を求める訴えを千葉地方裁判所ではなく、東京地方裁判所又は名古屋地方裁判所に提起することはできる。
5条12号は、不動産に関する訴えの管轄について「不動産の所在地」を掲げている。ここでいう「不動産に関する訴え」とは、不動産に関する権利を目的とする訴えをいい、売買契約に基づく売買代金支払請求権(民法555条参照)はこれに含まれない。 そのため、建物が千葉市に所在していたとしても、不動産の所在地を管轄する千葉地方裁判所に管轄は認められない。
なお、この場合に管轄を有するのは、被告Yの普通裁判籍の所在地を管轄する東京地方裁判所(4条2項)、義務履行地を管轄する名古屋地方裁判所(5条1号)である。
したがって、XはYに対する売買代金の支払を求める訴えを千葉地方裁判所ではなく、東京地方裁判所又は名古屋地方裁判所に提起することはできる。
(H20 司法 第59問 3)
Xは名古屋市に、Yは東京都千代田区に、Zは大阪市にそれぞれ住所を有するものとする。また、当事者間には管轄又は義務履行地に関する特段の合意はないものとする。
Xが、京都市においてYが製造販売した毒性のある食物を同市で摂取し、大阪市において発病した場合、Xは、Yを被告とする不法行為に基づく損害賠償請求の訴えを大阪地方裁判所に提起することができる。
Xは名古屋市に、Yは東京都千代田区に、Zは大阪市にそれぞれ住所を有するものとする。また、当事者間には管轄又は義務履行地に関する特段の合意はないものとする。
Xが、京都市においてYが製造販売した毒性のある食物を同市で摂取し、大阪市において発病した場合、Xは、Yを被告とする不法行為に基づく損害賠償請求の訴えを大阪地方裁判所に提起することができる。
(正答)〇
(解説)
5条9号は、不法行為に関する訴えの管轄について、「不法行為があった地」を掲げている。そして、裁判例(東京地判昭 40.5.27)は、不法行為地について、「行為のなされた地だけでなく、損害の発生した地も含まれる…。」としている。
本肢における加害行為のなされた地は、Yが製造販売した毒性のある食物をXが摂取した京都市であり、結果の発生した地はXが発病した大阪市である。
したがって、大阪地方裁判所及び京都地方裁判所に管轄が認められる。
なお、東京地方裁判所(4条2項)にも管轄が認められる。
よって、Xは、Yを被告とする不法行為に基づく損害賠償請求の訴えを大阪地方裁判所に提起することができる。
5条9号は、不法行為に関する訴えの管轄について、「不法行為があった地」を掲げている。そして、裁判例(東京地判昭 40.5.27)は、不法行為地について、「行為のなされた地だけでなく、損害の発生した地も含まれる…。」としている。
本肢における加害行為のなされた地は、Yが製造販売した毒性のある食物をXが摂取した京都市であり、結果の発生した地はXが発病した大阪市である。
したがって、大阪地方裁判所及び京都地方裁判所に管轄が認められる。
なお、東京地方裁判所(4条2項)にも管轄が認められる。
よって、Xは、Yを被告とする不法行為に基づく損害賠償請求の訴えを大阪地方裁判所に提起することができる。
(H20 司法 第59問 5)
Xは名古屋市に、Yは東京都千代田区に、Zは大阪市にそれぞれ住所を有するものとする。また、当事者間には管轄又は義務履行地に関する特段の合意はないものとする。
Xが所有する静岡市所在の土地に、Yのために抵当権設定登記が経由されている場合、Xは、Yを被告とする当該抵当権設定登記の抹消登記手続を求める訴えを提起するときは、静岡地方裁判所に提起しなければならない。
Xは名古屋市に、Yは東京都千代田区に、Zは大阪市にそれぞれ住所を有するものとする。また、当事者間には管轄又は義務履行地に関する特段の合意はないものとする。
Xが所有する静岡市所在の土地に、Yのために抵当権設定登記が経由されている場合、Xは、Yを被告とする当該抵当権設定登記の抹消登記手続を求める訴えを提起するときは、静岡地方裁判所に提起しなければならない。
(正答)✕
(解説)
5条13号は、登記又は登録に関する訴えの管轄について、「登記又は登録をすべき地」を掲げている。そして、本肢における土地は静岡市に所在することから、静岡地方裁判所に訴えを提起することができる。 もっとも、4条2項に基づき、被告Yの普通裁判籍の所在地を管轄する東京地方裁判所にも管轄が認められる。
したがって、Xは、Yを被告とする当該抵当権設定登記の抹消登記手続を求める訴えを提起するときは、静岡地方裁判所に提起しなければならないわけではない。
5条13号は、登記又は登録に関する訴えの管轄について、「登記又は登録をすべき地」を掲げている。そして、本肢における土地は静岡市に所在することから、静岡地方裁判所に訴えを提起することができる。 もっとも、4条2項に基づき、被告Yの普通裁判籍の所在地を管轄する東京地方裁判所にも管轄が認められる。
したがって、Xは、Yを被告とする当該抵当権設定登記の抹消登記手続を求める訴えを提起するときは、静岡地方裁判所に提起しなければならないわけではない。
(R5 予備 第31問 3)
不法行為に基づき損害賠償を求める訴えについては、原告の住所地を管轄する裁判所に提起することができる。
不法行為に基づき損害賠償を求める訴えについては、原告の住所地を管轄する裁判所に提起することができる。
(正答)〇
(解説)
5条1号は、財産権上の訴えの管轄について「義務履行地」を掲げている。不法行為に基づく損害賠償債務は、持参債務の原則(民法484条1項前段)により債権者の住所地が義務履行地となるため、債権者である原告の住所地を管轄する裁判所にも管轄が認められる。
したがって、不法行為に基づき損害賠償を求める訴えについては、原告の住所地を管轄する裁判所に提起することができる。
5条1号は、財産権上の訴えの管轄について「義務履行地」を掲げている。不法行為に基づく損害賠償債務は、持参債務の原則(民法484条1項前段)により債権者の住所地が義務履行地となるため、債権者である原告の住所地を管轄する裁判所にも管轄が認められる。
したがって、不法行為に基づき損害賠償を求める訴えについては、原告の住所地を管轄する裁判所に提起することができる。