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民事訴訟法 第19条

条文
第19条(必要的移送)
① 第1審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。ただし、移送により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき、又はその申立てが、簡易裁判所からその所在地を管轄する地方裁判所への移送の申立て以外のものであって、被告が本案について弁論をし、若しくは弁論準備手続において申述をした後にされたものであるときは、この限りでない。
② 簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。ただし、その申立ての前に被告が本案について弁論をした場合は、この限りでない。
過去問・解説
(H25 共通 第56問 2)
大阪市に居住するXが、東京都千代田区に居住するYに対し、貸金100万円の返還を求める訴えを提起した。
Xがこの訴えを大阪簡易裁判所に提起した後、Yから訴訟を東京簡易裁判所に移送する旨の申立てがあり、Xが移送に同意した場合であっても、大阪簡易裁判所は、移送により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、訴訟を東京簡易裁判所に移送しないことができる。

(正答)

(解説)
訴額が140万円以下の請求は、簡易裁判所の管轄である(裁判所法33条1項1号・24条1号)ため、本肢における貸金100万円の返還を求める訴えは、大阪簡易裁判所の管轄となる(民事訴訟法5条1号)。そして、民事訴訟法19条1項は、本文において、「第1審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。」と規定する一方で、但書において、「ただし、移送により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき…は、この限りでない。」と規定している。
したがって、Yから訴訟を東京簡易裁判所に移送する旨の申立てがあり、Xが移送に同意した場合であっても、大阪簡易裁判所は、移送により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、訴訟を東京簡易裁判所に移送しないことができる。

(H29 予備 第31問 4)
簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、その申立ての前に被告が本案について弁論をしていない限り、当該訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。

(正答)

(解説)
19条2項は、「簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。ただし、その申立ての前に被告が本案について弁論をした場合は、この限りでない。」と規定している。
したがって、簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、その申立ての前に被告が本案について弁論をしていない限り、当該訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。

(R3 予備 第31問 2)
売買契約に基づく売買代金の支払を求める訴訟の第一審裁判所である地方裁判所は、当事者の移送の申立て及びこれに対する相手方の同意がある場合においても、訴訟が当該移送の申立てに係る地方裁判所の管轄に属しないときは、訴訟を移送することができない。

(正答)

(解説)
19条1項本文は、「第1審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。」と規定している。そのため、訴訟が当該移送の申立てに係る地方裁判所の管轄に属しないときは移送の制限事由として規定されていない。
したがって、第1審裁判所である地方裁判所は、当事者の移送の申立て及びこれに対する相手方の同意がある場合、訴訟が当該移送の申立てに係る地方裁判所の管轄に属しないときでも、訴訟を移送することができる。

(R4 予備 第44問 オ)
簡易裁判所は、訴訟の目的の価額が100万円である不動産明渡請求訴訟について、被告が本案について弁論をする前に移送の申立てをした場合には、当該訴訟を不動産の所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。

(正答)

(解説)
訴額が140万円以下の請求は、簡易裁判所の管轄である(裁判所法33条1項1号・24条1号)ため、本肢における訴訟は、簡易裁判所の管轄となる。そして、民事訴訟法19条2項は、「簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。ただし、その申立ての前に被告が本案について弁論をした場合は、この限りでない。」と規定している。
したがって、簡易裁判所は、訴訟の目的の価額が100万円である不動産明渡請求訴訟について、被告が本案について弁論をする前に移送の申立てをした場合には、当該訴訟を不動産の所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。
総合メモ
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