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民事訴訟法 第50条

条文
第50条(義務承継人の訴訟引受け)
① 訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、当事者の申立てにより、決定で、その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。
② 裁判所は、前項の決定をする場合には、当事者及び第三者を審尋しなければならない。
③ 第41条第1項及び第3項並びに前2条の規定は、第1項の規定により訴訟を引き受けさせる決定があった場合について準用する。
過去問・解説
(H21 司法 第71問 3)
参加承継後の訴訟の審理は必要的共同訴訟の手続によるのに対し、引受承継後の訴訟の審理は、通常共同訴訟と同様の手続によるので、前者においては弁論の分離、一部判決が禁止されるのに対し、後者においてはそれらが許容される。

(正答)

(解説)
権利についての参加承継について規定する49条1項は、「47条1項の規定により訴訟参加をしたとき」と規定している。また、義務についての参加承継について規定する51条1項前段が準用する47条は、1項において、「その訴訟の当事者の双方又は一方を相手方として、当事者としてその訴訟に参加することができる。」と規定し、4項において、「40条1項から3項までの規定は1項の訴訟の当事者及び同項の規定によりその訴訟に参加した者について…準用する。」と規定している。
したがって、参加承継の場合、40条各項の必要的共同訴訟の規定が準用され、弁論の分離、一部判決が禁止される。
また、義務承継人の訴訟引受けについて規定する50条は、同条3項が41条3項を準用しており、権利承継人の訴訟引受けについて規定する51条後段が準用する50条3項は、41条3項を準用している。そして、41条3項は、「各共同被告に係る控訴事件が同一の控訴裁判所に各別に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。」と規定している。
よって、引受承継の場合にも、弁論の分離、一部判決が禁止される。

(H22 共通 第72問 2)
貸金返還請求訴訟の係属中に、訴訟の目的である貸金債務について、第三者による免責的債務引受けが行われたため、原告の申立てに基づき、当該第三者に訴訟を引き受けさせる旨の決定がされ、原告が当該第三者に対する請求を定立した場合には、その後の訴訟は被告側の必要的共同訴訟となる。

(正答)

(解説)
義務承継人の訴訟引受けについて規定する50条は、同条3項が41条1項を準用している。そして、41条1項は同時審判の申出について規定しており、この申出があった場合の共同訴訟は、通常共同訴訟である。
したがって、貸金返還請求訴訟の係属中に、訴訟の目的である貸金債務について第三者による免責的債務引受けが行われたため、原告の申立てに基づき、当該第三者に訴訟を引き受けさせる旨の決定がされ、原告が当該第三者に対する請求を定立した場合には、その後の訴訟は通常共同訴訟となる。

(H22 共通 第72問 3)
土地所有権に基づく建物収去土地明渡請求訴訟の係属中に、建物が被告から第三者に譲渡された場合、裁判所は、原告の申立てがあっても、当該第三者に訴訟を引き受けさせることができない。

(正答)

(解説)
50条1項は、「訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、…その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。」と規定している。そして、「義務…を承継した」とは、訴訟物である義務そのものを承継した場合のみならず、紛争主体たる地位の移転を受けた場合も含まれると解されている。
本肢における第三者は、紛争主体たる地位の移転を受けたといえるため、50条1項にいう義務を承継した者に当たる。
したがって、土地所有権に基づく建物収去土地明渡請求訴訟の係属中に、建物が被告から第三者に譲渡された場合、裁判所は、原告の申立てがあったとき、当該第三者に訴訟を引き受けさせることができる。

(H25 共通 第58問 5)
貸金返還請求訴訟の係属中に、訴訟物とされている貸金債権に係る債務を第三者が引き受けたときは、原告は、当該第三者に対して、訴訟引受けの申立てをすることができる。

(正答)

(解説)
50条1項は、「訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、…その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。」と規定している。そして、「義務…を承継した」とは、訴訟物である義務そのものを承継した場合のみならず、紛争主体たる地位の移転を受けた場合も含まれると解されている。
本肢における第三者は、訴訟の目的である義務を承継した者に当たる。
したがって、貸金返還請求訴訟の係属中に、訴訟物とされている貸金債権に係る債務を第三者が引き受けたときは、原告は、当該第三者に対して、訴訟引受けの申立てをすることができる。

(H29 予備 第42問 1)
BがAから賃借した土地上に建物を建築し所有していたところ、Aは、Bに対し、土地賃貸借契約の終了に基づく建物収去土地明渡請求訴訟を提起した。
民事訴訟法第50条の「義務承継人」の範囲を訴訟物たる義務の引受けをした者と解すると、口頭弁論終結前にBがCに当該建物を貸し渡した事案では、Cに訴訟を引き受けさせることはできないこととなる。

(正答)

(解説)
50条1項は、「訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、…その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。」と規定している。
本肢におけるAは、Bに対し、建物収去土地明渡請求訴訟を提起しており、訴訟物は、賃貸借契約の終了に基づく目的物返還請求権としての建物収去土地明渡請求権(民法601条)である。そして、BがCに当該建物を貸し渡した場合、AのCに対する請求は、建物退去土地明渡請求となり、その訴訟物は、所有権に基づく返還請求権としての建物退去土地明渡請求権となる。
したがって、民事訴訟法50条の「義務承継人」の範囲を訴訟物たる義務の引受けをした者と解した場合、Cは、訴訟物たる義務を引き受けたとはいえない。
よって、Cは「義務承継人」にはあたらず、Cに訴訟を引き受けさせることはできない。

(H29 予備 第42問 3)
BがAから賃借した土地上に建物を建築し所有していたところ、Aは、Bに対し、土地賃貸借契約の終了に基づく建物収去土地明渡請求訴訟を提起した。
民事訴訟法第50条の「義務承継人」の範囲を紛争の主体たる地位の移転を受けた者と解すると、口頭弁論終結前にCがBに無断で空き家だった当該建物に入居した事案では、Cに訴訟を引き受けさせることができることとなる。

(正答)

(解説)
50条1項は、「訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、…その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。」と規定している。
本肢におけるAは、Bに対し、建物収去土地明渡請求訴訟を提起しており、訴訟物は、賃貸借契約の終了に基づく目的物返還請求権としての建物収去土地明渡請求権(民法601条)である。そして、民事訴訟法50条の「義務承継人」の範囲を紛争の主体たる地位を受けた者と解した場合、Cは、Bに無断で空き家だった当該建物に入居したにすぎず、訴訟の目的である権利・義務を承継したとはいえないため、Bから主体たる地位を受けたということはできない。
したがって、Cは「義務承継人」にはあたらず、Cに訴訟を引き受けさせることはできない。

(H29 予備 第42問 4)
BがAから賃借した土地上に建物を建築し所有していたところ、Aは、Bに対し、土地賃貸借契約の終了に基づく建物収去土地明渡請求訴訟を提起した。
民事訴訟法第50条の「義務承継人」の範囲を紛争の主体たる地位の移転を受けた者と解すると、口頭弁論終結前にBがCに当該建物を売却してこれを引き渡し、その所有権移転登記をした事案では、Cに訴訟を引き受けさせることができることとなる。

(正答)

(解説)
50条1項は、「訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、…その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。」と規定している。
本肢におけるAは、Bに対し、建物収去土地明渡請求訴訟を提起しており、訴訟物は、賃貸借契約の終了に基づく目的物返還請求権としての建物収去土地明渡請求権(民法601条)である。そして、BがCに当該建物を売却してこれを引き渡した場合、AのCに対する請求は、建物収去土地明渡請求となり、その訴訟物は、所有権に基づく返還請求権としての建物収去土地明渡請求権となる。
したがって、民事訴訟法50条の「義務承継人」の範囲を紛争の主体たる地位を受けた者と解した場合、Cは、建物収去土地明渡義務を承継したという点で、紛争の主体たる地位を受けた者といえる。
よって、Cは「義務承継人」にあたり、Cに訴訟を引き受けさせることができることとなる。

(H30 予備 第34問 4)
第三者が参加承継の申出をした場合には、裁判所は、当事者及び第三者を審尋した上、決定で、その許否について判断を示さなければならない。

(正答)

(解説)
50条2項は、引受承継について、「裁判所は、前項の決定をする場合には、当事者及び第三者を審尋しなければならない。」と規定している。これに対し、参加承継については、このような規定は存在しない。
したがって、第三者が参加承継の申出をした場合には、裁判所は、当事者及び第三者を審尋した上、決定で、その許否について判断を示す必要はない。

(R1 予備 第33問 2)
訴訟の目的の全部が自己の権利であることを主張する第三者が原告及び被告を相手方として参加の申出をした場合において、原告と被告のいずれもが異議を述べなかったときは、裁判所は、その第三者がその訴訟に参加することを許さなければならない。

(正答)

(解説)
参加承継について規定する49条1項は、「47条1項の規定により訴訟参加をしたとき」と規定しており、47条1項は独立当事者参加の申出について規定している。そして、独立当事者参加の申出には訴えの提起としての側面と参加の申出としての側面があり、前者については一般の訴訟要件が、後者については47条の要件が要求されるところ、これらの要件の調査は、訴えとしての側面を重視して、口頭弁論に基づいてなされる(三木浩一ほか「LegalQuest 民事訴訟法」第4版588頁)と解されている。
したがって、第三者が原告及び被告を相手方として参加の申出をした場合において、原告と被告のいずれもが異議を述べなかったときは、裁判所は、その第三者がその訴訟に参加することを許さなければならないのではなく、口頭弁論に基づく各要件の調査により、参加の拒否が決まる。

(R5 予備 第45問 イ)
訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、職権で、その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。

(正答)

(解説)
 50条1項は、「訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、当事者の申立てにより、決定で、その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。」と規定している。
したがって、訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、職権で、その第三者に訴訟を引き受けさせることができない。

(R6 予備 第43問 エ)
XがYを被告として甲土地の所有権の確認を求める訴えを提起し、その係属中に、Yは、Zに対して甲土地を譲渡した。その後、Zにこの訴訟を引き受けさせる決定があった場合においては、Zを除いてXとYとの間で訴訟上の和解をすることはできない。

(正答)

(解説)
義務承継人の訴訟引受けについて規定する50条は、同条3項が41条1項を準用している。そして、41条1項は同時審判の申出について規定しており、この申出があった場合の共同訴訟は、通常共同訴訟である。そのため、訴訟引受けの決定があった場合において被承継人が訴訟から脱退するまでの間、その共同訴訟の形態は通常共同訴訟となる。
また、39条は、「共同訴訟人の1人の訴訟行為、共同訴訟人の1人に対する相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の1人について生じた事項は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。」と規定している。
したがって、通常共同訴訟においては、同条の共同訴訟人独立の原則が適用され、被承継人である被告とその相手方である原告との間でのみ訴訟上の和解をすることも妨げられない。
よって、XがYを被告として甲土地の所有権の確認を求める訴えを提起し、その係属中にYがZに対して甲土地を譲渡したため、Zにこの訴訟を引き受けさせる決定があった場合であっても、Zを除いてXとYとの間で訴訟上の和解をすることができる。
総合メモ
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