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民事訴訟法 第136条

条文
第136条(請求の併合)
 数個の請求は、同種の訴訟手続による場合に限り、1の訴えですることができる。
過去問・解説
(H18 司法 第71問 1)
数個の請求についての審判を求める一の訴えを提起するには、その請求の基礎が同一でなければならない。

(正答)

(解説)
136条は、「数個の請求は、同種の訴訟手続による場合に限り、1の訴えですることができる。」と規定している。また、7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、4条から前条まで(6条3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。
このように、請求の併合について、「同種の訴訟手続による場合」等の要件は定められているが、請求の基礎の同一性は要求されていない。
したがって、数個の請求についての審判を求める一の訴えを提起するには、その請求の基礎が同一である必要はない。

(H19 司法 第59問 1)
同一の相手方に対し、貸金債権と、それとは無関係に成立した売買代金債権とを有する者は、当初から1の訴えでこれらの貸金の返還及び売買代金の支払を求めることができる。

(正答)

(解説)
136条は、「数個の請求は、同種の訴訟手続による場合に限り、1の訴えですることができる。」と規定している。
そして、同一の相手方に対する貸金債権と売買代金債権は、いずれも通常の民事訴訟手続という同種の訴訟手続で審理されるため、請求の基礎が同一でなくても1の訴えですることができる。
したがって、同一の相手方に対し、貸金債権と、それとは無関係に成立した売買代金債権とを有する者は、当初から1の訴えでこれらの貸金の返還及び売買代金の支払を求めることができる。

(H24 共通 第72問 1)
請求の予備的併合及び選択的併合においては、弁論を分離することは許されない。

(正答)

(解説)
選択的併合は、両立し得る数個の請求につき、そのうちのいずれか1つの認容を解除条件として他の請求の審判を求める併合形態であり、予備的併合は、両立し得ない数個の請求につき、主位的請求の認容を解除条件として予備的請求の審判を求める併合形態である。これらはいずれも、数個の請求について互いに矛盾のない統一的な審理及び裁判をすることが目的とされているため、口頭弁論を分離(152条1項)することは許されないと解されている。

(H26 共通 第60問 2)
土地の所有者が地上建物の所有者に対して建物収去土地明渡しを求める訴えを当該土地の所在地を管轄する裁判所に提起する場合には、原告は、被告に対する貸金返還請求を併合することができない。

(正答)

(解説)
136条は、「数個の請求は、同種の訴訟手続による場合に限り、1の訴えですることができる。」と規定している。また、7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、4条から前条まで(6条3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。
そして、建物収去土地明渡請求と貸金返還請求は、共に通常の民事訴訟手続で審判されるため、「同種の訴訟手続による場合」に当たり、かつ、いずれも他の裁判所の専属管轄に属さず、法令上併合が禁止されてもいない。
したがって、土地の所在地を管轄する裁判所に建物収去土地明渡請求の訴えを提起する場合、これに併合して貸金返還請求の訴えを提起することができる。

(H26 共通 第60問 3)
土地の明渡請求と当該土地の明渡しまでの賃料に相当する額の損害の賠償請求とが1の訴えでされた場合には、裁判所は、各請求について判決をする必要がある。

(正答)

(解説)
単純併合とは、原告が数個の請求を並列的に主張し、そのすべてについて無条件に審判を求める併合形態である。
そして、土地の明渡請求と当該土地の明渡しまでの賃料に相当する額の損害の賠償請求とが1の訴えでされた場合、両請求は単純併合の関係に立つ。また、単純併合の場合、裁判所は、併合された各請求のすべてについて判決をする必要がある。
したがって、土地の明渡請求と当該土地の明渡しまでの賃料に相当する額の損害の賠償請求とが1の訴えでされた場合には、裁判所は、各請求について判決をする必要がある。

(H26 共通 第60問 4)
消費貸借契約に基づく貸金100万円の支払請求と、仮に当該契約が無効であるときには不当利得として同額の支払を求める請求とが1の訴えでされた場合において、裁判所は、前者の請求を認容するときは、後者の請求について判決をする必要はない。

(正答)

(解説)
予備的併合は、両立し得ない数個の請求につき、主位的請求の認容を解除条件として予備的請求の審判を求める併合形態である。
本肢における消費貸借契約に基づく貸金100万円の支払請求(主位的請求)と、仮に当該契約が無効であるときには不当利得として同額の支払を求める請求(予備的請求)とが1の訴えでされた場合、両請求は予備的併合の関係に立つ。そして、予備的併合において主位的請求を認容する場合には、予備的請求についての審判の解除条件が成就するため、裁判所は予備的請求について判決をする必要はない。
したがって、裁判所は、前者の請求を認容するときは、後者の請求について判決をする必要はない。

(H26 共通 第60問 5)
不特定物の引渡しの請求とその執行不能の場合における代償請求とが1の訴えでされた場合において、裁判所は、前者の請求を認容するときは、後者の請求について判決をする必要はない。

(正答)

(解説)
不特定物の引渡しの請求と、その執行不能の場合における代償請求とが1の訴えでされた場合、両請求の併合形態は単純併合に当たる。そして、単純併合の場合、裁判所は、併合された各請求のすべてについて判決をする必要があるため、前者の請求を認容するときにも、執行不能の場合に備えて後者の代償請求について判決をしなければならない。

(R5 予備 第38問 ア)
原告が被告に対して、主位的に売買契約に基づき代金の支払を求めるとともに、売買契約が無効であると判断される場合に備えて、主位的請求が認容されることを解除条件として、予備的に所有権に基づき目的物の返還を求めた場合には、裁判所は、目的物の返還請求権の存否に先立って、売買代金の支払請求権の存否について判断しなければならない。

(正答)

(解説)
予備的併合は、両立し得ない数個の請求につき、主位的請求の認容を解除条件として予備的請求の審判を求める併合形態である。そして、予備的併合において、原告が主位的請求と予備的請求との間に付けた審判の順位は裁判所を拘束するため、裁判所は、主位的請求の存否について先に判断し、それが理由がないと判断した場合にのみ、予備的請求について判断しなければならない。
したがって、原告が被告に対して、主位的に売買契約に基づき代金の支払を求めるとともに、売買契約が無効であると判断される場合に備えて、主位的請求が認容されることを解除条件として、予備的に所有権に基づき目的物の返還を求めた場合には、裁判所は、目的物の返還請求権の存否に先立って、売買代金の支払請求権の存否について判断しなければならない。
総合メモ
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