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刑事訴訟法 設備不備を理由とする接見拒否 最三小判平成17年4月19日
概要
①弁護人から検察庁の庁舎内に居る被疑者との接見の申出を受けた検察官は、同庁舎内に、その本来の用途、設備内容等からみて、検察官が、その部屋等を接見のためにも用い得ることを容易に想到することができ、また、その部屋等を接見のために用いても、被疑者の逃亡、罪証の隠滅及び戒護上の支障の発生の防止の観点からの問題が生じないことを容易に判断し得るような部屋等が存しない場合には、接見の申出を拒否することができる。
②検察官が検察庁の庁舎内に接見の場所が存在しないことを理由として同庁舎内に居る被疑者との接見の申出を拒否したにもかかわらず、弁護人がなお同庁舎内における即時の接見を求め、即時に接見をする必要性が認められる場合には、検察官には、捜査に顕著な支障が生ずる場合でない限り、秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の「接見」(面会接見)であってもよいかどうかという点につき、弁護人の意向を確かめ、弁護人がそのような面会接見であっても差し支えないとの意向を示したときは、面会接見ができるように特別の配慮をすべき義務がある。
②検察官が検察庁の庁舎内に接見の場所が存在しないことを理由として同庁舎内に居る被疑者との接見の申出を拒否したにもかかわらず、弁護人がなお同庁舎内における即時の接見を求め、即時に接見をする必要性が認められる場合には、検察官には、捜査に顕著な支障が生ずる場合でない限り、秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の「接見」(面会接見)であってもよいかどうかという点につき、弁護人の意向を確かめ、弁護人がそのような面会接見であっても差し支えないとの意向を示したときは、面会接見ができるように特別の配慮をすべき義務がある。
判例
事案:弁護人が、検察庁の庁舎内にて取り調べ中の被疑者について接見を申し出たところ、捜査への支障等は生じないものの、接見を行い得る設備がないことを理由に接見の申し出が拒否されたため、弁護人である弁護士が国家賠償請求訴訟を提起した事案において、①接見を行い得る設備がない場合に接見申出を拒否することができるか、及び、②接見を行い得る設備がない場合に捜査機関のとるべき措置の内容が問題となった。
判旨:①「被疑者と弁護人等との接見には、被疑者の逃亡、罪証の隠滅及び戒護上の支障の発生の防止の観点からの制約があるから、検察庁の庁舎内において、弁護人等と被疑者との立会人なしの接見を認めても、被疑者の逃亡や罪証の隠滅を防止することができ、戒護上の支障が生じないような設備のある部屋等が存在しない場合には、上記の申出を拒否したとしても、これを違法ということはできない。そして、上記の設備のある部屋等とは、接見室等の接見のための専用の設備がある部屋に限られるものではないが、その本来の用途、設備内容等からみて、接見の申出を受けた検察官が、その部屋等を接見のためにも用い得ることを容易に想到することができ、また、その部屋等を接見のために用いても、被疑者の逃亡、罪証の隠滅及び戒護上の支障の発生の防止の観点からの問題が生じないことを容易に判断し得るような部屋等でなければならないものというべきである。」
②「刑訴法39条所定の接見を認める余地がなく、その拒否が違法でないとしても、同条の趣旨が、接見交通権の行使と被疑者の取調べ等の捜査の必要との合理的な調整を図ろうとするものであること(前記大法廷判決(注:最判平11.3.24)参照)にかんがみると、検察官が上記の設備のある部屋等が存在しないことを理由として接見の申出を拒否したにもかかわらず、弁護人等がなお検察庁の庁舎内における即時の接見を求め、即時に接見をする必要性が認められる場合には、検察官は、例えば立会人の居る部屋での短時間の『接見』などのように、いわゆる秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の『接見』(以下、便宜『面会接見』という。)であってもよいかどうかという点につき、弁護人等の意向を確かめ、弁護人等がそのような面会接見であっても差し支えないとの意向を示したときは、面会接見ができるように特別の配慮をすべき義務があると解するのが相当である。」
判旨:①「被疑者と弁護人等との接見には、被疑者の逃亡、罪証の隠滅及び戒護上の支障の発生の防止の観点からの制約があるから、検察庁の庁舎内において、弁護人等と被疑者との立会人なしの接見を認めても、被疑者の逃亡や罪証の隠滅を防止することができ、戒護上の支障が生じないような設備のある部屋等が存在しない場合には、上記の申出を拒否したとしても、これを違法ということはできない。そして、上記の設備のある部屋等とは、接見室等の接見のための専用の設備がある部屋に限られるものではないが、その本来の用途、設備内容等からみて、接見の申出を受けた検察官が、その部屋等を接見のためにも用い得ることを容易に想到することができ、また、その部屋等を接見のために用いても、被疑者の逃亡、罪証の隠滅及び戒護上の支障の発生の防止の観点からの問題が生じないことを容易に判断し得るような部屋等でなければならないものというべきである。」
②「刑訴法39条所定の接見を認める余地がなく、その拒否が違法でないとしても、同条の趣旨が、接見交通権の行使と被疑者の取調べ等の捜査の必要との合理的な調整を図ろうとするものであること(前記大法廷判決(注:最判平11.3.24)参照)にかんがみると、検察官が上記の設備のある部屋等が存在しないことを理由として接見の申出を拒否したにもかかわらず、弁護人等がなお検察庁の庁舎内における即時の接見を求め、即時に接見をする必要性が認められる場合には、検察官は、例えば立会人の居る部屋での短時間の『接見』などのように、いわゆる秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の『接見』(以下、便宜『面会接見』という。)であってもよいかどうかという点につき、弁護人等の意向を確かめ、弁護人等がそのような面会接見であっても差し支えないとの意向を示したときは、面会接見ができるように特別の配慮をすべき義務があると解するのが相当である。」
過去問・解説
(H22 司法 第26問 エ)
検察官が庁舎内に接見設備のある部屋等が存在しないことを理由として接見の申出を拒否したにもかかわらず、弁護人がなお検察庁の庁舎内における即時の接見を求め、即時に接見する必要性が認められる場合には、検察官は、いわゆる秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の面会接見であってもよいかどうかという点につき、弁護人の意向を確かめ、弁護人がそのような面会接見であっても差し支えないとの意向を示したときは、面会接見ができるように特別の配慮をすべき義務がある。
検察官が庁舎内に接見設備のある部屋等が存在しないことを理由として接見の申出を拒否したにもかかわらず、弁護人がなお検察庁の庁舎内における即時の接見を求め、即時に接見する必要性が認められる場合には、検察官は、いわゆる秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の面会接見であってもよいかどうかという点につき、弁護人の意向を確かめ、弁護人がそのような面会接見であっても差し支えないとの意向を示したときは、面会接見ができるように特別の配慮をすべき義務がある。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平17.4.19)は、「被疑者と弁護人等との接見には、被疑者の逃亡、罪証の隠滅及び戒護上の支障の発生の防止の観点からの制約があるから、検察庁の庁舎内において、弁護人等と被疑者との立会人なしの接見を認めても、被疑者の逃亡や罪証の隠滅を防止することができ、戒護上の支障が生じないような設備のある部屋等が存在しない場合には、上記の申出を拒否したとしても、これを違法ということはできない。」としつつも、「検察官が上記の設備のある部屋等が存在しないことを理由として接見の申出を拒否したにもかかわらず、弁護人等がなお検察庁の庁舎内における即時の接見を求め、即時に接見をする必要性が認められる場合には、検察官は、例えば立会人の居る部屋での短時間の『接見』などのように、いわゆる秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の『接見』(以下、便宜『面会接見』という。)であってもよいかどうかという点につき、弁護人等の意向を確かめ、弁護人等がそのような面会接見であっても差し支えないとの意向を示したときは、面会接見ができるように特別の配慮をすべき義務がある…。」としている。
判例(最判平17.4.19)は、「被疑者と弁護人等との接見には、被疑者の逃亡、罪証の隠滅及び戒護上の支障の発生の防止の観点からの制約があるから、検察庁の庁舎内において、弁護人等と被疑者との立会人なしの接見を認めても、被疑者の逃亡や罪証の隠滅を防止することができ、戒護上の支障が生じないような設備のある部屋等が存在しない場合には、上記の申出を拒否したとしても、これを違法ということはできない。」としつつも、「検察官が上記の設備のある部屋等が存在しないことを理由として接見の申出を拒否したにもかかわらず、弁護人等がなお検察庁の庁舎内における即時の接見を求め、即時に接見をする必要性が認められる場合には、検察官は、例えば立会人の居る部屋での短時間の『接見』などのように、いわゆる秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の『接見』(以下、便宜『面会接見』という。)であってもよいかどうかという点につき、弁護人等の意向を確かめ、弁護人等がそのような面会接見であっても差し支えないとの意向を示したときは、面会接見ができるように特別の配慮をすべき義務がある…。」としている。
(R6 予備 第18問 オ)
検察官が検察庁の庁舎内に接見設備のある部屋等が存在しないことを理由として接見の申出を拒否したにもかかわらず、弁護人がなお同庁舎内における即時の接見を求め、即時に接見する必要性が認められる場合には、検察官は、例えば立会人のいる部屋での短時間の接見などのように、いわゆる秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の接見であってもよいかどうかという点につき、弁護人の意向を確かめ、弁護人がそのような接見であっても差し支えないとの意向を示したときは、それができるように特別の配慮をすべき義務がある。
検察官が検察庁の庁舎内に接見設備のある部屋等が存在しないことを理由として接見の申出を拒否したにもかかわらず、弁護人がなお同庁舎内における即時の接見を求め、即時に接見する必要性が認められる場合には、検察官は、例えば立会人のいる部屋での短時間の接見などのように、いわゆる秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の接見であってもよいかどうかという点につき、弁護人の意向を確かめ、弁護人がそのような接見であっても差し支えないとの意向を示したときは、それができるように特別の配慮をすべき義務がある。
(正答)〇
(解説)
判例(最決平17.4.19)は、「検察官が上記の設備のある部屋等が存在しないことを理由として接見の申出を拒否したにもかかわらず、弁護人等がなお検察庁の庁舎内における即時の接見を求め、即時に接見をする必要性が認められる場合には、検察官は、例えば立会人の居る部屋での短時間の『接見』などのように、いわゆる秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の『接見』(以下、便宜『面会接見』という。)であってもよいかどうかという点につき、弁護人等の意向を確かめ、弁護人等がそのような面会接見であっても差し支えないとの意向を示したときは、面会接見ができるように特別の配慮をすべき義務がある…。」としている。
判例(最決平17.4.19)は、「検察官が上記の設備のある部屋等が存在しないことを理由として接見の申出を拒否したにもかかわらず、弁護人等がなお検察庁の庁舎内における即時の接見を求め、即時に接見をする必要性が認められる場合には、検察官は、例えば立会人の居る部屋での短時間の『接見』などのように、いわゆる秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の『接見』(以下、便宜『面会接見』という。)であってもよいかどうかという点につき、弁護人等の意向を確かめ、弁護人等がそのような面会接見であっても差し支えないとの意向を示したときは、面会接見ができるように特別の配慮をすべき義務がある…。」としている。