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刑事訴訟法 公訴提起後の余罪捜査の必要性を理由とした接見指定 最三小決昭和41年7月26日
概要
公訴の提起後は、余罪について捜査の必要がある場合であっても、検察官、検察事務官または司法警察職員は、被告事件の弁護人または弁護人となろうとする者に対し、39条第3項の指定権を行使することができない。
判例
事案:弁護人が被告人との接見を申し出たのに対し、捜査官が、被告事件の余罪捜査の必要性を理由として接見を拒否したという事案において、かかる措置が許されるかが問題となった。
判旨:「本件検察官および司法警察員は、被告人の弁護人(弁護人となろうとする者についても同じ。)であっても、余罪の関係では被疑者の弁護人であり、したがって、刑訴法39条1項の接見については、なお同条3項の指定権に基づく制約をなしうるものとの解釈のもとに、本件4名の接見を拒否した疑いが濃厚であり、これに反する原決定の判断は、重大な事実誤認の疑いがあるといわなければならない。
およそ、公訴の提起後は、余罪について捜査の必要がある場合であっても、検察官等は、被告事件の弁護人または弁護人となろうとする者に対し、同39条3項の指定権を行使しえないものと解すべきであり、検察官等がそのような権限があるものと誤解して、同条1項の接見等を拒否した場合、その処分に不服がある者は、同430条により準抗告を申し立てうるものと解するのを相当とする。」
判旨:「本件検察官および司法警察員は、被告人の弁護人(弁護人となろうとする者についても同じ。)であっても、余罪の関係では被疑者の弁護人であり、したがって、刑訴法39条1項の接見については、なお同条3項の指定権に基づく制約をなしうるものとの解釈のもとに、本件4名の接見を拒否した疑いが濃厚であり、これに反する原決定の判断は、重大な事実誤認の疑いがあるといわなければならない。
およそ、公訴の提起後は、余罪について捜査の必要がある場合であっても、検察官等は、被告事件の弁護人または弁護人となろうとする者に対し、同39条3項の指定権を行使しえないものと解すべきであり、検察官等がそのような権限があるものと誤解して、同条1項の接見等を拒否した場合、その処分に不服がある者は、同430条により準抗告を申し立てうるものと解するのを相当とする。」
過去問・解説
(H21 司法 第27問 イ)
【事例】
甲は、平成〇年4月10日、X市で発生した窃盗事件(①事件)で逮捕され、4月13日に勾留された後、5月2日、窃盗罪で起訴された。①事件の捜査中、甲にY市で発生した殺人事件(②事件)の被疑者である嫌疑が生じたため、起訴後に勾留されていた甲は、5月3日以降、②事件について任意で取り調べられた。その後、甲は、5月10日、②事件で逮捕され、5月13日に勾留された後、6月1日、殺人罪で起訴された。
他方、甲の妻は、4月10日、弁護士Aを①事件の弁護人として選任し、5月4日、弁護士Bを②事件の弁護人として選任した。
5月5日の弁護人Aによる接見について、指定権を行使することができる場合がある。
【事例】
甲は、平成〇年4月10日、X市で発生した窃盗事件(①事件)で逮捕され、4月13日に勾留された後、5月2日、窃盗罪で起訴された。①事件の捜査中、甲にY市で発生した殺人事件(②事件)の被疑者である嫌疑が生じたため、起訴後に勾留されていた甲は、5月3日以降、②事件について任意で取り調べられた。その後、甲は、5月10日、②事件で逮捕され、5月13日に勾留された後、6月1日、殺人罪で起訴された。
他方、甲の妻は、4月10日、弁護士Aを①事件の弁護人として選任し、5月4日、弁護士Bを②事件の弁護人として選任した。
5月5日の弁護人Aによる接見について、指定権を行使することができる場合がある。
(正答)✕
(解説)
まず、①事件はすでに公訴提起されているところ、39条3項本文は、「検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り...接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。」と規定している。
したがって、①事件を理由に接見指定することはできない。
また、判例(最決昭41.7.26)は、「公訴の提起後は、余罪について捜査の必要がある場合であっても、検察官等は、被告事件の弁護人または弁護人となろうとする者に対し、同39条3項の指定権を行使しえない…。」としており、身体拘束のない余罪捜査の必要性を理由とした接見指定も認めていない。
したがって、②事件に基づく接見指定も行い得ない。
よって、5月5日の弁護人Aによる接見について、指定権を行使することはできない。
まず、①事件はすでに公訴提起されているところ、39条3項本文は、「検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り...接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。」と規定している。
したがって、①事件を理由に接見指定することはできない。
また、判例(最決昭41.7.26)は、「公訴の提起後は、余罪について捜査の必要がある場合であっても、検察官等は、被告事件の弁護人または弁護人となろうとする者に対し、同39条3項の指定権を行使しえない…。」としており、身体拘束のない余罪捜査の必要性を理由とした接見指定も認めていない。
したがって、②事件に基づく接見指定も行い得ない。
よって、5月5日の弁護人Aによる接見について、指定権を行使することはできない。