現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

刑事訴訟法 実況見分調書の伝聞例外 最一小判昭和35年9月8日

概要
321条3項所定の書面には捜査機関が任意処分として行なう検証の結果を記載したいわゆる実況見分調書も包含する。
判例
事案:実況見分調書の伝聞例外の要件は何条によるかが争われた。

判旨:「刑訴321条3項所定の書面には捜査機関が任意処分として行う検証の結果を記載したいわゆる実況見分調書も包含するものと解するを相当と...する。」
過去問・解説
(H22 司法 第33問 2)
【事例】
 被告人甲は、運転していた普通乗用自動車を歩行中のVに衝突させて傷害を負わせ、前方不注視の過失による自動車運転過失致傷罪で起訴された。第1回公判期日において、甲の弁護人は、事故直後に犯行現場で実施された実況見分に甲が立ち会ったことは争わないものの、前方不注視の過失の有無を争い、検察官から事前に開示されていた同実況見分に係る実況見分調書について不同意の意見を述べた。そこで、検察官は、その作成者である司法警察員Kの証人尋問を請求し、裁判所の採用決定を経て、次のとおりKの証人尋問を行った。
【Kの証人尋問】
検察官. 証人は、本件当時、〇〇警察署交通課に警部補として勤務していましたね。
K.   はい。
検察官. 証人は、平成×年×月×日、本件犯行現場で現場の状況に関する実況見分を行いましたか。
K.   はい。
検察官. 証人は、実況見分の経過と結果を書面にしましたか。
K.   はい。
検察官. 検察官請求に係るK作成の実況見分調書を示します。証人が作成した実況見分調書は、これですか。
K.   (2)はい。この実況見分調書は、私が自分で作成したものに間違いありません。

(2)の証言は、実況見分調書の作成者であるKが、公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときに該当するので、実況見分調書を証拠とするには、この証言で足りる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭35.9.8)は、「刑訴321条3項所定の書面には捜査機関が任意処分として行う検証の結果を記載したいわゆる実況見分調書も包含する…。」としている。
本肢の実況見分調書についても、作成者による、いわゆる真正作成供述がなされれば伝聞例外を満たすこととなる。
真正作成供述とは、作成名義が真正であること(作成名義の真正)だけでなく、その検証が正確な観察によること、及びその結果を調書に正確に記載したこと(記載の真正)の供述を意味するところ、(2)の証言は、作成名義の真正を述べるにとどまる。
したがって、伝聞例外の要件を満たしておらず、実況見分調書を証拠とすることはできない。

(H23 司法 第34問 エ)
被告人甲が、被害者V宅において、Vを包丁で突き刺して殺害したという事件に関し、後記cの【証拠】がある。
【証拠】
c.Vの妻A立会いのもとで、司法警察職員が任意処分として行った検証の結果を記載した書面

刑事訴訟法第321条第3項の「検証の結果を記載した書面」とは、裁判官の発する令状により行った検証の結果を記載した書面を意味するから、捜査機関が任意処分として行った検証の結果を記載した書面であるcは、同項の「検証の結果を記載した書面」には該当しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭35.9.8)は、「刑訴321条3項所定の書面には捜査機関が任意処分として行う検証の結果を記載したいわゆる実況見分調書も包含する…。」としている。
したがって、捜査機関が任意処分として行った検証の結果を記載した書面であるcも、同項の「検証の結果を記載した書面」に該当する。
総合メモ
前の判例 次の判例