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刑事訴訟法 実況見分調書における現場写真 最二小決昭和59年12月21日

概要
犯行の状況等を撮影したいわゆる現場写真は、非供述証拠に属し、当該写真自体又は他の証拠により事件との関連性を認めうる限り証拠能力を具備する。
判例
事案:騒乱罪等の犯行の状況を撮影した現場写真が証拠として提出された事案において、実況見分調書の現場写真については関連性が認められる限り証拠能力を有するとして、撮影者の関連性に関する証言を要するかが問題となった。

判旨:「犯行の状況等を撮影したいわゆる現場写真は、非供述証拠に属し、当該写真自体又はその他の証拠により事件との関連性を認めうる限り証拠能力を具備するものであって、これを証拠として採用するためには、必ずしも撮影者らに現場写真の作成過程ないし事件との関連性を証言させることを要するものではない。」
過去問・解説
(H22 司法 第33問 3)
【事例】
 被告人甲は、運転していた普通乗用自動車を歩行中のVに衝突させて傷害を負わせ、前方不注視の過失による自動車運転過失致傷罪で起訴された。第1回公判期日において、甲の弁護人は、事故直後に犯行現場で実施された実況見分に甲が立ち会ったことは争わないものの、前方不注視の過失の有無を争い、検察官から事前に開示されていた同実況見分に係る実況見分調書について不同意の意見を述べた。そこで、検察官は、その作成者である司法警察員Kの証人尋問を請求し、裁判所の採用決定を経て、次のとおりKの証人尋問を行った。
【Kの証人尋問】
検察官. 証人は、本件当時、〇〇警察署交通課に警部補として勤務していましたね。
K.   はい。
検察官. 証人は、平成×年×月×日、本件犯行現場で現場の状況に関する実況見分を行いましたか。
K.   はい。
検察官. 証人は、実況見分の経過と結果を書面にしましたか。
K.   はい。
検察官. (1)検察官請求に係るK作成の実況見分調書を示します。証人が作成した実況見分調書は、これですか。
K.   (2)はい。この実況見分調書は、私が自分で作成したものに間違いありません。
検察官. 実況見分調書に添付された現場の写真を示します。この写真は、証人が撮影しましたか。
K.   (3)いいえ。私が、部下のL巡査部長に命じて撮影させました。

(3)の証言によると、写真の撮影をKがしていないので、写真を証拠とするためには、撮影者であるL巡査部長を証人尋問して、事件との関連性を立証しなければならない。

(正答)

(解説)
判例(最決昭59.12.21)は、「犯行の状況等を撮影したいわゆる現場写真は、非供述証拠に属し、当該写真自体又はその他の証拠により事件との関連性を認めうる限り証拠能力を具備するものであって、これを証拠として採用するためには、必ずしも撮影者らに現場写真の作成過程ないし事件との関連性を証言させることを要するものではない。」としている。
したがって、関連性の立証は、撮影者であるL巡査部長の証人尋問による必要はない。
総合メモ
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