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刑事訴訟法 321条1項2号但書の「特に信用すべき情況」の判断において供述内容を考慮することの可否 最三小判昭和30年1月11日

概要
①321条1項2号後段の調書の証拠調をその証人尋問期日の後の期日に行ったところで憲法37条2項に反しない。
②同号但書にいわゆる「前の供述を信用すべき特別の情況」は必ずしも外部的な特別の事情によらなくても、その供述の内容自体によって判断することができる。
判例
事案:321条1項2号但書の「特に信用すべき情況」の判断において、供述がなされた際の外部的事情を推知させる事由として供述内容が考慮された事案において、①同号後段の調書の取調時期、及び②同号但書の「前の供述を信用すべき特別の状況」の判断基準が問題となった。

判旨:①「各証人に対する検察官の面前調書の証拠調が、これら各証人を尋問した公判期日の後の公判期日で行われたからといって憲法37条2項の保障する被告人らの反対尋問権を奪ったことにならないことは既に当裁判所大法廷判例の趣旨とするところである(昭和24年(つ)93号同25年3月6日・刑事判例集4巻3号308頁)。しかも、本件における主要な争点たる金銭供与の趣旨、検察官に対する供述の任意性の有無については、既に先の証人尋問に際し、反対尋問権の行使の機会が与えられているに止まらず、記録に徴すると充分に反対尋問が行われているのである。また証拠調に当って当事者に異議があったからといってその意見を聴いた上で決定をし、適法に証拠調をした以上、証拠調手続が違法となるの理はなく、更に第1審裁判所がこれら証人の再尋問の請求を却下したからといって先に適法になされた証拠調が遡って不適法になる理由もない。所論は採用できない(昭和27年(あ)6704号同29年5月11日第三小法廷判決参照)。」
 ②「刑訴321条1項2号は、伝聞証拠排斥に関する同320条の例外規定の1つであって、このような供述調書を証拠とする必要性とその証拠について反対尋問を経ないでも充分の信用性ある情況の存在をその理由とするものである。そして証人が検察官の面前調書と異った供述をしたことによりその必要性は充たされるし、また必ずしも外部的な特別の事情でなくても、その供述の内容自体によってそれが信用性ある情況の存在を推知せしめる事由となると解すべきものである。」
過去問・解説
(H19 司法 第33問 5)
321条1項2号ただし書の「前の供述を信用すべき特別の情況」は、供述がなされた際の外部的な事情のみを判断資料とすべきであり、この「特別の情況」を推知させる事由として、その供述内容を考慮することはできない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭30.1.11)は、321条1項2号但書の「前の供述を信用すべき特別の情況」の判断について、「必ずしも外部的な特別の事情でなくても、その供述の内容自体によってそれが信用性ある情況の存在を推知せしめる事由となる...。」としている。
したがって、「特別の情況」を推知させる事由として、その供述内容を考慮することも可能である。
総合メモ
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