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刑事訴訟法 日本語を理解しない外国人の日本語による供述調書 東京高判昭和51年11月24日
概要
日本語を理解しない外国人の日本語による供述調書の証拠能力が認められる。
判例
事案:日本語を理解しない外国人の日本語による供述調書の証拠能力について、その内容を被疑者の理解できる言語に翻訳した文書を同時に作成し、かつ、これに被疑者の確認の署名または押印を得ておかなくても、証拠能力が認められるかが問題となった。
判旨:「日本語を理解しない被疑者の取調にあたり立会わせた通訳人をして被疑者の供述を日本語に通訳させ、さらに日本語で記載された供述調書の内容を被疑者に通訳させてこれを理解させ、日本語の記載が被疑者の供述に符合していることを確認させて日本文調書に署名等を求めるという方式にとどめる場合には、右の過程で供述と記載の間に二重のそごが生じる可能性があり、しかもその発生原因となると思われる当該通訳人の通訳人としての一般的能力や通訳時における通訳の正確性あるいは通訳人としての公平性などを供述調書と翻訳文のそれぞれの記載自体を対比するという方法によって事後に吟味をすることができないという問題があって、この点から完壁さを欠くことになることは否み得ないところではあるけれども、他面、通訳が多分に機械的、技術的な性質のものであることを考えると、これら通訳人の能力や通訳時の正確性さらには公平性などは、当該通訳人や取調官などを証人として尋問し、あるいは被疑者に対する本人質問を行うなどの方法によって事後的に吟味・確認することができるものであるから、翻訳文を欠くからといって、ただちに通訳の正確性などは事後の確認が不可能であるとして被疑者調書としての証拠能力自体を否定し去るのは相当ではなく、翻訳文を欠く日本語の供述調書であっても、事後の吟味、検討によってその作成時の通訳の正確性等に疑問のないことが確認できた場合には、所定の要件を備えているかぎりこれに刑訴法322条1項に定める調書としての証拠能力を認めることができるものというべきである。」
判旨:「日本語を理解しない被疑者の取調にあたり立会わせた通訳人をして被疑者の供述を日本語に通訳させ、さらに日本語で記載された供述調書の内容を被疑者に通訳させてこれを理解させ、日本語の記載が被疑者の供述に符合していることを確認させて日本文調書に署名等を求めるという方式にとどめる場合には、右の過程で供述と記載の間に二重のそごが生じる可能性があり、しかもその発生原因となると思われる当該通訳人の通訳人としての一般的能力や通訳時における通訳の正確性あるいは通訳人としての公平性などを供述調書と翻訳文のそれぞれの記載自体を対比するという方法によって事後に吟味をすることができないという問題があって、この点から完壁さを欠くことになることは否み得ないところではあるけれども、他面、通訳が多分に機械的、技術的な性質のものであることを考えると、これら通訳人の能力や通訳時の正確性さらには公平性などは、当該通訳人や取調官などを証人として尋問し、あるいは被疑者に対する本人質問を行うなどの方法によって事後的に吟味・確認することができるものであるから、翻訳文を欠くからといって、ただちに通訳の正確性などは事後の確認が不可能であるとして被疑者調書としての証拠能力自体を否定し去るのは相当ではなく、翻訳文を欠く日本語の供述調書であっても、事後の吟味、検討によってその作成時の通訳の正確性等に疑問のないことが確認できた場合には、所定の要件を備えているかぎりこれに刑訴法322条1項に定める調書としての証拠能力を認めることができるものというべきである。」
過去問・解説
(R6 予備 第23問 オ)
司法警察職員は、日本語に通じない被疑者を通訳を介して取り調べる場合、その供述録取書を日本語で作成しても違法ではない。
司法警察職員は、日本語に通じない被疑者を通訳を介して取り調べる場合、その供述録取書を日本語で作成しても違法ではない。
(正答)〇
(解説)
裁判例(東京高判昭51.11.24)は、「日本語を理解しない被疑者の取調にあたり立会わせた通訳人をして被疑者の供述を日本語に通訳させ、さらに日本語で記載された供述調書の内容を被疑者に通訳させてこれを理解させ、日本語の記載が被疑者の供述に符合していることを確認させて日本文調書に署名等を求めるという方式にとどめる場合...であっても、事後の吟味、検討によってその作成時の通訳の正確性等に疑問のないことが確認できた場合には、所定の要件を備えているかぎりこれに刑訴法322条1項に定める調書としての証拠能力を認めることができる…。」としている。
裁判例(東京高判昭51.11.24)は、「日本語を理解しない被疑者の取調にあたり立会わせた通訳人をして被疑者の供述を日本語に通訳させ、さらに日本語で記載された供述調書の内容を被疑者に通訳させてこれを理解させ、日本語の記載が被疑者の供述に符合していることを確認させて日本文調書に署名等を求めるという方式にとどめる場合...であっても、事後の吟味、検討によってその作成時の通訳の正確性等に疑問のないことが確認できた場合には、所定の要件を備えているかぎりこれに刑訴法322条1項に定める調書としての証拠能力を認めることができる…。」としている。