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公判の裁判

第331条

条文
第331条(管轄違い言渡しの制限)
① 裁判所は、被告人の申立がなければ、土地管轄について、管轄違の言渡をすることができない。
② 管轄違の申立は、被告事件につき証拠調を開始した後は、これをすることができない。
過去問・解説
(H21 司法 第38問 ア)
裁判所は、窃盗罪により起訴された事件について、その土地管轄がないことが明らかとなった場合でも、同事件につき証拠調べを開始する前に被告人の申立てがなければ、判決で管轄違いの言渡しをすることはできない。

(正答)

(解説)
331条は、1項において、「裁判所は、被告人の申立がなければ、土地管轄について、管轄違の言渡をすることができない。」と規定し、2項において、「管轄違の申立は、被告事件につき証拠調を開始した後は、これをすることができない。」と規定している。
したがって、窃盗罪により起訴された事件について、その土地管轄がないことが明らかとなった場合でも、同事件につき証拠調べを開始する前に被告人の申立てがなければ、判決で管轄違いの言渡しをすることはできない。
総合メモ

第333条

条文
第333条(刑の言渡しの判決、刑の執行猶予の言渡し)
① 被告事件について犯罪の証明があったときは、第334条の場合を除いては、判決で刑の言渡をしなければならない。
② 刑の執行猶予は、刑の言渡しと同時に、判決でその言渡しをしなければならない。猶予の期間中保護観察に付する場合も、同様とする。

刑事訴訟規則第220条(上訴期間等告知)
 有罪の判決の宣告をする場合には、被告人に対し、上訴期間及び上訴申立書を差し出すべき裁判所を告知しなければならない。

刑事訴訟規則第221条(判決宣告後の訓戒)
 裁判長は、判決の宣告をした後、被告人に対し、その将来について適当な訓戒をすることができる。
過去問・解説
(H22 司法 第36問 3)
裁判長は、判決の宣告をした後、被告人に対し、その将来について適当な訓戒をすることができる。

(正答)

(解説)
刑事訴訟規則221条は、「裁判長は、判決の宣告をした後、被告人に対し、その将来について適当な訓戒をすることができる。」と規定している。

(H22 司法 第36問 4)
有罪の判決の宣告をする場合には、被告人に対し、上訴期間及び上訴申立書を差し出すべき裁判所を告知しなければならない。

(正答)

(解説)
刑事訴訟規則220条は、「有罪の判決の宣告をする場合には、被告人に対し、上訴期間及び上訴申立書を差し出すべき裁判所を告知しなければならない。」と規定している。

(H24 共通 第30問 ア)
裁判所は、被告事件について犯罪の証明があったときは、同事件について刑を免除するときを除き、判決で刑の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
333条は、「被告事件について犯罪の証明があったときは、第334条の場合を除いては、判決で刑の言渡をしなければならない。」と規定しており、334条は、「被告事件について刑を免除するときは、判決でその旨の言渡をしなければならない。」と規定している。
したがって、被告事件について犯罪の証明があったときは、同事件について刑を免除するときを除き、判決で刑の言渡しをしなければならない。
総合メモ

第335条

条文
第335条(有罪判決に示すべき理由)
① 有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。
② 法律上犯罪の成立を妨げる理由又は刑の加重減免の理由となる事実が主張されたときは、これに対する判断を示さなければならない。
過去問・解説
(H22 司法 第36問 1)
有罪の言渡しをするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならず、法律上犯罪の成立を妨げる理由又は刑の加重減免の理由となる事実が主張されたときは、これに対する判断を示さなければならない。

(正答)

(解説)
335条は、1項において、「有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。」と規定し、2項において、「法律上犯罪の成立を妨げる理由又は刑の加重減免の理由となる事実が主張されたときは、これに対する判断を示さなければならない。」と規定している。

(H24 共通 第37問 イ)
外国人である甲、乙、丙、丁及び戊は、共謀の上、平成23年4月1日、H県I市内において、被害者Vに対し、その顔面を多数回殴打するなどの暴行を加えてバッグ1個を強取したとして強盗罪によりH地方裁判所に起訴された。ちなみに、甲、乙、丙、丁及び戊は、いずれも、家庭裁判所に送致されることなく、成人として起訴された。その後、同年7月1日に開かれた第1回公判期日において、乙、丙、丁及び戊については、成人であることに間違いないことが確認されたが、甲については、18歳であることが判明した。また、同公判において、結審した。
 裁判所は、甲、乙及び丙については、強盗罪の共同正犯である旨の心証を抱いたが、丁については、「公訴事実記載のとおり、甲、乙及び丙と共にVに対してその顔面を多数回殴打するなどの暴行を加えたことに間違いない。しかし、これは、Vを痛めつけるために行ったものであり、Vからバッグ1個を奪うためではない。Vからバッグ1個等財物を奪う話は誰からも聞いたこともない。」との丁の公判廷での供述のとおり、強盗罪の共謀までは認められず、前記強盗の手段である暴行につき、甲、乙及び丙と共に実行行為に関与したものとして共同暴行(暴力行為等処罰に関する法律第1条違反)の共同正犯にとどまる旨の心証を抱いた。さらに、戊については、犯罪の証明がない旨の心証を抱いた。
裁判所は、乙につき、有罪の言渡しをするには、罪となるべき事実のみならず、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。

(正答)

(解説)
335条1項は、「有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。」と規定している。
したがって、裁判所は、乙につき、有罪の言渡しをするには、罪となるべき事実のみならず、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。

(H24 予備 第26問 5)
本位的訴因について有罪判決を言い渡す場合、予備的訴因については無罪判決を言い渡さなければならない。

(正答)

(解説)
335条1項は、「有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。」と規定している。
そして、訴因の予備的記載は、主位的訴因が認定されないことを停止条件として予備的訴因の認定を求めるものである。
したがって、本位的訴因について有罪判決を言い渡す場合、予備的訴因については審理判断する必要がない。
総合メモ

第336条

条文
第336条(無罪の判決)
 被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。
過去問・解説
(H22 司法 第36問 5)
被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡しをしなければならないが、被告事件が罪とならないときは、判決で公訴を棄却しなければならない。

(正答)

(解説)
336条は、「被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。」と規定している。

(H24 共通 第37問 オ)
外国人である甲、乙、丙、丁及び戊は、共謀の上、平成23年4月1日、H県I市内において、被害者Vに対し、その顔面を多数回殴打するなどの暴行を加えてバッグ1個を強取したとして強盗罪によりH地方裁判所に起訴された。ちなみに、甲、乙、丙、丁及び戊は、いずれも、家庭裁判所に送致されることなく、成人として起訴された。その後、同年7月1日に開かれた第1回公判期日において、乙、丙、丁及び戊については、成人であることに間違いないことが確認されたが、甲については、18歳であることが判明した。また、同公判において、結審した。
 裁判所は、甲、乙及び丙については、強盗罪の共同正犯である旨の心証を抱いたが、丁については、「公訴事実記載のとおり、甲、乙及び丙と共にVに対してその顔面を多数回殴打するなどの暴行を加えたことに間違いない。しかし、これは、Vを痛めつけるために行ったものであり、Vからバッグ1個を奪うためではない。Vからバッグ1個等財物を奪う話は誰からも聞いたこともない。」との丁の公判廷での供述のとおり、強盗罪の共謀までは認められず、前記強盗の手段である暴行につき、甲、乙及び丙と共に実行行為に関与したものとして共同暴行(暴力行為等処罰に関する法律第1条違反)の共同正犯にとどまる旨の心証を抱いた。さらに、戊については、犯罪の証明がない旨の心証を抱いた。
裁判所は、戊につき、無罪の言渡しをする場合には、決定ではなく、判決でしなければならない。

(正答)

(解説)
336条は、「被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。」と規定している。
したがって、戊につき、無罪の言渡しをする場合には、決定ではなく、判決でしなければならない。
総合メモ

第337条

条文
第337条(免訴の判決)
 左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。
 一 確定判決を経たとき。
 二 犯罪後の法令により刑が廃止されたとき。
 三 大赦があったとき。
 四 時効が完成したとき。

第340条(公訴取消しによる公訴棄却と再起訴の要件)
 公訴の取消による公訴棄却の決定が確定したときは、公訴の取消後犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限り、同一事件について更に公訴を提起することができる。

憲法第39条(遡及処罰の禁止・一事不再理)
何人も、実行の時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。

少年法第20条(検察官への送致)
① 家庭裁判所は、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもって、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
② 略
過去問・解説
(H19 司法 第37問 ア)
殺人罪の訴因について無罪判決が確定した後、被告人の有罪を立証するに十分な新たな証拠が発見されたことから、再度、同一事実につき殺人罪の訴因で起訴がなされたときは、免訴の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定し、1号において、「確定判決を経たとき。」を掲げている。
そして、無罪判決の確定は、「確定判決を経たとき」に該当するから、無罪判決が確定した後、被告人の有罪を立証するに十分な新たな証拠が発見されたことから、再度、同一事実につき殺人罪の訴因で起訴がなされたときは、337条により、免訴の言渡しをしなければならない。

(H19 司法 第37問 イ)
不同意わいせつ事件の唯一の告訴権者である被害者が告訴を取り消した後、同一事実について不同意わいせつ罪の訴因で起訴がなされたときは、免訴の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
不同意わいせつ罪は、非親告罪である。
したがって、告訴の有無は起訴に影響しない。
また、337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定しているものの、告訴の取消は、各号に掲げられていない。
したがって、本肢のような場合、免訴の言渡しをする必要はない。

(H19 司法 第37問 ウ)
起訴がなされた犯罪について、起訴より前に公訴時効が完成していたことが判明したときは、免訴の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定し、4号において、「時効が完成したとき。」を掲げている。
したがって、起訴より前に公訴時効が完成していたことが判明したときは、免訴の言渡しをしなければならない。

(H19 司法 第37問 エ)
公判係属中に、被告人が死亡したときは、免訴の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定しているものの、被告人の死亡は各号に掲げられていない。
他方、339条は、柱書において、「左の場合には、決定で公訴を棄却しなければならない。」と規定し、4号において、「被告人が死亡し…たとき。」を掲げている。
したがって、公判係属中に、被告人が死亡したときは、免訴の言渡しではなく、公訴の棄却をしなければならない。

(H19 司法 第37問 オ)
犯行時に18歳で、いまだ成人に達していない被疑者の刑事事件について、家庭裁判所の刑事処分を相当と認める決定を経ないで起訴がなされたときは、免訴の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
少年法20条1項は、「家庭裁判所は、…刑事処分を相当と認めるときは、決定をもって、…検察庁の検察官に送致しなければならない。」と規定している。
したがって、犯行時に18歳で、いまだ成人に達していない被疑者の刑事事件について起訴をするには、家庭裁判所の刑事処分を相当と認める決定を経る必要があり、それを経ていない本肢では、公訴提起の手続がその規定に違反しているといえる。
そして、337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定している。
しかし、公訴提起の手続がその規定に違反していることは、各号に掲げられていない。
よって、犯行時に18歳で、いまだ成人に達していない被疑者の刑事事件について、家庭裁判所の刑事処分を相当と認める決定を経ないで起訴がなされたときであっても、免訴の言渡しをする必要はない。

(H19 司法 第37問 カ)
公訴の取消し後、犯罪事実につき、新たに重要な証拠が発見されていないにもかかわらず、公訴の取消しによる公訴棄却の決定が確定した同一事実について起訴がなされたときは、免訴の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
340条は、「公訴の取消による公訴棄却の決定が確定したときは、公訴の取消後犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限り、同一事件について更に公訴を提起することができる。」と規定している。
本肢では、公訴の取消し後、犯罪事実につき、新たに重要な証拠が発見されていないにもかかわらず、公訴の取消しによる公訴棄却の決定が確定した同一事実について起訴しているため、340条に反している。
そして、337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定している。
しかし、340条に反して公訴を提起したことは、各号に掲げられていない。
したがって、公訴の取消し後、犯罪事実につき、新たに重要な証拠が発見されていないにもかかわらず、公訴の取消しによる公訴棄却の決定が確定した同一事実について起訴がなされたときであっても、免訴の言渡しをする必要はない。

(H21 司法 第38問 オ)
裁判所は、強姦の罪(旧強姦罪を意味する。)により起訴された事件について、告訴をすることができる者の告訴を欠く場合には、公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるので、免訴の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
338条は、柱書において、「左の場合には、判決で公訴を棄却しなければならない。」と規定し、4号において、「公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるとき。」を掲げている。
したがって、旧強姦罪が親告罪であった出題当時は、旧強姦罪により起訴された事件について、告訴をすることができる者の告訴を欠く場合には、公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるので、免訴の言渡しではなく公訴を棄却しなければならない。
なお、出題後の刑法の改正により、強姦の罪は不同意性交等の罪となり、親告罪ではなくなった。そのため、法改正後は、本肢は問題として成立しない。

(H22 司法 第28問 5)
有罪判決が確定した詐欺事件と牽連犯の関係にある私文書偽造被疑事件について、詐欺事件と同時に審理できた事情が認められたが、検察官において、処罰を求める必要があると判断した場合に、私文書偽造の罪名で起訴することは、違法となる。

(正答)

(解説)
337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定し、1号において、「確定判決を経たとき。」を掲げている。
これを一事不再理効というが、その効力は、公訴事実の同一性が認められる範囲に及ぶ。
そして、牽連犯の関係にある犯罪同士は、公訴事実の同一性が認められることから、私文書偽造被疑事件には、有罪判決が確定した詐欺事件の一事不再理効が及ぶ。
したがって、私文書偽造の罪名で起訴することは、一事不再理効により、違法となる。

(R5 予備 第26問 ア)
被告人Aが甲を殺害した旨の訴因について有罪判決が確定した後、検察官は、BがAと共謀の上で甲を殺害した旨の事実でBを起訴することができる。

(正答)

(解説)
337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定し、1号において、「確定判決を経たとき。」を掲げている。
これを一事不再理効といい、この一事不再理効が及ぶのは当該有罪判決を受けた被告人に限定されると解されている。
したがって、Bには一事不再理効が及ばず、Bを起訴することができる。

(R5 予備 第26問 エ)
殺人罪の訴因について無罪判決が確定した後、検察官が被告人の有罪を立証するに十分な新たな証拠が発見されたとして、再度、同事件の被告人を同一事実で起訴した場合、裁判所は、改めて審理し、有罪の判決をすることができる。

(正答)

(解説)
337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定し、1号において、「確定判決を経たとき。」を掲げている。
したがって、殺人罪の訴因について無罪判決が確定した後、同一事実で起訴された場合に、裁判所が有罪の判決をすることはできない。
総合メモ

第338条

条文
第338条(公訴棄却の判決)
 左の場合には、判決で公訴を棄却しなければならない。
 一 被告人に対して裁判権を有しないとき。
 二 第340条の規定に違反して公訴が提起されたとき。
 三 公訴の提起があった事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。
 四 公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるとき。

少年法第42条(検察官への送致)
① 検察官は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、第45条第5号本文に規定する場合を除いて、これを家庭裁判所に送致しなければならない。犯罪の嫌疑がない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料するときは、同様である。
② 略

外交関係に関するウィーン条約第31条
① 外交官は、接受国の刑事裁判権からの免除を享有する。外交官は、また、次の訴訟の場合を除くほか、民事裁判権及び行政裁判権からの免除を享有する。
(a)〜(c) 略
②〜④ 略
過去問・解説
(H21 司法 第38問 ウ)
裁判所は、在日外国大使館の公使が被告人として起訴された場合には、被告人に対して裁判権を有しないので、免訴の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
338条は、柱書において、「左の場合には、判決で公訴を棄却しなければならない。」と規定し、1号において、「被告人に対して裁判権を有しないとき。」を掲げている。
そして、外交関係に関するウィーン条約31条1項柱書前段は、「外交官は、接受国の刑事裁判権からの免除を享有する。」と規定している。
したがって、日本の裁判所は、外交官である在日外国大使館の公使に対して裁判権を有していない。
よって、免訴ではなく、判決で公訴を棄却しなければならない。

(H24 共通 第37問 ア)
外国人である甲、乙、丙、丁及び戊は、共謀の上、平成23年4月1日、H県I市内において、被害者Vに対し、その顔面を多数回殴打するなどの暴行を加えてバッグ1個を強取したとして強盗罪によりH地方裁判所に起訴された。ちなみに、甲、乙、丙、丁及び戊は、いずれも、家庭裁判所に送致されることなく、成人として起訴された。その後、同年7月1日に開かれた第1回公判期日において、乙、丙、丁及び戊については、成人であることに間違いないことが確認されたが、甲については、18歳であることが判明した。また、同公判において、結審した。
 裁判所は、甲、乙及び丙については、強盗罪の共同正犯である旨の心証を抱いたが、丁については、「公訴事実記載のとおり、甲、乙及び丙と共にVに対してその顔面を多数回殴打するなどの暴行を加えたことに間違いない。しかし、これは、Vを痛めつけるために行ったものであり、Vからバッグ1個を奪うためではない。Vからバッグ1個等財物を奪う話は誰からも聞いたこともない。」との丁の公判廷での供述のとおり、強盗罪の共謀までは認められず、前記強盗の手段である暴行につき、甲、乙及び丙と共に実行行為に関与したものとして共同暴行(暴力行為等処罰に関する法律第1条違反)の共同正犯にとどまる旨の心証を抱いた。さらに、戊については、犯罪の証明がない旨の心証を抱いた。
裁判所は、少年であることが判明した甲については、決定をもって、事件を家庭裁判所に移送しなければならない。

(正答)

(解説)
338条は、柱書において、「左の場合には、判決で公訴を棄却しなければならない。」と規定し、4号において、「公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるとき。」を掲げている。
そして、少年法42条1項前段は、「検察官は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、…これを家庭裁判所に送致しなければならない。」と規定している。
甲については、家庭裁判所への送致を経ていない以上、「公訴提起の手続がその規定に違反したため無効である」といえ、裁判所は、公訴棄却の判決をする必要がある。

(H27 予備 第18問 ア)
公訴の提起があった事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき、裁判所は公訴を棄却しなければならない。

(正答)

(解説)
338条は、柱書において、「左の場合には、判決で公訴を棄却しなければならない。」と規定し、3号において、「公訴の提起があった事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。」を掲げている。
総合メモ

第339条

条文
第339条(公訴棄却の決定)
① 左の場合には、決定で公訴を棄却しなければならない。
 一 第271条第2項の規定により公訴の提起がその効力を失ったとき。
 二 起訴状に記載された事実が真実であっても、何らの罪となるべき事実を包含していないとき。
 三 公訴が取り消されたとき。
 四 被告人が死亡し、又は被告人たる法人が存続しなくなったとき。
 五 第10条又は第11条の規定により審判してはならないとき。
② 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。        

第250条(公訴時効期間)
① 時効は、人を死亡させた罪であって禁錮以上の刑に当たるもの(死刑に当たるものを除く。)については、次に掲げる期間を経過することによって完成する。
 一〜三 略
②〜④ 略

刑法第199条(殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
過去問・解説
(H21 司法 第38問 イ)
裁判所は、殺人罪により起訴された事件について、起訴した時点で既に犯罪行為が終わった時から25年を経過している場合には、時効が完成しているので、決定で公訴を棄却しなければならない。

(正答)

(解説)
250条1項柱書は、「時効は、人を死亡させた罪であって禁錮以上の刑に当たるもの(死刑に当たるものを除く。)については、次に掲げる期間を経過することによって完成する。」と規定している。
そして、殺人罪は、死刑が規定されている(刑法199条)ことから、公訴時効が完成することはない。
なお、339条1項は、「左の場合には、決定で公訴を棄却しなければならない。」と規定しており、公訴時効が完成していることは、各号に掲げられていないため、そもそも、公訴時効が完成していることは、公訴棄却事由とならない。
総合メモ

第340条

条文
第340条(公訴取消しによる公訴棄却と再起訴の要件)
 公訴の取消による公訴棄却の決定が確定したときは、公訴の取消後犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限り、同一事件について更に公訴を提起することができる。
過去問・解説
(H24 司法 第26問 エ)
公訴の取消しによる公訴棄却の決定が確定したときは、犯罪事実につき新たに重要な証拠を発見した場合であっても、同一事件について更に公訴を提起することはできない。

(正答)

(解説)
340条は、「公訴の取消による公訴棄却の決定が確定したときは、公訴の取消後犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限り、同一事件について更に公訴を提起することができる。」と規定している。
総合メモ

第342条

条文
第342条(判決の宣告)
 判決は、公判廷において、宣告によりこれを告知する。
過去問・解説
(H24 共通 第37問 ウ)
外国人である甲、乙、丙、丁及び戊は、共謀の上、平成23年4月1日、H県I市内において、被害者Vに対し、その顔面を多数回殴打するなどの暴行を加えてバッグ1個を強取したとして強盗罪によりH地方裁判所に起訴された。ちなみに、甲、乙、丙、丁及び戊は、いずれも、家庭裁判所に送致されることなく、成人として起訴された。その後、同年7月1日に開かれた第1回公判期日において、乙、丙、丁及び戊については、成人であることに間違いないことが確認されたが、甲については、18歳であることが判明した。また、同公判において、結審した。
 裁判所は、甲、乙及び丙については、強盗罪の共同正犯である旨の心証を抱いたが、丁については、「公訴事実記載のとおり、甲、乙及び丙と共にVに対してその顔面を多数回殴打するなどの暴行を加えたことに間違いない。しかし、これは、Vを痛めつけるために行ったものであり、Vからバッグ1個を奪うためではない。Vからバッグ1個等財物を奪う話は誰からも聞いたこともない。」との丁の公判廷での供述のとおり、強盗罪の共謀までは認められず、前記強盗の手段である暴行につき、甲、乙及び丙と共に実行行為に関与したものとして共同暴行(暴力行為等処罰に関する法律第1条違反)の共同正犯にとどまる旨の心証を抱いた。さらに、戊については、犯罪の証明がない旨の心証を抱いた。
裁判所は、丙につき、有罪の言渡しをするには、宣告により判決を告知する必要があり、宣告をせずに判決書謄本を丙に交付するだけでは、丙に判決を告知したことにはならない。

(正答)

(解説)
342条は、「判決は、公判廷において、宣告によりこれを告知する。」と規定している。
したがって、裁判所は、丙につき、有罪の言渡しをするには、宣告により判決を告知する必要があり、宣告をせずに判決書謄本を丙に交付するだけでは、丙に判決を告知したことにはならない。
総合メモ

第343条

条文
第343条(拘禁刑以上の刑の宣告と保釈等の失効)
 禁錮以上の刑に処する判決の宣告があったときは、保釈又は勾留の執行停止は、その効力を失う。この場合には、あらたに保釈又は勾留の執行停止の決定がないときに限り、第98条の規定を準用する。

第98条(保釈の取消し等と収容の手続)
① 保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定があったとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定した勾留の執行停止の決定の謄本を被告人に示してこれを刑事施設に収容しなければならない。
② 前項の書面を所持しないためこれを示すことができない場合において、急速を要するときは、同項の規定にかかわらず、検察官の指揮により、被告人に対し保釈若しくは勾留の執行停止が取り消された旨又は勾留の執行停止の期間が満了した旨を告げて、これを刑事施設に収容することができる。ただし、その書面は、できる限り速やかにこれを示さなければならない。
③ 第71条の規定は、前2項の規定による収容についてこれを準用する。
過去問・解説
(H24 司法 第27問 オ)
保釈中の被告人に対して懲役4年の刑に処する判決の宣告があったときであっても、判決が確定しなければ、被告人を刑事施設に収容することはできない。

(正答)

(解説)
343条は、「禁錮以上の刑に処する判決の宣告があったときは、保釈…は、その効力を失う。この場合には、あらたに保釈又は勾留の執行停止の決定がないときに限り、第98条の規定を準用する。」と規定している。
そして、98条1項は、「保釈…を取り消す決定があったとき…は、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定した勾留の執行停止の決定の謄本を被告人に示してこれを刑事施設に収容しなければならない。」と規定している。
したがって、判決確定前であっても、被告人を刑事施設に収容することができる場合もある。

(H26 司法 第36問 イ)
業務上横領被告事件で保釈中の被告人につき懲役4年の実刑の有罪判決が宣告された場合、その判決が確定するまでは、被告人の保釈は効力を失わない。

(正答)

(解説)
343条前段は、「禁錮以上の刑に処する判決の宣告があったときは、保釈…は、その効力を失う。」と規定している。
したがって、業務上横領被告事件で保釈中の被告人につき懲役4年の実刑の有罪判決が宣告された時点で、その判決の確定を待たずに、被告人の保釈は効力を失う。
総合メモ

第344条

条文
第344条(拘禁刑以上の刑の宣告後における勾留期間・保釈)
① 禁錮以上の刑に処する判決の宣告があった後は、第60条第2項但書及び第89条の規定は、これを適用しない。
② 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があった後は、第90条の規定による保釈を許すには、同条に規定する不利益その他の不利益の程度が著しく高い場合でなければならない。ただし、保釈された場合に被告人が逃亡するおそれの程度が高くないと認めるに足りる相当な理由があるときは、この限りでない。

第89条(必要的保釈)
保釈の請求があったときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。
 一 被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
 二 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
 三 被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
 四 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
 五 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
 六 被告人の氏名又は住居が分からないとき。
過去問・解説
(H22 司法 第27問 エ)
裁判所は、被告人に対して窃盗罪により懲役に処する実刑判決の宣告があった後、保釈の請求があったときは、被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がない以上、保釈を許さなければならない。

(正答)

(解説)
89条は、柱書において、「保釈の請求があったときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。」と規定し、4号において、「被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。」を掲げている。
他方、344条は、「禁錮以上の刑に処する判決の宣告があった後は、…第89条の規定は、これを適用しない。」と規定している。
したがって、被告人に対して窃盗罪により懲役に処する実刑判決の宣告があった後、保釈の請求があったときは、被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がないとしても、保釈を許さなくてもよい。

(H26 司法 第36問 エ)
道路交通法違反被告事件で勾留中の被告人につき懲役6月の実刑の有罪判決が宣告された場合、被告人には権利保釈(必要的保釈)の規定の適用はない。

(正答)

(解説)
89条は、柱書において、「保釈の請求があったときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。」として、権利保釈(必要的保釈)について規定している。
他方、344条は、「禁錮以上の刑に処する判決の宣告があった後は、…第89条の規定は、これを適用しない。」と規定している。
総合メモ

第345条

条文
第345条(無罪等の宣告と勾留状の失効)
 無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶予、公訴棄却(第338条第4号による場合を除く。)、罰金又は科料の裁判の告知があったときは、勾留状は、その効力を失う。

第461条(略式命令)
 簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前、略式命令で、100万円以下の罰金又は科料を科することができる。この場合には、刑の執行猶予をし、没収を科し、その他付随の処分をすることができる。
過去問・解説
(H25 司法 第40問 5)
略式命令の告知があったときは、勾留状は、その効力を失う。

(正答)

(解説)
345条は、「罰金又は科料の裁判の告知があったときは、勾留状は、その効力を失う。」と規定している。
そして、461条前段は、「簡易裁判所は、…略式命令で、100万円以下の罰金又は科料を科することができる。」と規定している。
略式命令の告知は、「罰金又は科料の裁判の告知」に該当するため、略式命令の告知があったときは、勾留状は、その効力を失う。

(H26 司法 第36問 ア)
詐欺被告事件で勾留中の被告人につき懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が宣告された場合、その判決が確定するまでは、被告人は引き続き勾留される。

(正答)

(解説)
345条は、「刑の全部の執行猶予…の裁判の告知があったときは、勾留状は、その効力を失う。」と規定している。

(H26 司法 第36問 ウ)
強盗被告事件で勾留中の被告人につき無罪判決が宣告された場合、その判決が確定するまでは、被告人は引き続き勾留される。

(正答)

(解説)
345条は、「無罪…の裁判の告知があったときは、勾留状は、その効力を失う。」と規定している。
したがって、勾留中の被告人につき無罪判決が宣告された場合、その判決の確定を待たずに、勾留状の効力は失われ、被告人は引き続き勾留されない。

(H30 予備 第22問 オ)
刑の全部の執行猶予の裁判の告知があったときは、勾留状はその効力を失う。

(正答)

(解説)
345条は、「刑の全部の執行猶予…の告知があったときは、勾留状は、その効力を失う。」と規定している。

(R5 予備 第26問 ウ)
殺人被告事件で勾留中の被告人につき無罪判決が宣告された場合、その判決宣告の時点で、被告人に対する勾留状はその効力を失う。

(正答)

(解説)
345条は、「無罪…の告知があったときは、勾留状は、その効力を失う。」と規定している。
したがって、勾留中の被告人につき無罪判決が宣告された場合、その判決宣告の時点で、被告人に対する勾留状はその効力を失う。
総合メモ