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証拠
第316条の25
条文
第316条の25(開示方法等の指定)
① 裁判所は、証拠の開示の必要性の程度並びに証拠の開示によって生じるおそれのある弊害の内容及び程度その他の事情を考慮して、必要と認めるときは、第316条の14第1項(第316条の21第4項において準用する場合を含む。)の規定による開示をすべき証拠については検察官の請求により、第316条の18(第316条の22第4項において準用する場合を含む。)の規定による開示をすべき証拠については被告人又は弁護人の請求により、決定で、当該証拠の開示の時期若しくは方法を指定し、又は条件を付することができる。
② 裁判所は、前項の請求について決定をするときは、相手方の意見を聴かなければならない。
③ 第1項の請求についてした決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第316条の26(開示命令)
① 裁判所は、検察官が第316条の14第1項若しくは第316条の15第1項若しくは第2項(第316条の21第4項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)若しくは第316条の20第1項(第316条の22第5項において準用する場合を含む。)の規定による開示をすべき証拠を開示していないと認めるとき、又は被告人若しくは弁護人が第316条の18(第316条の22第4項において準用する場合を含む。)の規定による開示をすべき証拠を開示していないと認めるときは、相手方の請求により、決定で、当該証拠の開示を命じなければならない。この場合において、裁判所は、開示の時期若しくは方法を指定し、又は条件を付することができる。
② 裁判所は、前項の請求について決定をするときは、相手方の意見を聴かなければならない。
③ 第1項の請求についてした決定に対しては、即時抗告をすることができる。
① 裁判所は、証拠の開示の必要性の程度並びに証拠の開示によって生じるおそれのある弊害の内容及び程度その他の事情を考慮して、必要と認めるときは、第316条の14第1項(第316条の21第4項において準用する場合を含む。)の規定による開示をすべき証拠については検察官の請求により、第316条の18(第316条の22第4項において準用する場合を含む。)の規定による開示をすべき証拠については被告人又は弁護人の請求により、決定で、当該証拠の開示の時期若しくは方法を指定し、又は条件を付することができる。
② 裁判所は、前項の請求について決定をするときは、相手方の意見を聴かなければならない。
③ 第1項の請求についてした決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第316条の26(開示命令)
① 裁判所は、検察官が第316条の14第1項若しくは第316条の15第1項若しくは第2項(第316条の21第4項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)若しくは第316条の20第1項(第316条の22第5項において準用する場合を含む。)の規定による開示をすべき証拠を開示していないと認めるとき、又は被告人若しくは弁護人が第316条の18(第316条の22第4項において準用する場合を含む。)の規定による開示をすべき証拠を開示していないと認めるときは、相手方の請求により、決定で、当該証拠の開示を命じなければならない。この場合において、裁判所は、開示の時期若しくは方法を指定し、又は条件を付することができる。
② 裁判所は、前項の請求について決定をするときは、相手方の意見を聴かなければならない。
③ 第1項の請求についてした決定に対しては、即時抗告をすることができる。
総合メモ
第317条
条文
第317条(証拠裁判主義)
事実の認定は、証拠による。
事実の認定は、証拠による。
過去問・解説
(H21 司法 第34問 ウ)
即決裁判手続において「罪となるべき事実」を認定する場合には、同事実の存在を肯定する証拠の証明力がそれを否定する証拠の証明力を上回る程度の証明、いわゆる証拠の優越で足りる。
即決裁判手続において「罪となるべき事実」を認定する場合には、同事実の存在を肯定する証拠の証明力がそれを否定する証拠の証明力を上回る程度の証明、いわゆる証拠の優越で足りる。
(正答)✕
(解説)
335条1項は、「有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。」と規定している。
そして、ここでいう、「罪となるべき事実」を認定する場合には、原則として合理的な疑いを挟む余地がない程度に証明がなされる必要があると解されている。
また、即決裁判手続において、かかる原則の例外は規定されていない。
したがって、即決裁判手続において「罪となるべき事実」を認定する場合には、同事実の存在を肯定する証拠の証明力がそれを否定する証拠の証明力を上回る程度の証明、いわゆる証拠の優越では足りず、合理的な疑いを挟む余地がない程度に証明がなされる必要がある。
335条1項は、「有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。」と規定している。
そして、ここでいう、「罪となるべき事実」を認定する場合には、原則として合理的な疑いを挟む余地がない程度に証明がなされる必要があると解されている。
また、即決裁判手続において、かかる原則の例外は規定されていない。
したがって、即決裁判手続において「罪となるべき事実」を認定する場合には、同事実の存在を肯定する証拠の証明力がそれを否定する証拠の証明力を上回る程度の証明、いわゆる証拠の優越では足りず、合理的な疑いを挟む余地がない程度に証明がなされる必要がある。
(H23 司法 第34問 イ)
【証拠】
a.V宅でVを包丁で突き刺した旨の甲が作成した供述書
b.事件直前、V宅を訪ねてきた甲を応接間に通した後、しばらくして、Vの叫び声が聞こえ、応接間を確認したところ、倒れているVを発見した旨のVの妻Aの供述を録取した書面
c.Vの妻A立会いのもとで、司法警察職員が任意処分として行った検証の結果を記載した書面
d.犯行現場に遺留されていた包丁
e.前記包丁に付着していた血液のDNA型がVのものと一致する旨の鑑定の結果を記載した書面
f.甲宅から押収した日記(事件前日の欄に、「Vと口論となった挙句、拳で顔面を殴られた。許せない。」と記載のあるもの。)
直接証拠とは、犯罪事実の存在を直接証明する証拠であるから、aからfの中で、直接証拠は、aのみである。
【証拠】
a.V宅でVを包丁で突き刺した旨の甲が作成した供述書
b.事件直前、V宅を訪ねてきた甲を応接間に通した後、しばらくして、Vの叫び声が聞こえ、応接間を確認したところ、倒れているVを発見した旨のVの妻Aの供述を録取した書面
c.Vの妻A立会いのもとで、司法警察職員が任意処分として行った検証の結果を記載した書面
d.犯行現場に遺留されていた包丁
e.前記包丁に付着していた血液のDNA型がVのものと一致する旨の鑑定の結果を記載した書面
f.甲宅から押収した日記(事件前日の欄に、「Vと口論となった挙句、拳で顔面を殴られた。許せない。」と記載のあるもの。)
直接証拠とは、犯罪事実の存在を直接証明する証拠であるから、aからfの中で、直接証拠は、aのみである。
(正答)〇
(解説)
直接証拠とは、犯罪事実を直接証明するのに用いる証拠のことを指す。
aは、V宅でVを包丁で突き刺した旨の甲が作成した供述書であり、供述書の内容から、甲がVを殺害したという犯罪事実を直接証明するのに用いることができるため、直接証拠に当たる。
bないしfは、いずれも甲がVを殺害したという犯罪事実を推認させるものに過ぎないため、直接証拠には当たらない。
直接証拠とは、犯罪事実を直接証明するのに用いる証拠のことを指す。
aは、V宅でVを包丁で突き刺した旨の甲が作成した供述書であり、供述書の内容から、甲がVを殺害したという犯罪事実を直接証明するのに用いることができるため、直接証拠に当たる。
bないしfは、いずれも甲がVを殺害したという犯罪事実を推認させるものに過ぎないため、直接証拠には当たらない。
(H24 共通 第30問 オ)
略式手続においては、書面審理による迅速な判断が要求されることから、犯罪の証明は証拠の優越で足りる。
略式手続においては、書面審理による迅速な判断が要求されることから、犯罪の証明は証拠の優越で足りる。
(正答)✕
(解説)
335条1項は、「有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。」と規定している。
そして、ここでいう、「罪となるべき事実」を認定する場合には、原則として合理的な疑いを挟む余地がない程度に証明がなされる必要があると解されている。
また、略式手続において、かかる原則の例外は規定されていない。
したがって、略式手続においても、犯罪の証明は証拠の優越では足りず、合理的な疑いを挟む余地がない程度に証明がなされる必要がある。
335条1項は、「有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。」と規定している。
そして、ここでいう、「罪となるべき事実」を認定する場合には、原則として合理的な疑いを挟む余地がない程度に証明がなされる必要があると解されている。
また、略式手続において、かかる原則の例外は規定されていない。
したがって、略式手続においても、犯罪の証明は証拠の優越では足りず、合理的な疑いを挟む余地がない程度に証明がなされる必要がある。
総合メモ
第318条
条文
第318条(自由心証主義)
証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねる。
証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねる。
過去問・解説
(H23 共通 第33問 ウ)
裁判官が、証人の証言の信用性を判断する際には、その証人の公判廷での供述態度を考慮することができる。
裁判官が、証人の証言の信用性を判断する際には、その証人の公判廷での供述態度を考慮することができる。
(正答)〇
(解説)
318条は、「証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねる。」と規定している。
証人も証拠に当たるため、証明力としての証言の信用性の判断において、その公判廷における供述態度を考慮することも、裁判官の自由な判断の1つである。
318条は、「証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねる。」と規定している。
証人も証拠に当たるため、証明力としての証言の信用性の判断において、その公判廷における供述態度を考慮することも、裁判官の自由な判断の1つである。
(H23 共通 第33問 エ)
経験則は、経験から導き出された事物に関する一般的な法則であるが、一般に承認された科学的法則とは異なり、合理的な判断法則として共有されたものとまではいえないので、裁判官が、経験則に反する心証を形成した上で事実を認定することも許される。
経験則は、経験から導き出された事物に関する一般的な法則であるが、一般に承認された科学的法則とは異なり、合理的な判断法則として共有されたものとまではいえないので、裁判官が、経験則に反する心証を形成した上で事実を認定することも許される。
(正答)✕
(解説)
318条は、「証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねる。」と規定している。
もっとも、その「自由な判断」は、経験則や論理則にしたがった合理的なものである必要があると解されている。
したがって、裁判官が、経験則に反する心証を形成した上で事実を認定することは許されない。
318条は、「証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねる。」と規定している。
もっとも、その「自由な判断」は、経験則や論理則にしたがった合理的なものである必要があると解されている。
したがって、裁判官が、経験則に反する心証を形成した上で事実を認定することは許されない。
総合メモ
第319条
条文
第319条(自白の証拠能力・証明力)
① 強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。
② 被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
③ 前2項の自白には、起訴された犯罪について有罪であることを自認する場合を含む。
① 強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。
② 被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
③ 前2項の自白には、起訴された犯罪について有罪であることを自認する場合を含む。
過去問・解説
(R6 予備 第17問 エ)
次の【事例】で、Xの公判において、以下の各供述録取書を証拠として用いる場合(刑事訴訟法第326条及び同法第328条の場合を除く。)、その証拠能力について述べた【記述】は正しいか。
【事例】
Xは、令和5年5月1日午後11時頃、甲市内の路上で、帰宅途中の女性の横をバイクで通り過る際に、その腕からハンドバッグをひったくったという窃盗の被疑事実で逮捕された。逮捕直後の警察官による取調べにおいて、Xは、上記の犯行が行われたとされる日は、午後7時に帰宅して以降、外出しておらず、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述し、それが書面に録取された(供述録取書①)。しかし、その後の取調べで、警察官が、犯行現場付近に設置された防犯カメラに、同日午後10時58分にその場を通り過ぎるXのバイクが映っていることを告げると、Xは、同日午後11時頃に、酒を買うために犯行現場付近にあるコンビニエンスストアに出かけたことを失念しており、その際に犯行現場である道路をバイクで通ったことを思い出したが、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述を変更し、それが書面に録取された(供述録取書②)。さらに、数日後の取調べにおいて、警察官から、上記のコンビニエンスストアの防犯カメラの同年5月1日夜の録画記録にはXは全く映っていなかったことを告げられると、Xは観念した様子で、上記のひったくりを行ったことを認める供述をした。そこで、警察官はその供述を書面に録取した(供述録取書③)。
【記述】
供述録取書③については、刑事訴訟法第319条第1項は適用されず、同法第322条第1項ただし書が適用される。
次の【事例】で、Xの公判において、以下の各供述録取書を証拠として用いる場合(刑事訴訟法第326条及び同法第328条の場合を除く。)、その証拠能力について述べた【記述】は正しいか。
【事例】
Xは、令和5年5月1日午後11時頃、甲市内の路上で、帰宅途中の女性の横をバイクで通り過る際に、その腕からハンドバッグをひったくったという窃盗の被疑事実で逮捕された。逮捕直後の警察官による取調べにおいて、Xは、上記の犯行が行われたとされる日は、午後7時に帰宅して以降、外出しておらず、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述し、それが書面に録取された(供述録取書①)。しかし、その後の取調べで、警察官が、犯行現場付近に設置された防犯カメラに、同日午後10時58分にその場を通り過ぎるXのバイクが映っていることを告げると、Xは、同日午後11時頃に、酒を買うために犯行現場付近にあるコンビニエンスストアに出かけたことを失念しており、その際に犯行現場である道路をバイクで通ったことを思い出したが、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述を変更し、それが書面に録取された(供述録取書②)。さらに、数日後の取調べにおいて、警察官から、上記のコンビニエンスストアの防犯カメラの同年5月1日夜の録画記録にはXは全く映っていなかったことを告げられると、Xは観念した様子で、上記のひったくりを行ったことを認める供述をした。そこで、警察官はその供述を書面に録取した(供述録取書③)。
【記述】
供述録取書③については、刑事訴訟法第319条第1項は適用されず、同法第322条第1項ただし書が適用される。
(正答)✕
(解説)
319条1項は、「強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。」と規定している。
供述録取書③は「被告人の供述を録取した書面」(322条1項)に当たるものの、これには、ひったくりを認める「自白」が含まれているから、自白調書として、刑事訴訟法第319条第1項が適用される。
319条1項は、「強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。」と規定している。
供述録取書③は「被告人の供述を録取した書面」(322条1項)に当たるものの、これには、ひったくりを認める「自白」が含まれているから、自白調書として、刑事訴訟法第319条第1項が適用される。
(R6 予備 第24問 ア)
【設問】と【結論】を前提とした場合、以下の【記述】は正しいか。
【設問】
①被告人が犯行を否認している場合、被告人と共に犯行を行った旨の共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることが許されるか。
②共犯者だけでなく、被告人も犯行を行ったことを認めている場合、共犯者の自白で被告人の自白を補強して被告人を有罪とすることが許されるか。
【結論】
Ⅰ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許されない。
Ⅱ.①の場合には、被告人を有罪とすることが許されないが、②の場合には、被告人を有罪とすることが許される。
Ⅲ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許される。
【記述】
共犯者に対しては反対尋問が可能であり、反対尋問を経ない被告人の自白より反対尋問を経た共犯者の自白の証明力が強いのは当然であると考えると、結論Ⅰに結び付きやすい。
【設問】と【結論】を前提とした場合、以下の【記述】は正しいか。
【設問】
①被告人が犯行を否認している場合、被告人と共に犯行を行った旨の共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることが許されるか。
②共犯者だけでなく、被告人も犯行を行ったことを認めている場合、共犯者の自白で被告人の自白を補強して被告人を有罪とすることが許されるか。
【結論】
Ⅰ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許されない。
Ⅱ.①の場合には、被告人を有罪とすることが許されないが、②の場合には、被告人を有罪とすることが許される。
Ⅲ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許される。
【記述】
共犯者に対しては反対尋問が可能であり、反対尋問を経ない被告人の自白より反対尋問を経た共犯者の自白の証明力が強いのは当然であると考えると、結論Ⅰに結び付きやすい。
(正答)✕
(解説)
319条2項は、「被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。」と規定している。
これについて、判例(最大判昭33.5.28)は、共犯者の自白と補強証拠の要否について共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることができるとする不要説に立っている。
不要説について学説は、補強証拠法則は自由心象主義(318条)の例外で限定的に解釈すべき、共犯者に対しては反対尋問が可能で被告人の自白よりも証明力が強い、結局のところ犯罪の証明に至るためにはほかに補強証拠を必要とするこのになるであろうから、必ず必要とする意義は薄いことなどを理由として挙げる。
必要説について学説は、他に補強証拠がないなら否認した被告人が有罪で自白した共犯者が無罪という非常識な結果となる、共犯者の供述は責任転嫁の危険が大きい、被告人と共犯者の自白を区別する理由に乏しいことなどなどを理由として挙げる。
【記述】アは不要説に基づいているため、結論Ⅲと結びつきやすい。
319条2項は、「被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。」と規定している。
これについて、判例(最大判昭33.5.28)は、共犯者の自白と補強証拠の要否について共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることができるとする不要説に立っている。
不要説について学説は、補強証拠法則は自由心象主義(318条)の例外で限定的に解釈すべき、共犯者に対しては反対尋問が可能で被告人の自白よりも証明力が強い、結局のところ犯罪の証明に至るためにはほかに補強証拠を必要とするこのになるであろうから、必ず必要とする意義は薄いことなどを理由として挙げる。
必要説について学説は、他に補強証拠がないなら否認した被告人が有罪で自白した共犯者が無罪という非常識な結果となる、共犯者の供述は責任転嫁の危険が大きい、被告人と共犯者の自白を区別する理由に乏しいことなどなどを理由として挙げる。
【記述】アは不要説に基づいているため、結論Ⅲと結びつきやすい。
(R6 予備 第24問 イ)
【設問】と【結論】を前提とした場合、以下の【記述】は正しいか。
【設問】
①被告人が犯行を否認している場合、被告人と共に犯行を行った旨の共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることが許されるか。
②共犯者だけでなく、被告人も犯行を行ったことを認めている場合、共犯者の自白で被告人の自白を補強して被告人を有罪とすることが許されるか。
【結論】
Ⅰ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許されない。
Ⅱ.①の場合には、被告人を有罪とすることが許されないが、②の場合には、被告人を有罪とすることが許される。
Ⅲ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許される。
【記述】
刑事訴訟法第319条第2項の規定は、自由心証主義の例外であるから限定的に解すべきであると考えると、結論Ⅰに結び付きやすい。
【設問】と【結論】を前提とした場合、以下の【記述】は正しいか。
【設問】
①被告人が犯行を否認している場合、被告人と共に犯行を行った旨の共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることが許されるか。
②共犯者だけでなく、被告人も犯行を行ったことを認めている場合、共犯者の自白で被告人の自白を補強して被告人を有罪とすることが許されるか。
【結論】
Ⅰ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許されない。
Ⅱ.①の場合には、被告人を有罪とすることが許されないが、②の場合には、被告人を有罪とすることが許される。
Ⅲ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許される。
【記述】
刑事訴訟法第319条第2項の規定は、自由心証主義の例外であるから限定的に解すべきであると考えると、結論Ⅰに結び付きやすい。
(正答)✕
(解説)
319条2項は、「被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。」と規定している。
これについて、判例(最大判昭33.5.28)は、共犯者の自白と補強証拠の要否について共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることができるとする不要説に立っている。
不要説について学説は、補強証拠法則は自由心象主義(318条)の例外で限定的に解釈すべき、共犯者に対しては反対尋問が可能で被告人の自白よりも証明力が強い、結局のところ犯罪の証明に至るためにはほかに補強証拠を必要とするこのになるであろうから、必ず必要とする意義は薄いことなどを理由として挙げる。
必要説について学説は、他に補強証拠がないなら否認した被告人が有罪で自白した共犯者が無罪という非常識な結果となる、共犯者の供述は責任転嫁の危険が大きい、被告人と共犯者の自白を区別する理由に乏しいことなどなどを理由として挙げる。
【記述】アは不要説に基づいているため、結論Ⅲと結びつきやすい。
319条2項は、「被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。」と規定している。
これについて、判例(最大判昭33.5.28)は、共犯者の自白と補強証拠の要否について共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることができるとする不要説に立っている。
不要説について学説は、補強証拠法則は自由心象主義(318条)の例外で限定的に解釈すべき、共犯者に対しては反対尋問が可能で被告人の自白よりも証明力が強い、結局のところ犯罪の証明に至るためにはほかに補強証拠を必要とするこのになるであろうから、必ず必要とする意義は薄いことなどを理由として挙げる。
必要説について学説は、他に補強証拠がないなら否認した被告人が有罪で自白した共犯者が無罪という非常識な結果となる、共犯者の供述は責任転嫁の危険が大きい、被告人と共犯者の自白を区別する理由に乏しいことなどなどを理由として挙げる。
【記述】アは不要説に基づいているため、結論Ⅲと結びつきやすい。
(R6 予備 第24問 ウ)
【設問】と【結論】を前提とした場合、以下の【記述】は正しいか。
【設問】
①被告人が犯行を否認している場合、被告人と共に犯行を行った旨の共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることが許されるか。
②共犯者だけでなく、被告人も犯行を行ったことを認めている場合、共犯者の自白で被告人の自白を補強して被告人を有罪とすることが許されるか。
【結論】
Ⅰ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許されない。
Ⅱ.①の場合には、被告人を有罪とすることが許されないが、②の場合には、被告人を有罪とす ることが許される。
Ⅲ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許される。
【記述】
結論Ⅱとする立場は、憲法第38条第3項の「本人の自白」に共犯者の自白も含まれるのは、 被告人が否認し、共犯者が自白している場合に限られると考えることになる。
【設問】と【結論】を前提とした場合、以下の【記述】は正しいか。
【設問】
①被告人が犯行を否認している場合、被告人と共に犯行を行った旨の共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることが許されるか。
②共犯者だけでなく、被告人も犯行を行ったことを認めている場合、共犯者の自白で被告人の自白を補強して被告人を有罪とすることが許されるか。
【結論】
Ⅰ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許されない。
Ⅱ.①の場合には、被告人を有罪とすることが許されないが、②の場合には、被告人を有罪とす ることが許される。
Ⅲ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許される。
【記述】
結論Ⅱとする立場は、憲法第38条第3項の「本人の自白」に共犯者の自白も含まれるのは、 被告人が否認し、共犯者が自白している場合に限られると考えることになる。
(正答)〇
(解説)
319条2項は、「被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。」と規定している。
これについて、判例(最大判昭33.5.28)は、共犯者の自白と補強証拠の要否について共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることができるとする不要説に立っている。
不要説について学説は、補強証拠法則は自由心象主義(318条)の例外で限定的に解釈すべき、共犯者に対しては反対尋問が可能で被告人の自白よりも証明力が強い、結局のところ犯罪の証明に至るためにはほかに補強証拠を必要とするこのになるであろうから、必ず必要とする意義は薄いことなどを理由として挙げる。
必要説について学説は、他に補強証拠がないなら否認した被告人が有罪で自白した共犯者が無罪という非常識な結果となる、共犯者の供述は責任転嫁の危険が大きい、被告人と共犯者の自白を区別する理由に乏しいことなどなどを理由として挙げる。
憲法38条3項は、「何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。」と規定しているところ、「本人の自白」に共犯者の自白も含まれるのは、 被告人が否認し、共犯者が自白している場合に限られると考えると、被告人が否認している設問①は被告人を有罪とできないが、被告人が自白している設問②は被告人を有罪とすることが許されることとなる。
319条2項は、「被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。」と規定している。
これについて、判例(最大判昭33.5.28)は、共犯者の自白と補強証拠の要否について共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることができるとする不要説に立っている。
不要説について学説は、補強証拠法則は自由心象主義(318条)の例外で限定的に解釈すべき、共犯者に対しては反対尋問が可能で被告人の自白よりも証明力が強い、結局のところ犯罪の証明に至るためにはほかに補強証拠を必要とするこのになるであろうから、必ず必要とする意義は薄いことなどを理由として挙げる。
必要説について学説は、他に補強証拠がないなら否認した被告人が有罪で自白した共犯者が無罪という非常識な結果となる、共犯者の供述は責任転嫁の危険が大きい、被告人と共犯者の自白を区別する理由に乏しいことなどなどを理由として挙げる。
憲法38条3項は、「何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。」と規定しているところ、「本人の自白」に共犯者の自白も含まれるのは、 被告人が否認し、共犯者が自白している場合に限られると考えると、被告人が否認している設問①は被告人を有罪とできないが、被告人が自白している設問②は被告人を有罪とすることが許されることとなる。
(R6 予備 第24問 エ)
【設問】と【結論】を前提とした場合、以下の【記述】は正しいか。
【設問】
①被告人が犯行を否認している場合、被告人と共に犯行を行った旨の共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることが許されるか。
②共犯者だけでなく、被告人も犯行を行ったことを認めている場合、共犯者の自白で被告人の自白を補強して被告人を有罪とすることが許されるか。
【結論】
Ⅰ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許されない。
Ⅱ.①の場合には、被告人を有罪とすることが許されないが、②の場合には、被告人を有罪とす ることが許される。
Ⅲ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許される。
【記述】
自白の証明力の過大評価を防止するという刑事訴訟法第319条第2項の規定の趣旨からす れば、被告人の自白と共犯者の自白を区別する理由がないと考えると、結論Ⅲに結び付きやすい。
【設問】と【結論】を前提とした場合、以下の【記述】は正しいか。
【設問】
①被告人が犯行を否認している場合、被告人と共に犯行を行った旨の共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることが許されるか。
②共犯者だけでなく、被告人も犯行を行ったことを認めている場合、共犯者の自白で被告人の自白を補強して被告人を有罪とすることが許されるか。
【結論】
Ⅰ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許されない。
Ⅱ.①の場合には、被告人を有罪とすることが許されないが、②の場合には、被告人を有罪とす ることが許される。
Ⅲ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許される。
【記述】
自白の証明力の過大評価を防止するという刑事訴訟法第319条第2項の規定の趣旨からす れば、被告人の自白と共犯者の自白を区別する理由がないと考えると、結論Ⅲに結び付きやすい。
(正答)✕
(解説)
319条2項は、「被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。」と規定している。
これについて、判例(最大判昭33.5.28)は、共犯者の自白と補強証拠の要否について共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることができるとする不要説に立っている。
不要説について学説は、補強証拠法則は自由心象主義(318条)の例外で限定的に解釈すべき、共犯者に対しては反対尋問が可能で被告人の自白よりも証明力が強い、結局のところ犯罪の証明に至るためにはほかに補強証拠を必要とするこのになるであろうから、必ず必要とする意義は薄いことなどを理由として挙げる。
必要説について学説は、他に補強証拠がないなら否認した被告人が有罪で自白した共犯者が無罪という非常識な結果となる、共犯者の供述は責任転嫁の危険が大きい、被告人と共犯者の自白を区別する理由に乏しいことなどなどを理由として挙げる。
【記述】エは必要説に基づいているため、結論Ⅰ又はⅡと結びつきやすい。
319条2項は、「被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。」と規定している。
これについて、判例(最大判昭33.5.28)は、共犯者の自白と補強証拠の要否について共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることができるとする不要説に立っている。
不要説について学説は、補強証拠法則は自由心象主義(318条)の例外で限定的に解釈すべき、共犯者に対しては反対尋問が可能で被告人の自白よりも証明力が強い、結局のところ犯罪の証明に至るためにはほかに補強証拠を必要とするこのになるであろうから、必ず必要とする意義は薄いことなどを理由として挙げる。
必要説について学説は、他に補強証拠がないなら否認した被告人が有罪で自白した共犯者が無罪という非常識な結果となる、共犯者の供述は責任転嫁の危険が大きい、被告人と共犯者の自白を区別する理由に乏しいことなどなどを理由として挙げる。
【記述】エは必要説に基づいているため、結論Ⅰ又はⅡと結びつきやすい。
(R6 予備 第24問 オ)
【設問】と【結論】を前提とした場合、以下の【記述】は正しいか。
【設問】
①被告人が犯行を否認している場合、被告人と共に犯行を行った旨の共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることが許されるか。
②共犯者だけでなく、被告人も犯行を行ったことを認めている場合、共犯者の自白で被告人の自白を補強して被告人を有罪とすることが許されるか。
【結論】
Ⅰ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許されない。
Ⅱ.①の場合には、被告人を有罪とすることが許されないが、②の場合には、被告人を有罪とす ることが許される。
Ⅲ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許される。
【記述】
結論Ⅲとする立場に対しては、ほかに補強証拠がない限り、否認した被告人が有罪、自白した共犯者が無罪になるという非常識な結論が生じかねないとの批判がある。
【設問】と【結論】を前提とした場合、以下の【記述】は正しいか。
【設問】
①被告人が犯行を否認している場合、被告人と共に犯行を行った旨の共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることが許されるか。
②共犯者だけでなく、被告人も犯行を行ったことを認めている場合、共犯者の自白で被告人の自白を補強して被告人を有罪とすることが許されるか。
【結論】
Ⅰ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許されない。
Ⅱ.①の場合には、被告人を有罪とすることが許されないが、②の場合には、被告人を有罪とす ることが許される。
Ⅲ.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許される。
【記述】
結論Ⅲとする立場に対しては、ほかに補強証拠がない限り、否認した被告人が有罪、自白した共犯者が無罪になるという非常識な結論が生じかねないとの批判がある。
(正答)〇
(解説)
319条2項は、「被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。」と規定している。
これについて、判例(最大判昭33.5.28)は、共犯者の自白と補強証拠の要否について共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることができるとする不要説に立っている。
不要説について学説は、補強証拠法則は自由心象主義(318条)の例外で限定的に解釈すべき、共犯者に対しては反対尋問が可能で被告人の自白よりも証明力が強い、結局のところ犯罪の証明に至るためにはほかに補強証拠を必要とするこのになるであろうから、必ず必要とする意義は薄いことなどを理由として挙げる。
必要説について学説は、他に補強証拠がないなら否認した被告人が有罪で自白した共犯者が無罪という非常識な結果となる、共犯者の供述は責任転嫁の危険が大きい、被告人と共犯者の自白を区別する理由に乏しいことなどなどを理由として挙げる。
【記述】エは必要説に基づいているため、結論Ⅲに対する批判になりうる。
319条2項は、「被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。」と規定している。
これについて、判例(最大判昭33.5.28)は、共犯者の自白と補強証拠の要否について共犯者の自白のみで被告人を有罪とすることができるとする不要説に立っている。
不要説について学説は、補強証拠法則は自由心象主義(318条)の例外で限定的に解釈すべき、共犯者に対しては反対尋問が可能で被告人の自白よりも証明力が強い、結局のところ犯罪の証明に至るためにはほかに補強証拠を必要とするこのになるであろうから、必ず必要とする意義は薄いことなどを理由として挙げる。
必要説について学説は、他に補強証拠がないなら否認した被告人が有罪で自白した共犯者が無罪という非常識な結果となる、共犯者の供述は責任転嫁の危険が大きい、被告人と共犯者の自白を区別する理由に乏しいことなどなどを理由として挙げる。
【記述】エは必要説に基づいているため、結論Ⅲに対する批判になりうる。
総合メモ
第320条
条文
第320条(伝聞証拠と証拠能力の制限)
① 第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。
② 第291条の2の決定があった事件の証拠については、前項の規定は、これを適用しない。但し、検察官、被告人又は弁護人が証拠とすることに異議を述べたものについては、この限りでない。
① 第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。
② 第291条の2の決定があった事件の証拠については、前項の規定は、これを適用しない。但し、検察官、被告人又は弁護人が証拠とすることに異議を述べたものについては、この限りでない。
過去問・解説
(H22 司法 第40問 2)
家庭裁判所の少年審判は、非行事実につき争いがある場合には、成人の刑事事件と同様に、伝聞法則の適用がある。
家庭裁判所の少年審判は、非行事実につき争いがある場合には、成人の刑事事件と同様に、伝聞法則の適用がある。
(正答)✕
(解説)
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
もっとも、家庭裁判所の少年審判については、刑事訴訟法の規定を準用する条文は存在せず、また、少年審判自体に伝聞法則を規定する条文は存在しない。
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
もっとも、家庭裁判所の少年審判については、刑事訴訟法の規定を準用する条文は存在せず、また、少年審判自体に伝聞法則を規定する条文は存在しない。
(H23 司法 第34問 ウ)
被告人甲が、被害者V宅において、Vを包丁で突き刺して殺害したという事件に関し、後記aの【証拠】がある。
【証拠】
a.V宅でVを包丁で突き刺した旨の甲が作成した供述書
aは、甲が体験した事実を、甲自ら記載した書面であるから、伝聞証拠には当たらない。
被告人甲が、被害者V宅において、Vを包丁で突き刺して殺害したという事件に関し、後記aの【証拠】がある。
【証拠】
a.V宅でVを包丁で突き刺した旨の甲が作成した供述書
aは、甲が体験した事実を、甲自ら記載した書面であるから、伝聞証拠には当たらない。
(正答)✕
(解説)
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
aについて、要証事実を「甲がVをV宅で突き刺した事実」とした場合、aの内容の真実性が問題となることになる。
したがって、aは伝聞証拠になりうる。
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
aについて、要証事実を「甲がVをV宅で突き刺した事実」とした場合、aの内容の真実性が問題となることになる。
したがって、aは伝聞証拠になりうる。
(H25 共通 第33問 ア)
甲及び乙は、共謀の上、平成24年12月5日午前1時頃、H市内のコンビニエンスストア「T」において、同店店員Vから現金10万円を強取したとしてH地方裁判所に起訴され、併合審理されることとなった。この審理において、V、甲の妻A及び知人Bに対する証人尋問が行われたところ、Vは、「2人組の犯人が店から出て行く際、犯人の1人がもう1人の犯人に対し、『①甲、早く逃げるぞ。』と言っていた。」旨を証言した。
下線部①の発言は、要証事実を「犯行後、犯人の1人が逃走を呼び掛けた相手が甲と呼ばれていたこと」とした場合、伝聞証拠ではない。
甲及び乙は、共謀の上、平成24年12月5日午前1時頃、H市内のコンビニエンスストア「T」において、同店店員Vから現金10万円を強取したとしてH地方裁判所に起訴され、併合審理されることとなった。この審理において、V、甲の妻A及び知人Bに対する証人尋問が行われたところ、Vは、「2人組の犯人が店から出て行く際、犯人の1人がもう1人の犯人に対し、『①甲、早く逃げるぞ。』と言っていた。」旨を証言した。
下線部①の発言は、要証事実を「犯行後、犯人の1人が逃走を呼び掛けた相手が甲と呼ばれていたこと」とした場合、伝聞証拠ではない。
(正答)〇
(解説)
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
下線部①の発言について、Vの伝聞過程は、Vが公判廷において証人尋問されていることから問題とならない。
そして、設定された要証事実は、犯人の1人が甲と呼ばれていたこと自体が問題としていることから、呼びかけられた犯人が甲であるかどうかは問題とならない。
したがって。下線部①の発言は、本肢の要証事実との関係においては、伝聞証拠とはならない。
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
下線部①の発言について、Vの伝聞過程は、Vが公判廷において証人尋問されていることから問題とならない。
そして、設定された要証事実は、犯人の1人が甲と呼ばれていたこと自体が問題としていることから、呼びかけられた犯人が甲であるかどうかは問題とならない。
したがって。下線部①の発言は、本肢の要証事実との関係においては、伝聞証拠とはならない。
(H25 共通 第33問 イ)
甲及び乙は、共謀の上、平成24年12月5日午前1時頃、H市内のコンビニエンスストア「T」において、同店店員Vから現金10万円を強取したとしてH地方裁判所に起訴され、併合審理されることとなった。この審理において、V、甲の妻A及び知人Bに対する証人尋問が行われたところ、Vは、「2人組の犯人が店から出て行く際、犯人の1人がもう1人の犯人に対し、『甲、早く逃げるぞ。』と言っていた。」旨を証言した。次に、Aは、「平成24年12月8日午後3時頃、自宅において、甲から『②3日前の午前1時頃、乙と一緒に、H市内のコンビニエンスストア「T」で、果物ナイフを店員に突き付けて現金10万円を奪ってきた。見付からないと思っていたが、乙が捕まった。ひょっとしたら、乙が自分のことを話すかもしれない。そうなると、警察が来るだろう。頼む。3日前の午前1時頃には、俺が自宅で寝ていたということにして欲しい。』と言われた。」旨を証言した。
下線部②の発言は、要証事実を「甲が乙と一緒に強盗を実行したこと」とした場合、伝聞証拠ではない。
甲及び乙は、共謀の上、平成24年12月5日午前1時頃、H市内のコンビニエンスストア「T」において、同店店員Vから現金10万円を強取したとしてH地方裁判所に起訴され、併合審理されることとなった。この審理において、V、甲の妻A及び知人Bに対する証人尋問が行われたところ、Vは、「2人組の犯人が店から出て行く際、犯人の1人がもう1人の犯人に対し、『甲、早く逃げるぞ。』と言っていた。」旨を証言した。次に、Aは、「平成24年12月8日午後3時頃、自宅において、甲から『②3日前の午前1時頃、乙と一緒に、H市内のコンビニエンスストア「T」で、果物ナイフを店員に突き付けて現金10万円を奪ってきた。見付からないと思っていたが、乙が捕まった。ひょっとしたら、乙が自分のことを話すかもしれない。そうなると、警察が来るだろう。頼む。3日前の午前1時頃には、俺が自宅で寝ていたということにして欲しい。』と言われた。」旨を証言した。
下線部②の発言は、要証事実を「甲が乙と一緒に強盗を実行したこと」とした場合、伝聞証拠ではない。
(正答)✕
(解説)
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
下線部②の発言について、Aの伝聞過程は、Aが公判廷において証人尋問されていることから問題とならない。
そして、本肢の要証事実との関係においては、下線部②の内容が真実であることが問題となる。
したがって、下線部②の発言は、本肢の要証事実との関係においては、伝聞証拠となる。
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
下線部②の発言について、Aの伝聞過程は、Aが公判廷において証人尋問されていることから問題とならない。
そして、本肢の要証事実との関係においては、下線部②の内容が真実であることが問題となる。
したがって、下線部②の発言は、本肢の要証事実との関係においては、伝聞証拠となる。
(H25 共通 第33問 ウ)
甲及び乙は、共謀の上、平成24年12月5日午前1時頃、H市内のコンビニエンスストア「T」において、同店店員Vから現金10万円を強取したとしてH地方裁判所に起訴され、併合審理されることとなった。この審理において、V、甲の妻A及び知人Bに対する証人尋問が行われたところ、Vは、「2人組の犯人が店から出て行く際、犯人の1人がもう1人の犯人に対し、『甲、早く逃げるぞ。』と言っていた。」旨を証言した。次に、Aは、「平成24年12月8日午後3時頃、自宅において、甲から『3日前の午前1時頃、乙と一緒に、H市内のコンビニエンスストア「T」で、果物ナイフを店員に突き付けて現金10万円を奪ってきた。見付からないと思っていたが、乙が捕まった。ひょっとしたら、乙が自分のことを話すかもしれない。そうなると、警察が来るだろう。頼む。③3日前の午前1時頃には、俺が自宅で寝ていたということにして欲しい。』と言われた。」旨を証言した。
下線部③の発言は、要証事実を「甲がAに甲のアリバイ作りに協力するよう依頼したこと」とした場合、伝聞証拠ではない。
甲及び乙は、共謀の上、平成24年12月5日午前1時頃、H市内のコンビニエンスストア「T」において、同店店員Vから現金10万円を強取したとしてH地方裁判所に起訴され、併合審理されることとなった。この審理において、V、甲の妻A及び知人Bに対する証人尋問が行われたところ、Vは、「2人組の犯人が店から出て行く際、犯人の1人がもう1人の犯人に対し、『甲、早く逃げるぞ。』と言っていた。」旨を証言した。次に、Aは、「平成24年12月8日午後3時頃、自宅において、甲から『3日前の午前1時頃、乙と一緒に、H市内のコンビニエンスストア「T」で、果物ナイフを店員に突き付けて現金10万円を奪ってきた。見付からないと思っていたが、乙が捕まった。ひょっとしたら、乙が自分のことを話すかもしれない。そうなると、警察が来るだろう。頼む。③3日前の午前1時頃には、俺が自宅で寝ていたということにして欲しい。』と言われた。」旨を証言した。
下線部③の発言は、要証事実を「甲がAに甲のアリバイ作りに協力するよう依頼したこと」とした場合、伝聞証拠ではない。
(正答)〇
(解説)
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
下線部③の発言について、Aの伝聞過程は、Aが公判廷において証人尋問されていることから問題とならない。
そして、本肢の要証事実は、甲がAに甲のアリバイ作りに協力するよう依頼したことそれ自体を問題としており、その依頼内容がどの様なものであったかを問題としていない。
したがって、下線部③の発言は、本肢の要証事実との関係においては、伝聞証拠とはならない。
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
下線部③の発言について、Aの伝聞過程は、Aが公判廷において証人尋問されていることから問題とならない。
そして、本肢の要証事実は、甲がAに甲のアリバイ作りに協力するよう依頼したことそれ自体を問題としており、その依頼内容がどの様なものであったかを問題としていない。
したがって、下線部③の発言は、本肢の要証事実との関係においては、伝聞証拠とはならない。
(H25 共通 第33問 エ)
甲及び乙は、共謀の上、平成24年12月5日午前1時頃、H市内のコンビニエンスストア「T」において、同店店員Vから現金10万円を強取したとしてH地方裁判所に起訴され、併合審理されることとなった。この審理において、V、甲の妻A及び知人Bに対する証人尋問が行われたところ、Vは、「2人組の犯人が店から出て行く際、犯人の1人がもう1人の犯人に対し、『甲、早く逃げるぞ。』と言っていた。」旨を証言した。次に、Aは、「平成24年12月8日午後3時頃、自宅において、甲から『3日前の午前1時頃、乙と一緒に、H市内のコンビニエンスストア「T」で、果物ナイフを店員に突き付けて現金10万円を奪ってきた。見付からないと思っていたが、乙が捕まった。ひょっとしたら、乙が自分のことを話すかもしれない。そうなると、警察が来るだろう。頼む。3日前の午前1時頃には、俺が自宅で寝ていたということにして欲しい。』と言われた。」旨を証言した。次に、Bは、「平成24年12月4日、甲から、『④明日の午前1時頃、H市内のコンビニエンスストアで強盗をしないか。』と言われたが、断った。」旨を証言した。
下線部④の発言は、要証事実を「甲がBに強盗を実行することを持ち掛けたこと」とした場合、伝聞証拠ではない。
甲及び乙は、共謀の上、平成24年12月5日午前1時頃、H市内のコンビニエンスストア「T」において、同店店員Vから現金10万円を強取したとしてH地方裁判所に起訴され、併合審理されることとなった。この審理において、V、甲の妻A及び知人Bに対する証人尋問が行われたところ、Vは、「2人組の犯人が店から出て行く際、犯人の1人がもう1人の犯人に対し、『甲、早く逃げるぞ。』と言っていた。」旨を証言した。次に、Aは、「平成24年12月8日午後3時頃、自宅において、甲から『3日前の午前1時頃、乙と一緒に、H市内のコンビニエンスストア「T」で、果物ナイフを店員に突き付けて現金10万円を奪ってきた。見付からないと思っていたが、乙が捕まった。ひょっとしたら、乙が自分のことを話すかもしれない。そうなると、警察が来るだろう。頼む。3日前の午前1時頃には、俺が自宅で寝ていたということにして欲しい。』と言われた。」旨を証言した。次に、Bは、「平成24年12月4日、甲から、『④明日の午前1時頃、H市内のコンビニエンスストアで強盗をしないか。』と言われたが、断った。」旨を証言した。
下線部④の発言は、要証事実を「甲がBに強盗を実行することを持ち掛けたこと」とした場合、伝聞証拠ではない。
(正答)〇
(解説)
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
下線部④の発言について、Bの伝聞過程は、Bが公判廷において証人尋問されていることから問題とならない。
そして、本肢の要証事実は、甲がBに強盗を実行することを持ち掛けたことそれ自体を問題としており、その内容がどの様なものであったかを問題としていない。
したがって、下線部④の発言は、本肢の要証事実との関係においては、伝聞証拠とはならない。
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
下線部④の発言について、Bの伝聞過程は、Bが公判廷において証人尋問されていることから問題とならない。
そして、本肢の要証事実は、甲がBに強盗を実行することを持ち掛けたことそれ自体を問題としており、その内容がどの様なものであったかを問題としていない。
したがって、下線部④の発言は、本肢の要証事実との関係においては、伝聞証拠とはならない。
(H25 共通 第33問 オ)
甲及び乙は、共謀の上、平成24年12月5日午前1時頃、H市内のコンビニエンスストア「T」において、同店店員Vから現金10万円を強取したとしてH地方裁判所に起訴され、併合審理されることとなった。この審理において、V、甲の妻A及び知人Bに対する証人尋問が行われたところ、Vは、「2人組の犯人が店から出て行く際、犯人の1人がもう1人の犯人に対し、『甲、早く逃げるぞ。』と言っていた。」旨を証言した。次に、Aは、「平成24年12月8日午後3時頃、自宅において、甲から『3日前の午前1時頃、乙と一緒に、H市内のコンビニエンスストア「T」で、果物ナイフを店員に突き付けて現金10万円を奪ってきた。見付からないと思っていたが、乙が捕まった。ひょっとしたら、乙が自分のことを話すかもしれない。そうなると、警察が来るだろう。頼む。3日前の午前1時頃には、俺が自宅で寝ていたということにして欲しい。』と言われた。」旨を証言した。次に、Bは、「平成24年12月4日、甲から、『明日の午前1時頃、H市内のコンビニエンスストアで強盗をしないか。』と言われたが、断った。」旨を証言した。また、乙に対する被告人質問において、乙は、「甲と一緒に強盗をした際、甲が店員に『⑤金を出せ。出さないと殺すぞ。』と言っていた。」旨を供述した。
下線部⑤の発言は、要証事実を「甲がVを脅迫したこと」とした場合、伝聞証拠ではない。
甲及び乙は、共謀の上、平成24年12月5日午前1時頃、H市内のコンビニエンスストア「T」において、同店店員Vから現金10万円を強取したとしてH地方裁判所に起訴され、併合審理されることとなった。この審理において、V、甲の妻A及び知人Bに対する証人尋問が行われたところ、Vは、「2人組の犯人が店から出て行く際、犯人の1人がもう1人の犯人に対し、『甲、早く逃げるぞ。』と言っていた。」旨を証言した。次に、Aは、「平成24年12月8日午後3時頃、自宅において、甲から『3日前の午前1時頃、乙と一緒に、H市内のコンビニエンスストア「T」で、果物ナイフを店員に突き付けて現金10万円を奪ってきた。見付からないと思っていたが、乙が捕まった。ひょっとしたら、乙が自分のことを話すかもしれない。そうなると、警察が来るだろう。頼む。3日前の午前1時頃には、俺が自宅で寝ていたということにして欲しい。』と言われた。」旨を証言した。次に、Bは、「平成24年12月4日、甲から、『明日の午前1時頃、H市内のコンビニエンスストアで強盗をしないか。』と言われたが、断った。」旨を証言した。また、乙に対する被告人質問において、乙は、「甲と一緒に強盗をした際、甲が店員に『⑤金を出せ。出さないと殺すぞ。』と言っていた。」旨を供述した。
下線部⑤の発言は、要証事実を「甲がVを脅迫したこと」とした場合、伝聞証拠ではない。
(正答)〇
(解説)
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
下線部⑤の発言について、乙の伝聞過程は、乙が公判廷において証人尋問されていることから問題とならない。
そして、本肢の要証事実は、甲がVを脅迫したことそれ自体を問題としており、その内容がどの様なものであったかを問題としていない。
したがって、下線部⑤の発言は、本肢の要証事実との関係においては、伝聞証拠とはならない。
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
下線部⑤の発言について、乙の伝聞過程は、乙が公判廷において証人尋問されていることから問題とならない。
そして、本肢の要証事実は、甲がVを脅迫したことそれ自体を問題としており、その内容がどの様なものであったかを問題としていない。
したがって、下線部⑤の発言は、本肢の要証事実との関係においては、伝聞証拠とはならない。
(H27 予備 第20問 オ)
司法警察員Kは、現住建造物に対する放火事件の捜査として、焼損した建造物につき、その所有者Vを立会人とする見分を行い、実況見分調書を作成した(実況見分調書には、Vの署名・押印のいずれもない。)。Vが実況見分の際に建造物の特定の箇所を指し示しながら、Kに対し「ここにAが火を付けるのを見た。」旨説明したので、Kは、その箇所を写真撮影した後、同写真を実況見分調書に添付するとともに、Vの前記説明内容を実況見分調書に記載した。その後、Aが同事件の犯人として起訴された。検察官は、当該被告事件の公判前整理手続において、「建造物の焼損状況」を立証趣旨として実況見分調書の証拠調べを請求した。弁護人は、「Aは犯人ではなく、本件火災はVによる失火が原因である。」旨主張した上、実況見分調書について不同意の意見を述べた。裁判所は、実況見分調書が真正に作成されたものであることが認められても、実況見分調書におけるVの前記説明内容が記載された部分を、Aが犯人であることを証明する証拠として用いることはできない。
司法警察員Kは、現住建造物に対する放火事件の捜査として、焼損した建造物につき、その所有者Vを立会人とする見分を行い、実況見分調書を作成した(実況見分調書には、Vの署名・押印のいずれもない。)。Vが実況見分の際に建造物の特定の箇所を指し示しながら、Kに対し「ここにAが火を付けるのを見た。」旨説明したので、Kは、その箇所を写真撮影した後、同写真を実況見分調書に添付するとともに、Vの前記説明内容を実況見分調書に記載した。その後、Aが同事件の犯人として起訴された。検察官は、当該被告事件の公判前整理手続において、「建造物の焼損状況」を立証趣旨として実況見分調書の証拠調べを請求した。弁護人は、「Aは犯人ではなく、本件火災はVによる失火が原因である。」旨主張した上、実況見分調書について不同意の意見を述べた。裁判所は、実況見分調書が真正に作成されたものであることが認められても、実況見分調書におけるVの前記説明内容が記載された部分を、Aが犯人であることを証明する証拠として用いることはできない。
(正答)〇
(解説)
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
実況見分調書におけるVの前記説明内容が記載された部分を、Aが犯人であることを証明する証拠として用いる場合、かかる要証事実との関係では、本件実況見分調書のVの「ここにAが火をつけるのを見た」旨の説明内容が記載された部分は、公判期日外の供述を内容とする証拠であって、当該供述の内容の真実性を立証するために用いられる証拠であるから、伝聞証拠に当たる。
弁護人は不同意の意見(326条1項参照)を述べているから、Vの署名(321条1項柱書)があることに加え、321条1項3号の要件をみたさない限り、3210条1項によってその証拠能力は否定される。
本肢では、Vの署名を欠く上、321条1項3号の要件を満たすことをうかがわせる事情もないため、実況見分調書におけるVの前記説明内容が記載された部分を、Aが犯人であることを証明する証拠として用いることはできない。
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
実況見分調書におけるVの前記説明内容が記載された部分を、Aが犯人であることを証明する証拠として用いる場合、かかる要証事実との関係では、本件実況見分調書のVの「ここにAが火をつけるのを見た」旨の説明内容が記載された部分は、公判期日外の供述を内容とする証拠であって、当該供述の内容の真実性を立証するために用いられる証拠であるから、伝聞証拠に当たる。
弁護人は不同意の意見(326条1項参照)を述べているから、Vの署名(321条1項柱書)があることに加え、321条1項3号の要件をみたさない限り、3210条1項によってその証拠能力は否定される。
本肢では、Vの署名を欠く上、321条1項3号の要件を満たすことをうかがわせる事情もないため、実況見分調書におけるVの前記説明内容が記載された部分を、Aが犯人であることを証明する証拠として用いることはできない。
(H27 予備 第23問 ウ)
裁判員裁判の公判において、被告人以外の者の供述を証拠とする場合、その者が供述不能である場合を除き、常にその者を証人として尋問しなければならない。
裁判員裁判の公判において、被告人以外の者の供述を証拠とする場合、その者が供述不能である場合を除き、常にその者を証人として尋問しなければならない。
(正答)✕
(解説)
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律64条1項は、裁判員裁判における刑事訴訟法の適用について読み替え規定が存在する。
同条項は、刑事訴訟法321条以下については、321条2項中、「裁判所若しくは裁判官」を「裁判所、裁判官若しくは裁判官及び裁判員」と読み替えるとするだけである。
そして、321条以下の伝聞例外の規定には、公判において、被告人以外の者の供述を証拠とする場合、その者が供述不能である場合を除き、常にその者を証人として尋問しなければならないとする規定は存在しない。
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律64条1項は、裁判員裁判における刑事訴訟法の適用について読み替え規定が存在する。
同条項は、刑事訴訟法321条以下については、321条2項中、「裁判所若しくは裁判官」を「裁判所、裁判官若しくは裁判官及び裁判員」と読み替えるとするだけである。
そして、321条以下の伝聞例外の規定には、公判において、被告人以外の者の供述を証拠とする場合、その者が供述不能である場合を除き、常にその者を証人として尋問しなければならないとする規定は存在しない。
(R3 予備 第23問 ア)
甲は、「令和2年12月5日午前1時頃、H市内のI公園内で、ゴルフクラブでVを殴打して殺した。」との殺人の事実により、H地方裁判所に起訴された。公判において、犯行の目撃者A、甲の妻B、甲の知人Cの証人尋問が、それぞれ実施された。
Aの、「話をしていた2人のうち1人が『甲、お前に貸した金を早く返せ。』と言うと、言い争いになり、その後、言われた方がもう一方に棒のようなものを振り下ろした。」旨の証言は、要証事実を「甲がVに借金をしていたこと」とした場合、伝聞証拠に当たらない。
甲は、「令和2年12月5日午前1時頃、H市内のI公園内で、ゴルフクラブでVを殴打して殺した。」との殺人の事実により、H地方裁判所に起訴された。公判において、犯行の目撃者A、甲の妻B、甲の知人Cの証人尋問が、それぞれ実施された。
Aの、「話をしていた2人のうち1人が『甲、お前に貸した金を早く返せ。』と言うと、言い争いになり、その後、言われた方がもう一方に棒のようなものを振り下ろした。」旨の証言は、要証事実を「甲がVに借金をしていたこと」とした場合、伝聞証拠に当たらない。
(正答)✕
(解説)
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
Aの、「話をしていた2人のうち1人が『甲、お前に貸した金を早く返せ。』と言うと、言い争いになり、その後、言われた方がもう一方に棒のようなものを振り下ろした。」旨の証言は、要証事実を「甲がVに借金をしていたこと」とした場合、「甲、お前に貸した金を早く返せ」という供述の内容の真実性が問題となるから、伝聞供述に当たる。
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
Aの、「話をしていた2人のうち1人が『甲、お前に貸した金を早く返せ。』と言うと、言い争いになり、その後、言われた方がもう一方に棒のようなものを振り下ろした。」旨の証言は、要証事実を「甲がVに借金をしていたこと」とした場合、「甲、お前に貸した金を早く返せ」という供述の内容の真実性が問題となるから、伝聞供述に当たる。
(R3 予備 第23問 イ)
甲は、「令和2年12月5日午前1時頃、H市内のI公園内で、ゴルフクラブでVを殴打して殺した。」との殺人の事実により、H地方裁判所に起訴された。公判において、犯行の目撃者A、甲の妻B、甲の知人Cの証人尋問が、それぞれ実施された。
Aの、「話をしていた2人のうち1人が『甲、お前に貸した金を早く返せ。』と言うと、言い争いになり、その後、言われた方がもう一方に棒のようなものを振り下ろした。」旨の証言は、要証事実を「犯人がVから甲と呼ばれていたこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。
甲は、「令和2年12月5日午前1時頃、H市内のI公園内で、ゴルフクラブでVを殴打して殺した。」との殺人の事実により、H地方裁判所に起訴された。公判において、犯行の目撃者A、甲の妻B、甲の知人Cの証人尋問が、それぞれ実施された。
Aの、「話をしていた2人のうち1人が『甲、お前に貸した金を早く返せ。』と言うと、言い争いになり、その後、言われた方がもう一方に棒のようなものを振り下ろした。」旨の証言は、要証事実を「犯人がVから甲と呼ばれていたこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。
(正答)✕
(解説)
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
Aの、「話をしていた2人のうち1人が『甲、お前に貸した金を早く返せ。』と言うと、言い争いになり、その後、言われた方がもう一方に棒のようなものを振り下ろした。」旨の証言は、要証事実を「犯人がVから甲と呼ばれていたこと」とした場合、「甲、お前に貸した金を早く返せ」という供述の内容の真実性ではなく、当該発言の存在自体が問題となるから、伝聞証拠には当たらない。
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
Aの、「話をしていた2人のうち1人が『甲、お前に貸した金を早く返せ。』と言うと、言い争いになり、その後、言われた方がもう一方に棒のようなものを振り下ろした。」旨の証言は、要証事実を「犯人がVから甲と呼ばれていたこと」とした場合、「甲、お前に貸した金を早く返せ」という供述の内容の真実性ではなく、当該発言の存在自体が問題となるから、伝聞証拠には当たらない。
(R3 予備 第23問 ウ)
甲は、「令和2年12月5日午前1時頃、H市内のI公園内で、ゴルフクラブでVを殴打して殺した。」との殺人の事実により、H地方裁判所に起訴された。公判において、犯行の目撃者A、甲の妻B、甲の知人Cの証人尋問が、それぞれ実施された。
Bの、「令和2年12月1日午後1時頃、自宅において、甲から『探していたゴルフクラブを家の物置で見つけた。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「甲が犯行時点よりも前からゴルフクラブを所持していたこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。
甲は、「令和2年12月5日午前1時頃、H市内のI公園内で、ゴルフクラブでVを殴打して殺した。」との殺人の事実により、H地方裁判所に起訴された。公判において、犯行の目撃者A、甲の妻B、甲の知人Cの証人尋問が、それぞれ実施された。
Bの、「令和2年12月1日午後1時頃、自宅において、甲から『探していたゴルフクラブを家の物置で見つけた。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「甲が犯行時点よりも前からゴルフクラブを所持していたこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。
(正答)〇
(解説)
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
Bの、「令和2年12月1日午後1時頃、自宅において、甲から『探していたゴルフクラブを家の物置で見つけた。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「甲が犯行時点よりも前からゴルフクラブを所持していたこと」とした場合、「探していたゴルフクラブを家の物置で見つけた。」という供述の内容の真実性が問題となるから、伝聞証拠に当たる。
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
Bの、「令和2年12月1日午後1時頃、自宅において、甲から『探していたゴルフクラブを家の物置で見つけた。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「甲が犯行時点よりも前からゴルフクラブを所持していたこと」とした場合、「探していたゴルフクラブを家の物置で見つけた。」という供述の内容の真実性が問題となるから、伝聞証拠に当たる。
(R3 予備 第23問 エ)
甲は、「令和2年12月5日午前1時頃、H市内のI公園内で、ゴルフクラブでVを殴打して殺した。」との殺人の事実により、H地方裁判所に起訴された。公判において、犯行の目撃者A、甲の妻B、甲の知人Cの証人尋問が、それぞれ実施された。
Bの、「令和2年12月8日午後3時頃、自宅において、甲から『3日前の午前1時頃、H市内のI公園で、Vをゴルフクラブで殴り殺した。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「Vを殺したのが甲であったこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。
甲は、「令和2年12月5日午前1時頃、H市内のI公園内で、ゴルフクラブでVを殴打して殺した。」との殺人の事実により、H地方裁判所に起訴された。公判において、犯行の目撃者A、甲の妻B、甲の知人Cの証人尋問が、それぞれ実施された。
Bの、「令和2年12月8日午後3時頃、自宅において、甲から『3日前の午前1時頃、H市内のI公園で、Vをゴルフクラブで殴り殺した。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「Vを殺したのが甲であったこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。
(正答)〇
(解説)
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
Bの、「令和2年12月8日午後3時頃、自宅において、甲から『3日前の午前1時頃、H市内のI公園で、Vをゴルフクラブで殴り殺した。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「Vを殺したのが甲であったこと」とした場合、「『3日前の午前1時頃、H市内のI公園で、Vをゴルフクラブで殴り殺した。』という供述の内容の真実性が問題となるから、伝聞証拠に当たる。
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
Bの、「令和2年12月8日午後3時頃、自宅において、甲から『3日前の午前1時頃、H市内のI公園で、Vをゴルフクラブで殴り殺した。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「Vを殺したのが甲であったこと」とした場合、「『3日前の午前1時頃、H市内のI公園で、Vをゴルフクラブで殴り殺した。』という供述の内容の真実性が問題となるから、伝聞証拠に当たる。
(R3 予備 第23問 オ)
甲は、「令和2年12月5日午前1時頃、H市内のI公園内で、ゴルフクラブでVを殴打して殺した。」との殺人の事実により、H地方裁判所に起訴された。公判において、犯行の目撃者A、甲の妻B、甲の知人Cの証人尋問が、それぞれ実施された。
Cの、「令和2年12月7日午後5時頃、甲から電話があり、『2日前の午前1時頃には、俺は自宅でテレビ番組を見ていた。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「Vが殺されたとき甲が自宅にいたこと」とした場合、伝聞証拠に当たらない。
甲は、「令和2年12月5日午前1時頃、H市内のI公園内で、ゴルフクラブでVを殴打して殺した。」との殺人の事実により、H地方裁判所に起訴された。公判において、犯行の目撃者A、甲の妻B、甲の知人Cの証人尋問が、それぞれ実施された。
Cの、「令和2年12月7日午後5時頃、甲から電話があり、『2日前の午前1時頃には、俺は自宅でテレビ番組を見ていた。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「Vが殺されたとき甲が自宅にいたこと」とした場合、伝聞証拠に当たらない。
(正答)✕
(解説)
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
Cの、「令和2年12月7日午後5時頃、甲から電話があり、『2日前の午前1時頃には、俺は自宅でテレビ番組を見ていた。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「Vが殺されたとき甲が自宅にいたこと」とした場合、「2日前の午前1時頃には、俺は自宅でテレビ番組を見ていた。」という供述の内容の真実性が問題となるから、伝聞証拠に当たる。
320条1項は、「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。」として、伝聞法則について規定している。
伝聞証拠に該当するかどうかは、要証事実との関係で公判廷外供述の内容の真実性が問題となるかどうかにより判断される。
Cの、「令和2年12月7日午後5時頃、甲から電話があり、『2日前の午前1時頃には、俺は自宅でテレビ番組を見ていた。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「Vが殺されたとき甲が自宅にいたこと」とした場合、「2日前の午前1時頃には、俺は自宅でテレビ番組を見ていた。」という供述の内容の真実性が問題となるから、伝聞証拠に当たる。
総合メモ
第321条
条文
第321条(被告人以外の者の供述書・供述録取書の証拠能力)
① 被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。
一 裁判官の面前(第157条の6第1項及び第2項に規定する方法による場合を含む。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なった供述をしたとき。
二 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なった供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。
三 前2号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。
② 被告人以外の者の公判準備若しくは公判期日における供述を録取した書面又は裁判所若しくは裁判官の検証の結果を記載した書面は、前項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
③ 検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第1項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
④ 鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。
① 被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。
一 裁判官の面前(第157条の6第1項及び第2項に規定する方法による場合を含む。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なった供述をしたとき。
二 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なった供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。
三 前2号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。
② 被告人以外の者の公判準備若しくは公判期日における供述を録取した書面又は裁判所若しくは裁判官の検証の結果を記載した書面は、前項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
③ 検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第1項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
④ 鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。
過去問・解説
(H20 司法 第29問 4)
第1回の公判期日前に行われる証人尋問により作成された証人尋問調書は、刑事訴訟法第321条第1項第1号の「裁判官の面前における供述を録取した書面」に該当する。
第1回の公判期日前に行われる証人尋問により作成された証人尋問調書は、刑事訴訟法第321条第1項第1号の「裁判官の面前における供述を録取した書面」に該当する。
(正答)〇
(解説)
321条1項は、柱書において、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、1号において、「裁判官の面前…における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なった供述をしたとき。」を掲げている。
また、第1回公判期日前の証人尋問は裁判官が行う(226条、227条参照)。
したがって、第1回の公判期日前に行われる証人尋問により作成された証人尋問調書は、321条1項1号の「裁判官の面前…における供述を録取した書面」に該当する。
321条1項は、柱書において、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、1号において、「裁判官の面前…における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なった供述をしたとき。」を掲げている。
また、第1回公判期日前の証人尋問は裁判官が行う(226条、227条参照)。
したがって、第1回の公判期日前に行われる証人尋問により作成された証人尋問調書は、321条1項1号の「裁判官の面前…における供述を録取した書面」に該当する。
(H20 司法 第33問 ウ)
Vは、甲から住居侵入及びこれと科刑上一罪の関係にある不同意わいせつの被害を受けたが、甲を住居侵入の罪に限定して告訴した。この場合、Vの告訴の効力は、不同意わいせつの事実には及ばない。
Vは、甲から住居侵入及びこれと科刑上一罪の関係にある不同意わいせつの被害を受けたが、甲を住居侵入の罪に限定して告訴した。この場合、Vの告訴の効力は、不同意わいせつの事実には及ばない。
(正答)✕
(解説)
230条は、「犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる。」と規定している。
単一の犯罪の一部分についてした告訴は、残りの部分に対しても効力を生ずる(告訴客観的不可分の原則)。
したがって、Vの告訴の効力は、不同意わいせつの事実には及ぶ。
230条は、「犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる。」と規定している。
単一の犯罪の一部分についてした告訴は、残りの部分に対しても効力を生ずる(告訴客観的不可分の原則)。
したがって、Vの告訴の効力は、不同意わいせつの事実には及ぶ。
(H23 司法 第34問 オ)
【証拠】
a.V宅でVを包丁で突き刺した旨の甲が作成した供述書
b.事件直前、V宅を訪ねてきた甲を応接間に通した後、しばらくして、Vの叫び声が聞こえ、応接間を確認したところ、倒れているVを発見した旨のVの妻Aの供述を録取した書面
c.Vの妻A立会いのもとで、司法警察職員が任意処分として行った検証の結果を記載した書面
d.犯行現場に遺留されていた包丁
e.前記包丁に付着していた血液のDNA型がVのものと一致する旨の鑑定の結果を記載した書面
f.甲宅から押収した日記(事件前日の欄に、「Vと口論となった挙句、拳で顔面を殴られた。許せない。」と記載のあるもの。)
eは、伝聞証拠ではあるが、刑事訴訟法第321条第4項の「鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したもの」に当たるから、鑑定人の証人尋問を経ることなく、証拠とすることができる。
【証拠】
a.V宅でVを包丁で突き刺した旨の甲が作成した供述書
b.事件直前、V宅を訪ねてきた甲を応接間に通した後、しばらくして、Vの叫び声が聞こえ、応接間を確認したところ、倒れているVを発見した旨のVの妻Aの供述を録取した書面
c.Vの妻A立会いのもとで、司法警察職員が任意処分として行った検証の結果を記載した書面
d.犯行現場に遺留されていた包丁
e.前記包丁に付着していた血液のDNA型がVのものと一致する旨の鑑定の結果を記載した書面
f.甲宅から押収した日記(事件前日の欄に、「Vと口論となった挙句、拳で顔面を殴られた。許せない。」と記載のあるもの。)
eは、伝聞証拠ではあるが、刑事訴訟法第321条第4項の「鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したもの」に当たるから、鑑定人の証人尋問を経ることなく、証拠とすることができる。
(正答)✕
(解説)
321条は、1項において、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、3項において、「検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第1項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定し、4項において、「鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。」と規定している。
eは、前記包丁に付着していた血液のDNA型がVのものと一致する旨の鑑定の結果を記載した書面であり、321条4項の、「鑑定の…結果を記載した書面で鑑定人の作成したもの」に該当する。そうすると、321条4項の準用する321条3項の適用により、鑑定人の証人尋問が必要となる。
321条は、1項において、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、3項において、「検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第1項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定し、4項において、「鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。」と規定している。
eは、前記包丁に付着していた血液のDNA型がVのものと一致する旨の鑑定の結果を記載した書面であり、321条4項の、「鑑定の…結果を記載した書面で鑑定人の作成したもの」に該当する。そうすると、321条4項の準用する321条3項の適用により、鑑定人の証人尋問が必要となる。
(H23 司法 第35問 ア)
公判廷に証人として出廷した者が、捜査段階で検察官に対して供述した内容と相反する供述をしたとき、その者の検察官の面前における供述を録取した書面については、その検察官の面前における供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときでなければ証拠能力は認められない。
公判廷に証人として出廷した者が、捜査段階で検察官に対して供述した内容と相反する供述をしたとき、その者の検察官の面前における供述を録取した書面については、その検察官の面前における供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときでなければ証拠能力は認められない。
(正答)✕
(解説)
321条は、1項において、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、2号において、「検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なった供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。」と掲げている。
このように、特信情況については相対的特信情況があればたり、絶対的特信情況までは必要ない。
321条は、1項において、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、2号において、「検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なった供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。」と掲げている。
このように、特信情況については相対的特信情況があればたり、絶対的特信情況までは必要ない。
(H26 共通 第32問 オ)
【事例】
Aは、平成26年2月3日、司法警察員から職務質問を受け、所持していた覚せい剤を発見されて逮捕された。Aは、同月12日、検察官による取調べにおいて、前記覚せい剤は知人甲から買った旨供述し、その旨記載された検察官調書が作成された。その後、甲に対する捜査が行われ、甲は、Aに対して前記覚せい剤を譲渡した事実で、同年3月2日に起訴されたが、公判において公訴事実を否認した。検察官は、甲の公判において、Aの前記検察官調書の証拠調べを請求したが、弁護人が不同意の意見を述べたので、Aの証人尋問を請求し、次のとおりの証人尋問が実施された。
【Aの証人尋問】
検察官.あなたは、平成26年2月3日、所持していた覚せい剤を司法警察員に発見されたのですね。
A. はい。
検察官.あなたは、その覚せい剤をどうやって手に入れたのですか。
A. 路上で、見知らぬ人から買いました。
検察官.知人から買ったのではありませんか。
A. 知人から買ったものではありません。
検察官.あなたは、平成26年2月12日、検察官の取調べを受けた際、誰から覚せい剤を買ったと説明しましたか。
A. 覚えていません。
検察官.あなたは、検察官に対し、「甲から覚せい剤を買った。」と説明したのではありませんか。
A. そのように述べたかもしれません。
(中略)
検察官.(検察官が、Aに、前記検察官調書の署名及び指印部分を示す。)これは、あなたの署名及び指印に間違いありませんか。
A. 間違いありません。
検察官が、Aの前記検察官調書を刑事訴訟法第321条第1項第2号に基づき証拠調べ請求した場合、前記検察官調書は、公判でのAの証言よりも検察官の取調べにおける供述を信用すべき特別の情況が存しなければ、証拠能力を有しない。
【事例】
Aは、平成26年2月3日、司法警察員から職務質問を受け、所持していた覚せい剤を発見されて逮捕された。Aは、同月12日、検察官による取調べにおいて、前記覚せい剤は知人甲から買った旨供述し、その旨記載された検察官調書が作成された。その後、甲に対する捜査が行われ、甲は、Aに対して前記覚せい剤を譲渡した事実で、同年3月2日に起訴されたが、公判において公訴事実を否認した。検察官は、甲の公判において、Aの前記検察官調書の証拠調べを請求したが、弁護人が不同意の意見を述べたので、Aの証人尋問を請求し、次のとおりの証人尋問が実施された。
【Aの証人尋問】
検察官.あなたは、平成26年2月3日、所持していた覚せい剤を司法警察員に発見されたのですね。
A. はい。
検察官.あなたは、その覚せい剤をどうやって手に入れたのですか。
A. 路上で、見知らぬ人から買いました。
検察官.知人から買ったのではありませんか。
A. 知人から買ったものではありません。
検察官.あなたは、平成26年2月12日、検察官の取調べを受けた際、誰から覚せい剤を買ったと説明しましたか。
A. 覚えていません。
検察官.あなたは、検察官に対し、「甲から覚せい剤を買った。」と説明したのではありませんか。
A. そのように述べたかもしれません。
(中略)
検察官.(検察官が、Aに、前記検察官調書の署名及び指印部分を示す。)これは、あなたの署名及び指印に間違いありませんか。
A. 間違いありません。
検察官が、Aの前記検察官調書を刑事訴訟法第321条第1項第2号に基づき証拠調べ請求した場合、前記検察官調書は、公判でのAの証言よりも検察官の取調べにおける供述を信用すべき特別の情況が存しなければ、証拠能力を有しない。
(正答)〇
(解説)
321条は、1項において、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、2号において、「検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なった供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。」と掲げている。
Aは、覚醒剤を買った相手に関する供述で、検察官による取り調べにおいては甲から買ったと供述し、公判では見知らぬ人から買ったと供述している。これは、「公判期日において前の供述と…実質的に異なった供述をした」といえる。
したがって、検察官面前調書は、公判でのAの証言よりも検察官の取調べにおける供述を信用すべき特別の情況が存しなければ、証拠能力を有しない。
321条は、1項において、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、2号において、「検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なった供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。」と掲げている。
Aは、覚醒剤を買った相手に関する供述で、検察官による取り調べにおいては甲から買ったと供述し、公判では見知らぬ人から買ったと供述している。これは、「公判期日において前の供述と…実質的に異なった供述をした」といえる。
したがって、検察官面前調書は、公判でのAの証言よりも検察官の取調べにおける供述を信用すべき特別の情況が存しなければ、証拠能力を有しない。
(H29 予備 第22問 エ)
検察官は、甲に対する傷害被疑事件の捜査において、目撃者Wを取り調べて供述録取書(以下「検察官調書」という。)を作成した上、甲を傷害罪で地方裁判所に起訴した。検察官は、公判において、検察官調書の取調べを請求したが、弁護人は、これを証拠とすることに同意しなかった。そこで、検察官は、Wの証人尋問を請求した。裁判所は、Wが病気で入院していたため、検察官及び弁護人の意見を聴いて、Wの入院先の病院においてWの証人尋問を実施することを決定した。その後、同病院において、Wの証人尋問が実施されたところ、Wは、検察官調書の内容と相反する供述をした。
裁判所は、Wの証人尋問の実施後、その結果を記載した調書を公判廷で取り調べなければ、証人尋問におけるWの供述内容を事実認定に用いることができない。
検察官は、甲に対する傷害被疑事件の捜査において、目撃者Wを取り調べて供述録取書(以下「検察官調書」という。)を作成した上、甲を傷害罪で地方裁判所に起訴した。検察官は、公判において、検察官調書の取調べを請求したが、弁護人は、これを証拠とすることに同意しなかった。そこで、検察官は、Wの証人尋問を請求した。裁判所は、Wが病気で入院していたため、検察官及び弁護人の意見を聴いて、Wの入院先の病院においてWの証人尋問を実施することを決定した。その後、同病院において、Wの証人尋問が実施されたところ、Wは、検察官調書の内容と相反する供述をした。
裁判所は、Wの証人尋問の実施後、その結果を記載した調書を公判廷で取り調べなければ、証人尋問におけるWの供述内容を事実認定に用いることができない。
(正答)〇
(解説)
303条は、「公判準備においてした証人その他の者の尋問、検証、押収及び捜索の結果を記載した書面並びに押収した物については、裁判所は、公判期日において証拠書類又は証拠物としてこれを取り調べなければならない。」と規定している。
病院でのWに対する尋問は、「公判準備」に当たるため、その結果を記載した調書を公判廷で取り調べなければ、証人尋問におけるWの供述内容を事実認定に用いることができない。
303条は、「公判準備においてした証人その他の者の尋問、検証、押収及び捜索の結果を記載した書面並びに押収した物については、裁判所は、公判期日において証拠書類又は証拠物としてこれを取り調べなければならない。」と規定している。
病院でのWに対する尋問は、「公判準備」に当たるため、その結果を記載した調書を公判廷で取り調べなければ、証人尋問におけるWの供述内容を事実認定に用いることができない。
(R2 予備 第25問 イ)
司法警察員の面前における被害者の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるものと、検察官の面前における被害者の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるものは、証拠とすることができる要件に差異はない。
司法警察員の面前における被害者の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるものと、検察官の面前における被害者の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるものは、証拠とすることができる要件に差異はない。
(正答)✕
(解説)
321条は、1項において、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、2号において、「検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なった供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。」と掲げており、3号において、「前2号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。」と掲げている。
司法警察員の面前における被害者の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるものは、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるもの」(321条1項柱書)であって、かつ、「前2号に掲げる書面以外の書面」(321条1項3号)である。
したがって、これを証拠とすることができるのは、「供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。」ことになる。
これに対し、検察官の面前における被害者の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるものは、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるもの」(321条1項柱書)であって、かつ、「検察官の面前における供述を録取した書面」(321条1項2号)である。
したがって、これを証拠とすることができるのは、「その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。」という2号の要件を満たす場合に限られることになる。
このように、両書面には証拠とすることができる要件に差異がある。
321条は、1項において、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、2号において、「検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なった供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。」と掲げており、3号において、「前2号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。」と掲げている。
司法警察員の面前における被害者の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるものは、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるもの」(321条1項柱書)であって、かつ、「前2号に掲げる書面以外の書面」(321条1項3号)である。
したがって、これを証拠とすることができるのは、「供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。」ことになる。
これに対し、検察官の面前における被害者の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるものは、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるもの」(321条1項柱書)であって、かつ、「検察官の面前における供述を録取した書面」(321条1項2号)である。
したがって、これを証拠とすることができるのは、「その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。」という2号の要件を満たす場合に限られることになる。
このように、両書面には証拠とすることができる要件に差異がある。
(R3 予備 第24問 オ)
証拠として採用されていない鑑定書であっても、鑑定書の作成者の証人尋問において、作成の真正を立証するために、その作成者欄の署名押印部分を証人に示して証人の署名押印であるかを確認する尋問は許される。
証拠として採用されていない鑑定書であっても、鑑定書の作成者の証人尋問において、作成の真正を立証するために、その作成者欄の署名押印部分を証人に示して証人の署名押印であるかを確認する尋問は許される。
(正答)〇
(解説)
321条は、1項において、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、3項において、「検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第1項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定し、4項において、「鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。」と規定している。
したがって、証拠として採用されていない鑑定書であっても、鑑定書の作成者の証人尋問において、作成の真正を立証するために、その作成者欄の署名押印部分を証人に示して証人の署名押印であるかを確認する尋問は許される。
321条は、1項において、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、3項において、「検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第1項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定し、4項において、「鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。」と規定している。
したがって、証拠として採用されていない鑑定書であっても、鑑定書の作成者の証人尋問において、作成の真正を立証するために、その作成者欄の署名押印部分を証人に示して証人の署名押印であるかを確認する尋問は許される。
(R5 予備 第24問 ア)
証人が公判期日において、前に裁判官の面前でした供述と異なった供述をした場合、前にした供述を録取した書面で供述者の署名又は押印のあるものは、公判期日における供述よりも前にした供述を信用すべき特別の情況の存するときに限り、これを証拠とすることができる。
証人が公判期日において、前に裁判官の面前でした供述と異なった供述をした場合、前にした供述を録取した書面で供述者の署名又は押印のあるものは、公判期日における供述よりも前にした供述を信用すべき特別の情況の存するときに限り、これを証拠とすることができる。
(正答)✕
(解説)
321条1項は、柱書において、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、1号において、「裁判官の面前…における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なった供述をしたとき。」を掲げている。
したがって、証拠とすることができるのは、公判期日における供述よりも前にした供述を信用すべき特別の情況の存するときに限られない。
321条1項は、柱書において、「被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、1号において、「裁判官の面前…における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なった供述をしたとき。」を掲げている。
したがって、証拠とすることができるのは、公判期日における供述よりも前にした供述を信用すべき特別の情況の存するときに限られない。
総合メモ
第322条
条文
第322条(被害人の供述書・供述録取書の証拠能力)
① 被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。
② 被告人の公判準備又は公判期日における供述を録取した書面は、その供述が任意にされたものであると認めるときに限り、これを証拠とすることができる。
① 被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。
② 被告人の公判準備又は公判期日における供述を録取した書面は、その供述が任意にされたものであると認めるときに限り、これを証拠とすることができる。
過去問・解説
(H21 司法 第35問 エ)
被告人の供述を録取した書面である検察官作成の弁解録取書は、刑事訴訟法第322条又は第326条所定の要件の下に証拠となるが、被告人の供述を録取した書面である司法警察員作成の弁解録取書は、同法第321条第1項第3号の要件又は第326条所定の要件の下に証拠となる。
被告人の供述を録取した書面である検察官作成の弁解録取書は、刑事訴訟法第322条又は第326条所定の要件の下に証拠となるが、被告人の供述を録取した書面である司法警察員作成の弁解録取書は、同法第321条第1項第3号の要件又は第326条所定の要件の下に証拠となる。
(正答)✕
(解説)
322条1項本文は、「被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
このように、「被告人の供述を録取した書面」の作成主体にかかわらず、322条1項の要件をもって証拠能力を判断している。
322条1項本文は、「被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
このように、「被告人の供述を録取した書面」の作成主体にかかわらず、322条1項の要件をもって証拠能力を判断している。
(R1 予備 第22問 ア)
甲は、平成30年12月15日午後8時頃、H市I町2丁目先路上において、Vに対し、殺意をもって、携帯していた出刃包丁で、同人の胸部を突き刺すなどし、よって、その頃、同所において、同人を胸部刺切創による心臓損傷に基づく出血により失血死させて殺害したという殺人の事実により公訴を提起された。
甲がVを殺害するに至った経緯を自ら書き記した書面は、甲の署名又は押印のあるものに限り、V殺害の経緯を立証するための証拠として用いることができる。ただし、刑事訴訟法第326条の同意がなかったものとする。
甲は、平成30年12月15日午後8時頃、H市I町2丁目先路上において、Vに対し、殺意をもって、携帯していた出刃包丁で、同人の胸部を突き刺すなどし、よって、その頃、同所において、同人を胸部刺切創による心臓損傷に基づく出血により失血死させて殺害したという殺人の事実により公訴を提起された。
甲がVを殺害するに至った経緯を自ら書き記した書面は、甲の署名又は押印のあるものに限り、V殺害の経緯を立証するための証拠として用いることができる。ただし、刑事訴訟法第326条の同意がなかったものとする。
(正答)✕
(解説)
322条1項本文は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」としている。
もっとも、同条項の「被告人の署名若しくは押印」は、被告人の供述を録取した書面についてのみ必要なのであって、被告人が作成した供述書については不要である。
したがって、甲がVを殺害するに至った経緯を自ら書き記した書面は、甲の署名又は押印がなくても、V殺害の経緯を立証するための証拠として用いることができる。
322条1項本文は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」としている。
もっとも、同条項の「被告人の署名若しくは押印」は、被告人の供述を録取した書面についてのみ必要なのであって、被告人が作成した供述書については不要である。
したがって、甲がVを殺害するに至った経緯を自ら書き記した書面は、甲の署名又は押印がなくても、V殺害の経緯を立証するための証拠として用いることができる。
(R1 予備 第22問 イ)
甲は、平成30年12月15日午後8時頃、H市I町2丁目先路上において、Vに対し、殺意をもって、携帯していた出刃包丁で、同人の胸部を突き刺すなどし、よって、その頃、同所において、同人を胸部刺切創による心臓損傷に基づく出血により失血死させて殺害したという殺人の事実により公訴を提起された。
取調べの際に、甲がVを殺害するに至った経緯についてした供述を録取した書面で、甲の署名又は押印のあるものは、その供述が検察官の面前でされたものであるときに限り、V殺害の経緯を立証するための証拠として用いることができる。ただし、刑事訴訟法第326条の同意がなかったものとする。
甲は、平成30年12月15日午後8時頃、H市I町2丁目先路上において、Vに対し、殺意をもって、携帯していた出刃包丁で、同人の胸部を突き刺すなどし、よって、その頃、同所において、同人を胸部刺切創による心臓損傷に基づく出血により失血死させて殺害したという殺人の事実により公訴を提起された。
取調べの際に、甲がVを殺害するに至った経緯についてした供述を録取した書面で、甲の署名又は押印のあるものは、その供述が検察官の面前でされたものであるときに限り、V殺害の経緯を立証するための証拠として用いることができる。ただし、刑事訴訟法第326条の同意がなかったものとする。
(正答)✕
(解説)
322条1項は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定しており、その供述が検察官の面前でなされたものであるかどうかは問題としていない。
したがって、甲がVを殺害するに至った経緯についてした供述を録取した書面で、甲の署名又は押印のあるものは、その供述が検察官の面前でされたものでなくとも、V殺害の経緯を立証するための証拠として用いることができる。
322条1項は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定しており、その供述が検察官の面前でなされたものであるかどうかは問題としていない。
したがって、甲がVを殺害するに至った経緯についてした供述を録取した書面で、甲の署名又は押印のあるものは、その供述が検察官の面前でされたものでなくとも、V殺害の経緯を立証するための証拠として用いることができる。
(R1 予備 第22問 ウ)
甲は、平成30年12月15日午後8時頃、H市I町2丁目先路上において、Vに対し、殺意をもって、携帯していた出刃包丁で、同人の胸部を突き刺すなどし、よって、その頃、同所において、同人を胸部刺切創による心臓損傷に基づく出血により失血死させて殺害したという殺人の事実により公訴を提起された。
検察官による取調べの際に、甲が、Vを殺害したことを認めた供述を録取した書面で、甲の署名又は押印のあるものは、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるときに限り、甲がVを殺害したことを立証するための証拠として用いることができる。ただし、刑事訴訟法第326条の同意がなかったものとする。
甲は、平成30年12月15日午後8時頃、H市I町2丁目先路上において、Vに対し、殺意をもって、携帯していた出刃包丁で、同人の胸部を突き刺すなどし、よって、その頃、同所において、同人を胸部刺切創による心臓損傷に基づく出血により失血死させて殺害したという殺人の事実により公訴を提起された。
検察官による取調べの際に、甲が、Vを殺害したことを認めた供述を録取した書面で、甲の署名又は押印のあるものは、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるときに限り、甲がVを殺害したことを立証するための証拠として用いることができる。ただし、刑事訴訟法第326条の同意がなかったものとする。
(正答)✕
(解説)
322条1項は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定しており、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるかは問題としていない。
したがって、甲が、Vを殺害したことを認めた供述を録取した書面で、甲の署名又は押印のあるものは、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるときでなくとも、甲がVを殺害したことを立証するための証拠として用いることができる。
322条1項は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定しており、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるかは問題としていない。
したがって、甲が、Vを殺害したことを認めた供述を録取した書面で、甲の署名又は押印のあるものは、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるときでなくとも、甲がVを殺害したことを立証するための証拠として用いることができる。
(R1 予備 第22問 エ)
甲は、平成30年12月15日午後8時頃、H市I町2丁目先路上において、Vに対し、殺意をもって、携帯していた出刃包丁で、同人の胸部を突き刺すなどし、よって、その頃、同所において、同人を胸部刺切創による心臓損傷に基づく出血により失血死させて殺害したという殺人の事実により公訴を提起された。
検察官による取調べの際に、甲が、平成30年12月14日午後7時頃、Vの胸部刺切創の大きさと合致する出刃包丁を購入したことを認めた供述を録取した書面で、甲の署名又は押印のあるものは、その供述が任意にされたものでない疑いがないときに限り、甲がVを殺害するために出刃包丁を購入したことを立証するための証拠として用いることができる。ただし、刑事訴訟法第326条の同意がなかったものとする。
甲は、平成30年12月15日午後8時頃、H市I町2丁目先路上において、Vに対し、殺意をもって、携帯していた出刃包丁で、同人の胸部を突き刺すなどし、よって、その頃、同所において、同人を胸部刺切創による心臓損傷に基づく出血により失血死させて殺害したという殺人の事実により公訴を提起された。
検察官による取調べの際に、甲が、平成30年12月14日午後7時頃、Vの胸部刺切創の大きさと合致する出刃包丁を購入したことを認めた供述を録取した書面で、甲の署名又は押印のあるものは、その供述が任意にされたものでない疑いがないときに限り、甲がVを殺害するために出刃包丁を購入したことを立証するための証拠として用いることができる。ただし、刑事訴訟法第326条の同意がなかったものとする。
(正答)〇
(解説)
322条1項但書は、「被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。」と規定している。
甲が、平成30年12月14日午後7時頃、Vの胸部刺切創の大きさと合致する出刃包丁を購入したことを認めた供述を録取した書面は、「被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面」に当たるから、その供述が任意にされたものでない疑いがないときに限り、甲がVを殺害するために出刃包丁を購入したことを立証するための証拠として用いることができる。
322条1項但書は、「被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。」と規定している。
甲が、平成30年12月14日午後7時頃、Vの胸部刺切創の大きさと合致する出刃包丁を購入したことを認めた供述を録取した書面は、「被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面」に当たるから、その供述が任意にされたものでない疑いがないときに限り、甲がVを殺害するために出刃包丁を購入したことを立証するための証拠として用いることができる。
(R1 予備 第22問 オ)
甲は、平成30年12月15日午後8時頃、H市I町2丁目先路上において、Vに対し、殺意をもって、携帯していた出刃包丁で、同人の胸部を突き刺すなどし、よって、その頃、同所において、同人を胸部刺切創による心臓損傷に基づく出血により失血死させて殺害したという殺人の事実により公訴を提起された。
検察官による取調べの際に、甲が、平成30年12月15日午後8時頃、隣のJ市にいたため、Vを殺害することは不可能であった旨を述べた供述を録取した書面で、甲の署名又は押印のあるものは、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、Vが殺害された当時、甲が犯行の場所にいなかったことを立証するための証拠として用いることができる。ただし、刑事訴訟法第326条の同意がなかったものとする。
甲は、平成30年12月15日午後8時頃、H市I町2丁目先路上において、Vに対し、殺意をもって、携帯していた出刃包丁で、同人の胸部を突き刺すなどし、よって、その頃、同所において、同人を胸部刺切創による心臓損傷に基づく出血により失血死させて殺害したという殺人の事実により公訴を提起された。
検察官による取調べの際に、甲が、平成30年12月15日午後8時頃、隣のJ市にいたため、Vを殺害することは不可能であった旨を述べた供述を録取した書面で、甲の署名又は押印のあるものは、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、Vが殺害された当時、甲が犯行の場所にいなかったことを立証するための証拠として用いることができる。ただし、刑事訴訟法第326条の同意がなかったものとする。
(正答)〇
(解説)
322条1項本文は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
甲が、平成30年12月15日午後8時頃、隣のJ市にいたため、Vを殺害することは不可能であった旨を述べた供述を録取した書面は、「被告人に不利益な事実の承認を内容とするもの」ではない。
したがって、同書面は、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、Vが殺害された当時、甲が犯行の場所にいなかったことを立証するための証拠として用いることができる。
322条1項本文は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
甲が、平成30年12月15日午後8時頃、隣のJ市にいたため、Vを殺害することは不可能であった旨を述べた供述を録取した書面は、「被告人に不利益な事実の承認を内容とするもの」ではない。
したがって、同書面は、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、Vが殺害された当時、甲が犯行の場所にいなかったことを立証するための証拠として用いることができる。
(R2 予備 第25問 ア)
司法警察員の面前における被告人の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるものと、検察官の面前における被告人の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるものは、証拠とすることができる要件に差異はない。
司法警察員の面前における被告人の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるものと、検察官の面前における被告人の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるものは、証拠とすることができる要件に差異はない。
(正答)〇
(解説)
322条1項本文は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
本肢の両書面とも、322条1項の「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるもの」であるから、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。
322条1項本文は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
本肢の両書面とも、322条1項の「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるもの」であるから、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。
(R2 予備 第25問 ウ)
被告人が作成した供述書で同人の署名及び押印のあるものと、被告人が作成した供述書で同人の署名及び押印のいずれもがないものは、証拠とすることができる要件に差異はない。
被告人が作成した供述書で同人の署名及び押印のあるものと、被告人が作成した供述書で同人の署名及び押印のいずれもがないものは、証拠とすることができる要件に差異はない。
(正答)〇
(解説)
322条1項本文は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
本肢の両書面とも、322条1項の「被告人が作成した供述書」であるから、証拠とすることができる要件に差異はない。
322条1項本文は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
本肢の両書面とも、322条1項の「被告人が作成した供述書」であるから、証拠とすることができる要件に差異はない。
(R6 予備 第17問 ア)
次の【事例】で、Xの公判において、以下の各供述録取書を証拠として用いる場合(刑事訴訟法第326条及び同法第328条の場合を除く。)、その証拠能力について述べた【記述】は正しいか。
【事例】
Xは、令和5年5月1日午後11時頃、甲市内の路上で、帰宅途中の女性の横をバイクで通り過る際に、その腕からハンドバッグをひったくったという窃盗の被疑事実で逮捕された。逮捕直後の警察官による取調べにおいて、Xは、上記の犯行が行われたとされる日は、午後7時に帰宅して以降、外出しておらず、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述し、それが書面に録取された(供述録取書①)。しかし、その後の取調べで、警察官が、犯行現場付近に設置された防犯カメラに、同日午後10時58分にその場を通り過ぎるXのバイクが映っていることを告げると、Xは、同日午後11時頃に、酒を買うために犯行現場付近にあるコンビニエンスストアに出かけたことを失念しており、その際に犯行現場である道路をバイクで通ったことを思い出したが、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述を変更し、それが書面に録取された(供述録取書②)。さらに、数日後の取調べにおいて、警察官から、上記のコンビニエンスストアの防犯カメラの同年5月1日夜の録画記録にはXは全く映っていなかったことを告げられると、Xは観念した様子で、上記のひったくりを行ったことを認める供述をした。そこで、警察官はその供述を書面に録取した(供述録取書③)。
【記述】
Xが起訴され、公判期日において供述した場合、供述録取書①の証拠能力が認められることはない。
次の【事例】で、Xの公判において、以下の各供述録取書を証拠として用いる場合(刑事訴訟法第326条及び同法第328条の場合を除く。)、その証拠能力について述べた【記述】は正しいか。
【事例】
Xは、令和5年5月1日午後11時頃、甲市内の路上で、帰宅途中の女性の横をバイクで通り過る際に、その腕からハンドバッグをひったくったという窃盗の被疑事実で逮捕された。逮捕直後の警察官による取調べにおいて、Xは、上記の犯行が行われたとされる日は、午後7時に帰宅して以降、外出しておらず、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述し、それが書面に録取された(供述録取書①)。しかし、その後の取調べで、警察官が、犯行現場付近に設置された防犯カメラに、同日午後10時58分にその場を通り過ぎるXのバイクが映っていることを告げると、Xは、同日午後11時頃に、酒を買うために犯行現場付近にあるコンビニエンスストアに出かけたことを失念しており、その際に犯行現場である道路をバイクで通ったことを思い出したが、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述を変更し、それが書面に録取された(供述録取書②)。さらに、数日後の取調べにおいて、警察官から、上記のコンビニエンスストアの防犯カメラの同年5月1日夜の録画記録にはXは全く映っていなかったことを告げられると、Xは観念した様子で、上記のひったくりを行ったことを認める供述をした。そこで、警察官はその供述を書面に録取した(供述録取書③)。
【記述】
Xが起訴され、公判期日において供述した場合、供述録取書①の証拠能力が認められることはない。
(正答)✕
(解説)
322条1項本文は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
供述録取書①は、「被告人の供述を録取した書面」に当たる。
したがって、Xが起訴され、公判期日において供述した場合であっても、「特に信用すべき情況の下にされたものであるとき」の要件を満たすのであれば、証拠能力を認められることがあるといえる。
322条1項本文は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
供述録取書①は、「被告人の供述を録取した書面」に当たる。
したがって、Xが起訴され、公判期日において供述した場合であっても、「特に信用すべき情況の下にされたものであるとき」の要件を満たすのであれば、証拠能力を認められることがあるといえる。
(R6 予備 第17問 イ)
次の【事例】で、Xの公判において、以下の各供述録取書を証拠として用いる場合(刑事訴訟法第326条及び同法第328条の場合を除く。)、その証拠能力について述べた【記述】は正しいか。
【事例】
Xは、令和5年5月1日午後11時頃、甲市内の路上で、帰宅途中の女性の横をバイクで通り過る際に、その腕からハンドバッグをひったくったという窃盗の被疑事実で逮捕された。逮捕直後の警察官による取調べにおいて、Xは、上記の犯行が行われたとされる日は、午後7時に帰宅して以降、外出しておらず、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述し、それが書面に録取された(供述録取書①)。しかし、その後の取調べで、警察官が、犯行現場付近に設置された防犯カメラに、同日午後10時58分にその場を通り過ぎるXのバイクが映っていることを告げると、Xは、同日午後11時頃に、酒を買うために犯行現場付近にあるコンビニエンスストアに出かけたことを失念しており、その際に犯行現場である道路をバイクで通ったことを思い出したが、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述を変更し、それが書面に録取された(供述録取書②)。さらに、数日後の取調べにおいて、警察官から、上記のコンビニエンスストアの防犯カメラの同年5月1日夜の録画記録にはXは全く映っていなかったことを告げられると、Xは観念した様子で、上記のひったくりを行ったことを認める供述をした。そこで、警察官はその供述を書面に録取した(供述録取書③)。
【記述】
供述録取書①については、Xの供述の任意性に疑いがなければ、証拠能力が認められる。
次の【事例】で、Xの公判において、以下の各供述録取書を証拠として用いる場合(刑事訴訟法第326条及び同法第328条の場合を除く。)、その証拠能力について述べた【記述】は正しいか。
【事例】
Xは、令和5年5月1日午後11時頃、甲市内の路上で、帰宅途中の女性の横をバイクで通り過る際に、その腕からハンドバッグをひったくったという窃盗の被疑事実で逮捕された。逮捕直後の警察官による取調べにおいて、Xは、上記の犯行が行われたとされる日は、午後7時に帰宅して以降、外出しておらず、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述し、それが書面に録取された(供述録取書①)。しかし、その後の取調べで、警察官が、犯行現場付近に設置された防犯カメラに、同日午後10時58分にその場を通り過ぎるXのバイクが映っていることを告げると、Xは、同日午後11時頃に、酒を買うために犯行現場付近にあるコンビニエンスストアに出かけたことを失念しており、その際に犯行現場である道路をバイクで通ったことを思い出したが、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述を変更し、それが書面に録取された(供述録取書②)。さらに、数日後の取調べにおいて、警察官から、上記のコンビニエンスストアの防犯カメラの同年5月1日夜の録画記録にはXは全く映っていなかったことを告げられると、Xは観念した様子で、上記のひったくりを行ったことを認める供述をした。そこで、警察官はその供述を書面に録取した(供述録取書③)。
【記述】
供述録取書①については、Xの供述の任意性に疑いがなければ、証拠能力が認められる。
(正答)✕
(解説)
322条1項本文は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
供述録取書①は、「被告人の供述を録取した書面」に当たる。
自己のアリバイについての供述は、「被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき」の要件は満たさないから、「特に信用すべき情況の下にされたものであるとき」の要件を満たす必要がある。
したがって、供述録取書①については、Xの供述の任意性に疑いがなくとも、証拠能力が認められない場合がある。
322条1項本文は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
供述録取書①は、「被告人の供述を録取した書面」に当たる。
自己のアリバイについての供述は、「被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき」の要件は満たさないから、「特に信用すべき情況の下にされたものであるとき」の要件を満たす必要がある。
したがって、供述録取書①については、Xの供述の任意性に疑いがなくとも、証拠能力が認められない場合がある。
(R6 予備 第17問 ウ)
次の【事例】で、Xの公判において、以下の各供述録取書を証拠として用いる場合(刑事訴訟法第326条及び同法第328条の場合を除く。)、その証拠能力について述べた【記述】は正しいか。
【事例】
Xは、令和5年5月1日午後11時頃、甲市内の路上で、帰宅途中の女性の横をバイクで通り過る際に、その腕からハンドバッグをひったくったという窃盗の被疑事実で逮捕された。逮捕直後の警察官による取調べにおいて、Xは、上記の犯行が行われたとされる日は、午後7時に帰宅して以降、外出しておらず、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述し、それが書面に録取された(供述録取書①)。しかし、その後の取調べで、警察官が、犯行現場付近に設置された防犯カメラに、同日午後10時58分にその場を通り過ぎるXのバイクが映っていることを告げると、Xは、同日午後11時頃に、酒を買うために犯行現場付近にあるコンビニエンスストアに出かけたことを失念しており、その際に犯行現場である道路をバイクで通ったことを思い出したが、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述を変更し、それが書面に録取された(供述録取書②)。さらに、数日後の取調べにおいて、警察官から、上記のコンビニエンスストアの防犯カメラの同年5月1日夜の録画記録にはXは全く映っていなかったことを告げられると、Xは観念した様子で、上記のひったくりを行ったことを認める供述をした。そこで、警察官はその供述を書面に録取した(供述録取書③)。
【記述】
供述録取書②については、供述録取書③と同じ要件の下で、証拠能力が認められる。
次の【事例】で、Xの公判において、以下の各供述録取書を証拠として用いる場合(刑事訴訟法第326条及び同法第328条の場合を除く。)、その証拠能力について述べた【記述】は正しいか。
【事例】
Xは、令和5年5月1日午後11時頃、甲市内の路上で、帰宅途中の女性の横をバイクで通り過る際に、その腕からハンドバッグをひったくったという窃盗の被疑事実で逮捕された。逮捕直後の警察官による取調べにおいて、Xは、上記の犯行が行われたとされる日は、午後7時に帰宅して以降、外出しておらず、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述し、それが書面に録取された(供述録取書①)。しかし、その後の取調べで、警察官が、犯行現場付近に設置された防犯カメラに、同日午後10時58分にその場を通り過ぎるXのバイクが映っていることを告げると、Xは、同日午後11時頃に、酒を買うために犯行現場付近にあるコンビニエンスストアに出かけたことを失念しており、その際に犯行現場である道路をバイクで通ったことを思い出したが、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述を変更し、それが書面に録取された(供述録取書②)。さらに、数日後の取調べにおいて、警察官から、上記のコンビニエンスストアの防犯カメラの同年5月1日夜の録画記録にはXは全く映っていなかったことを告げられると、Xは観念した様子で、上記のひったくりを行ったことを認める供述をした。そこで、警察官はその供述を書面に録取した(供述録取書③)。
【記述】
供述録取書②については、供述録取書③と同じ要件の下で、証拠能力が認められる。
(正答)〇
(解説)
322条1項は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。」と規定している。
供述録取書②及び供述録取書③は、「被告人の供述を録取した書面」に当たる。
犯行当日に犯行現場に行ったことがある供述も、「不利益な事実の承認」に含まれる。
自分が犯行現場に行ったことを認める供述録取書②は、「被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき」に当たり、「第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるとき」であれば証拠能力が認められる。
供述録取書③は、322条1項本文の他、ひったくりを認める「自白」が含まれるから自白調書として、「任意にされたものでない疑のある自白」(319条1項)でないのであれば証拠能力が認められる。
したがって、供述録取書②については、供述録取書③と同じ要件の下で、証拠能力が認められる。
322条1項は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。」と規定している。
供述録取書②及び供述録取書③は、「被告人の供述を録取した書面」に当たる。
犯行当日に犯行現場に行ったことがある供述も、「不利益な事実の承認」に含まれる。
自分が犯行現場に行ったことを認める供述録取書②は、「被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき」に当たり、「第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるとき」であれば証拠能力が認められる。
供述録取書③は、322条1項本文の他、ひったくりを認める「自白」が含まれるから自白調書として、「任意にされたものでない疑のある自白」(319条1項)でないのであれば証拠能力が認められる。
したがって、供述録取書②については、供述録取書③と同じ要件の下で、証拠能力が認められる。
(R6 予備 第17問 オ)
次の【事例】で、Xの公判において、以下の各供述録取書を証拠として用いる場合(刑事訴訟法第326条及び同法第328条の場合を除く。)、その証拠能力について述べた【記述】は正しいか。
【事例】
Xは、令和5年5月1日午後11時頃、甲市内の路上で、帰宅途中の女性の横をバイクで通り過る際に、その腕からハンドバッグをひったくったという窃盗の被疑事実で逮捕された。逮捕直後の警察官による取調べにおいて、Xは、上記の犯行が行われたとされる日は、午後7時に帰宅して以降、外出しておらず、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述し、それが書面に録取された(供述録取書①)。しかし、その後の取調べで、警察官が、犯行現場付近に設置された防犯カメラに、同日午後10時58分にその場を通り過ぎるXのバイクが映っていることを告げると、Xは、同日午後11時頃に、酒を買うために犯行現場付近にあるコンビニエンスストアに出かけたことを失念しており、その際に犯行現場である道路をバイクで通ったことを思い出したが、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述を変更し、それが書面に録取された(供述録取書②)。さらに、数日後の取調べにおいて、警察官から、上記のコンビニエンスストアの防犯カメラの同年5月1日夜の録画記録にはXは全く映っていなかったことを告げられると、Xは観念した様子で、上記のひったくりを行ったことを認める供述をした。そこで、警察官はその供述を書面に録取した(供述録取書③)。
【記述】
供述録取書③が、検察官による取調べにおいて作成された場合であっても、証拠能力が認められる要件は同じである。
次の【事例】で、Xの公判において、以下の各供述録取書を証拠として用いる場合(刑事訴訟法第326条及び同法第328条の場合を除く。)、その証拠能力について述べた【記述】は正しいか。
【事例】
Xは、令和5年5月1日午後11時頃、甲市内の路上で、帰宅途中の女性の横をバイクで通り過る際に、その腕からハンドバッグをひったくったという窃盗の被疑事実で逮捕された。逮捕直後の警察官による取調べにおいて、Xは、上記の犯行が行われたとされる日は、午後7時に帰宅して以降、外出しておらず、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述し、それが書面に録取された(供述録取書①)。しかし、その後の取調べで、警察官が、犯行現場付近に設置された防犯カメラに、同日午後10時58分にその場を通り過ぎるXのバイクが映っていることを告げると、Xは、同日午後11時頃に、酒を買うために犯行現場付近にあるコンビニエンスストアに出かけたことを失念しており、その際に犯行現場である道路をバイクで通ったことを思い出したが、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述を変更し、それが書面に録取された(供述録取書②)。さらに、数日後の取調べにおいて、警察官から、上記のコンビニエンスストアの防犯カメラの同年5月1日夜の録画記録にはXは全く映っていなかったことを告げられると、Xは観念した様子で、上記のひったくりを行ったことを認める供述をした。そこで、警察官はその供述を書面に録取した(供述録取書③)。
【記述】
供述録取書③が、検察官による取調べにおいて作成された場合であっても、証拠能力が認められる要件は同じである。
(正答)〇
(解説)
322条1項は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。」と規定している。
322条1項において、「被告人の供述を録取した書面」の供述を録取した者が誰かによって要件は変わらない。
したがって、供述録取書③が、検察官による取調べにおいて作成された場合であっても、証拠能力が認められる要件は同じである。
322条1項は、「被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。」と規定している。
322条1項において、「被告人の供述を録取した書面」の供述を録取した者が誰かによって要件は変わらない。
したがって、供述録取書③が、検察官による取調べにおいて作成された場合であっても、証拠能力が認められる要件は同じである。
総合メモ
第323条
条文
第323条(その他の書面の証拠能力)
第321条から前条までに掲げる書面以外の書面は、次に掲げるものに限り、これを証拠とすることができる。
一 戸籍謄本、公正証書謄本その他公務員(外国の公務員を含む。)がその職務上証明することができる事実についてその公務員の作成した書面
二 商業帳簿、航海日誌その他業務の通常の過程において作成された書面
三 前2号に掲げるもののほか特に信用すべき情況の下に作成された書面
第321条から前条までに掲げる書面以外の書面は、次に掲げるものに限り、これを証拠とすることができる。
一 戸籍謄本、公正証書謄本その他公務員(外国の公務員を含む。)がその職務上証明することができる事実についてその公務員の作成した書面
二 商業帳簿、航海日誌その他業務の通常の過程において作成された書面
三 前2号に掲げるもののほか特に信用すべき情況の下に作成された書面
過去問・解説
(R5 予備 第24問 ウ)
刑事訴訟法第323条第2号によれば、「業務の通常の過程において作成された書面」は、その作成者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときに限り、これを証拠とすることができる。
刑事訴訟法第323条第2号によれば、「業務の通常の過程において作成された書面」は、その作成者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときに限り、これを証拠とすることができる。
(正答)✕
(解説)
323条は、柱書において、「第321条から前条までに掲げる書面以外の書面は、次に掲げるものに限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、2号において、「商業帳簿、航海日誌その他業務の通常の過程において作成された書面」を掲げている。
したがって、「業務の通常の過程において作成された書面」は、無条件で証拠とすることができる。
323条は、柱書において、「第321条から前条までに掲げる書面以外の書面は、次に掲げるものに限り、これを証拠とすることができる。」と規定し、2号において、「商業帳簿、航海日誌その他業務の通常の過程において作成された書面」を掲げている。
したがって、「業務の通常の過程において作成された書面」は、無条件で証拠とすることができる。
総合メモ
第324条
条文
第324条(伝聞の供述)
① 被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人の供述をその内容とするものについては、第322条の規定を準用する。
② 被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人以外の者の供述をその内容とするものについては、第321条第1項第3号の規定を準用する。
第321条(被告人以外の者の供述書・供述録取書の証拠能力)
① 被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。
一〜二 略
三 前2号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。
②〜④ 略
第322条(被害人の供述書・供述録取書の証拠能力)
① 被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。
② 略
① 被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人の供述をその内容とするものについては、第322条の規定を準用する。
② 被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人以外の者の供述をその内容とするものについては、第321条第1項第3号の規定を準用する。
第321条(被告人以外の者の供述書・供述録取書の証拠能力)
① 被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。
一〜二 略
三 前2号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。
②〜④ 略
第322条(被害人の供述書・供述録取書の証拠能力)
① 被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。
② 略
過去問・解説
(H21 司法 第36問 ア)
被告人甲は、Vを殺害した殺人被告事件で起訴されたが、同被告事件の第1回公判期日において、犯行日のアリバイを主張し、自分は犯人ではない旨述べた。同被告事件の第×回公判期日において、検察官が、「被告人がVを殺害したこと」を立証趣旨として、Aを証人尋問したところ、Aは、「事件のあった翌日、甲が私に対し、Vを殺したと言った。」と証言した(A証言)。なお、弁護人は、Aの証人尋問の終了までに前記A証言を証拠とすることに異議を申し立てた。
A証言は、不利益な事実の承認をした被告人の署名又は押印がないので、これを証拠とすることができない。
被告人甲は、Vを殺害した殺人被告事件で起訴されたが、同被告事件の第1回公判期日において、犯行日のアリバイを主張し、自分は犯人ではない旨述べた。同被告事件の第×回公判期日において、検察官が、「被告人がVを殺害したこと」を立証趣旨として、Aを証人尋問したところ、Aは、「事件のあった翌日、甲が私に対し、Vを殺したと言った。」と証言した(A証言)。なお、弁護人は、Aの証人尋問の終了までに前記A証言を証拠とすることに異議を申し立てた。
A証言は、不利益な事実の承認をした被告人の署名又は押印がないので、これを証拠とすることができない。
(正答)✕
(解説)
324条1項は、「被告人以外の者の…公判期日における供述で被告人の供述をその内容とするものについては、第322条の規定を準用する。」と規定しており、322条1項本文は、「被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
Aは、「被告人以外の者」であり、A証言は、「公判期日における供述」である。そして、本肢では甲の犯人性が問題となっているところ、要証事実は甲がVを殺害したことであるといえ、A証言の内容から甲の犯人性が推認できるため、A証言は、「被告人の供述をその内容とするもの」であるといえる。
また、A証言には甲の署名押印は存在しないものの、A証言に対しては反対尋問の機会があり、A自身、証人として宣誓する必要があるため、実務上、A証言について署名押印がなかったとしても、証拠能力は認められうる。
324条1項は、「被告人以外の者の…公判期日における供述で被告人の供述をその内容とするものについては、第322条の規定を準用する。」と規定しており、322条1項本文は、「被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
Aは、「被告人以外の者」であり、A証言は、「公判期日における供述」である。そして、本肢では甲の犯人性が問題となっているところ、要証事実は甲がVを殺害したことであるといえ、A証言の内容から甲の犯人性が推認できるため、A証言は、「被告人の供述をその内容とするもの」であるといえる。
また、A証言には甲の署名押印は存在しないものの、A証言に対しては反対尋問の機会があり、A自身、証人として宣誓する必要があるため、実務上、A証言について署名押印がなかったとしても、証拠能力は認められうる。
(H21 司法 第36問 イ)
被告人甲は、Vを殺害した殺人被告事件で起訴されたが、同被告事件の第1回公判期日において、犯行日のアリバイを主張し、自分は犯人ではない旨述べた。同被告事件の第×回公判期日において、検察官が、「被告人がVを殺害したこと」を立証趣旨として、Aを証人尋問したところ、Aは、「事件のあった翌日、甲が私に対し、Vを殺したと言った。」と証言した(A証言)。なお、弁護人は、Aの証人尋問の終了までに前記A証言を証拠とすることに異議を申し立てた。
A証言は、被告人のAに対する供述が任意にされたものであると認めるときは、これを証拠とすることができる。
被告人甲は、Vを殺害した殺人被告事件で起訴されたが、同被告事件の第1回公判期日において、犯行日のアリバイを主張し、自分は犯人ではない旨述べた。同被告事件の第×回公判期日において、検察官が、「被告人がVを殺害したこと」を立証趣旨として、Aを証人尋問したところ、Aは、「事件のあった翌日、甲が私に対し、Vを殺したと言った。」と証言した(A証言)。なお、弁護人は、Aの証人尋問の終了までに前記A証言を証拠とすることに異議を申し立てた。
A証言は、被告人のAに対する供述が任意にされたものであると認めるときは、これを証拠とすることができる。
(正答)〇
(解説)
324条1項は、「被告人以外の者の…公判期日における供述で被告人の供述をその内容とするものについては、第322条の規定を準用する。」と規定しており、322条1項但書は、「被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。」と規定している。
Aは、「被告人以外の者」であり、A証言は、「公判期日における供述」である。そして、本肢では甲の犯人性が問題となっているところ、要証事実は甲がVを殺害したことであるといえ、A証言の内容から甲の犯人性が推認できるため、A証言は、「被告人の供述をその内容とするもの」であるといえる。
A証言における「Vを殺した」という部分は、甲が、Vを殺害したことを自認する内容であり、「被告人に不利益な事実の承認を内容とする」ものである。
したがって、かかる供述が任意にされたものであると認めるときは、証拠とすることができる。
324条1項は、「被告人以外の者の…公判期日における供述で被告人の供述をその内容とするものについては、第322条の規定を準用する。」と規定しており、322条1項但書は、「被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。」と規定している。
Aは、「被告人以外の者」であり、A証言は、「公判期日における供述」である。そして、本肢では甲の犯人性が問題となっているところ、要証事実は甲がVを殺害したことであるといえ、A証言の内容から甲の犯人性が推認できるため、A証言は、「被告人の供述をその内容とするもの」であるといえる。
A証言における「Vを殺した」という部分は、甲が、Vを殺害したことを自認する内容であり、「被告人に不利益な事実の承認を内容とする」ものである。
したがって、かかる供述が任意にされたものであると認めるときは、証拠とすることができる。
(H21 司法 第36問 ウ)
被告人甲は、Vを殺害した殺人被告事件で起訴されたが、同被告事件の第1回公判期日において、犯行日のアリバイを主張し、自分は犯人ではない旨述べた。同被告事件の第×回公判期日において、検察官が、「Wが犯行時間帯に犯行現場付近で被告人を目撃したこと」を立証趣旨として、Bを証人尋問したところ、Bは、「友人のWが私に対し、事件直後に現場付近で甲を見たと言っていた。」と証言した(B証言)。なお、弁護人は、Bの証人尋問終了までに前記B証言を証拠とすることに異議を申し立てた。
B証言は、Wが公判期日においてWがBにした供述と相反する供述をしたときで、かつ、公判期日における供述よりもWがBにした供述を信用すべき特別の情況の存するときに限り、これを証拠とすることができる。
被告人甲は、Vを殺害した殺人被告事件で起訴されたが、同被告事件の第1回公判期日において、犯行日のアリバイを主張し、自分は犯人ではない旨述べた。同被告事件の第×回公判期日において、検察官が、「Wが犯行時間帯に犯行現場付近で被告人を目撃したこと」を立証趣旨として、Bを証人尋問したところ、Bは、「友人のWが私に対し、事件直後に現場付近で甲を見たと言っていた。」と証言した(B証言)。なお、弁護人は、Bの証人尋問終了までに前記B証言を証拠とすることに異議を申し立てた。
B証言は、Wが公判期日においてWがBにした供述と相反する供述をしたときで、かつ、公判期日における供述よりもWがBにした供述を信用すべき特別の情況の存するときに限り、これを証拠とすることができる。
(正答)✕
(解説)
324条2項は、「被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人以外の者の供述をその内容とするものについては、第321条第1項第3号の規定を準用する。」と規定しており、321条1項3号は、伝聞例外の要件として、「供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。」で、かつ、「その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるとき。」と規定している。
Bは、「被告人以外の者」であり、B証言は、「公判期日における供述」である。そして、設問では甲の犯人性が問題となっているところ、要証事実は甲がVを殺害したことであるといえ、B証言の内容から甲の犯人性が推認できるため、B証言は、「被告人以外の者の供述をその内容とするもの」であるといえる。
Wの相反供述という理由は、321条1項3号本文の供述不能事由を満たさない。また、公判期日における供述よりもWがBにした供述を信用すべき特別の情況の存するときという要件は、相対的特信情況を指し、321条1項3号但書の絶対的特信情況を満たさない。
したがって、B証言は証拠とすることができない。
324条2項は、「被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人以外の者の供述をその内容とするものについては、第321条第1項第3号の規定を準用する。」と規定しており、321条1項3号は、伝聞例外の要件として、「供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。」で、かつ、「その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるとき。」と規定している。
Bは、「被告人以外の者」であり、B証言は、「公判期日における供述」である。そして、設問では甲の犯人性が問題となっているところ、要証事実は甲がVを殺害したことであるといえ、B証言の内容から甲の犯人性が推認できるため、B証言は、「被告人以外の者の供述をその内容とするもの」であるといえる。
Wの相反供述という理由は、321条1項3号本文の供述不能事由を満たさない。また、公判期日における供述よりもWがBにした供述を信用すべき特別の情況の存するときという要件は、相対的特信情況を指し、321条1項3号但書の絶対的特信情況を満たさない。
したがって、B証言は証拠とすることができない。
(H21 司法 第36問 エ)
被告人甲は、Vを殺害した殺人被告事件で起訴されたが、同被告事件の第1回公判期日において、犯行日のアリバイを主張し、自分は犯人ではない旨述べた。同被告事件の第×回公判期日において、検察官が、「Wが犯行時間帯に犯行現場付近で被告人を目撃したこと」を立証趣旨として、Bを証人尋問したところ、Bは、「友人のWが私に対し、事件直後に現場付近で甲を見たと言っていた。」と証言した(B証言)。なお、弁護人は、Bの証人尋問終了までに前記B証言を証拠とすることに異議を申し立てた。
B証言は、Wが所在不明であるため公判期日において供述することができず、かつ、Wの供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるときは、Wの供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。
被告人甲は、Vを殺害した殺人被告事件で起訴されたが、同被告事件の第1回公判期日において、犯行日のアリバイを主張し、自分は犯人ではない旨述べた。同被告事件の第×回公判期日において、検察官が、「Wが犯行時間帯に犯行現場付近で被告人を目撃したこと」を立証趣旨として、Bを証人尋問したところ、Bは、「友人のWが私に対し、事件直後に現場付近で甲を見たと言っていた。」と証言した(B証言)。なお、弁護人は、Bの証人尋問終了までに前記B証言を証拠とすることに異議を申し立てた。
B証言は、Wが所在不明であるため公判期日において供述することができず、かつ、Wの供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるときは、Wの供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。
(正答)〇
(解説)
324条2項は、「被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人以外の者の供述をその内容とするものについては、第321条第1項第3号の規定を準用する。」と規定しており、321条1項3号は、伝聞例外の要件として、「供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。」で、かつ、「その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるとき。」と規定している。
Bは、「被告人以外の者」であり、B証言は、「公判期日における供述」である。そして、設問では甲の犯人性が問題となっているところ、要証事実は甲がVを殺害したことであるといえ、B証言の内容から甲の犯人性が推認できるため、B証言は、「被告人以外の者の供述をその内容とするもの」であるといえる。
Wが所在不明であるため公判期日において供述することができない以上、321条1項3号本文の供述不能事由を満たす。
また、Wの供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであり、Wの供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるのであれば、321条1項3号但書の絶対的特信情況を満たす。
したがって、B証言は証拠とすることができる。
324条2項は、「被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人以外の者の供述をその内容とするものについては、第321条第1項第3号の規定を準用する。」と規定しており、321条1項3号は、伝聞例外の要件として、「供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。」で、かつ、「その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるとき。」と規定している。
Bは、「被告人以外の者」であり、B証言は、「公判期日における供述」である。そして、設問では甲の犯人性が問題となっているところ、要証事実は甲がVを殺害したことであるといえ、B証言の内容から甲の犯人性が推認できるため、B証言は、「被告人以外の者の供述をその内容とするもの」であるといえる。
Wが所在不明であるため公判期日において供述することができない以上、321条1項3号本文の供述不能事由を満たす。
また、Wの供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであり、Wの供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるのであれば、321条1項3号但書の絶対的特信情況を満たす。
したがって、B証言は証拠とすることができる。
(H21 司法 第36問 オ)
被告人甲は、Vを殺害した殺人被告事件で起訴されたが、同被告事件の第1回公判期日において、犯行日のアリバイを主張し、自分は犯人ではない旨述べた。同被告事件の第×回公判期日において、弁護人が、「被告人が犯行日に旅行中でアリバイがあること」を立証趣旨として、Cを証人尋問したところ、Cは、「甲が私に対し、事件があった日には旅行中であったと言っていた。」と証言した(C証言)。なお、検察官は、Cの証人尋問の終了までに前記C証言を証拠とすることに異議を申し立てた。
C証言は、被告人のCに対する供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。
被告人甲は、Vを殺害した殺人被告事件で起訴されたが、同被告事件の第1回公判期日において、犯行日のアリバイを主張し、自分は犯人ではない旨述べた。同被告事件の第×回公判期日において、弁護人が、「被告人が犯行日に旅行中でアリバイがあること」を立証趣旨として、Cを証人尋問したところ、Cは、「甲が私に対し、事件があった日には旅行中であったと言っていた。」と証言した(C証言)。なお、検察官は、Cの証人尋問の終了までに前記C証言を証拠とすることに異議を申し立てた。
C証言は、被告人のCに対する供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。
(正答)〇
(解説)
324条1項は、「被告人以外の者の…公判期日における供述で被告人の供述をその内容とするものについては、第322条の規定を準用する。」と規定しており、322条1項本文は、「被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
Cは、「被告人以外の者」であり、C証言は、「公判期日における供述」である。そして、本肢では甲の犯人性が問題となっているところ、要証事実は甲がVを殺害したことであるといえ、C証言の内容から甲の犯人性を否定する推認ができるため、C証言は、「被告人の供述をその内容とするもの」であるといえる。
したがって、C証言は、被告人のCに対する供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができるといえる。
324条1項は、「被告人以外の者の…公判期日における供述で被告人の供述をその内容とするものについては、第322条の規定を準用する。」と規定しており、322条1項本文は、「被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。」と規定している。
Cは、「被告人以外の者」であり、C証言は、「公判期日における供述」である。そして、本肢では甲の犯人性が問題となっているところ、要証事実は甲がVを殺害したことであるといえ、C証言の内容から甲の犯人性を否定する推認ができるため、C証言は、「被告人の供述をその内容とするもの」であるといえる。
したがって、C証言は、被告人のCに対する供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができるといえる。
総合メモ
第326条
条文
第326条(当事者の同意と書面供述の証拠能力)
① 検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
② 被告人が出頭しないでも証拠調を行うことができる場合において、被告人が出頭しないときは、前項の同意があったものとみなす。但し、代理人又は弁護人が出頭したときは、この限りでない。
第41条(独立行為権)
弁護人は、この法律に特別の定のある場合に限り、独立して訴訟行為をすることができる。
刑事訴訟規則第190条(証拠決定・法第298条等)
① 証拠調又は証拠調の請求の却下は、決定でこれをしなければならない。
② 前項の決定をするについては、証拠調の請求に基く場合には、相手方又はその弁護人の意見を、職権による場合には、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。
③ 略
① 検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
② 被告人が出頭しないでも証拠調を行うことができる場合において、被告人が出頭しないときは、前項の同意があったものとみなす。但し、代理人又は弁護人が出頭したときは、この限りでない。
第41条(独立行為権)
弁護人は、この法律に特別の定のある場合に限り、独立して訴訟行為をすることができる。
刑事訴訟規則第190条(証拠決定・法第298条等)
① 証拠調又は証拠調の請求の却下は、決定でこれをしなければならない。
② 前項の決定をするについては、証拠調の請求に基く場合には、相手方又はその弁護人の意見を、職権による場合には、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。
③ 略
過去問・解説
(H20 司法 第38問 ア)
326条1項の「同意」について、弁護人は、独立して訴訟行為をすることができるので、被告人の明示の意思に反しても、書面又は供述を証拠とすることに同意することができる。
326条1項の「同意」について、弁護人は、独立して訴訟行為をすることができるので、被告人の明示の意思に反しても、書面又は供述を証拠とすることに同意することができる。
(正答)✕
(解説)
41条は、「弁護人は、この法律に特別の定のある場合に限り、独立して訴訟行為をすることができる。」と規定している。そして、326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、…これを証拠とすることができる」と規定しており、同意権者から弁護人を除外している。
したがって、弁護人は、被告人の意思に反して、326条1項の「同意」をすることができない。
41条は、「弁護人は、この法律に特別の定のある場合に限り、独立して訴訟行為をすることができる。」と規定している。そして、326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、…これを証拠とすることができる」と規定しており、同意権者から弁護人を除外している。
したがって、弁護人は、被告人の意思に反して、326条1項の「同意」をすることができない。
(H20 司法 第38問 イ)
326条1項の「同意」について、書面又は供述が意味内容において分割可能な場合には、その一部を同意し、その他の部分を不同意とすることができる。
326条1項の「同意」について、書面又は供述が意味内容において分割可能な場合には、その一部を同意し、その他の部分を不同意とすることができる。
(正答)〇
(解説)
326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定している。
書面又は供述が意味内容において分割可能な場合には、その一部を同意し、その他の部分を不同意とすることを制限する規定は存在しない。
326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定している。
書面又は供述が意味内容において分割可能な場合には、その一部を同意し、その他の部分を不同意とすることを制限する規定は存在しない。
(H20 司法 第38問 ウ)
326条1項の「同意」について、書面又は供述を証拠とすることの同意は、第1審の判決が宣告されるまでは、いつでも撤回することができる。
326条1項の「同意」について、書面又は供述を証拠とすることの同意は、第1審の判決が宣告されるまでは、いつでも撤回することができる。
(正答)✕
(解説)
326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定している。
これについて、最も緩やかに同意の撤回を認める見解を取ったとしても、同意のあった当該証拠の証拠調べの終了までその撤回を認めるにとどまるため、第1審の判決が宣告されるまでは、いつでも撤回することができるとはいえない。
326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定している。
これについて、最も緩やかに同意の撤回を認める見解を取ったとしても、同意のあった当該証拠の証拠調べの終了までその撤回を認めるにとどまるため、第1審の判決が宣告されるまでは、いつでも撤回することができるとはいえない。
(H20 司法 第38問 エ)
326条1項の「同意」について、第1審において、書面又は供述を証拠とすることに同意した場合、その効果は、第1審にしか及ばないので、控訴審では、その書面又は供述を不同意とすることができる。
326条1項の「同意」について、第1審において、書面又は供述を証拠とすることに同意した場合、その効果は、第1審にしか及ばないので、控訴審では、その書面又は供述を不同意とすることができる。
(正答)✕
(解説)
326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定している。
326条1項の規定する「同意」によって生じた訴訟上の効果が、その後の手続の進行により覆されることはない。
したがって、上訴によって、「同意」の効果が消滅したりすることはない。
よって、第1審において、書面又は供述を証拠とすることに同意した場合、控訴審では、その書面又は供述を不同意とすることができない。
326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定している。
326条1項の規定する「同意」によって生じた訴訟上の効果が、その後の手続の進行により覆されることはない。
したがって、上訴によって、「同意」の効果が消滅したりすることはない。
よって、第1審において、書面又は供述を証拠とすることに同意した場合、控訴審では、その書面又は供述を不同意とすることができない。
(H24 共通 第40問 ウ)
検察官から取調べ請求がなされた証拠に対して同意又は不同意の意見を述べるのは、弁護人のみが有する権利である。
検察官から取調べ請求がなされた証拠に対して同意又は不同意の意見を述べるのは、弁護人のみが有する権利である。
(正答)✕
(解説)
326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定している。
すなわち、条文上は検察官が取調べを請求した証拠について、被告人がこれを証拠とすることに同意することができるとされている。
弁護人が同条の同意を行う場合もあるが、これは弁護人の包括的代理権に基づくものである。
したがって、検察官が取調べを請求した証拠について、これを証拠とすることに同意するのは、弁護人及び被告人が有する権利である。
326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定している。
すなわち、条文上は検察官が取調べを請求した証拠について、被告人がこれを証拠とすることに同意することができるとされている。
弁護人が同条の同意を行う場合もあるが、これは弁護人の包括的代理権に基づくものである。
したがって、検察官が取調べを請求した証拠について、これを証拠とすることに同意するのは、弁護人及び被告人が有する権利である。
(H24 司法 第28問 ウ)
弁護人から鑑定の請求があった場合、裁判所は、これを採用するか却下するかについて参考にするため、検察官に、刑事訴訟法第326条の同意をするかどうか聴かなければならない。
弁護人から鑑定の請求があった場合、裁判所は、これを採用するか却下するかについて参考にするため、検察官に、刑事訴訟法第326条の同意をするかどうか聴かなければならない。
(正答)✕
(解説)
326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定している。
また、刑事訴訟規則190条は、1項において、「証拠調又は証拠調の請求の却下は、決定でこれをしなければならない。」と規定し、2項において、「前項の決定をするについては、証拠調の請求に基く場合には、相手方又はその弁護人の意見を…聴かなければならない。」と規定している。
この「意見」に326条の「同意」が含まれるかが問題となるが、326条の「同意」は証拠能力を付与する性質を有するのに対し、刑事訴訟規則190条2項の「意見」は証拠調の請求に対する主張にすぎず、両者の性質は異なる。
したがって、「意見」に326条の「同意」は含まれない。
よって、弁護人から鑑定の請求があった場合、裁判所は、検察官に、刑事訴訟法第326条の同意をするかどうか聴く必要はない。
326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定している。
また、刑事訴訟規則190条は、1項において、「証拠調又は証拠調の請求の却下は、決定でこれをしなければならない。」と規定し、2項において、「前項の決定をするについては、証拠調の請求に基く場合には、相手方又はその弁護人の意見を…聴かなければならない。」と規定している。
この「意見」に326条の「同意」が含まれるかが問題となるが、326条の「同意」は証拠能力を付与する性質を有するのに対し、刑事訴訟規則190条2項の「意見」は証拠調の請求に対する主張にすぎず、両者の性質は異なる。
したがって、「意見」に326条の「同意」は含まれない。
よって、弁護人から鑑定の請求があった場合、裁判所は、検察官に、刑事訴訟法第326条の同意をするかどうか聴く必要はない。
(H25 司法 第26問 5)
裁判所は、被告人の精神状態の鑑定を命じた鑑定人が作成した「鑑定の経過及び結果を記載した書面」については、検察官が証拠とすることに同意しない場合でも、被告人が証拠とすることに同意すれば、直ちに証拠とすることができる。
裁判所は、被告人の精神状態の鑑定を命じた鑑定人が作成した「鑑定の経過及び結果を記載した書面」については、検察官が証拠とすることに同意しない場合でも、被告人が証拠とすることに同意すれば、直ちに証拠とすることができる。
(正答)✕
(解説)
326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面…は、その書面が作成され…たときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、…これを証拠とすることができる。」と規定している。
被告人の精神状態の鑑定を命じた鑑定人が作成した「鑑定の経過及び結果を記載した書面」は、その内容の真実性が問題となるため、伝聞証拠に該当する。
したがって、検察官が証拠とすることに同意していない場合、被告人が同意していても、直ちに証拠とすることはできない。
326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面…は、その書面が作成され…たときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、…これを証拠とすることができる。」と規定している。
被告人の精神状態の鑑定を命じた鑑定人が作成した「鑑定の経過及び結果を記載した書面」は、その内容の真実性が問題となるため、伝聞証拠に該当する。
したがって、検察官が証拠とすることに同意していない場合、被告人が同意していても、直ちに証拠とすることはできない。
(R4 予備 第19問 エ)
検察官が取調べを請求した証拠について、これを証拠とすることに同意するのは、弁護人のみが有する権利である。
検察官が取調べを請求した証拠について、これを証拠とすることに同意するのは、弁護人のみが有する権利である。
(正答)✕
(解説)
326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定している。
すなわち、条文上は検察官が取調べを請求した証拠について、被告人がこれを証拠とすることに同意することができるとされている。
弁護人が同条の同意を行う場合もあるが、これは弁護人の包括的代理権に基づくものである。
したがって、検察官が取調べを請求した証拠について、これを証拠とすることに同意するのは、弁護人及び被告人が有する権利である。
326条1項は、「検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第321条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。」と規定している。
すなわち、条文上は検察官が取調べを請求した証拠について、被告人がこれを証拠とすることに同意することができるとされている。
弁護人が同条の同意を行う場合もあるが、これは弁護人の包括的代理権に基づくものである。
したがって、検察官が取調べを請求した証拠について、これを証拠とすることに同意するのは、弁護人及び被告人が有する権利である。
総合メモ
第328条
条文
第328条(証明力を争うための証拠)
第321条乃至第324条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であっても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。
第321条乃至第324条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であっても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。
過去問・解説
(R6 予備 第20問 ア)
以下の【証拠】は、【見解】に照らし、刑事訴訟法第328条の趣旨によって許容される証拠に当たるか。当たる場合には1を、当たらない場合には2を選びなさい。なお、被告人AがVを包丁で刺して殺害したとする殺人被告事件の公判期日において、本件犯行当日に犯行を目撃したとするWが、「Vを包丁で刺したのはAでした。」と証言しているものとする。また、同法第326条の同意はなされていないものとする。
【見解】
「刑事訴訟法第328条は、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述が、 別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることを許容する趣旨のも のであり、別の機会に矛盾する供述をしたという事実の立証については、同法が定める厳格な証明を要する趣旨であると解するのが相当である。
そうすると、同条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(同法が定める要件を満たすものに限る。)又は同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述の中に現れている部分に限られるというべきである。」
【証拠】
Wの知人Zによる、「Wは、本件の翌日に、『私は昨日BがVを包丁で刺すのを見た。』と 言っていた。」とする公判期日の供述
以下の【証拠】は、【見解】に照らし、刑事訴訟法第328条の趣旨によって許容される証拠に当たるか。当たる場合には1を、当たらない場合には2を選びなさい。なお、被告人AがVを包丁で刺して殺害したとする殺人被告事件の公判期日において、本件犯行当日に犯行を目撃したとするWが、「Vを包丁で刺したのはAでした。」と証言しているものとする。また、同法第326条の同意はなされていないものとする。
【見解】
「刑事訴訟法第328条は、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述が、 別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることを許容する趣旨のも のであり、別の機会に矛盾する供述をしたという事実の立証については、同法が定める厳格な証明を要する趣旨であると解するのが相当である。
そうすると、同条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(同法が定める要件を満たすものに限る。)又は同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述の中に現れている部分に限られるというべきである。」
【証拠】
Wの知人Zによる、「Wは、本件の翌日に、『私は昨日BがVを包丁で刺すのを見た。』と 言っていた。」とする公判期日の供述
(正答)1
(解説)
328条は、「第321条乃至第324条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であっても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。」と規定している。
これについて、判例(最判平18.11.7)は、「刑訴法328条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(刑訴法が定める要件を満たすものに限る。)、同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述又はこれらと同視し得る証拠の中に現れている部分に限られる。」としている。【見解】はこれと同趣旨である。
328条の位置づけは、別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることができるとする確認規定であり、他社矛盾供述について328条を適用できないとするのは伝聞法則が骨抜きにされるためである。
Wの知人Zによる、「Wは、本件の翌日に、『私は昨日BがVを包丁で刺すのを見た。』と 言っていた。」とする公判期日の供述はW自身の供述と矛盾するから自己矛盾供述にあたる。
したがって、【見解】によると、328条で許容される。
328条は、「第321条乃至第324条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であっても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。」と規定している。
これについて、判例(最判平18.11.7)は、「刑訴法328条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(刑訴法が定める要件を満たすものに限る。)、同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述又はこれらと同視し得る証拠の中に現れている部分に限られる。」としている。【見解】はこれと同趣旨である。
328条の位置づけは、別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることができるとする確認規定であり、他社矛盾供述について328条を適用できないとするのは伝聞法則が骨抜きにされるためである。
Wの知人Zによる、「Wは、本件の翌日に、『私は昨日BがVを包丁で刺すのを見た。』と 言っていた。」とする公判期日の供述はW自身の供述と矛盾するから自己矛盾供述にあたる。
したがって、【見解】によると、328条で許容される。
(R6 予備 第20問 イ)
以下の【証拠】は、【見解】に照らし、刑事訴訟法第328条の趣旨によって許容される証拠に当たるか。当たる場合には1を、当たらない場合には2を選びなさい。なお、被告人AがVを包丁で刺して殺害したとする殺人被告事件の公判期日において、本件犯行当日に犯行を目撃したとするWが、「Vを包丁で刺したのはAでした。」と証言しているものとする。また、同法第326条の同意はなされていないものとする。
【見解】
「刑事訴訟法第328条は、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述が、 別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることを許容する趣旨のものであり、別の機会に矛盾する供述をしたという事実の立証については、同法が定める厳格な証明 を要する趣旨であると解するのが相当である。
そうすると、同条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(同法が定める要件を満たすものに限る。)又は同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述の中に現れている部分に限られるというべきである。」
【証拠】
本件当日の日付のWの日記で、「今日BがVを包丁で刺すのを見てしまった。」との記載があるもの
以下の【証拠】は、【見解】に照らし、刑事訴訟法第328条の趣旨によって許容される証拠に当たるか。当たる場合には1を、当たらない場合には2を選びなさい。なお、被告人AがVを包丁で刺して殺害したとする殺人被告事件の公判期日において、本件犯行当日に犯行を目撃したとするWが、「Vを包丁で刺したのはAでした。」と証言しているものとする。また、同法第326条の同意はなされていないものとする。
【見解】
「刑事訴訟法第328条は、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述が、 別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることを許容する趣旨のものであり、別の機会に矛盾する供述をしたという事実の立証については、同法が定める厳格な証明 を要する趣旨であると解するのが相当である。
そうすると、同条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(同法が定める要件を満たすものに限る。)又は同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述の中に現れている部分に限られるというべきである。」
【証拠】
本件当日の日付のWの日記で、「今日BがVを包丁で刺すのを見てしまった。」との記載があるもの
(正答)1
(解説)
328条は、「第321条乃至第324条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であっても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。」と規定している。
これについて、判例(最判平18.11.7)は、「刑訴法328条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(刑訴法が定める要件を満たすものに限る。)、同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述又はこれらと同視し得る証拠の中に現れている部分に限られる。」としている。【見解】はこれと同趣旨である。
328条の位置づけは、別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることができるとする確認規定であり、他社矛盾供述について328条を適用できないとするのは伝聞法則が骨抜きにされるためである。
本件当日の日付のWの日記で、「今日BがVを包丁で刺すのを見てしまった。」との記載があるものはWの供述書であり、W自身の供述と矛盾するから自己矛盾供述にあたる。
したがって、【見解】によると、328条で許容される。
328条は、「第321条乃至第324条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であっても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。」と規定している。
これについて、判例(最判平18.11.7)は、「刑訴法328条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(刑訴法が定める要件を満たすものに限る。)、同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述又はこれらと同視し得る証拠の中に現れている部分に限られる。」としている。【見解】はこれと同趣旨である。
328条の位置づけは、別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることができるとする確認規定であり、他社矛盾供述について328条を適用できないとするのは伝聞法則が骨抜きにされるためである。
本件当日の日付のWの日記で、「今日BがVを包丁で刺すのを見てしまった。」との記載があるものはWの供述書であり、W自身の供述と矛盾するから自己矛盾供述にあたる。
したがって、【見解】によると、328条で許容される。
(R6 予備 第20問 ウ)
以下の【証拠】は、【見解】に照らし、刑事訴訟法第328条の趣旨によって許容される証拠に当たるか。当たる場合には1を、当たらない場合には2を選びなさい。なお、被告人AがVを包丁で刺して殺害したとする殺人被告事件の公判期日において、本件犯行当日に犯行を目撃したとするWが、「Vを包丁で刺したのはAでした。」と証言しているものとする。また、同法第326条の同意はなされていないものとする。
【見解】
「刑事訴訟法第328条は、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述が、 別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことに より、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることを許容する趣旨のも のであり、別の機会に矛盾する供述をしたという事実の立証については、同法が定める厳格な証明 を要する趣旨であると解するのが相当である。
そうすると、同条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の 供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(同法が定める要件を満たすものに限る。)又は同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述の中に現れている部分に限られるというべきである。」
【証拠】
Wが本件の捜査段階において司法警察員Kの聞き込みに応じてした「私はBがVを包丁で刺すのを見た。」という供述が記載されている、K作成に係る捜査報告書で、Wの署名及び押印がないもの
以下の【証拠】は、【見解】に照らし、刑事訴訟法第328条の趣旨によって許容される証拠に当たるか。当たる場合には1を、当たらない場合には2を選びなさい。なお、被告人AがVを包丁で刺して殺害したとする殺人被告事件の公判期日において、本件犯行当日に犯行を目撃したとするWが、「Vを包丁で刺したのはAでした。」と証言しているものとする。また、同法第326条の同意はなされていないものとする。
【見解】
「刑事訴訟法第328条は、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述が、 別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことに より、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることを許容する趣旨のも のであり、別の機会に矛盾する供述をしたという事実の立証については、同法が定める厳格な証明 を要する趣旨であると解するのが相当である。
そうすると、同条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の 供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(同法が定める要件を満たすものに限る。)又は同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述の中に現れている部分に限られるというべきである。」
【証拠】
Wが本件の捜査段階において司法警察員Kの聞き込みに応じてした「私はBがVを包丁で刺すのを見た。」という供述が記載されている、K作成に係る捜査報告書で、Wの署名及び押印がないもの
(正答)2
(解説)
328条は、「第321条乃至第324条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であっても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。」と規定している。
これについて、判例(最判平18.11.7)は、「刑訴法328条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(刑訴法が定める要件を満たすものに限る。)、同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述又はこれらと同視し得る証拠の中に現れている部分に限られる。」としている。【見解】はこれと同趣旨である。
328条の位置づけは、別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることができるとする確認規定であり、他社矛盾供述について328条を適用できないとするのは伝聞法則が骨抜きにされるためである。
Wが本件の捜査段階において司法警察員Kの聞き込みに応じてした「私はBがVを包丁で刺すのを見た。」という供述はW自身の供述と矛盾するから自己矛盾供述にあたる。しかし、当該供述が記載された捜査報告書はWの署名及び押印がなく、321条1項3号の要件を満たさないため、録取の過程の伝聞性が払拭されていない。
したがって、【見解】によると、328条で許容されない。
328条は、「第321条乃至第324条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であっても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。」と規定している。
これについて、判例(最判平18.11.7)は、「刑訴法328条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(刑訴法が定める要件を満たすものに限る。)、同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述又はこれらと同視し得る証拠の中に現れている部分に限られる。」としている。【見解】はこれと同趣旨である。
328条の位置づけは、別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることができるとする確認規定であり、他社矛盾供述について328条を適用できないとするのは伝聞法則が骨抜きにされるためである。
Wが本件の捜査段階において司法警察員Kの聞き込みに応じてした「私はBがVを包丁で刺すのを見た。」という供述はW自身の供述と矛盾するから自己矛盾供述にあたる。しかし、当該供述が記載された捜査報告書はWの署名及び押印がなく、321条1項3号の要件を満たさないため、録取の過程の伝聞性が払拭されていない。
したがって、【見解】によると、328条で許容されない。
(R6 予備 第20問 エ)
以下の【証拠】は、【見解】に照らし、刑事訴訟法第328条の趣旨によって許容される証拠に当たるか。当たる場合には1を、当たらない場合には2を選びなさい。なお、被告人AがVを包丁で刺して殺害したとする殺人被告事件の公判期日において、本件犯行当日に犯行を目撃したとするWが、「Vを包丁で刺したのはAでした。」と証言しているものとする。また、同法第326条の同意はなされていないものとする。
【見解】
「刑事訴訟法第328条は、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述が、 別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることを許容する趣旨のものであり、別の機会に矛盾する供述をしたという事実の立証については、同法が定める厳格な証明を要する趣旨であると解するのが相当である。
そうすると、同条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(同法が定める要件を満たすものに限る。)又は同人 の供述を聞いたとする者の公判期日の供述の中に現れている部分に限られるというべきである。」
【証拠】
Wが本件の捜査段階において司法警察員の取調べを受けてした「私はBがVを包丁で刺すのを見た。」という供述を録取した書面で、Wの署名及び押印があるもの
以下の【証拠】は、【見解】に照らし、刑事訴訟法第328条の趣旨によって許容される証拠に当たるか。当たる場合には1を、当たらない場合には2を選びなさい。なお、被告人AがVを包丁で刺して殺害したとする殺人被告事件の公判期日において、本件犯行当日に犯行を目撃したとするWが、「Vを包丁で刺したのはAでした。」と証言しているものとする。また、同法第326条の同意はなされていないものとする。
【見解】
「刑事訴訟法第328条は、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述が、 別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることを許容する趣旨のものであり、別の機会に矛盾する供述をしたという事実の立証については、同法が定める厳格な証明を要する趣旨であると解するのが相当である。
そうすると、同条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(同法が定める要件を満たすものに限る。)又は同人 の供述を聞いたとする者の公判期日の供述の中に現れている部分に限られるというべきである。」
【証拠】
Wが本件の捜査段階において司法警察員の取調べを受けてした「私はBがVを包丁で刺すのを見た。」という供述を録取した書面で、Wの署名及び押印があるもの
(正答)1
(解説)
328条は、「第321条乃至第324条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であっても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。」と規定している。
これについて、判例(最判平18.11.7)は、「刑訴法328条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(刑訴法が定める要件を満たすものに限る。)、同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述又はこれらと同視し得る証拠の中に現れている部分に限られる。」としている。【見解】はこれと同趣旨である。
328条の位置づけは、別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることができるとする確認規定であり、他社矛盾供述について328条を適用できないとするのは伝聞法則が骨抜きにされるためである。
Wが本件の捜査段階において司法警察員の取調べを受けてした「私はBがVを包丁で刺すのを見た。」という供述は、W自身の供述と矛盾するから自己矛盾供述にあたり、当該書面はWの署名及び押印があるものは321条1項3号の要件を満たすから、録取の過程の伝聞性も払拭されている。
したがって、【見解】によると、328条で許容される。
328条は、「第321条乃至第324条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であっても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。」と規定している。
これについて、判例(最判平18.11.7)は、「刑訴法328条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(刑訴法が定める要件を満たすものに限る。)、同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述又はこれらと同視し得る証拠の中に現れている部分に限られる。」としている。【見解】はこれと同趣旨である。
328条の位置づけは、別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることができるとする確認規定であり、他社矛盾供述について328条を適用できないとするのは伝聞法則が骨抜きにされるためである。
Wが本件の捜査段階において司法警察員の取調べを受けてした「私はBがVを包丁で刺すのを見た。」という供述は、W自身の供述と矛盾するから自己矛盾供述にあたり、当該書面はWの署名及び押印があるものは321条1項3号の要件を満たすから、録取の過程の伝聞性も払拭されている。
したがって、【見解】によると、328条で許容される。
(R6 予備 第20問 オ)
以下の【証拠】は、【見解】に照らし、刑事訴訟法第328条の趣旨によって許容される証拠に当たるか。当たる場合には1を、当たらない場合には2を選びなさい。なお、被告人AがVを包丁で刺して殺害したとする殺人被告事件の公判期日において、本件犯行当日に犯行を目撃したとするWが、「Vを包丁で刺したのはAでした。」と証言しているものとする。また、同法第326条の同意はなされていないものとする。
【見解】
「刑事訴訟法第328条は、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述が、 別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることを許容する趣旨のも のであり、別の機会に矛盾する供述をしたという事実の立証については、同法が定める厳格な証明を要する趣旨であると解するのが相当である。
そうすると、同条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(同法が定める要件を満たすものに限る。)又は同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述の中に現れている部分に限られるというべきである。」
【証拠】
Wとは別の地点から本件を目撃したとするYが本件の捜査段階において検察官の取調べを受けてした「私はBがVを包丁で刺すのを見た。」という供述を録取した書面で、Yの署名及び押印があるもの
以下の【証拠】は、【見解】に照らし、刑事訴訟法第328条の趣旨によって許容される証拠に当たるか。当たる場合には1を、当たらない場合には2を選びなさい。なお、被告人AがVを包丁で刺して殺害したとする殺人被告事件の公判期日において、本件犯行当日に犯行を目撃したとするWが、「Vを包丁で刺したのはAでした。」と証言しているものとする。また、同法第326条の同意はなされていないものとする。
【見解】
「刑事訴訟法第328条は、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述が、 別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることを許容する趣旨のも のであり、別の機会に矛盾する供述をしたという事実の立証については、同法が定める厳格な証明を要する趣旨であると解するのが相当である。
そうすると、同条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(同法が定める要件を満たすものに限る。)又は同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述の中に現れている部分に限られるというべきである。」
【証拠】
Wとは別の地点から本件を目撃したとするYが本件の捜査段階において検察官の取調べを受けてした「私はBがVを包丁で刺すのを見た。」という供述を録取した書面で、Yの署名及び押印があるもの
(正答)2
(解説)
328条は、「第321条乃至第324条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であっても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。」と規定している。
これについて、判例(最判平18.11.7)は、「刑訴法328条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(刑訴法が定める要件を満たすものに限る。)、同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述又はこれらと同視し得る証拠の中に現れている部分に限られる。」としている。【見解】はこれと同趣旨である。
328条の位置づけは、別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることができるとする確認規定であり、他社矛盾供述について328条を適用できないとするのは伝聞法則が骨抜きにされるためである。
Yが本件の捜査段階において検察官の取調べを受けてした「私はBがVを包丁で刺すのを見た。」という供述はWの自己矛盾供述にあたらない。
したがって、【見解】によると、328条で許容されない。
328条は、「第321条乃至第324条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であっても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。」と規定している。
これについて、判例(最判平18.11.7)は、「刑訴法328条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(刑訴法が定める要件を満たすものに限る。)、同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述又はこれらと同視し得る証拠の中に現れている部分に限られる。」としている。【見解】はこれと同趣旨である。
328条の位置づけは、別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることができるとする確認規定であり、他社矛盾供述について328条を適用できないとするのは伝聞法則が骨抜きにされるためである。
Yが本件の捜査段階において検察官の取調べを受けてした「私はBがVを包丁で刺すのを見た。」という供述はWの自己矛盾供述にあたらない。
したがって、【見解】によると、328条で許容されない。