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刑事訴訟法 第219条

条文
第219条(差押え等の令状の方式)
① 前条の令状には、被疑者若しくは被告人の氏名、罪名、差し押さえるべき物、記録させ若しくは印刷させるべき電磁的記録及びこれを記録させ若しくは印刷させるべき者、捜索すべき場所、身体若しくは物、検証すべき場所若しくは物又は検査すべき身体及び身体の検査に関する条件、有効期間及びその期間経過後は差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。
② 前条第2項の場合には、同条の令状に、前項に規定する事項のほか、差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であって、その電磁的記録を複写すべきものの範囲を記載しなければならない。
③ 第64条第2項の規定は、前条の令状についてこれを準用する。
過去問・解説
(H19 司法 第39問 1)
刑事訴訟法では、令状により、差押え、捜索又は検証をすることができる対象犯罪を限定していないが、通信傍受法では、傍受令状で通信の傍受をすることができる対象犯罪を死刑又は無期若しくは短期1年以上の拘禁刑に当たる刑法上の犯罪に限定している。

(正答)

(解説)
219条1項は、「前条の令状には、被疑者若しくは被告人の氏名、罪名、差し押さえるべき物、記録させ若しくは印刷させるべき電磁的記録及びこれを記録させ若しくは印刷させるべき者、捜索すべき場所、身体若しくは物、検証すべき場所若しくは物又は検査すべき身体及び身体の検査に関する条件、有効期間及びその期間経過後は差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。」と規定しており、令状により、差押え、捜索又は検証をすることができる対象犯罪を限定していない。
また、通信傍受法3条1項は、各号において、通信傍受令状で通信傍受ができる犯罪を列挙しているが、「死刑又は無期若しくは短期1年以上の拘禁刑に当たる刑法上の犯罪」という形では規定していない。

(H19 司法 第39問 2)
差押え、捜索又は検証のための令状には、犯罪事実の要旨及び罰条の記載を要しないが、通信傍受法の傍受令状には、被疑事実の要旨及び罰条を記載しなければならない。

(正答)

(解説)
219条1項は、「前条の令状には、被疑者若しくは被告人の氏名、罪名、差し押さえるべき物、記録させ若しくは印刷させるべき電磁的記録及びこれを記録させ若しくは印刷させるべき者、捜索すべき場所、身体若しくは物、検証すべき場所若しくは物又は検査すべき身体及び身体の検査に関する条件、有効期間及びその期間経過後は差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。」と規定しており、捜索又は検証のための令状に犯罪事実の要旨及び罰条の記載を要求していない。一方、通信傍受法6条1項本文は、「傍受令状には、…被疑事実の要旨、…罰条…を記載し…なければならない。」と規定している。
したがって、差押え、捜索又は検証のための令状には、犯罪事実の要旨及び罰条の記載を要しないが、通信傍受法の傍受令状には、被疑事実の要旨及び罰条を記載しなければならない。

(H20 司法 第28問 ウ)
捜索差押許可状には、犯罪事実の要旨を記載しなければならない。

(正答)

(解説)
219条1項は、「前条の令状には、被疑者若しくは被告人の氏名、罪名、差し押さえるべき物、記録させ若しくは印刷させるべき電磁的記録及びこれを記録させ若しくは印刷させるべき者、捜索すべき場所、身体若しくは物、検証すべき場所若しくは物又は検査すべき身体及び身体の検査に関する条件、有効期間及びその期間経過後は差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。」と規定している。ここに、犯罪事実の要旨は含まれていない。
したがって、捜索差押許可状には、犯罪事実の要旨を記載する必要はない。

(H21 司法 第26問 イ)
被疑者甲がスーパーマーケットに農薬入りの食品を置いて同スーパーマーケットの経営者から金員を恐喝した事件で甲方を捜索中、司法警察員が、甲方の敷地内に甲所有の自動車があったので、その車内を捜索することは、差し押さえるべき物を農薬とする甲方に対する捜索差押許可状で行い得る。

(正答)

(解説)
219条1項は、「令状には、…捜索すべき場所…を記載し…なければならない。」と規定している。そして、捜索差押許可状の効力は、この「捜索すべき場所」の管理権が及ぶ範囲に及ぶと解されている。
本肢では、「捜索すべき場所」として、甲方が記載されていると考えられるところ、甲方の敷地内にある甲所有の自動車は、この「捜索すべき場所」の管理権に包含されている。
したがって、被疑者甲がスーパーマーケットに農薬入りの食品を置いて同スーパーマーケットの経営者から金員を恐喝した事件で甲方を捜索中、司法警察員が、甲方の敷地内に甲所有の自動車があったので、その車内を捜索することは、差し押さえるべき物を農薬とする甲方に対する捜索差押許可状で行い得る。

(H23 予備 第16問 オ)
司法警察員は、捜索すべき場所を会社事務所とする捜索差押許可状により同事務所を捜索するときは、同事務所にある金庫内を捜索することはできない。

(正答)

(解説)
219条1項は、「令状には、…捜索すべき場所…を記載し…なければならない。」と規定している。
そして、捜索差押許可状の効力は、この「捜索すべき場所」の管理権が及ぶ範囲に及ぶと解されている。
本肢では、「捜索すべき場所」として、会社事務所が記載されているところ、会社事務所に所在する金庫は、この「捜索すべき場所」の管理権に包含されている。
したがって、司法警察員は、捜索すべき場所を会社事務所とする捜索差押許可状により同事務所を捜索するときは、同事務所にある金庫内を捜索することはできる。

(H23 司法 第24問 エ)
捜索差押許可状には、被疑者の氏名、罪名、差し押さえるべき物、捜索すべき場所、身体若しくは物、有効期間等を記載しなければならないが、特別法違反の罪については、被疑事件を特定するため、罪名のほか、その罰条又は犯罪事実を記載しなければならない。

(正答)

(解説)
219条1項は、「前条の令状には、被疑者…の氏名、罪名、差し押さえるべき物、…捜索すべき場所、身体若しくは物、…有効期間…を記載し…なければならない。」と規定している。そして、特別法違反の場合についても同様であり、被疑事件を特定するため、罪名のほか、その罰条又は犯罪事実を記載しなければならないという規定は存在しない。
したがって、特別法違反の罪についても、その罰条又は犯罪事実を記載する必要はない。

(H26 司法 第25問 ア)
電磁的記録を保管する者その他の電磁的記録を利用する権限を有する者に命じて必要とする電磁的記録を記録媒体に記録させ、又は印刷させた上、当該記録媒体を差し押さえる場合、裁判官の発する令状に、記録させ若しくは印刷させるべき電磁的記録及びこれを記録させ若しくは印刷させるべき者の記載がなされる必要がある。

(正答)

(解説)
219条1項は、「前条の令状には、…記録させ若しくは印刷させるべき電磁的記録及びこれを記録させ若しくは印刷させるべき者…を記載し…なければならない。」と規定している。

(H26 司法 第25問 イ)
差し押さえるべき物が電子計算機である場合、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であって、当該電子計算機で作成若しくは変更した電磁的記録又は当該電子計算機で変更若しくは消去することができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機又は当該他の記録媒体を差し押さえるときには、裁判官の発する令状に、差し押さえるべき物の記載とは別に、その複写すべきものの範囲の記載がなされる必要はない。

(正答)

(解説)
219条2項は、「前条第2項の場合には、同条の令状に、前項に規定する事項のほか、差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であって、その電磁的記録を複写すべきものの範囲を記載しなければならない。」と規定している。

(R2 予備 第16問 イ)
裁判官は、被疑者が特定できていない段階でも、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、捜索差押許可状を発付することができる。

(正答)

(解説)
219条1項は、「前条の令状には、被疑者若しくは被告人の氏名、…を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。」と規定している。
もっとも、被疑事実の存在と証拠物の存在の蓋然性は明確であっても、被疑者が不明であることはあり得る。このような場合でも憲法35条1項の「正当な理由」を認めることができれば、捜索差押許可状を発付することはできる(酒巻匡「刑事訴訟法」第2版114頁)。
したがって、裁判官は、被疑者が特定できていない段階でも、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、捜索差押許可状を発付することができる。
総合メモ
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