現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

刑事訴訟法 第256条

条文
第256条(起訴状、訴因、罰条)
① 公訴の提起は、起訴状を提出してこれをしなければならない。        
② 起訴状には、左の事項を記載しなければならない。        
 一 被告人の氏名その他被告人を特定するに足りる事項
 二 公訴事実
 三 罪名
③ 公訴事実は、訴因を明示してこれを記載しなければならない。訴因を明示するには、できる限り日時、場所及び方法を以て罪となるべき事実を特定してこれをしなければならない。        
④ 罪名は、適用すべき罰条を示してこれを記載しなければならない。但し、罰条の記載の誤は、被告人の防禦に実質的な不利益を生ずる虞がない限り、公訴提起の効力に影響を及ぼさない。        
⑤ 数個の訴因及び罰条は、予備的に又は択一的にこれを記載することができる。        
⑥ 起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添附し、又はその内容を引用してはならない。        

刑事訴訟規則第164条(起訴状の記載要件・法第252条)
① 起訴状には、法第256条に規定する事項の外、次に掲げる事項を記載しなければならない。 
 一 被告人の年齢、職業、住居及び本籍。但し、被告人が法人であるときは、事務所並びに代表者又は管理人の氏名及び住居 
 二 被告人が逮捕又は勾留されているときは、その旨 
② 略

刑事訴訟規則第167条(逮捕状、勾留状の差出・法第280条)
① 検察官は、逮捕又は勾留されている被告人について公訴を提起したときは、速やかにその裁判所の裁判官に逮捕状又は逮捕状及び勾留状を差し出さなければならない。逮捕又は勾留された後釈放された被告人について公訴を提起したときも、同様である。
②〜③ 略

刑事訴訟規則第289条(書類等の差出)
検察官は、略式命令の請求と同時に、略式命令をするために必要があると思料する書類及び証拠物を裁判所に差し出さなければならない。
過去問・解説
(H19 司法 第26問 ア)
起訴状一本主義は、裁判官が被告人の罪責について予断を抱くことなく第1回公判期日に臨んで初めて「公平な裁判所」の理念が実現されるという考えに基づくものであるので、当事者主義とは無関係である。

(正答)

(解説)
256条6項は、「起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添附し、又はその内容を引用してはならない。」として、起訴状一本主義について規定している。
起訴状一本主義が採用されることにより、裁判所は、公判開始まで、事件についての予断が排除されることとなる。このことから、裁判所は、訴訟の進行を当事者に委ねざるを得なくなり、これにより、当事者主義が実現される。
したがって、起訴状一本主義は、当事者主義と関係を有する。

(H19 司法 第26問 エ)
起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめるおそれのある書類その他の物を添付してはならないとされているので、略式命令を請求する場合に、その請求と同時に検察官が立証に必要があると思料する書類を裁判所に差し出すことは許されない。

(正答)

(解説)
刑事訴訟規則289条は、「検察官は、略式命令の請求と同時に、略式命令をするために必要があると思料する書類及び証拠物を裁判所に差し出さなければならない。」と規定している。
そして、検察官が立証に必要があると思料する書類は、「略式命令をするために必要があると思料する書類及び証拠物」に該当しうるため、その請求と同時に検察官が立証に必要があると思料する書類を裁判所に差し出さなければならない。

(H19 司法 第26問 オ)
起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめるおそれのある書類その他の物を添付することを禁止しているので、検察官が被告人を勾留中のまま公訴提起する際に、起訴状の提出と同時に、被告人の逮捕状や勾留状をその裁判所の裁判官に差し出すことは許されない。

(正答)

(解説)
刑事訴訟規則167条1項前段は、「検察官は、逮捕又は勾留されている被告人について公訴を提起したときは、速やかにその裁判所の裁判官に逮捕状又は逮捕状及び勾留状を差し出さなければならない。」と規定している。

(H20 司法 第31問 1)
公訴の提起は、実務上、起訴状を提出して行うのが通例であるが、緊急やむを得ない場合には、口頭によることもできる。

(正答)

(解説)
256条1項は、「公訴の提起は、起訴状を提出してこれをしなければならない。」と規定している。
したがって、公訴の提起は、緊急やむを得ない場合であっても、口頭によることはできない。

(H20 司法 第31問 2)
起訴状には、被告人の氏名を記載しなければならないので、被告人の氏名が判明しない場合には、公訴を提起することはできない。

(正答)

(解説)
256条2項は、柱書において、「起訴状には、左の事項を記載しなければならない。」と規定し、1号において、「被告人の氏名その他被告人を特定するに足りる事項」を掲げている。
したがって、氏名が判明しなければ、「被告人を特定するに足りる事項」を記載すれば足りる。

(H20 司法 第31問 3)
公訴の提起と同時に略式命令の請求をする場合であっても、起訴状一本主義の適用があるので、検察官は、略式命令の請求と同時に、略式命令をするために必要があると思料する書類及び証拠物を裁判所に差し出すことはできない。

(正答)

(解説)
刑事訴訟規則289条は、「検察官は、略式命令の請求と同時に、略式命令をするために必要があると思料する書類及び証拠物を裁判所に差し出さなければならない。」と規定している。

(H20 司法 第31問 4)
起訴状の公訴事実は、訴因を明示してこれを記載しなければならず、罪名は、適用すべき罰条を示してこれを記載しなければならないところ、数個の訴因及び罰条は、予備的に又は択一的にこれを記載することができる。

(正答)

(解説)
256条は、2項前段において、「公訴事実は、訴因を明示してこれを記載しなければならない。」と規定し、4項本文において、「罪名は、適用すべき罰条を示してこれを記載しなければならない。」と規定し、5項において、「数個の訴因及び罰条は、予備的に又は択一的にこれを記載することができる。」と規定している。

(H24 予備 第26問 1)
本位的訴因と併合罪の関係にある事実を予備的訴因とすることは許されない。

(正答)

(解説)
256条5項は、「数個の訴因及び罰条は、予備的に…記載することができる。」と規定している。
もっとも、本位的訴因と予備的訴因の間には、公訴事実の同一性が認められる必要がある。
そして、併合罪の関係にある事実には公訴事実の同一性が認められないことから、本位的訴因と併合罪の関係にある事実を予備的訴因とすることは許されない。

(H24 予備 第26問 2)
起訴状に3個以上の訴因を予備的又は択一的に記載することは許されない。

(正答)

(解説)
256条5項は、「数個の訴因及び罰条は、予備的に又は択一的にこれを記載することができる。」と規定している。

(H24 予備 第26問 4)
訴因を予備的又は択一的に記載した場合であっても、「罪となるべき事実」の特定が必要であるから、罰条を予備的又は択一的に記載することは許されない。

(正答)

(解説)
256条5項は、「数個の訴因及び罰条は、予備的に又は択一的にこれを記載することができる。」と規定している。

(H26 共通 第28問 オ)
公訴事実は、数個の訴因を択一的に記載することは許されない。

(正答)

(解説)
256条5項は、「数個の訴因…は、…択一的にこれを記載することができる。」と規定している。

(H30 予備 第20問 ウ)
起訴状には、裁判官に事件につき予断を生じさせるおそれのある書類その他の物を添付することが禁止されているので、検察官が勾留されている被疑者について公訴を提起する際に、起訴状の提出と同時に、被告人の逮捕状や勾留状をその裁判所の裁判官に差し出すことは許されない。

(正答)

(解説)
刑事訴訟規則167条1項前段は、「検察官は、逮捕又は勾留されている被告人について公訴を提起したときは、速やかにその裁判所の裁判官に逮捕状又は逮捕状及び勾留状を差し出さなければならない。」と規定している。

(H30 予備 第20問 オ)
即決裁判手続においては、刑事訴訟法第256条第6項の適用はない。

(正答)

(解説)
256条6項は、「起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添附し、又はその内容を引用してはならない。」として、起訴状一本主義を規定している。
もっとも、即決裁判手続において256条6項の適用を排除する規定は存在しないため、即決裁判手続においても256条第6項の適用がある。

(R1 予備 第14問 イ)
刑事訴訟法は、裁判所が審判を行うことのできる対象について、検察官が「訴因」として明示する犯罪事実に限定されることはなく、当該犯罪事実と「公訴事実の同一性」の関係が認められる事実にまで及ぶとすることにより、審判対象設定における「当事者主義」を採用した。

(正答)

(解説)
256条2項は、柱書において、「起訴状には、左の事項を記載しなければならない。」と規定し、2号において、「公訴事実」を掲げている。
裁判所の審判対象については、起訴状に「公訴事実」として記載された訴因に限られると解するのが通説である。

(R1 予備 第14問 ウ)
刑事訴訟法が「起訴状一本主義」を採用したことにより、公判における事実審理を裁判所が主導して行う「職権主義」は実際上困難となり、当事者による証拠調べ請求や交互尋問など、「当事者主義」による訴訟追行が原則として行われることとなった。

(正答)

(解説)
256条6項は、「起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添附し、又はその内容を引用してはならない。」として、いわゆる起訴状一本主義について規定している。
これにより、職権主義による進行は事実上困難になり、当事者主義による訴訟追行が行われることになる。

(R1 予備 第19問 ア)
公訴事実として、数個の訴因を予備的に記載することは許されない。

(正答)

(解説)
256条5項は、「数個の訴因及び罰条は、予備的に又は択一的にこれを記載することができる。」と規定している。

(R1 予備 第19問 オ)
公訴の提起は、緊急やむを得ない場合には、起訴状の提出によらず、口頭によることもできる。

(正答)

(解説)
256条1項は、「公訴の提起は、起訴状を提出してこれをしなければならない。」と規定している。

(R3 予備 第15問 オ)
検察官は、逮捕した被疑者につき、逮捕中に公訴を提起することはできず、勾留を請求するか、又は釈放しなければならない。

(正答)

(解説)
刑事訴訟規則164条1項は、柱書において、「起訴状には、法第256条に規定する事項の外、次に掲げる事項を記載しなければならない。」と規定し、2号において、「被告人が逮捕又は勾留されているときは、その旨」を掲げている。
また、280条2項は「第199条若しくは第210条の規定により逮捕され、又は現行犯人として逮捕された被疑者でまだ勾留されていないものについて第204条又は第205条の時間の制限内に公訴の提起があった場合には、裁判官は、速やかに、被告事件を告げ、これに関する陳述を聴き、勾留状を発しないときは、直ちにその釈放を命じなければならない。」と規定しており、逮捕中であってまだ勾留されていない被疑者について公訴の提起があることを予定している。

(R6 予備 第25問 ア)
起訴状一本主義に違反した公訴提起の手続は無効であり、裁判所は、判決で公訴を棄却しなければならない。

(正答)

(解説)
刑訴法256条6項は、「起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添附し、又はその内容を引用してはならない。」として、いわゆる起訴状一本主義について規定している。
そして、338条は、柱書において、「左の場合には、判決で公訴を棄却しなければならない。」と規定し、4号において、「公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるとき。」を掲げている。
したがって、起訴状一本主義に違反した公訴提起の手続は無効であり、裁判所は、判決で公訴を棄却しなければならない。
総合メモ
前の条文 次の条文