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刑事訴訟法 第337条

条文
第337条(免訴の判決)
 左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。
 一 確定判決を経たとき。
 二 犯罪後の法令により刑が廃止されたとき。
 三 大赦があったとき。
 四 時効が完成したとき。

第340条(公訴取消しによる公訴棄却と再起訴の要件)
 公訴の取消による公訴棄却の決定が確定したときは、公訴の取消後犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限り、同一事件について更に公訴を提起することができる。

憲法第39条(遡及処罰の禁止・一事不再理)
何人も、実行の時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。

少年法第20条(検察官への送致)
① 家庭裁判所は、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもって、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
② 略
過去問・解説
(H19 司法 第37問 ア)
殺人罪の訴因について無罪判決が確定した後、被告人の有罪を立証するに十分な新たな証拠が発見されたことから、再度、同一事実につき殺人罪の訴因で起訴がなされたときは、免訴の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定し、1号において、「確定判決を経たとき。」を掲げている。
そして、無罪判決の確定は、「確定判決を経たとき」に該当するから、無罪判決が確定した後、被告人の有罪を立証するに十分な新たな証拠が発見されたことから、再度、同一事実につき殺人罪の訴因で起訴がなされたときは、337条により、免訴の言渡しをしなければならない。

(H19 司法 第37問 イ)
不同意わいせつ事件の唯一の告訴権者である被害者が告訴を取り消した後、同一事実について不同意わいせつ罪の訴因で起訴がなされたときは、免訴の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
不同意わいせつ罪は、非親告罪である。
したがって、告訴の有無は起訴に影響しない。
また、337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定しているものの、告訴の取消は、各号に掲げられていない。
したがって、本肢のような場合、免訴の言渡しをする必要はない。

(H19 司法 第37問 ウ)
起訴がなされた犯罪について、起訴より前に公訴時効が完成していたことが判明したときは、免訴の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定し、4号において、「時効が完成したとき。」を掲げている。
したがって、起訴より前に公訴時効が完成していたことが判明したときは、免訴の言渡しをしなければならない。

(H19 司法 第37問 エ)
公判係属中に、被告人が死亡したときは、免訴の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定しているものの、被告人の死亡は各号に掲げられていない。
他方、339条は、柱書において、「左の場合には、決定で公訴を棄却しなければならない。」と規定し、4号において、「被告人が死亡し…たとき。」を掲げている。
したがって、公判係属中に、被告人が死亡したときは、免訴の言渡しではなく、公訴の棄却をしなければならない。

(H19 司法 第37問 オ)
犯行時に18歳で、いまだ成人に達していない被疑者の刑事事件について、家庭裁判所の刑事処分を相当と認める決定を経ないで起訴がなされたときは、免訴の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
少年法20条1項は、「家庭裁判所は、…刑事処分を相当と認めるときは、決定をもって、…検察庁の検察官に送致しなければならない。」と規定している。
したがって、犯行時に18歳で、いまだ成人に達していない被疑者の刑事事件について起訴をするには、家庭裁判所の刑事処分を相当と認める決定を経る必要があり、それを経ていない本肢では、公訴提起の手続がその規定に違反しているといえる。
そして、337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定している。
しかし、公訴提起の手続がその規定に違反していることは、各号に掲げられていない。
よって、犯行時に18歳で、いまだ成人に達していない被疑者の刑事事件について、家庭裁判所の刑事処分を相当と認める決定を経ないで起訴がなされたときであっても、免訴の言渡しをする必要はない。

(H19 司法 第37問 カ)
公訴の取消し後、犯罪事実につき、新たに重要な証拠が発見されていないにもかかわらず、公訴の取消しによる公訴棄却の決定が確定した同一事実について起訴がなされたときは、免訴の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
340条は、「公訴の取消による公訴棄却の決定が確定したときは、公訴の取消後犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限り、同一事件について更に公訴を提起することができる。」と規定している。
本肢では、公訴の取消し後、犯罪事実につき、新たに重要な証拠が発見されていないにもかかわらず、公訴の取消しによる公訴棄却の決定が確定した同一事実について起訴しているため、340条に反している。
そして、337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定している。
しかし、340条に反して公訴を提起したことは、各号に掲げられていない。
したがって、公訴の取消し後、犯罪事実につき、新たに重要な証拠が発見されていないにもかかわらず、公訴の取消しによる公訴棄却の決定が確定した同一事実について起訴がなされたときであっても、免訴の言渡しをする必要はない。

(H21 司法 第38問 オ)
裁判所は、強姦の罪(旧強姦罪を意味する。)により起訴された事件について、告訴をすることができる者の告訴を欠く場合には、公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるので、免訴の言渡しをしなければならない。

(正答)

(解説)
338条は、柱書において、「左の場合には、判決で公訴を棄却しなければならない。」と規定し、4号において、「公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるとき。」を掲げている。
したがって、旧強姦罪が親告罪であった出題当時は、旧強姦罪により起訴された事件について、告訴をすることができる者の告訴を欠く場合には、公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるので、免訴の言渡しではなく公訴を棄却しなければならない。
なお、出題後の刑法の改正により、強姦の罪は不同意性交等の罪となり、親告罪ではなくなった。そのため、法改正後は、本肢は問題として成立しない。

(H22 司法 第28問 5)
有罪判決が確定した詐欺事件と牽連犯の関係にある私文書偽造被疑事件について、詐欺事件と同時に審理できた事情が認められたが、検察官において、処罰を求める必要があると判断した場合に、私文書偽造の罪名で起訴することは、違法となる。

(正答)

(解説)
337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定し、1号において、「確定判決を経たとき。」を掲げている。
これを一事不再理効というが、その効力は、公訴事実の同一性が認められる範囲に及ぶ。
そして、牽連犯の関係にある犯罪同士は、公訴事実の同一性が認められることから、私文書偽造被疑事件には、有罪判決が確定した詐欺事件の一事不再理効が及ぶ。
したがって、私文書偽造の罪名で起訴することは、一事不再理効により、違法となる。

(R5 予備 第26問 ア)
被告人Aが甲を殺害した旨の訴因について有罪判決が確定した後、検察官は、BがAと共謀の上で甲を殺害した旨の事実でBを起訴することができる。

(正答)

(解説)
337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定し、1号において、「確定判決を経たとき。」を掲げている。
これを一事不再理効といい、この一事不再理効が及ぶのは当該有罪判決を受けた被告人に限定されると解されている。
したがって、Bには一事不再理効が及ばず、Bを起訴することができる。

(R5 予備 第26問 エ)
殺人罪の訴因について無罪判決が確定した後、検察官が被告人の有罪を立証するに十分な新たな証拠が発見されたとして、再度、同事件の被告人を同一事実で起訴した場合、裁判所は、改めて審理し、有罪の判決をすることができる。

(正答)

(解説)
337条は、柱書において、「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。」と規定し、1号において、「確定判決を経たとき。」を掲げている。
したがって、殺人罪の訴因について無罪判決が確定した後、同一事実で起訴された場合に、裁判所が有罪の判決をすることはできない。
総合メモ
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