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株式会社の設立
仮装払込みの払込としての有効性 最一小決平成17年12月13日
総合メモ
株金払込を取扱った銀行の株金保管義務 最二小判昭和37年3月2日
概要
株式払込を取り扱った銀行は、その証明した払込金額を、会社成立の時まで保管すべきものであり、それ以前に発起人又は取締役に返還しても、これをもって会社に対抗することができない。
判例
事案:株式払込を取り扱った銀行が、会社成立以前に発起人又は取締役に証明した払込金額を返還した場合に、これを会社に対抗することができるかが問題となった。
判旨:「株式会社の募集設立の場合につき、…払込取扱銀行等に払込金保管証明の義務を負わせる(商法189条1項(現:会社法64条1項))とともに、…商法189条2項(現:会社法64条2項)は、払込取扱銀行等はその証明した払込金額について払込のなかったこと又はその返還に関する制限をもって会社に対抗することができない旨規定しているのである。 これらの規定の趣旨が、払込につきその確実と健全を期し、会社をして取扱銀行等が証明した払込金額を完全に収受せしめ、もって設立の安固と資本の充実をはかるにあることは疑がない。右の趣旨、特に前記商法189条(現:会社法64条)の規定より考え、且つ会社成立前に払込金を使用できる旨の特別な規定のないことに徴すれば、株金払込取扱銀行等は、その証明した払込金額を、会社成立の時まで保管してこれを会社に引渡すべきものであって、従って、会社成立前において発起人又は取締役に払込金を返還しても、その後成立した会社に対し払込金返還をもって対抗できないと解するのが相当である。」
判旨:「株式会社の募集設立の場合につき、…払込取扱銀行等に払込金保管証明の義務を負わせる(商法189条1項(現:会社法64条1項))とともに、…商法189条2項(現:会社法64条2項)は、払込取扱銀行等はその証明した払込金額について払込のなかったこと又はその返還に関する制限をもって会社に対抗することができない旨規定しているのである。 これらの規定の趣旨が、払込につきその確実と健全を期し、会社をして取扱銀行等が証明した払込金額を完全に収受せしめ、もって設立の安固と資本の充実をはかるにあることは疑がない。右の趣旨、特に前記商法189条(現:会社法64条)の規定より考え、且つ会社成立前に払込金を使用できる旨の特別な規定のないことに徴すれば、株金払込取扱銀行等は、その証明した払込金額を、会社成立の時まで保管してこれを会社に引渡すべきものであって、従って、会社成立前において発起人又は取締役に払込金を返還しても、その後成立した会社に対し払込金返還をもって対抗できないと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H28 予備 第16問 オ)
判例の趣旨によれば、募集設立において払込みの取扱いをした銀行は、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書を発起人に交付した後は、払い込まれた金銭を株式会社の成立前に発起人に返還したことをもって成立後の株式会社に対抗することができない。
判例の趣旨によれば、募集設立において払込みの取扱いをした銀行は、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書を発起人に交付した後は、払い込まれた金銭を株式会社の成立前に発起人に返還したことをもって成立後の株式会社に対抗することができない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭37.3.2)は、「株金払込取扱銀行等は、その証明した払込金額を、会社成立の時まで保管してこれを会社に引渡すべきものであって、従って、会社成立前において発起人又は取締役に払込金を返還しても、その後成立した会社に対し払込金返還をもって対抗できないと解するのが相当である。」としている。
判例(最判昭37.3.2)は、「株金払込取扱銀行等は、その証明した払込金額を、会社成立の時まで保管してこれを会社に引渡すべきものであって、従って、会社成立前において発起人又は取締役に払込金を返還しても、その後成立した会社に対し払込金返還をもって対抗できないと解するのが相当である。」としている。
総合メモ
定款に記載のない財産引受が株主総会の承認決議により有効となるか 最一小判昭和28年12月3日
概要
定款に記載のない財産引受けは、たとえ会社成立後株主総会が特別決議をもってこれを承認しても、有効にはならない。
判例
事案: 定款に記載のない財産引受けについて株主総会の承認決議があったという事案で、この決議により無効な財産引受けが有効となるかが問題となった。
判旨:「財産引受が定款上無効なる場合と雖も、会社成立後に新に商法246条(現:会社法467条1項)の特別決議の手続をふんで財産取得の契約を有効に結ぶことは可能であるが、原判決はかかる新たな売買契約の成立を認めていない。単に会社側だけで無効な財産引受契約を承認する特別決議をしても、所論のごとくこれによって瑕疵が治癒され無効な財産引受契約が有効となるものとは認めることができない。」
判旨:「財産引受が定款上無効なる場合と雖も、会社成立後に新に商法246条(現:会社法467条1項)の特別決議の手続をふんで財産取得の契約を有効に結ぶことは可能であるが、原判決はかかる新たな売買契約の成立を認めていない。単に会社側だけで無効な財産引受契約を承認する特別決議をしても、所論のごとくこれによって瑕疵が治癒され無効な財産引受契約が有効となるものとは認めることができない。」
過去問・解説
(H18 司法 第39問 5)
判例によれば、定款に定めのない財産引受けは、たとえ会社成立後、株主総会が特別決議をもってこれを承認しても、有効にはならない。
判例によれば、定款に定めのない財産引受けは、たとえ会社成立後、株主総会が特別決議をもってこれを承認しても、有効にはならない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭28.12.3)は、「単に会社側だけで無効な財産引受契約を承認する特別決議をしても、所論のごとくこれによって瑕疵が治癒され無効な財産引受契約が有効となるものとは認めることができない。」として、定款に定めのない財産引受けが無効であることを前提としつつ、会社の成立後に株主総会の特別決議によって承認しても、その財産引受契約が有効とならないことを示している。
判例(最判昭28.12.3)は、「単に会社側だけで無効な財産引受契約を承認する特別決議をしても、所論のごとくこれによって瑕疵が治癒され無効な財産引受契約が有効となるものとは認めることができない。」として、定款に定めのない財産引受けが無効であることを前提としつつ、会社の成立後に株主総会の特別決議によって承認しても、その財産引受契約が有効とならないことを示している。
(H19 司法 第38問 ウ)
判例によれば、定款に記載しないで行われた財産引受けは、特段の事情のない限り無効であるが、会社がこれを追認すればさかのぼって有効となる。
判例によれば、定款に記載しないで行われた財産引受けは、特段の事情のない限り無効であるが、会社がこれを追認すればさかのぼって有効となる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭28.12.3)は、「単に会社側だけで無効な財産引受契約を承認する特別決議をしても、所論のごとくこれによって瑕疵が治癒され無効な財産引受契約が有効となるものとは認めることができない。」として、定款に定めのない財産引受けが無効であることを前提としつつ、会社の成立後に株主総会の特別決議によって承認しても、その財産引受契約が有効とならないことを示している。
判例(最判昭28.12.3)は、「単に会社側だけで無効な財産引受契約を承認する特別決議をしても、所論のごとくこれによって瑕疵が治癒され無効な財産引受契約が有効となるものとは認めることができない。」として、定款に定めのない財産引受けが無効であることを前提としつつ、会社の成立後に株主総会の特別決議によって承認しても、その財産引受契約が有効とならないことを示している。
(H26 司法 第38問 3)
判例によれば、定款に定めのない財産引受けは無効であり、会社の成立後、その財産引受契約を承認する株主総会の特別決議をしても、これによって無効な財産引受契約が有効となるものではない。
判例によれば、定款に定めのない財産引受けは無効であり、会社の成立後、その財産引受契約を承認する株主総会の特別決議をしても、これによって無効な財産引受契約が有効となるものではない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭28.12.3)は、「単に会社側だけで無効な財産引受契約を承認する特別決議をしても、所論のごとくこれによって瑕疵が治癒され無効な財産引受契約が有効となるものとは認めることができない。」として、定款に定めのない財産引受けが無効であることを前提としつつ、会社の成立後に株主総会の特別決議によって承認しても、その財産引受契約が有効とならないことを示している。
判例(最判昭28.12.3)は、「単に会社側だけで無効な財産引受契約を承認する特別決議をしても、所論のごとくこれによって瑕疵が治癒され無効な財産引受契約が有効となるものとは認めることができない。」として、定款に定めのない財産引受けが無効であることを前提としつつ、会社の成立後に株主総会の特別決議によって承認しても、その財産引受契約が有効とならないことを示している。
(R3 予備 第16問 イ)
判例の趣旨によれば、定款に記載又は記録しないでされた財産引受けは無効であるが、成立後の株式会社が追認すれば遡って有効になる。
判例の趣旨によれば、定款に記載又は記録しないでされた財産引受けは無効であるが、成立後の株式会社が追認すれば遡って有効になる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭28.12.3)は、「単に会社側だけで無効な財産引受契約を承認する特別決議をしても、所論のごとくこれによって瑕疵が治癒され無効な財産引受契約が有効となるものとは認めることができない。」として、定款に定めのない財産引受けが無効であることを前提としつつ、会社の成立後に株主総会の特別決議によって承認しても、その財産引受契約が有効とならないことを示している。
判例(最判昭28.12.3)は、「単に会社側だけで無効な財産引受契約を承認する特別決議をしても、所論のごとくこれによって瑕疵が治癒され無効な財産引受契約が有効となるものとは認めることができない。」として、定款に定めのない財産引受けが無効であることを前提としつつ、会社の成立後に株主総会の特別決議によって承認しても、その財産引受契約が有効とならないことを示している。
総合メモ
設立費用の成立後の会社への債務帰属の要件 大判昭和2年7月4日
概要
設立費用に属する取引については、定款の記載等の法令の要件を満たした限度内において、発起人のした取引の効果が成立後の会社に帰属し、取引の相手方は会社に対し支払いを請求できる。
判例
事案:設立費用に属する取引について、取引の相手方が成立後の会社に対し支払いを請求できる額の範囲が問題となった。
判旨:「発起人カ株式会社ノ為ニスル行為ニハ其ノ設立事務ノ執行ニ必要ナル行為ト然ラサル行為トアルモノニシテ右ノ中設立事務ノ執行ニ必要ナル行為ニ付テハ発起人ハ会社ヲ成立セシムルコトヲ目的トシ既ニ成立シタル上ハ其ノ行為ノ一切ノ効力ヲ之ニ帰属セシメントスルノ目的ヲ以テ之ヲ為スモノナレハ会社カ成立シ其ノ創立総会ニ於テ発起人ノ為シタル行為ヲ承認シタルトキハ発起人ノ第三者ト為シタル契約ヨリ生スル権利義務ハ其ノ性質上当然会社ニ移転シ発起人ハ其ノ法律関係ヨリ脱退スルモノトス会社ノ設立事務ノ執行ニ付必要ナル行為ノ主要ナルモノハ株式ノ引受ヲ為サシムルコト株金ノ第1回払込ヲ為サシムルコト等ニシテ発起団体カ受取リタル引受証拠金、払込株金カ当然会社ニ移転スルコトニ付テハ曩ニ当院ノ判示シタル所ナリ(明治43年(オ)第242号同年12月23日大正11年(オ)第80号同年6月14日当院判決参照)而シテ発起人カ株主ヲ募集スル為新聞紙ニ其ノ旨ノ広告ヲ為シ之カ費用ヲ支払フコトヲ約スルハ会社ノ為株式引受人ヲ求メ資本ヲ充実セシムル方法タルニ外ナラサレハ株式ヲ引受ケシメ株金ヲ払込マシムルト同シク会社設立事務ノ執行ニ必要ナル行為ナリト云ハサルヲ得ス然リ而シテ右ノ広告費用ハ商法第122条第5号(現:会社法28条4号)ニ所謂会社ノ負担ニ帰スヘキ設立費用ニ属スルヲ以テ其ノ金額カ定款ニ記載セラレアリテ創立総会ニ於テ之ヲ承認シ商法第135条(現:会社法96条)ニ掲クル変更ノ手続ヲ為ササル限リ右広告ニ関スル契約ヨリ生スル権利義務ハ当然会社ニ移転シ会社ハ広告料支払ノ義務ヲ負担スヘク発起人ハ全ク其ノ義務ヲ負担セサルモノト謂ハサルヲ得ス」
判旨:「発起人カ株式会社ノ為ニスル行為ニハ其ノ設立事務ノ執行ニ必要ナル行為ト然ラサル行為トアルモノニシテ右ノ中設立事務ノ執行ニ必要ナル行為ニ付テハ発起人ハ会社ヲ成立セシムルコトヲ目的トシ既ニ成立シタル上ハ其ノ行為ノ一切ノ効力ヲ之ニ帰属セシメントスルノ目的ヲ以テ之ヲ為スモノナレハ会社カ成立シ其ノ創立総会ニ於テ発起人ノ為シタル行為ヲ承認シタルトキハ発起人ノ第三者ト為シタル契約ヨリ生スル権利義務ハ其ノ性質上当然会社ニ移転シ発起人ハ其ノ法律関係ヨリ脱退スルモノトス会社ノ設立事務ノ執行ニ付必要ナル行為ノ主要ナルモノハ株式ノ引受ヲ為サシムルコト株金ノ第1回払込ヲ為サシムルコト等ニシテ発起団体カ受取リタル引受証拠金、払込株金カ当然会社ニ移転スルコトニ付テハ曩ニ当院ノ判示シタル所ナリ(明治43年(オ)第242号同年12月23日大正11年(オ)第80号同年6月14日当院判決参照)而シテ発起人カ株主ヲ募集スル為新聞紙ニ其ノ旨ノ広告ヲ為シ之カ費用ヲ支払フコトヲ約スルハ会社ノ為株式引受人ヲ求メ資本ヲ充実セシムル方法タルニ外ナラサレハ株式ヲ引受ケシメ株金ヲ払込マシムルト同シク会社設立事務ノ執行ニ必要ナル行為ナリト云ハサルヲ得ス然リ而シテ右ノ広告費用ハ商法第122条第5号(現:会社法28条4号)ニ所謂会社ノ負担ニ帰スヘキ設立費用ニ属スルヲ以テ其ノ金額カ定款ニ記載セラレアリテ創立総会ニ於テ之ヲ承認シ商法第135条(現:会社法96条)ニ掲クル変更ノ手続ヲ為ササル限リ右広告ニ関スル契約ヨリ生スル権利義務ハ当然会社ニ移転シ会社ハ広告料支払ノ義務ヲ負担スヘク発起人ハ全ク其ノ義務ヲ負担セサルモノト謂ハサルヲ得ス」
過去問・解説
(H20 司法 第37問 ア)
判例によれば、設立費用に属する取引については性質上当然に成立後の会社に帰属し、会社が定款記載の設立費用の額を超えて弁済した場合、当該会社は、その超過額について発起人に求償することができる。
判例によれば、設立費用に属する取引については性質上当然に成立後の会社に帰属し、会社が定款記載の設立費用の額を超えて弁済した場合、当該会社は、その超過額について発起人に求償することができる。
(正答)✕
(解説)
判例(大判昭2.7.4)は、設立費用に属する取引については、定款の記載等の法令の要件を満たした限度内において、発起人のした取引の効果が成立後の会社に帰属し、取引の相手方は会社に対し支払いを請求できることを示している。
したがって、設立費用に属する取引については、性質上当然にではなく、定款の記載等の法令の要件を満たした限度内において成立後の会社に帰属する。
判例(大判昭2.7.4)は、設立費用に属する取引については、定款の記載等の法令の要件を満たした限度内において、発起人のした取引の効果が成立後の会社に帰属し、取引の相手方は会社に対し支払いを請求できることを示している。
したがって、設立費用に属する取引については、性質上当然にではなく、定款の記載等の法令の要件を満たした限度内において成立後の会社に帰属する。