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短答判例
非公開会社における株主総会決議を欠く募集株式の有利発行の効力 最三小判平成24年4月24日
概要
会社法上の公開会社でない株式会社において、株主総会の特別決議を経ないまま、株主に募集株式の割当てを受ける権利を与えることなく募集株式を発行した場合には、当該募集株式の発行には無効原因があるといえる。
判例
事案:非公開会社において、第三者割当の方法による募集株式の発行が行われたため提起された新株発行無効の訴えにおいて、当該瑕疵が無効原因となるかが問題となった。
判旨:「会社法上、公開会社(同法2条5号所定の公開会社をいう。以下同じ。)については、募集株式の発行は資金調達の一環として取締役会による業務執行に準ずるものとして位置付けられ、発行可能株式総数の範囲内で、原則として取締役会において募集事項を決定して募集株式が発行される(同法201条1項、199条)のに対し、公開会社でない株式会社(以下『非公開会社』という。)については、募集事項の決定は取締役会の権限とはされず、株主割当て以外の方法により募集株式を発行するためには、取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任した場合を除き、株主総会の特別決議によって募集事項を決定することを要し(同法199条)、また、株式発行無効の訴えの提訴期間も、公開会社の場合は6箇月であるのに対し、非公開会社の場合には1年とされている(同法828条1項2号)。これらの点に鑑みれば、非公開会社については、その性質上、会社の支配権に関わる持株比率の維持に係る既存株主の利益の保護を重視し、その意思に反する株式の発行は株式発行無効の訴えにより救済するというのが会社法の趣旨と解されるのであり、非公開会社において、株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法による募集株式の発行がされた場合、その発行手続には重大な法令違反があり、この瑕疵は上記株式発行の無効原因になると解するのが相当である。」
判旨:「会社法上、公開会社(同法2条5号所定の公開会社をいう。以下同じ。)については、募集株式の発行は資金調達の一環として取締役会による業務執行に準ずるものとして位置付けられ、発行可能株式総数の範囲内で、原則として取締役会において募集事項を決定して募集株式が発行される(同法201条1項、199条)のに対し、公開会社でない株式会社(以下『非公開会社』という。)については、募集事項の決定は取締役会の権限とはされず、株主割当て以外の方法により募集株式を発行するためには、取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任した場合を除き、株主総会の特別決議によって募集事項を決定することを要し(同法199条)、また、株式発行無効の訴えの提訴期間も、公開会社の場合は6箇月であるのに対し、非公開会社の場合には1年とされている(同法828条1項2号)。これらの点に鑑みれば、非公開会社については、その性質上、会社の支配権に関わる持株比率の維持に係る既存株主の利益の保護を重視し、その意思に反する株式の発行は株式発行無効の訴えにより救済するというのが会社法の趣旨と解されるのであり、非公開会社において、株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法による募集株式の発行がされた場合、その発行手続には重大な法令違反があり、この瑕疵は上記株式発行の無効原因になると解するのが相当である。」