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会社法 ゴルフ場の営業の譲受人が譲渡人の用いていた預託金会員制のゴルフクラブの名称を継続して使用している場合における会社法22条1項の類推適用 最二小判平成16年2月20日
概要
預託金会員制のゴルフクラブの名称がゴルフ場の営業主体を表示するものとして用いられている場合において、ゴルフ場の営業の譲渡がされ、譲渡人が用いていたゴルフクラブの名称を譲受人が継続して使用しているときには、譲受人が譲受後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り、譲受人は、22条1項の類推適用により、会員が譲渡人に交付した預託金の返還義務を負う。
判例
事案:ゴルフ場の営業の譲受人が譲渡人の用いていた預託金会員制のゴルフクラブの名称を継続して使用していたという事案で、譲受人に預託金の返還義務があるかが問題となった。
判旨:「預託金会員制のゴルフクラブが設けられているゴルフ場の営業においては、当該ゴルフクラブの名称は、そのゴルフクラブはもとより、ゴルフ場の施設やこれを経営する営業主体をも表示するものとして用いられることが少なくない。…預託金会員制のゴルフクラブの名称がゴルフ場の営業主体を表示するものとして用いられている場合において、ゴルフ場の営業の譲渡がされ、譲渡人が用いていたゴルフクラブの名称を譲受人が継続して使用しているときには、譲受人が譲受後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り、会員において、同一の営業主体による営業が継続しているものと信じたり、営業主体の変更があったけれども譲受人により譲渡人の債務の引受けがされたと信じたりすることは、無理からぬものというべきである。したがって、譲受人は、上記特段の事情がない限り、商法26条1項(現:会社法22条1項)の類推適用により、会員が譲渡人に交付した預託金の返還義務を負うものと解するのが相当である。」
判旨:「預託金会員制のゴルフクラブが設けられているゴルフ場の営業においては、当該ゴルフクラブの名称は、そのゴルフクラブはもとより、ゴルフ場の施設やこれを経営する営業主体をも表示するものとして用いられることが少なくない。…預託金会員制のゴルフクラブの名称がゴルフ場の営業主体を表示するものとして用いられている場合において、ゴルフ場の営業の譲渡がされ、譲渡人が用いていたゴルフクラブの名称を譲受人が継続して使用しているときには、譲受人が譲受後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り、会員において、同一の営業主体による営業が継続しているものと信じたり、営業主体の変更があったけれども譲受人により譲渡人の債務の引受けがされたと信じたりすることは、無理からぬものというべきである。したがって、譲受人は、上記特段の事情がない限り、商法26条1項(現:会社法22条1項)の類推適用により、会員が譲渡人に交付した預託金の返還義務を負うものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H30 予備 第27問 エ)
ゴルフクラブの名称がゴルフ場の事業主体を表示するものとして用いられている場合において、ゴルフ場の事業が譲渡され、譲渡人が用いていたゴルフクラブの名称を譲受人が引き続き使用しているときであっても、譲渡人の商号を譲受人が引き続き使用していないときは、譲受人は、譲渡人の事業によって生じた債務を弁済する責任を負わない。なお、「譲渡人」とは営業又は事業を譲渡した者を、「譲受人」とは営業又は事業を譲り受けた者を、それぞれ指すものとする。
ゴルフクラブの名称がゴルフ場の事業主体を表示するものとして用いられている場合において、ゴルフ場の事業が譲渡され、譲渡人が用いていたゴルフクラブの名称を譲受人が引き続き使用しているときであっても、譲渡人の商号を譲受人が引き続き使用していないときは、譲受人は、譲渡人の事業によって生じた債務を弁済する責任を負わない。なお、「譲渡人」とは営業又は事業を譲渡した者を、「譲受人」とは営業又は事業を譲り受けた者を、それぞれ指すものとする。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平16.2.20)は、本肢と同種の事案において、「預託金会員制のゴルフクラブの名称がゴルフ場の営業主体を表示するものとして用いられている場合において、ゴルフ場の営業の譲渡がされ、譲渡人が用いていたゴルフクラブの名称を譲受人が継続して使用しているときには、譲受人が譲受後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り、…商法26条1項(現:会社法22条1項)の類推適用により、会員が譲渡人に交付した預託金の返還義務を負う…。」としている。
したがって、名称続用の場合でも、譲受人が譲渡人の事業によって生じた債務を弁済する責任を負うことがある。
判例(最判平16.2.20)は、本肢と同種の事案において、「預託金会員制のゴルフクラブの名称がゴルフ場の営業主体を表示するものとして用いられている場合において、ゴルフ場の営業の譲渡がされ、譲渡人が用いていたゴルフクラブの名称を譲受人が継続して使用しているときには、譲受人が譲受後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り、…商法26条1項(現:会社法22条1項)の類推適用により、会員が譲渡人に交付した預託金の返還義務を負う…。」としている。
したがって、名称続用の場合でも、譲受人が譲渡人の事業によって生じた債務を弁済する責任を負うことがある。
(R4 予備 第27問 オ)
判例の趣旨によれば、預託金会員制のゴルフクラブが設けられているゴルフ場の営業又は事業の譲受人が、当該ゴルフクラブの名称を続用しており、当該ゴルフクラブの名称が当該ゴルフ場の営業又は事業の主体を表示するものである場合であっても、当該譲受人は、譲渡人の商号を続用していない限り、当該ゴルフクラブの会員が当該譲渡人に交付した預託金の返還義務を負わない。
判例の趣旨によれば、預託金会員制のゴルフクラブが設けられているゴルフ場の営業又は事業の譲受人が、当該ゴルフクラブの名称を続用しており、当該ゴルフクラブの名称が当該ゴルフ場の営業又は事業の主体を表示するものである場合であっても、当該譲受人は、譲渡人の商号を続用していない限り、当該ゴルフクラブの会員が当該譲渡人に交付した預託金の返還義務を負わない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平16.2.20)は、「預託金会員制のゴルフクラブの名称がゴルフ場の営業主体を表示するものとして用いられている場合において、ゴルフ場の営業の譲渡がされ、譲渡人が用いていたゴルフクラブの名称を譲受人が継続して使用しているときには、譲受人が譲受後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り、…商法26条1項(現:会社法22条1項)の類推適用により、会員が譲渡人に交付した預託金の返還義務を負う…。」としている。
したがって、商号の続用がなくても、譲受人は返還義務を負いうる。
判例(最判平16.2.20)は、「預託金会員制のゴルフクラブの名称がゴルフ場の営業主体を表示するものとして用いられている場合において、ゴルフ場の営業の譲渡がされ、譲渡人が用いていたゴルフクラブの名称を譲受人が継続して使用しているときには、譲受人が譲受後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り、…商法26条1項(現:会社法22条1項)の類推適用により、会員が譲渡人に交付した預託金の返還義務を負う…。」としている。
したがって、商号の続用がなくても、譲受人は返還義務を負いうる。