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短答判例
会社が発行する株式総数中に未発行部分がある場合に発行可能株式総数を増加する旨の定款変更をする旨の決議をすることの可否 最一小判昭和37年3月8日
概要
会社法上の公開会社の株主総会は、発行済株式の総数が発行可能株式総数に満たない場合に、新たに募集株式の発行をすることを条件として、その発行後の発行済株式の総数の4倍まで発行可能株式総数を増加する定款の変更をする旨の決議をすることができる。
判例
事案:会社が発行する株式総数において未発行株式がなお残っている場合に、発行済株式総数の4倍を超えない範囲内で会社が発行する株式総数を増加する旨の定款変更をする旨の株主総会決議の無効確認訴訟において、新株発行後に発行済株式総数の4倍を超えない範囲内で株式総数を増加する効力を生ずるとの条件付での株式総数増加決議の有効性が問題となった。
判旨:「本件当時の商法347条は、会社の発行する株式の総数は、発行済株式の総数の4倍を超えて、これを増加することを得ない旨を定めているが、それは、会社の発行する株式の総数の増加が、発行済株式の総数の4倍を限度とするという趣旨であって、右株式の総数増加についての株主総会の決議当時において発行済となっている株式の総数を基準とするものではなく、右株式の総数の増加の時において発行済となっている株式の総数を基準とするものと解するのを相当とする。また、株主総会の決議の効力の発生を条件または期限にかからしめることは、法律の規定、趣旨または条理に反しない限り、原則として許されると解すべきものであって、株式の総数の増加を定める株主総会の決議の効力が、右総数増加の基準とされた発行済株式の総数が現実に発行済となったときに発生するものとされた場合において、株主総会の決議の効力の発生を右のような条件にかからせることは、前記商法347条の規定、趣旨または条理に反する点は何ら認められない。」
判旨:「本件当時の商法347条は、会社の発行する株式の総数は、発行済株式の総数の4倍を超えて、これを増加することを得ない旨を定めているが、それは、会社の発行する株式の総数の増加が、発行済株式の総数の4倍を限度とするという趣旨であって、右株式の総数増加についての株主総会の決議当時において発行済となっている株式の総数を基準とするものではなく、右株式の総数の増加の時において発行済となっている株式の総数を基準とするものと解するのを相当とする。また、株主総会の決議の効力の発生を条件または期限にかからしめることは、法律の規定、趣旨または条理に反しない限り、原則として許されると解すべきものであって、株式の総数の増加を定める株主総会の決議の効力が、右総数増加の基準とされた発行済株式の総数が現実に発行済となったときに発生するものとされた場合において、株主総会の決議の効力の発生を右のような条件にかからせることは、前記商法347条の規定、趣旨または条理に反する点は何ら認められない。」
過去問・解説
(R7 予備 第18問 ア)
判例の趣旨によれば、会社法上の公開会社の株主総会は、発行済株式の総数が発行可能株式総数に満たない場合に、新たに募集株式の発行をすることを条件として、その発行後の発行済株式の総数の4倍まで発行可能株式総数を増加する定款の変更をする旨の決議をすることができる。
判例の趣旨によれば、会社法上の公開会社の株主総会は、発行済株式の総数が発行可能株式総数に満たない場合に、新たに募集株式の発行をすることを条件として、その発行後の発行済株式の総数の4倍まで発行可能株式総数を増加する定款の変更をする旨の決議をすることができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭37.3.8)は、公開会社で新たに募集株式の発行をすることを条件として、発行可能株式総数を増加する旨の定款変更をした事案において、「株主総会の決議の効力の発生を条件または期限にかからしめることは、法律の規定、趣旨または条理に反しない限り、原則として許される…。」とした上で、「株式の総数の増加を定める株主総会の決議の効力が、右総数増加の基準とされた発行済株式の総数が現実に発行済となったときに発生するものとされた場合において、株主総会の決議の効力の発生を右のような条件にかからせることは、前記商法347条(現:会社法113条3項)の規定、趣旨または条理に反する点は何ら認められない。」と判示している。
したがって、判例の趣旨によれば、会社法上の公開会社の株主総会は、発行済株式の総数が発行可能株式総数に満たない場合に、新たに募集株式の発行をすることを条件として、その発行後の発行済株式の総数の4倍まで発行可能株式総数を増加する定款の変更をする旨の決議をすることができる。
判例(最判昭37.3.8)は、公開会社で新たに募集株式の発行をすることを条件として、発行可能株式総数を増加する旨の定款変更をした事案において、「株主総会の決議の効力の発生を条件または期限にかからしめることは、法律の規定、趣旨または条理に反しない限り、原則として許される…。」とした上で、「株式の総数の増加を定める株主総会の決議の効力が、右総数増加の基準とされた発行済株式の総数が現実に発行済となったときに発生するものとされた場合において、株主総会の決議の効力の発生を右のような条件にかからせることは、前記商法347条(現:会社法113条3項)の規定、趣旨または条理に反する点は何ら認められない。」と判示している。
したがって、判例の趣旨によれば、会社法上の公開会社の株主総会は、発行済株式の総数が発行可能株式総数に満たない場合に、新たに募集株式の発行をすることを条件として、その発行後の発行済株式の総数の4倍まで発行可能株式総数を増加する定款の変更をする旨の決議をすることができる。