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監査役

第381条

条文
第381条(監査役の権限)
① 監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。この場合において、監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。
② 監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は監査役設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
③ 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
④ 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。
過去問・解説
(H19 司法 第44問 エ)
監査役設置会社の監査役は、その職務を行うため必要があるときは、当該監査役設置会社の子会社の業務及び財産の状況を調査することができるが、当該子会社は、正当な理由があるときは、その調査を拒むことができる。

(正答)

(解説)
381条は、3項において、「監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。」と規定し、4項において、「前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。」と規定している。
したがって、監査役設置会社の監査役は、その職務を行うため必要があるときは、当該監査役設置会社の子会社の業務及び財産の状況を調査することができ、当該子会社は、正当な理由があるときは、その調査を拒むことができる。

(R2 予備 第21問 ア)
監査役会設置会社においては、各監査役は、監査報告を作成することを要しない。

(正答)

(解説)
381条1項後段は、「監査役は、…監査報告を作成しなければならない。」と規定している。
したがって、監査役会設置会社においては、各監査役は、監査報告を作成することが必要である。
総合メモ

第382条

条文
第382条(取締役への報告義務)
 監査役は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければならない。
過去問・解説
(H30 予備 第21問 4)
会社法上の公開会社の監査役は、取締役が不正の行為をするおそれがあると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。

(正答)

(解説)
382条は、「監査役は、取締役が不正の行為を…するおそれがあると認めるとき…は、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければならない。」と規定している。

(H26 司法 第44問 5)
監査役は、代表取締役につき法令に違反する事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。

(正答)

(解説)
382条は、「監査役は、取締役が…法令…に違反する事実…があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければならない。」と規定している。

(R6 予備 第20問 2)
取締役会設置会社でない株式会社は、監査役を置くことができる。

(正答)

(解説)
326条2項は、「株式会社は、定款の定めによって、…監査役…を置くことができる。」と規定しており、監査役を置くことができる株式会社について、特に制限を設けていない。
したがって、取締役会設置会社でない株式会社は、監査役を置くことができる。
総合メモ

第383条

条文
第383条(取締役会への出席義務等)
① 監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。ただし、監査役が2人以上ある場合において、第373条第1項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特に同条第2項の取締役会に出席する監査役を定めることができる。
② 監査役は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、取締役(第366条第1項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の招集を請求することができる。
③ 前項の規定による請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監査役は、取締役会を招集することができる。
④ 前2項の規定は、第373条第2項の取締役会については、適用しない。
過去問・解説
(H21 司法 第43問 ウ)
特別取締役による議決の定めがある場合は、監査役は、特別取締役による取締役会に出席することを要しない。

(正答)

(解説)
383条1項は、「監査役は、取締役会に出席し…なければならない。ただし、監査役が2人以上ある場合において、…特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特に…取締役会に出席する監査役を定めることができる。」と規定している。
したがって、特別取締役による議決の定めがある場合であっても、監査役は、特別取締役による取締役会に出席する必要がある。

(R4 予備 第21問 エ)
監査等委員は、監査等委員会設置会社の取締役会において、監査委員は、指名委員会等設置会社の取締役会において、それぞれ意見を述べることができるが、監査役は、取締役ではないから、監査役会設置会社の取締役会において意見を述べることができない。

(正答)

(解説)
383条1項本文は、「監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。」と規定している。
したがって、監査等委員は、監査等委員会設置会社の取締役会において、監査委員は、指名委員会等設置会社の取締役会において、それぞれ意見を述べることができ、監査役は、監査役会設置会社の取締役会において、意見を述べることができる。
総合メモ

第384条

条文
第384条(株主総会に対する報告義務)
 監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。
過去問・解説
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第385条

条文
第385条(監査役による取締役の行為の差止め)
① 監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
② 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。
過去問・解説
(H27 予備 第21問 エ)
監査役設置会社においては、取締役が法令に違反する行為をするおそれがある場合でも、その行為によって会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときでなければ、監査役は、その取締役に対し、その行為をやめることを請求することができない。

(正答)

(解説)
385条1項は、「監査役は、取締役が…法令…に違反する行為を…するおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。」と規定している。
したがって、監査役設置会社においては、取締役が法令に違反する行為をするおそれがある場合でも、その行為によって会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときでなければ、監査役は、その取締役に対し、その行為をやめることを請求することができない。
総合メモ

第386条

条文
第386条(監査役設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等)
① 第349条第4項、第353条及び第364条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合には、当該各号の訴えについては、監査役が監査役設置会社を代表する。        
 一 監査役設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査役設置会社に対して訴えを提起する場合
 二 株式交換等完全親会社(第849条第2項第1号に規定する株式交換等完全親会社をいう。次項第3号において同じ。)である監査役設置会社がその株式交換等完全子会社(第847条の2第1項に規定する株式交換等完全子会社をいう。次項第3号において同じ。)の取締役、執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)又は清算人(清算人であった者を含む。以下この条において同じ。)の責任(第847条の2第1項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じたものに限る。)を追及する訴えを提起する場合
 三 最終完全親会社等(第847条の3第1項に規定する最終完全親会社等をいう。次項第4号において同じ。)である監査役設置会社がその完全子会社等(同条第2項第2号に規定する完全子会社等をいい、同条第3項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項第4号において同じ。)である株式会社の取締役、執行役又は清算人に対して特定責任追及の訴え(同条第1項に規定する特定責任追及の訴えをいう。)を提起する場合
② 第349条第4項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査役が監査役設置会社を代表する。        
 一 監査役設置会社が第847条第1項、第847条の2第1項若しくは第3項(同条第4項及び第5項において準用する場合を含む。)又は第847条の3第1項の規定による請求(取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合
 二 監査役設置会社が第849条第4項の訴訟告知(取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第850条第2項の規定による通知及び催告(取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合
 三 株式交換等完全親会社である監査役設置会社が第847条第1項の規定による請求(前項第2号に規定する訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第849条第6項の規定による通知(その株式交換等完全子会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合
 四 最終完全親会社等である監査役設置会社が第847条第1項の規定による請求(前項第3号に規定する特定責任追及の訴えの提起の請求に限る。)をする場合又は第849条第7項の規定による通知(その完全子会社等である株式会社の取締役、執行役又は清算人の責任を追及する訴えに係るものに限る。)を受ける場合
過去問・解説
(H19 司法 第42問 オ)
会社が取締役に対して訴えを提起する場合には、監査役設置会社であるか否かを問わず、被告となる取締役以外の取締役が会社を代表する。

(正答)

(解説)
386条1項1号は、監査役が会社を代表する場合の1つとして、「監査役設置会社が取締役…に対し…て訴えを提起する場合」を掲げている。
したがって、会社が取締役に対して訴えを提起する場合において、監査役設置会社を代表するのは被告となる取締役以外の取締役ではなく、監査役である。

(H21 司法 第45問 4)
監査役設置会社が会計監査人に対して責任を追及する訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監査役が監査役設置会社を代表する。

(正答)

(解説)
386条1項1号は、監査役が会社を代表する場合の1つとして、「監査役設置会社が取締役…に対し…て訴えを提起する場合」を掲げているが、会計監査人に対する訴えの提起については、同号の適用はない。
したがって、監査役設置会社が会計監査人に対して責任を追及する訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監査役ではなく、取締役が会社を代表する(349条1項本文)。

(R1 予備 第20問 ウ)
監査役設置会社が当該監査役設置会社の取締役であった者に対してその責任を追及する訴えを提起する場合には、当該訴えについては、代表取締役が当該監査役設置会社を代表する。

(正答)

(解説)
386条1項1号は、監査役が会社を代表する場合の1つとして、「監査役設置会社が取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は取締役が監査役設置会社に対して訴えを提起する場合」を掲げている。
したがって、監査役設置会社が当該監査役設置会社の取締役であった者に対してその責任を追及する訴えを提起する場合には、当該訴えについては、代表取締役ではなく、監査役が当該会社を代表する。
総合メモ

第387条

条文
第387条(監査役の報酬等)
① 監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。
② 監査役が2人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。
③ 監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることができる。
過去問・解説
(H18 司法 第46問 4)
監査役報酬について、株主総会決議では、監査役ごとに報酬額を定めることなく監査役全員に支給する総額のみを定め、各監査役に対する具体的配分は、取締役会の決定に委ねることができる。

(正答)

(解説)
387条は、1項において、「監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。」と規定し、2項において、「監査役が2人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。」と規定している。
したがって、監査役報酬について、株主総会決議では、監査役ごとに報酬額を定めることなく監査役全員に支給する総額のみを定め、各監査役に対する具体的配分は、取締役会の決定に委ねることはできない。

(R2 予備 第21問 ウ)
監査役会設置会社において、監査役の報酬について、株主総会の決議によって、監査役の全員の報酬の総額のみを定めたときは、各監査役の個人別の報酬の額は、当該総額の範囲内において、監査役の過半数をもって行う監査役会の決議によって定めなければならない。

(正答)

(解説)
387条は、1項において、「監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。」と規定し、2項において、「監査役が2人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。」と規定している。
したがって、監査役会設置会社において、監査役の報酬について、株主総会の決議によって、監査役の全員の報酬の総額のみを定めたときは、各監査役の個人別の報酬の額は、当該総額の範囲内において、監査役の過半数をもって行う監査役会の決議ではなく、監査役の協議によって定められる。
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第388条

条文
第388条(費用等の請求)
 監査役がその職務の執行について監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査役設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。        
 一 費用の前払の請求
 二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求
 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求
過去問・解説
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第389条

条文
第389条(定款の定めによる監査範囲の限定)
① 公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、第381条第1項の規定にかかわらず、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。        
② 前項の規定による定款の定めがある株式会社の監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。        
③ 前項の監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする会計に関する議案、書類その他の法務省令で定めるものを調査し、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。        
④ 第2項の監査役は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。        
 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面
 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの
⑤ 第2項の監査役は、その職務を行うため必要があるときは、株式会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は株式会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。        
⑥ 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告又は調査を拒むことができる。        
⑦ 第381条から第386条までの規定は、第1項の規定による定款の定めがある株式会社については、適用しない。        
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