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短答条文

天皇

第3条

条文
第3条(天皇の国事行為に対する内閣の助言と承認)
 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。
過去問・解説
(H18 司法 第16問 6)
天皇に衆議院の解散権があるとしても、それが内閣の助言と承認によって行われる以上、国会が天皇の政治責任を追及することは認められない。

(正答) 〇 

(解説)
憲法3条は、「天皇の国事に関するすべての行為」については、「内閣が、その責任を負ふ」と規定し、天皇の無答責を明文で規定している。

(H26 司法 第12問 ア)
国事行為のうち、その行為自体が名目的・儀礼的なものであっても、天皇は、自らの判断に基づき、内閣の助言と承認を拒むことは許されない。

(正答)〇

(解説)
憲法3条は、「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし」と規定している。
したがって、国事行為のうち、その行為自体が名目的・儀礼的なものであっても、天皇は、自らの判断に基づき、内閣の助言と承認を拒むことは許されない。

(H26 司法 第12問 イ)
憲法は、天皇の無答責を明文で規定していないので、内閣の助言と承認のもとで行われた天皇の国事行為であっても、内閣の責任のほかに天皇が責任を負うことがあり得る。

(正答) ✕ 

(解説)
憲法3条は、「天皇の国事に関するすべての行為」については、「内閣が、その責任を負ふ」と規定し、天皇の無答責を明文で規定している。

(R6 司法 第12問 ウ)
天皇が国会の指名に基づいて内閣総理大臣の任命を行う場合の助言と承認は、総辞職をした内閣が行う。

(正答)〇

(解説)
憲法71条は、「前2条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。」と規定している。憲法69条、憲法70条は、内閣の総辞職に関する規定である。
したがって、「内閣総理大臣を任命する」(憲法6条)ための「内閣の助言と承認」(憲法3条)は、総辞職をした内閣が行うことになる。
総合メモ

第4条

条文
第4条(天皇の権能の限界、天皇の国事行為の委任)
① 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
② 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。
過去問・解説
(H18 司法 第16問 2)
天皇の権能は、一身に専属し、その国事に関する行為を他に委任することはできない。

(正答) ✕ 

(解説)
憲法4条2項は、「天皇は、…その国事に関する行為を委任することができる」と規定している。

(H18 司法 第16問 4)
天皇は、憲法で列挙された国事に関する行為以外であっても、国政に関する権能を行使することが認められている場合がある。

(正答)✕

(解説)
憲法4条1項は、「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。」と規定している。

(H26 司法 第12問 ウ)
国政に関する権能を天皇に付与しない限り、憲法で定められている国事行為以外の行為について、新たな国事行為として法律で定めることも許される。

(正答)✕

(解説)
憲法4条1項は、天皇は、「この憲法の定める国事に関する行為のみを行」うと規定している。
したがって、憲法で定められている国事行為以外の行為について、新たな国事行為として法律で定めることは許されない。

(R8 司法 第11問 イ)
天皇は、憲法上、国事行為を委任することができ、その委任は、皇室典範の定めるところにより行う。

(正答)✕

(解説)
憲法4条2項は、「天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。」と規定している。そして、この委任については、国事行為の臨時代行に関する法律が定めている。
したがって、天皇は、憲法上、国事行為を委任することができ、その委任は、皇室典範ではなく、国事行為の臨時代行に関する法律の定めるところにより行う。
総合メモ

第5条

条文
第5条(摂政)
 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第1項の規定を準用する。
過去問・解説
(H18 司法 第16問 8)
天皇に代わって摂政が置かれる場合は、摂政が自らの名で国事に関する行為を行い、その責任は摂政に帰属する。

(正答)✕

(解説)
憲法5条前段は、「皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。」と規定している。また、摂政が行う国事行為にも3条が適用され、同条は、「…内閣が、その責任を負ふ。」と規定している。
したがって、天皇に代わって摂政が置かれる場合は、摂政が天皇の名で国事に関する行為を行い、その責任は内閣に帰属する。

(H30 司法 第12問 ウ)
摂政は、天皇の名で国事行為を行う天皇の法定代理機関であり、天皇が未成年のときなど皇室典範に定める原因が生じることにより設置される。

(正答)〇

(解説)
憲法5条前段は、「皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。」と規定している。これを受けて、皇室典範16条1項は、摂政の設置事由として、「天皇が成年に達しないとき」と規定している。
したがって、摂政は、天皇の名で国事行為を行う天皇の法定代理機関であり、天皇が未成年のときなど皇室典範に定める原因が生じることにより設置される。

(R6 司法 第12問 ア)
摂政は天皇の法定代理機関として、天皇の名で国事行為を行うが、摂政を置くのに天皇の同意は必要ない。

(正答)〇

(解説)
憲法5条前段は、「皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。」と規定している。そして、これを受けた皇室典範16条は、摂政の設置事由・手続について定めているが、摂政を置くのに天皇の同意を要するとは規定していない。
したがって、摂政は天皇の法定代理機関として、天皇の名で国事行為を行うが、摂政を置くのに天皇の同意は必要ない。

(R8 司法 第11問 ウ)
天皇が国事行為を委任する行為も国事行為に当たるから、摂政は、国事行為を委任することができる。

(正答)〇

(解説)
憲法5条は、「皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第1項の規定を準用する。」と規定している。また、憲法4条2項による「国事に関する行為」の委任自体も、同条1項の「国事に関する行為」に当たる。
したがって、天皇の名で国事行為を行う摂政は、同条1項の「国事に関する行為」の一環として国事行為を委任することができる。
総合メモ

第6条

条文
第6条(天皇の任命権)
① 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
② 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
過去問・解説
(R8 司法 第11問 ア)
天皇は、内閣の指名に基づいて、最高裁判所の裁判官を任命する。 

(正答)✕

(解説)
憲法6条2項は、「天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。」と規定している。他方で、最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官については、憲法79条1項が、「…長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。」と規定している。
したがって、天皇が内閣の指名に基づいて任命するのは最高裁判所の長たる裁判官であり、最高裁判所の裁判官一般を任命するのではない。
総合メモ

第7条

条文
第7条(天皇の国事行為)
 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。 
 一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
 二 国会を召集すること。
 三 衆議院を解散すること。
 四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
 五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
 六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
 七 栄典を授与すること。
 八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
 九 外国の大使及び公使を接受すること。
 十 儀式を行ふこと。
過去問・解説
(H20 司法 第14問 ウ)
天皇は栄典を授与するが、憲法は、恩赦の認証と異なり、栄典の授与自体が天皇の国事行為であるとしており、栄典の授与の認証を国事行為とはしていない。

(正答)〇

(解説)
憲法7条は、天皇の国事行為として、7号において「栄典を授与すること。」を掲げ、6号において「大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。」を掲げている。
したがって、天皇は栄典を授与するが、憲法は、恩赦の認証と異なり、栄典の授与自体が天皇の国事行為であるとしており、栄典の授与の認証を国事行為とはしていない。

(R2 司法 第18問 イ)
条約を締結する権限は内閣にあるが、批准を要する条約についての批准書の認証は天皇の国事行為である。

(正答)〇

(解説)
憲法73条は、内閣の事務として、3号において「条約を締結すること。」を掲げている。そして、憲法7条は、天皇の国事行為として、8号において「批准書…を認証すること。」を掲げている。
したがって、条約を締結する権限は内閣にあるが、批准を要する条約についての批准書の認証は天皇の国事行為である。

(R8 司法 第16問 ア)
憲法第7条第3号を根拠に内閣の衆議院解散権を認める見解は、天皇の国事行為に対する内閣の助言と承認には実質的決定権が含まれる場合もあることを前提にしている。

(正答)〇

(解説)
憲法7条は、天皇の国事行為として、3号において「衆議院を解散すること」を掲げ、憲法3条は、憲法3条は、「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし」と規定している。
そして、7条3号を根拠に内閣の衆議院解散権を認める見解は、内閣の「助言と承認」には、実質的決定権を含む場合もあるとする見解である。この見解では、内閣が「助言と承認」を行う前提として行為の実質的決定を行っても、その結果として天皇の国事行為が形式的・儀礼的なものにとどまる限り、憲法の精神に反しないことを論拠とする。

(R8 予備 第11問 ウ)
憲法第98条第2項は条約を誠実に遵守すべきことを定めていることから、国会が承認し内閣が締結した条約は、天皇による公布を経なくとも国内法として実施が可能となる点で、法律と異なる。

(正答)✕

(解説)
憲法7条は、天皇の国事行為として、1号において「憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。」を掲げている。そして、条約が国内法として効力を有するためには、法律と同様に、公布を要する。
したがって、国会が承認し内閣が締結した条約も、国内法として実施するためには、天皇による公布を経る必要がある。
総合メモ

第8条

条文
第8条(皇室の財産授受)
 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。
過去問・解説
(H24 司法 第12問 イ)
皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が財産を譲り受け、若しくは賜与することは国会の議決に基づかなければならない、というのが憲法の定める原則である。

(正答)〇

(解説)
憲法8条は、「皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。」と規定している。

(R4 司法 第12問 ウ)
皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基づかなければならない、と憲法は定めている。

(正答)〇

(解説)
憲法8条は、「皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。」と規定している。
総合メモ