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行政法 都道府県農地委員会のした農地売渡計画承認の取消し又は変更を求める訴えの当否 最二小判昭和27年1月25日
概要
行政処分の行われた後法律が改正されても、行政庁は改正法律によって行政処分をしたのではないから、裁判所が改正後の法律によって行政処分の当否を判断することはできず、処分時の法律を基準として判断される。
判例
事案:同人の所有する本件農地について上告人の定めた買収計画には違法があるとして提起した、当該処分の取消訴訟において、農地買収計画が自作農創設特別措置法附則第2項によって定められ、その後同項が削除され、同法第6条の2ないし5が加えられた場合に右買収計画の当否を判断するについて基準とすべき法律が改正前後のいずれとなるのかが問題となった。
判旨:「行政処分の取消又は変更を求める訴において裁判所の判断すべきことは係争の行政処分が違法に行われたかどうかの点である。行政処分の行われた後法律が改正されたからと言って、行政庁は改正法律によって行政処分をしたのではないから裁判所が改正後の法律によって行政処分の当否を判断することはできない。本件買収計画は昭和22年12月26日法律241号による改正前の自作農創設特別措置法附則2項によって定められたのであるから、原判決が本件買収計画が右附則2項による計画として適法であるかどうかを審理したのは当然である。前記法律241号附則2条は改正法施行前に前記附則2項による買収計画に関してされた手続は改正後の法律の6条の2、3、5の規定によりされた手続とみなす旨の規定であることは論旨のとおりであるが、右は改正前の法律による手続が改正法による手続としての効力を有する趣旨の規定に過ぎず、改正前の法律にてらして違法があった計画が法律の改正によって適法になる理由はないのであるから、所論のように本件買収計画が適法であるかどうかについて改正後の法律によって判断すべきものではない。」
判旨:「行政処分の取消又は変更を求める訴において裁判所の判断すべきことは係争の行政処分が違法に行われたかどうかの点である。行政処分の行われた後法律が改正されたからと言って、行政庁は改正法律によって行政処分をしたのではないから裁判所が改正後の法律によって行政処分の当否を判断することはできない。本件買収計画は昭和22年12月26日法律241号による改正前の自作農創設特別措置法附則2項によって定められたのであるから、原判決が本件買収計画が右附則2項による計画として適法であるかどうかを審理したのは当然である。前記法律241号附則2条は改正法施行前に前記附則2項による買収計画に関してされた手続は改正後の法律の6条の2、3、5の規定によりされた手続とみなす旨の規定であることは論旨のとおりであるが、右は改正前の法律による手続が改正法による手続としての効力を有する趣旨の規定に過ぎず、改正前の法律にてらして違法があった計画が法律の改正によって適法になる理由はないのであるから、所論のように本件買収計画が適法であるかどうかについて改正後の法律によって判断すべきものではない。」
過去問・解説
(H22 司法 第33問 ウ)
A県は、同県内にダムの建設を計画し、事業を開始したが、建設予定地内の土地の買収に応じない地権者Bらがいたため、土地収用法に基づく土地の収用を行うこととし、国土交通大臣に対して同法に基づく事業の認定申請をしたところ、同大臣は、事業認定の要件を満たすとして同事業の認定(以下「本件事業認定」という。)をした。
本件の事業に公益性があるか否か、Bらにどのような不利益があるのかなど本件事業認定の適法性を基礎付ける事実関係は、事実審の口頭弁論終結時の事情に基づいて判断されなければならない。
A県は、同県内にダムの建設を計画し、事業を開始したが、建設予定地内の土地の買収に応じない地権者Bらがいたため、土地収用法に基づく土地の収用を行うこととし、国土交通大臣に対して同法に基づく事業の認定申請をしたところ、同大臣は、事業認定の要件を満たすとして同事業の認定(以下「本件事業認定」という。)をした。
本件の事業に公益性があるか否か、Bらにどのような不利益があるのかなど本件事業認定の適法性を基礎付ける事実関係は、事実審の口頭弁論終結時の事情に基づいて判断されなければならない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭27.1.25)は、「行政処分の取消又は変更を求める訴において裁判所の判断すべきことは係争の行政処分が違法に行われたかどうかの点である。行政処分の行われた後法律が改正されたからと言って、行政庁は改正法律によって行政処分をしたのではないから裁判所が改正後の法律によって行政処分の当否を判断することはできない。」としている。
したがって、処分の適法性判断の基準時は事実審の口頭弁論終結時ではなく、処分時である。
判例(最判昭27.1.25)は、「行政処分の取消又は変更を求める訴において裁判所の判断すべきことは係争の行政処分が違法に行われたかどうかの点である。行政処分の行われた後法律が改正されたからと言って、行政庁は改正法律によって行政処分をしたのではないから裁判所が改正後の法律によって行政処分の当否を判断することはできない。」としている。
したがって、処分の適法性判断の基準時は事実審の口頭弁論終結時ではなく、処分時である。