①国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民が、次回の衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院議員の通常選挙における選挙区選出議員の選挙において、在外選挙人名簿に登録されていることに基づいて投票をすることができる地位にあることの確認を求める訴えは、公法上の法律関係に関する確認の訴えとして適法である。
②国会議員の立法行為又は立法不作為は、その立法の内容又は立法不作為が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合や、国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり、それが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合などには、例外的に、国家賠償法1条1項の適用上、違法の評価を受ける。
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行政法 在外日本人選挙権剥奪違法確認等請求事件 最大判平成17年9月14日
概要
判例
事案:在外国民であるXらが、衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙の選挙権を制限された、もしくはされるおそれがあるとして提起した国家賠償請求訴訟において、①改正前の公職選挙法が違法であること、改正後の公職選挙法が在外国民に衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙における選挙権の行使を認めていない点において違法であることを主位的請求、Xらが衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙において選挙権を行使する権利を有することを予備的請求とする確認請求におけるそれぞれの確認の利益の有無、②国会議員の立法行為又は立法不作為が、どのような場合に国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるかが問題となった。
判旨:①「本件の主位的確認請求に係る訴えのうち、本件改正前の公職選挙法が…上告人らに衆議院議員の選挙及び参議院議員の選挙における選挙権の行使を認めていない点において違法であることの確認を求める訴えは、過去の法律関係の確認を求めるものであり、この確認を求めることが現に存する法律上の紛争の直接かつ抜本的な解決のために適切かつ必要な場合であるとはいえないから、確認の利益が認められず、不適法である。 …また、本件の主位的確認請求に係る訴えのうち、本件改正後の公職選挙法が…上告人らに衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙における選挙権の行使を認めていない点において違法であることの確認を求める訴えについては、他により適切な訴えによってその目的を達成することができる場合には、確認の利益を欠き不適法であるというべきところ、本件においては、後記…のとおり、予備的確認請求に係る訴えの方がより適切な訴えであるということができるから、上記の主位的確認請求に係る訴えは不適法であるといわざるを得ない。 …本件の予備的確認請求に係る訴えは、公法上の当事者訴訟のうち公法上の法律関係に関する確認の訴えと解することができるところ、その内容をみると、公職選挙法附則8項につき所要の改正がされないと、在外国民である…上告人らが、今後直近に実施されることになる衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院議員の通常選挙における選挙区選出議員の選挙において投票をすることができず、選挙権を行使する権利を侵害されることになるので、そのような事態になることを防止するために、同上告人らが、同項が違憲無効であるとして、当該各選挙につき選挙権を行使する権利を有することの確認をあらかじめ求める訴えであると解することができる。 選挙権は、これを行使することができなければ意味がないものといわざるを得ず、侵害を受けた後に争うことによっては権利行使の実質を回復することができない性質のものであるから、その権利の重要性にかんがみると、具体的な選挙につき選挙権を行使する権利の有無につき争いがある場合にこれを有することの確認を求める訴えについては、それが有効適切な手段であると認められる限り、確認の利益を肯定すべきものである。そして、本件の予備的確認請求に係る訴えは、公法上の法律関係に関する確認の訴えとして、上記の内容に照らし、確認の利益を肯定することができるものに当たるというべきである。」
②「国家賠償法1条1項は、国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違背して当該国民に損害を加えたときに、国又は公共団体がこれを賠償する責任を負うことを規定するものである。したがって、国会議員の立法行為又は立法不作為が同項の適用上違法となるかどうかは、国会議員の立法過程における行動が個別の国民に対して負う職務上の法的義務に違背したかどうかの問題であって、当該立法の内容又は立法不作為の違憲性の問題とは区別されるべきであり、仮に当該立法の内容又は立法不作為が憲法の規定に違反するものであるとしても、そのゆえに国会議員の立法行為又は立法不作為が直ちに違法の評価を受けるものではない。しかしながら、立法の内容又は立法 不作為が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合や、国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり、それが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合などには、例外的に、国会議員の立法行為又は立法不作為は、国家賠償法1条1項の規定の適用上、違法の評価を受けるものというべきである。
在外国民であった上告人らも国政選挙において投票をする機会を与えられることを憲法上保障されていたのであり、この権利行使の機会を確保するためには、在外選挙制度を設けるなどの立法措置を執ることが必要不可欠であったにもかかわらず、前記事実関係によれば、昭和59年に在外国民の投票を可能にするための法律案が閣議決定されて国会に提出されたものの、同法律案が廃案となった後本件選挙の実施に至るまで10年以上の長きにわたって何らの立法措置も執られなかったのであるから、このような著しい不作為は上記の例外的な場合に当たり、このような場合においては、過失の存在を否定することはできない。このような立法不作為の結果、上告人らは本件選挙において投票をすることができず、これによる精神的苦痛を被ったものというべきである。したがって、本件においては、上記の違法な立法不作為を理由とする国家賠償請求はこれを認容すべきである。」
判旨:①「本件の主位的確認請求に係る訴えのうち、本件改正前の公職選挙法が…上告人らに衆議院議員の選挙及び参議院議員の選挙における選挙権の行使を認めていない点において違法であることの確認を求める訴えは、過去の法律関係の確認を求めるものであり、この確認を求めることが現に存する法律上の紛争の直接かつ抜本的な解決のために適切かつ必要な場合であるとはいえないから、確認の利益が認められず、不適法である。 …また、本件の主位的確認請求に係る訴えのうち、本件改正後の公職選挙法が…上告人らに衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙における選挙権の行使を認めていない点において違法であることの確認を求める訴えについては、他により適切な訴えによってその目的を達成することができる場合には、確認の利益を欠き不適法であるというべきところ、本件においては、後記…のとおり、予備的確認請求に係る訴えの方がより適切な訴えであるということができるから、上記の主位的確認請求に係る訴えは不適法であるといわざるを得ない。 …本件の予備的確認請求に係る訴えは、公法上の当事者訴訟のうち公法上の法律関係に関する確認の訴えと解することができるところ、その内容をみると、公職選挙法附則8項につき所要の改正がされないと、在外国民である…上告人らが、今後直近に実施されることになる衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院議員の通常選挙における選挙区選出議員の選挙において投票をすることができず、選挙権を行使する権利を侵害されることになるので、そのような事態になることを防止するために、同上告人らが、同項が違憲無効であるとして、当該各選挙につき選挙権を行使する権利を有することの確認をあらかじめ求める訴えであると解することができる。 選挙権は、これを行使することができなければ意味がないものといわざるを得ず、侵害を受けた後に争うことによっては権利行使の実質を回復することができない性質のものであるから、その権利の重要性にかんがみると、具体的な選挙につき選挙権を行使する権利の有無につき争いがある場合にこれを有することの確認を求める訴えについては、それが有効適切な手段であると認められる限り、確認の利益を肯定すべきものである。そして、本件の予備的確認請求に係る訴えは、公法上の法律関係に関する確認の訴えとして、上記の内容に照らし、確認の利益を肯定することができるものに当たるというべきである。」
②「国家賠償法1条1項は、国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違背して当該国民に損害を加えたときに、国又は公共団体がこれを賠償する責任を負うことを規定するものである。したがって、国会議員の立法行為又は立法不作為が同項の適用上違法となるかどうかは、国会議員の立法過程における行動が個別の国民に対して負う職務上の法的義務に違背したかどうかの問題であって、当該立法の内容又は立法不作為の違憲性の問題とは区別されるべきであり、仮に当該立法の内容又は立法不作為が憲法の規定に違反するものであるとしても、そのゆえに国会議員の立法行為又は立法不作為が直ちに違法の評価を受けるものではない。しかしながら、立法の内容又は立法 不作為が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合や、国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり、それが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合などには、例外的に、国会議員の立法行為又は立法不作為は、国家賠償法1条1項の規定の適用上、違法の評価を受けるものというべきである。
在外国民であった上告人らも国政選挙において投票をする機会を与えられることを憲法上保障されていたのであり、この権利行使の機会を確保するためには、在外選挙制度を設けるなどの立法措置を執ることが必要不可欠であったにもかかわらず、前記事実関係によれば、昭和59年に在外国民の投票を可能にするための法律案が閣議決定されて国会に提出されたものの、同法律案が廃案となった後本件選挙の実施に至るまで10年以上の長きにわたって何らの立法措置も執られなかったのであるから、このような著しい不作為は上記の例外的な場合に当たり、このような場合においては、過失の存在を否定することはできない。このような立法不作為の結果、上告人らは本件選挙において投票をすることができず、これによる精神的苦痛を被ったものというべきである。したがって、本件においては、上記の違法な立法不作為を理由とする国家賠償請求はこれを認容すべきである。」
過去問・解説
(H22 司法 第37問 ウ)
国会議員の立法行為は、本質的に政治的なものであって、その性質上法的規制の対象になじまないものであるから、制定された法律の内容が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合などには、例外的に国会議員の立法行為が国家賠償法上違法であるとの評価を受けることもあり得るが、立法の不作為についてまで国家賠償法上違法であるとの評価を受けることはない。
国会議員の立法行為は、本質的に政治的なものであって、その性質上法的規制の対象になじまないものであるから、制定された法律の内容が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合などには、例外的に国会議員の立法行為が国家賠償法上違法であるとの評価を受けることもあり得るが、立法の不作為についてまで国家賠償法上違法であるとの評価を受けることはない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平17.9.14)は、「立法の内容又は立法 不作為が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合や、国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり、それが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合などには、例外的に、国会議員の立法行為又は立法不作為は、国家賠償法1条1項の規定の適用上、違法の評価を受けるものというべきである。」としている。
したがって、立法の不作為についても、国家賠償法上違法であるとの評価を受けることがある。
判例(最判平17.9.14)は、「立法の内容又は立法 不作為が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合や、国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり、それが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合などには、例外的に、国会議員の立法行為又は立法不作為は、国家賠償法1条1項の規定の適用上、違法の評価を受けるものというべきである。」としている。
したがって、立法の不作為についても、国家賠償法上違法であるとの評価を受けることがある。
(H26 共通 第33問 ア)
在外日本人である原告らが、①平成10年法律第47号による改正前の公職選挙法が、原告らに衆議院議員の選挙及び参議院議員の選挙における選挙権の行使を認めていなかったことが違法であることの確認、②同改正後の公職選挙法が、原告らに衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙における選挙権の行使を認めていないことが違法であることの確認及び③原告らが今後直近に実施される上記②の各選挙において選挙権を行使する権利を有することの確認を求める各訴えに関する最高裁判所平成17年9月14日大法廷判決(民集59巻7号2087頁)についての次の記述のうち、正しいものに〇、誤っているものに×を、選びなさい。
【記述】
この判決は、上記①の訴えは、過去の法律関係の確認を求めるものであって、確認の利益を欠くから、不適法であるとした。
在外日本人である原告らが、①平成10年法律第47号による改正前の公職選挙法が、原告らに衆議院議員の選挙及び参議院議員の選挙における選挙権の行使を認めていなかったことが違法であることの確認、②同改正後の公職選挙法が、原告らに衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙における選挙権の行使を認めていないことが違法であることの確認及び③原告らが今後直近に実施される上記②の各選挙において選挙権を行使する権利を有することの確認を求める各訴えに関する最高裁判所平成17年9月14日大法廷判決(民集59巻7号2087頁)についての次の記述のうち、正しいものに〇、誤っているものに×を、選びなさい。
【記述】
この判決は、上記①の訴えは、過去の法律関係の確認を求めるものであって、確認の利益を欠くから、不適法であるとした。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平17.9.14)は、「本件改正前の公職選挙法が…上告人らに衆議院議員の選挙及び参議院議員の選挙における選挙権の行使を認めていない点において違法であることの確認を求める訴えは、過去の法律関係の確認を求めるものであり、この確認を求めることが現に存する法律上の紛争の直接かつ抜本的な解決のために適切かつ必要な場合であるとはいえないから、確認の利益が認められず、不適法である。」としている。
判例(最判平17.9.14)は、「本件改正前の公職選挙法が…上告人らに衆議院議員の選挙及び参議院議員の選挙における選挙権の行使を認めていない点において違法であることの確認を求める訴えは、過去の法律関係の確認を求めるものであり、この確認を求めることが現に存する法律上の紛争の直接かつ抜本的な解決のために適切かつ必要な場合であるとはいえないから、確認の利益が認められず、不適法である。」としている。
(H26 共通 第33問 イ)
在外日本人である原告らが、①平成10年法律第47号による改正前の公職選挙法が、原告らに衆議院議員の選挙及び参議院議員の選挙における選挙権の行使を認めていなかったことが違法であることの確認、②同改正後の公職選挙法が、原告らに衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙における選挙権の行使を認めていないことが違法であることの確認及び③原告らが今後直近に実施される上記②の各選挙において選挙権を行使する権利を有することの確認を求める各訴えに関する最高裁判所平成17年9月14日大法廷判決(民集59巻7号2087頁)についての次の記述のうち、正しいものに〇、誤っているものに×を付した場合の組合せを選びなさい。
【記述】
この判決は、上記②の訴えは、抽象的に立法不作為の違法確認を求めるものであって、法律上の争訟に当たらないから、不適法であるとした。
在外日本人である原告らが、①平成10年法律第47号による改正前の公職選挙法が、原告らに衆議院議員の選挙及び参議院議員の選挙における選挙権の行使を認めていなかったことが違法であることの確認、②同改正後の公職選挙法が、原告らに衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙における選挙権の行使を認めていないことが違法であることの確認及び③原告らが今後直近に実施される上記②の各選挙において選挙権を行使する権利を有することの確認を求める各訴えに関する最高裁判所平成17年9月14日大法廷判決(民集59巻7号2087頁)についての次の記述のうち、正しいものに〇、誤っているものに×を付した場合の組合せを選びなさい。
【記述】
この判決は、上記②の訴えは、抽象的に立法不作為の違法確認を求めるものであって、法律上の争訟に当たらないから、不適法であるとした。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平17.9.14)は、「本件改正後の公職選挙法が…上告人らに衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙における選挙権の行使を認めていない点において違法であることの確認を求める訴えについては、他により適切な訴えによってその目的を達成することができる場合には、確認の利益を欠き不適法であるというべきところ、本件においては、後記…のとおり、予備的確認請求に係る訴えの方がより適切な訴えであるということができるから、上記の主位的確認請求に係る訴えは不適法であるといわざるを得ない。」としている。
したがって、本判決は、②の訴えについて、抽象的に立法不作為の違法確認を求めるものであり、法律上の争訟に当たらないという理由ではなく、③の訴えの方がより適切な訴えであることを理由として不適法としている。
判例(最判平17.9.14)は、「本件改正後の公職選挙法が…上告人らに衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙における選挙権の行使を認めていない点において違法であることの確認を求める訴えについては、他により適切な訴えによってその目的を達成することができる場合には、確認の利益を欠き不適法であるというべきところ、本件においては、後記…のとおり、予備的確認請求に係る訴えの方がより適切な訴えであるということができるから、上記の主位的確認請求に係る訴えは不適法であるといわざるを得ない。」としている。
したがって、本判決は、②の訴えについて、抽象的に立法不作為の違法確認を求めるものであり、法律上の争訟に当たらないという理由ではなく、③の訴えの方がより適切な訴えであることを理由として不適法としている。
(H26 共通 第33問 ウ)
在外日本人である原告らが、①平成10年法律第47号による改正前の公職選挙法が、原告らに衆議院議員の選挙及び参議院議員の選挙における選挙権の行使を認めていなかったことが違法であることの確認、②同改正後の公職選挙法が、原告らに衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙における選挙権の行使を認めていないことが違法であることの確認及び③原告らが今後直近に実施される上記②の各選挙において選挙権を行使する権利を有することの確認を求める各訴えに関する最高裁判所平成17年9月14日大法廷判決(民集59巻7号2087頁)についての次の記述のうち、正しいものに〇、誤っているものに×を選びなさい。
【記述】
この判決は、上記③の訴えが適法であると判断するに当たり、選挙権は侵害を受けた後に争うことによっては権利行使の実質を回復することができない性質のものであることを考慮している。
在外日本人である原告らが、①平成10年法律第47号による改正前の公職選挙法が、原告らに衆議院議員の選挙及び参議院議員の選挙における選挙権の行使を認めていなかったことが違法であることの確認、②同改正後の公職選挙法が、原告らに衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙における選挙権の行使を認めていないことが違法であることの確認及び③原告らが今後直近に実施される上記②の各選挙において選挙権を行使する権利を有することの確認を求める各訴えに関する最高裁判所平成17年9月14日大法廷判決(民集59巻7号2087頁)についての次の記述のうち、正しいものに〇、誤っているものに×を選びなさい。
【記述】
この判決は、上記③の訴えが適法であると判断するに当たり、選挙権は侵害を受けた後に争うことによっては権利行使の実質を回復することができない性質のものであることを考慮している。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭17.9.14)は、「選挙権は、これを行使することができなければ意味がないものといわざるを得ず、侵害を受けた後に争うことによっては権利行使の実質を回復することができない性質のものであるから、その権利の重要性にかんがみると、具体的な選挙につき選挙権を行使する権利の有無につき争いがある場合にこれを有することの確認を求める訴えについては、それが有効適切な手段であると認められる限り、確認の利益を肯定すべきものである。」としている。
判例(最判昭17.9.14)は、「選挙権は、これを行使することができなければ意味がないものといわざるを得ず、侵害を受けた後に争うことによっては権利行使の実質を回復することができない性質のものであるから、その権利の重要性にかんがみると、具体的な選挙につき選挙権を行使する権利の有無につき争いがある場合にこれを有することの確認を求める訴えについては、それが有効適切な手段であると認められる限り、確認の利益を肯定すべきものである。」としている。
(H27 予備 第21問 イ)
国外に居住していて国内の市町村の区域に住所を有していない日本国民が、次回の衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙において、在外選挙人名簿に登録されていることに基づいて投票をすることができる地位にあることの確認を求める訴訟は、「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」に当たる。
国外に居住していて国内の市町村の区域に住所を有していない日本国民が、次回の衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙において、在外選挙人名簿に登録されていることに基づいて投票をすることができる地位にあることの確認を求める訴訟は、「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」に当たる。
(正答)〇
(解説)
判例(最大判平17.9.14)は、「本件の予備的確認請求に係る訴えは、公法上の当事者訴訟のうち公法上の法律関係に関する確認の訴えと解することができるところ、その内容をみると、公職選挙法附則8項につき所要の改正がされないと、在外国民である別紙当事者目録1記載の上告人らが、今後直近に実施されることになる衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院議員の通常選挙における選挙区選出議員の選挙において投票をすることができず、選挙権を行使する権利を侵害されることになるので、そのような事態になることを防止するために、同上告人らが、同項が違憲無効であるとして、当該各選挙につき選挙権を行使する権利を有することの確認をあらかじめ求める訴えであると解することができる。」とした上で、「本件の予備的確認請求に係る訴えについては、引き続き在外国民である同上告人らが、次回の衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院議員の通常選挙における選挙区選出議員の選挙において、在外選挙人名簿に登録されていることに基づいて投票をすることができる地位にあることの確認を請求する趣旨のものとして適法な訴えということができる。」としている。
判例(最大判平17.9.14)は、「本件の予備的確認請求に係る訴えは、公法上の当事者訴訟のうち公法上の法律関係に関する確認の訴えと解することができるところ、その内容をみると、公職選挙法附則8項につき所要の改正がされないと、在外国民である別紙当事者目録1記載の上告人らが、今後直近に実施されることになる衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院議員の通常選挙における選挙区選出議員の選挙において投票をすることができず、選挙権を行使する権利を侵害されることになるので、そのような事態になることを防止するために、同上告人らが、同項が違憲無効であるとして、当該各選挙につき選挙権を行使する権利を有することの確認をあらかじめ求める訴えであると解することができる。」とした上で、「本件の予備的確認請求に係る訴えについては、引き続き在外国民である同上告人らが、次回の衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院議員の通常選挙における選挙区選出議員の選挙において、在外選挙人名簿に登録されていることに基づいて投票をすることができる地位にあることの確認を請求する趣旨のものとして適法な訴えということができる。」としている。
(R5 予備 第23問 ア)
国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり、それが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合には、国会議員の立法不作為は、国家賠償法第1条第1項の適用上、違法の評価を受ける。
国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり、それが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合には、国会議員の立法不作為は、国家賠償法第1条第1項の適用上、違法の評価を受ける。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭17.9.14)は、「国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり、それが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合…には、…国会議員の立法行為又は立法不作為は、国家賠償法1条1項の規定の適用上、違法の評価を受けるものというべきである。」としている。
判例(最判昭17.9.14)は、「国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり、それが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合…には、…国会議員の立法行為又は立法不作為は、国家賠償法1条1項の規定の適用上、違法の評価を受けるものというべきである。」としている。