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不利益処分

第12条

条文
第12条(処分の基準)
① 行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。 
② 行政庁は、処分基準を定めるに当たっては、不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。
過去問・解説
(H22 司法 第23問 イ)
A社は、B県において、産業廃棄物処理施設の設置を計画し、B県知事に対して設置許可の申請をして同許可を得た。しかし、周辺住民は、同施設が許可基準を満たしていないにもかかわらず、虚偽の内容の申請書を提出して同許可を受けたと主張し、B県に同許可を取り消すように求めた結果、B県知事は、同許可を取り消した。
B県知事は、産業廃棄物処理施設の設置許可の取消しをするかどうかについて判断するために必要とされる基準を定めておかなければならないから、これを定めないまま取消処分をすれば、違法事由となる。

(参照条文)廃棄物の処理及び清掃に関する法律
第15条 ①産業廃棄物処理施設(中略)を設置しようとする者は、当該産業廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
②~⑥(略)
第15条の3 ①都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当するときは、当該産業廃棄物処理施設に係る第15条第1項の許可を取り消さなければならない。
 1、2(略)
 3 不正の手段により第15条第1項の許可又は第15条の2の5第1項の変更の許可を受けたとき。
② 都道府県知事は、前条第1号(注:施設の構造等が技術上の基準等に適合していないと認めるとき)、第2号(注:設置者の能力が基準に適合していないと認めるとき)又は第4号(注:設置者が当該許可に付した条件に違反したとき)のいずれかに該当するときは、当該産業廃棄物処理施設に係る第15条第1項の許可を取り消すことができる。

(正答)

(解説)
行手法12条1項は、「行政庁は、処分基準を定め…ておくよう努めなければならない。」と規定しており、処分基準の設定を努力義務としている。
そして、本肢における産業廃棄物処理施設の設置許可の取消しは、同法2条4号が規定している「不利益処分」に当たる。
したがって、B県知事は、産業廃棄物処理施設の設置許可の取消しをするかどうかについて判断するために必要とされる基準を定めておくよう努めなければならず、これを定めないまま取消処分をしたときであっても、違法事由とはならない。

(H26 予備 第14問 エ)
P県知事は、採石法(以下「法」という。)の運用に関して運営要領を定め、その中で採石業の登録が必要な場合について、基準(a)を設けている。

基準(a):法第32条にいう「採石業を行おうとする者」とは、営利、非営利の目的のいかんを問わず、岩石の採取行為を反復継続的に行おうとする者をいう。

P県知事は、法第32条の10の不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについて、必ず基準を定めなければならない。

(参照条文)採石法
(登録)
第32条 採石業を行おうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
(登録の申請)
第32条の2 前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
 1~3 (略)
2 前項の申請書には、前条の登録を受けようとする者が第32条の4第1項第1号から第4号までに該当しない者であることを誓約する書面その他の経済産業省令で定める書類を添附しなければならない。
(登録及びその通知)
第32条の3 都道府県知事は、第32条の登録の申請があったときは、次条第1項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、前条第1項各号に掲げる事項並びに登録の年月日及び登録番号を採石業者登録簿に登録しなければならない。
2 (略) 
(登録の拒否)
第32条の4 都道府県知事は、第32条の2第1項の申請書を提出した者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は当該申請書若しくはその添付書類に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
 1~5 (略)
2 (略)
(登録の取消し等)
第32条の10 都道府県知事は、その登録を受けた採石業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は6箇月以内の期間を定めてその事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
 1~6 (略)
2 (略)

(正答)

(解説)
行手法12条1項は、「行政庁は、処分基準を定め…ておくよう努めなければならない。」と規定しており、処分基準の設定を努力義務としている。
したがって、P県知事は、採石法32条の10の不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについて、必ず基準を定めなければならないのではなく、基準を定めておくよう努めれば足りる。

(H30 予備 第15問 イ)
行政手続法は、行政庁が不利益処分に関する基準(処分基準)を定めた場合には、これを公にすることを求めているが、この義務は努力義務にとどまる。

(正答)

(解説)
行手法12条1項は、「行政庁は、処分基準…を公にしておくよう努めなければならない。」と規定している。
したがって、行手法は、行政庁が不利益処分に関する基準(処分基準)を定めた場合には、これを公にすることを求めているが、この義務は努力義務にとどまる。
総合メモ

第13条

条文
第13条(不利益処分をしようとする場合の手続)
① 行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。 
 一 次のいずれかに該当するとき 聴聞 
  イ 許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。 
  ロ イに規定するもののほか、名あて人の資格又は地位を直接にはく奪する不利益処分をしようとするとき。 
  ハ 名あて人が法人である場合におけるその役員の解任を命ずる不利益処分、名あて人の業務に従事する者の解任を命ずる不利益処分又は名あて人の会員である者の除名を命ずる不利益処分をしようとするとき。 
  ニ イからハまでに掲げる場合以外の場合であって行政庁が相当と認めるとき。 
 二 前号イからニまでのいずれにも該当しないとき 弁明の機会の付与 
② 次の各号のいずれかに該当するときは、前項の規定は、適用しない。 
 一 公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき。 
 二 法令上必要とされる資格がなかったこと又は失われるに至ったことが判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって、その資格の不存在又は喪失の事実が裁判所の判決書又は決定書、一定の職に就いたことを証する当該任命権者の書類その他の客観的な資料により直接証明されたものをしようとするとき。 
 三 施設若しくは設備の設置、維持若しくは管理又は物の製造、販売その他の取扱いについて遵守すべき事項が法令において技術的な基準をもって明確にされている場合において、専ら当該基準が充足されていないことを理由として当該基準に従うべきことを命ずる不利益処分であってその不充足の事実が計測、実験その他客観的な認定方法によって確認されたものをしようとするとき。 
 四 納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金銭の納付を命じ、又は金銭の給付決定の取消しその他の金銭の給付を制限する不利益処分をしようとするとき。 
 五 当該不利益処分の性質上、それによって課される義務の内容が著しく軽微なものであるため名あて人となるべき者の意見をあらかじめ聴くことを要しないものとして政令で定める処分をしようとするとき。
過去問・解説
(H20 司法 第29問 イ)
営業許可の職権による取消処分について、聴聞及び理由の提示に係る行政手続法の定めが適用される。

(正答)

(解説)
行手法13条1項1号イは、不利益処分の名あて人に対する聴聞が必要となる場合の1つとして、「許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。」を掲げている。また、同法14条1項は、不利益処分の際に必要される手続として、「不利益処分の理由を示さなければならない。」と規定している。したがって、営業許可の職権による取消処分について、聴聞及び理由の提示に係る行手法の定めが適用される。

(H22 司法 第23問 ウ)
A社は、B県において、産業廃棄物処理施設の設置を計画し、B県知事に対して設置許可の申請をして同許可を得た。しかし、周辺住民は、同施設が許可基準を満たしていないにもかかわらず、虚偽の内容の申請書を提出して同許可を受けたと主張し、B県に同許可を取り消すように求めた結果、B県知事は、同許可を取り消した。
B県知事は、A社について、聴聞の手続を執らなければならず、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相当な期間を置いて、A社に対し、予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項、不利益処分の原因となる事実、聴聞の期日及び場所、聴聞に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地を書面により通知しなければならないが、周辺住民の意見を聴く公聴会を開催する義務はない。
(参照条文)廃棄物の処理及び清掃に関する法律
第15条 産業廃棄物処理施設(中略)を設置しようとする者は、当該産業廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
 2~6 (略)
第15条の3 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当するときは、当該産業廃棄物処理施設に係る第15条第1項の許可を取り消さなければならない。
 1、2 (略)
 3 不正の手段により第15条第1項の許可又は第15条の2の5第1項の変更の許可を受けたとき。
2 都道府県知事は、前条第1号(注:施設の構造等が技術上の基準等に適合していないと認めるとき)、第2号(注:設置者の能力が基準に適合していないと認めるとき)又は第4号(注:設置者が当該許可に付した条件に違反したとき)のいずれかに該当するときは、当該産業廃棄物処理施設に係る第15条第1項の許可を取り消すことができる。

(正答)

(解説)
行手法13条1項1号イは、不利益処分の名あて人に対する聴聞が必要となる場合として、「許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。」を掲げている。
そして、本肢における産業廃棄物処理施設の設置許可の取り消しは、「許認可等を取り消す不利益処分」に当たる。
したがって、産業廃棄物処理施設の設置許可の取り消しをしようとする場合には、B県知事は、A社について、聴聞の手続を執らなければならない。
また、同法15条1項は、柱書において「行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。」と規定しており、同項各号において、通知する必要のある事項として、「予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項」、「不利益処分の原因となる事実」、「聴聞の期日及び場所」及び「聴聞に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地」を掲げている。
したがって、B県知事は、A社について、聴聞の手続を執らなければならず、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相当な期間を置いて、A社に対し、これらの事項を書面により通知しなければならない。
そして、同法10条は、申請に対する処分について、「申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。」と規定しており、公聴会の開催について努力義務としている。これに対し、不利益処分については、このような規定は存在しない。
したがって、本肢において、周辺住民の意見を聴く公聴会を開催する義務はない。

(H28 予備 第14問 ア)
A県知事は、介護保険法に基づく指定居宅サービス事業者Bについて、介護報酬の不正請求が行われているとの内部通報を受けたため、調査の上、不利益処分をすることにした。
A県知事がBに対し、指定の効力の一部停止処分をしようとする場合には、原則として聴聞手続を執らなければならない。

(正答)

(解説)
行手法13条1項1号イないしハには、不利益処分の名あて人に対する聴聞が必要となる場合を掲げられている。
そして、介護保険法に基づく指定の効力の一部停止処分をしようとする場合は、掲げられている場合のいずれにも当たらない。
したがって、A県知事がBに対し、指定の効力の一部停止処分をしようとする場合には、聴聞手続は不要である。

(H30 予備 第15問 ウ)
行政手続法の定めによれば、行政庁が聴聞手続を執ることができるのは、許認可等を取り消すといった重大な不利益処分に限られる。

(正答)

(解説)
行手法13条1項2号は、不利益処分の名あて人に対する聴聞が必要となる場合として、「イからハまでに掲げる場合以外の場合であって行政庁が相当と認めるとき。」を掲げており、同項1号イからハまでに掲げる場合以外の場合であっても、聴聞手続を執ることは妨げられない。
したがって、行手法の定めによれば、行政庁が聴聞手続を執ることができるのは、許認可等を取り消すといった重大な不利益処分に限られない。

(R5 予備 第14問 ウ)
許認可等を後発的事情を理由として取り消す処分は、新たな公益判断を伴うため聴聞の対象となるが、許認可等をその成立当初からの違法を理由として取り消す処分は、聴聞の対象とはならない。

(正答)

(解説)
行手法13条1項1号イは、不利益処分の名あて人に対する聴聞が必要となる場合として、「許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。」を掲げている。
そして、ここでいう「許認可等を取り消す」には、許認可等の撤回に限られず、その成立当初からの瑕疵を理由とする職権取消しをも含むと解されている。
したがって、許認可等を後発的事情を理由として取り消す処分は、新たな公益判断を伴うため聴聞の対象となり、許認可等をその成立当初からの違法を理由として取り消す処分も、聴聞の対象となる。

(R6 予備 第15問 イ)
行政庁は、金銭の給付決定を取り消す不利益処分をしようとする場合には、意見陳述のための手続を執る必要はない。

(正答)

(解説)
行手法13条2項4号は、不利益処分の名あて人に対する意見陳述のための手続について、適用除外となる場合の1つとして、「金銭の給付決定の取消し…をしようとするとき。」を掲げている。
したがって、行政庁は、金銭の給付決定を取り消す不利益処分をしようとする場合には、意見陳述のための手続を執る必要はない。
総合メモ

第14条

条文
第14条(不利益処分の理由の提示)
① 行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。 
② 行政庁は、前項ただし書の場合においては、当該名あて人の所在が判明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならない。 
③ 不利益処分を書面でするときは、前2項の理由は、書面により示さなければならない。
過去問・解説
(R6 予備 第15問 エ)
法令上必要とされる資格がなかったことが判明した場合に必ずすることとされている不利益処分をする行政庁は、当該処分の名あて人の求めがあったときに、当該処分の理由を示せば足りる。

(正答)

(解説)
行手法14条1項は、「行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。」と規定している。
したがって、法令上必要とされる資格がなかったことが判明した場合に必ずすることとされている不利益処分をする行政庁は、当該処分の名あて人の求めがあったときではなく、不利益処分と同時に、当該処分の理由を示す必要がある。
総合メモ

第15条

条文
第15条(聴聞の通知の方式)
① 行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。 
 一 予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項 
 二 不利益処分の原因となる事実 
 三 聴聞の期日及び場所 
 四 聴聞に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地 
② 前項の書面においては、次に掲げる事項を教示しなければならない。 
 一 聴聞の期日に出頭して意見を述べ、及び証拠書類又は証拠物(以下「証拠書類等」という。)を提出し、又は聴聞の期日への出頭に代えて陳述書及び証拠書類等を提出することができること。 
 二 聴聞が終結する時までの間、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができること。 
③ 行政庁は、不利益処分の名あて人となるべき者の所在が判明しない場合においては、第1項の規定による通知を、その者の氏名、同項第3号及び第4号に掲げる事項並びに当該行政庁が同項各号に掲げる事項を記載した書面をいつでもその者に交付する旨を当該行政庁の事務所の掲示場に掲示することによって行うことができる。この場合においては、掲示を始めた日から2週間を経過したときに、当該通知がその者に到達したものとみなす。
過去問・解説
(H18 司法 第28問 ア)
行政庁は、聴聞を行うに当たっては、不利益処分の名あて人となるべき者に対し聴聞の通知をすれば足り、それ以外に、当該不利益処分につき利害関係を有する者に対して聴聞の通知をする必要はない。

(正答)

(解説)
行手法15条1項柱書は、「行政庁は、聴聞を行うに当たっては、…不利益処分の名あて人となるべき者に対し、…通知しなければならない。」と規定している。
したがって、行政庁は、聴聞を行うに当たっては、不利益処分の名あて人となるべき者に対し聴聞の通知をすれば足り、それ以外に、当該不利益処分につき利害関係を有する者に対して聴聞の通知をする必要はない。
総合メモ

第17条

条文
第17条(参加人)
① 第19条の規定により聴聞を主宰する者(以下「主宰者」という。)は、必要があると認めるときは、当事者以外の者であって当該不利益処分の根拠となる法令に照らし当該不利益処分につき利害関係を有するものと認められる者(同条第2項第6号において「関係人」という。)に対し、当該聴聞に関する手続に参加することを求め、又は当該聴聞に関する手続に参加することを許可することができる。 
② 前項の規定により当該聴聞に関する手続に参加する者(以下「参加人」という。)は、代理人を選任することができる。 
③ 前条第2項から第4項までの規定は、前項の代理人について準用する。この場合において、同条第2項及び第4項中「当事者」とあるのは、「参加人」と読み替えるものとする。
過去問・解説
(H28 予備 第14問 ウ)
A県知事は、介護保険法に基づく指定居宅サービス事業者Bについて、介護報酬の不正請求が行われているとの内部通報を受けたため、調査の上、不利益処分をすることにした。
Bからサービスを受けている高齢者Dは、サービスを受けられなくなると日常生活に困難を来すことから、Bに対する不利益処分の発動に反対するため、主宰者の許可を得て聴聞手続に参加し、口頭で意見を述べることができる。

(正答)

(解説)
行手法17条1項は、「主宰者…は、必要があると認めるときは、当事者以外の者であって…当該不利益処分につき利害関係を有するものと認められる者(同条2項6号において『関係人』という。)に対し、…当該聴聞に関する手続に参加することを許可することができる。」と規定している。
そして、本肢におけるDは、不利益処分を受ける事業者Bのサービスを受けている者であることから、「不利益処分につき利害関係を有する者」に当たる。
したがって、Dは、主宰者の許可を得て聴聞手続に参加することができる。
また、同法20条2項は、「参加人は、…意見を述べ…ることができる。」と規定している。
したがって、Dは、口頭で意見を述べることができる。
総合メモ

第18条

条文
第18条(聴聞等の閲覧)
① 当事者及び当該不利益処分がされた場合に自己の利益を害されることとなる参加人(以下この条及び第24条第3項において「当事者等」という。)は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。この場合において、行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。 
② 前項の規定は、当事者等が聴聞の期日における審理の進行に応じて必要となった資料の閲覧を更に求めることを妨げない。 
③ 行政庁は、前2項の閲覧について日時及び場所を指定することができる。
過去問・解説
(H24 司法 第23問 ア)
聴聞手続において、不利益処分の名宛人には、文書等の閲覧の権利が生じており、知事に対し、不利益処分に関する調査結果などの資料の閲覧を求めることができる。

(正答)

(解説)
行手法18条1項前段は、「当事者…は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。」と規定している。
したがって、聴聞手続において、不利益処分の名宛人には、文書等の閲覧の権利が生じており、知事に対し、不利益処分に関する調査結果などの資料の閲覧を求めることができる。

(H28 予備 第14問 イ)
A県知事は、介護保険法に基づく指定居宅サービス事業者Bについて、介護報酬の不正請求が行われているとの内部通報を受けたため、調査の上、不利益処分をすることにした。
Bに対する不利益処分の発動に強い関心を持っているライバル事業者Cは、聴聞手続において、A県知事に対し、当該処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。

(正答)

(解説)
行手法18条1項前段は、「当該不利益処分がされた場合に自己の利益を害されることとなる参加人…は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、…当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。」と規定している。
そして、本肢におけるCは、単に不利益処分の発動に強い関心を持っているライバル事業者であり、Bに対する不利益処分がされた場合に自己の利益を害されるとはいえない。
したがって、ライバル事業者Cは、聴聞手続において、A県知事に対し、当該処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができない。

(R6 予備 第15問 ア)
不利益処分がされた場合に利益を受けることとなる参加人は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。

(正答)

(解説)
行手法18条1項前段は、「当該不利益処分がされた場合に自己の利益を害されることとなる参加人…は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、…当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。」と規定している。
そして、不利益処分がされた場合に利益を受けることとなる参加人は、「不利益処分がされた場合に自己の利益を害されることとなる参加人」には当たらない。
したがって、不利益処分がされた場合に利益を受けることとなる参加人は、聴聞手続において、行政庁に対し、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができない。
総合メモ

第19条

条文
第19条(聴聞の主宰)
① 聴聞は、行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰する。 
② 次の各号のいずれかに該当する者は、聴聞を主宰することができない。 
 一 当該聴聞の当事者又は参加人 
 二 前号に規定する者の配偶者、4親等内の親族又は同居の親族 
 三 第1号に規定する者の代理人又は次条第3項に規定する補佐人 
 四 前3号に規定する者であった者 
 五 第1号に規定する者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人 
 六 参加人以外の関係人
過去問・解説
(H22 司法 第23問 エ)
A社は、B県において、産業廃棄物処理施設の設置を計画し、B県知事に対して設置許可の申請をして同許可を得た。しかし、周辺住民は、同施設が許可基準を満たしていないにもかかわらず、虚偽の内容の申請書を提出して同許可を受けたと主張し、B県に同許可を取り消すように求めた結果、B県知事は、同許可を取り消した。
聴聞手続の主宰者は、公正な第三者でなければならず、B県知事が指名するB県の職員は、聴聞手続を主宰することができない。

(参照条文)廃棄物の処理及び清掃に関する法律
第15条 ①産業廃棄物処理施設(中略)を設置しようとする者は、当該産業廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
②~⑥(略)
第15条の3 ①都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当するときは、当該産業廃棄物処理施設に係る第15条第1項の許可を取り消さなければならない。
 1、2(略)
 3 不正の手段により第15条第1項の許可又は第15条の2の5第1項の変更の許可を受けたとき。
② 都道府県知事は、前条第1号(注:施設の構造等が技術上の基準等に適合していないと認めるとき)、第2号(注:設置者の能力が基準に適合していないと認めるとき)又は第4号(注:設置者が当該許可に付した条件に違反したとき)のいずれかに該当するときは、当該産業廃棄物処理施設に係る第15条第1項の許可を取り消すことができる。

(正答)

(解説)
行手法19条は、1項において、「聴聞は、行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰する。」と規定し、2項各号において、主宰者の除外事由について掲げている。
そのため、除外事由に当たらない限り、行政庁が指名する職員が主宰者となることができる。
そして、本肢におけるB県の職員は、2号各号が掲げている除外事由には当たらない。
したがって、B県知事が指名するB県の職員は、聴聞手続を主宰することができる。
総合メモ

第20条

条文
第20条(聴聞の期日における審理の方式)
① 主宰者は、最初の聴聞の期日の冒頭において、行政庁の職員に、予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項並びにその原因となる事実を聴聞の期日に出頭した者に対し説明させなければならない。 
② 当事者又は参加人は、聴聞の期日に出頭して、意見を述べ、及び証拠書類等を提出し、並びに主宰者の許可を得て行政庁の職員に対し質問を発することができる。 
③ 前項の場合において、当事者又は参加人は、主宰者の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。 
④ 主宰者は、聴聞の期日において必要があると認めるときは、当事者若しくは参加人に対し質問を発し、意見の陳述若しくは証拠書類等の提出を促し、又は行政庁の職員に対し説明を求めることができる。 
⑤ 主宰者は、当事者又は参加人の一部が出頭しないときであっても、聴聞の期日における審理を行うことができる。 
⑥ 聴聞の期日における審理は、行政庁が公開することを相当と認めるときを除き、公開しない。
過去問・解説
(H24 司法 第23問 イ)
不利益処分の名宛人となるべき者やその代理人は、聴聞の期日に出頭して意見を述べることができるが、それ以外の利害関係者が聴聞手続に参加することは認められていない。

(正答)

(解説)
行手法20条2項は、「当事者…は、聴聞の期日に出頭して、意見を述べ…ることができる。」と規定している。
したがって、不利益処分の名宛人となるべき者は、聴聞の期日に出頭して意見を述べることができる。
そして、同法16条2項は、「代理人は、各自、当事者のために、聴聞に関する一切の行為をすることができる。」と規定している。
したがって、不利益処分の名宛人となるべき者の代理人は、聴聞の期日に出頭して意見を述べることができる。
加えて、同法17条1項は「主宰者…不利益処分につき利害関係を有するものと認められる者…に対し、…聴聞に関する手続に参加することを許可することができる。」と規定している。
したがって、不利益処分の名宛人となるべき者やその代理人以外の利害関係者も聴聞手続に参加することが認められうる。
よって、不利益処分の名宛人となるべき者やその代理人は、聴聞の期日に出頭して意見を述べることができ、それ以外の利害関係者も聴聞手続に参加することは認められている。

(R3 予備 第15問 イ)
聴聞の期日における審理については、聴聞の主宰者は、非公開で行うことができ、行政庁が公開することを相当と認めるときを除き、公開する必要はない。

(正答)

(解説)
行手法20条6項は、「聴聞の期日における審理は、行政庁が公開することを相当と認めるときを除き、公開しない。」と規定している。
したがって、聴聞の期日における審理については、聴聞の主宰者は、非公開で行うことができ、行政庁が公開することを相当と認めるときを除き、公開する必要はない。
総合メモ

第21条

条文
第21条(陳述書等の提出)
① 当事者又は参加人は、聴聞の期日への出頭に代えて、主宰者に対し、聴聞の期日までに陳述書及び証拠書類等を提出することができる。 
② 主宰者は、聴聞の期日に出頭した者に対し、その求めに応じて、前項の陳述書及び証拠書類等を示すことができる。
過去問・解説
(R6 予備 第15問 ウ)
聴聞の通知を受けた当事者は、聴聞の期日への出頭に代えて、主宰者に対し、聴聞の期日までに陳述書を提出することができる。

(正答)

(解説)
行手法21条1項は、「当事者…は、聴聞の期日への出頭に代えて、主宰者に対し、聴聞の期日までに陳述書…を提出することができる。」と規定している。
総合メモ

第24条

条文
第24条(聴聞調書及び報告書)
① 主宰者は、聴聞の審理の経過を記載した調書を作成し、当該調書において、不利益処分の原因となる事実に対する当事者及び参加人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。 
② 前項の調書は、聴聞の期日における審理が行われた場合には各期日ごとに、当該審理が行われなかった場合には聴聞の終結後速やかに作成しなければならない。 
③ 主宰者は、聴聞の終結後速やかに、不利益処分の原因となる事実に対する当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書を作成し、第1項の調書とともに行政庁に提出しなければならない。 
④ 当事者又は参加人は、第1項の調書及び前項の報告書の閲覧を求めることができる。
過去問・解説
(H21 司法 第22問 エ)
聴聞の主宰者は、不利益処分の原因となる事実に対する当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書を作成し、行政庁に提出するが、処分権限を有するのは行政庁であるから、行政庁は、不利益処分の決定をする際に、当該報告書に記載された主宰者の意見を参酌することを要しない。

(正答)

(解説)
行手法24条3項は、「主宰者は、…不利益処分の原因となる事実に対する当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書を作成し、…行政庁に提出しなければならない。」と規定している。そして、同法26条は、「行政庁は、不利益処分の決定をするときは、第24条…第3項の報告書に記載された主宰者の意見を十分に参酌してこれをしなければならない。」と規定している。
したがって、聴聞の主宰者は、不利益処分の原因となる事実に対する当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書を作成し、行政庁に提出する必要があり、処分権限を有するのは行政庁であるものの、行政庁は、不利益処分の決定をする際に、当該報告書に記載された主宰者の意見を参酌する必要がある。

(R1 予備 第15問 エ)
不利益処分に関する聴聞の終了後、聴聞の主宰者は、聴聞調書及び報告書を作成し、行政庁に提出するが、同時に、その写しを当事者及び参加人に送付しなければならない。

(正答)

(解説)
行手法24条は、1項において、「主宰者は、聴聞の審理の経過を記載した調書を作成…しておかなければならない。」と規定し、3項において、「主宰者は、…報告書を作成し、1項の調書とともに行政庁に提出しなければならない。」と規定している。
したがって、不利益処分に関する聴聞の終了後、聴聞の主宰者は、聴聞調書及び報告書を作成し、行政庁に提出しなければならない。
そして、本肢のように、主宰者に対して、聴聞調書及び報告書の写しの送付を義務付ける規定は存在しない。
したがって、聴聞の主宰者に、聴聞調書及び報告書の写しを当事者及び参加人に送付する義務はない。
総合メモ

第29条

条文
第29条(弁明の機会の付与の方式)
① 弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出してするものとする。 
② 弁明をするときは、証拠書類等を提出することができる。
過去問・解説
(H25 共通 第25問 ア)
行政庁が免許業者に対して不利益処分を行う場合の聴聞手続及び弁明手続に関し、弁明は、書面を提出して行うことが原則であるが、行政庁が認める場合には、口頭で行うことができる。

(正答)

(解説)
行手法29条1項は、「弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面…を提出してするものとする。」と規定している。
したがって、行政庁が免許業者に対して不利益処分を行う場合の聴聞手続及び弁明手続に関し、弁明は、書面を提出して行うことが原則であるが、行政庁が認める場合には、口頭で行うことができる。

(R5 予備 第14問 イ)
不利益処分をしようとする場合の当該不利益処分の名宛人となるべき者についての弁明の機会の付与における弁明は、原則として、弁明書及び証拠書類等の提出並びに口頭での意見陳述により行われる。

(正答)

(解説)
行手法29条1項は、「弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面…を提出してするものとする。」と規定しており、書面を提出して弁明を行うことを原則として、行政庁が認める場合には、口頭で行うことができるとしている。
したがって、不利益処分をしようとする場合の当該不利益処分の名宛人となるべき者についての弁明の機会の付与における弁明は、原則として、書面の提出により行われる。
総合メモ

第31条

条文
第31条(聴聞に関する手続の準用)
 第15条第3項及び第16条の規定は、弁明の機会の付与について準用する。この場合において、第15条第3項中「第1項」とあるのは「第30条」と、「同項第3号及び第4号」とあるのは「同条第3号」と、第16条第1項中「前条第1項」とあるのは「第30条」と、「同条第3項後段」とあるのは「第31条において準用する第15条第3項後段」と読み替えるものとする。
過去問・解説
(R1 予備 第15問 ウ)
不利益処分に関する弁明の機会の付与の手続においては、聴聞と異なり、不利益処分の名あて人となるべき者は、行政庁に対して、不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることはできない。

(正答)

(解説)
行手法31条前段は、「15条3項及び16条の規定は、弁明の機会の付与について準用する。」と規定しており、聴聞における手続を弁明の機会の付与にも準用する場合を掲げている。もっとも、本条前段は、聴聞の手続における文書等の閲覧の権利について規定した同法18条1項前段を準用していない。
したがって、不利益処分に関する弁明の機会の付与の手続においては、不利益処分の名あて人となるべき者は、行政庁に対して、不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることはできない。

(R3 予備 第15問 ウ)
弁明の機会の付与については、聴聞における代理人に関する規定は準用されているが、参加人に関する規定は準用されていない。

(正答)

(解説)
行手法31条前段は、「15条3項及び16条の規定は、弁明の機会の付与について準用する。」と規定しており、聴聞における手続を弁明の機会の付与にも準用する場合を掲げている。そのため、本条前段は、参加人について規定した同法17条を準用していない。
したがって、弁明の機会の付与については、聴聞における代理人に関する規定は準用されているが、参加人に関する規定は準用されていない。
総合メモ