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その他の法令(行政法) 自治法242条の2 - 解答モード

条文
地方自治法第242条の2(住民訴訟)
① 普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。
 一 当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求
 二 行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求
 三 当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求
 四 当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。ただし、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方が第243条の2の8第3項の規定による賠償の命令の対象となる者である場合には、当該賠償の命令をすることを求める請求
② 前項の規定による訴訟は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に提起しなければならない。
 一 監査委員の監査の結果又は勧告に不服がある場合 当該監査の結果又は当該勧告の内容の通知があった日から30日以内
 二 監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員の措置に不服がある場合 当該措置に係る監査委員の通知があった日から30日以内
 三 監査委員が請求をした日から60日を経過しても監査又は勧告を行わない場合 当該60日を経過した日から30日以内
 四 監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員が措置を講じない場合 当該勧告に示された期間を経過した日から30日以内
③ 前項の期間は、不変期間とする。
④ 第1項の規定による訴訟が係属しているときは、当該普通地方公共団体の他の住民は、別訴をもって同一の請求をすることができない。
⑤ 第1項の規定による訴訟は、当該普通地方公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
⑥ 第1項第1号の規定による請求に基づく差止めは、当該行為を差し止めることによって人の生命又は身体に対する重大な危害の発生の防止その他公共の福祉を著しく阻害するおそれがあるときは、することができない。
⑦ 第1項第4号の規定による訴訟が提起された場合には、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実の相手方に対して、当該普通地方公共団体の執行機関又は職員は、遅滞なく、その訴訟の告知をしなければならない。
⑧ 前項の訴訟告知があったときは、第1項第4号の規定による訴訟が終了した日から6月を経過するまでの間は、当該訴訟に係る損害賠償又は不当利得返還の請求権の時効は、完成しない。
⑨ 民法第153条第2項の規定は、前項の規定による時効の完成猶予について準用する。
⑩ 第1項に規定する違法な行為又は怠る事実については、民事保全法(平成元年法律第91号)に規定する仮処分をすることができない。
⑪ 第2項から前項までに定めるもののほか、第1項の規定による訴訟については、行政事件訴訟法第43条の規定の適用があるものとする。
⑫ 第1項の規定による訴訟を提起した者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、弁護士、弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該普通地方公共団体に対し、その報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H19 司法 第24問 イ)
地方自治法第2条第14項は、行政活動は経済性、効率性等の見地から適切なものでなければならないとの原則を明文化したものである。しかし、この原則は行政内部にのみ妥当するものであるから、専門の機関である監査委員等のみがその統制を行うことができ、住民訴訟等において裁判所が同原則の違反を統制することは許されない。

(正答)

(解説)
地方自治法第2条第14項は、「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」と規定している。
しかし、同法242条1項は、住民監査請求について、「普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担がある(当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合を含む。)と認めるとき、又は違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実(以下「怠る事実」という。)があると認めるときは、これらを証する書面を添え、監査委員に対し、監査を求め、当該行為を防止し、若しくは是正し、若しくは当該怠る事実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実によって当該普通地方公共団体の被った損害を補塡するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる。」として、経済性や効率性の観点からも規定している。
したがって、経済性や効率性の適切さについても、住民訴訟等において裁判所が統制することを予定している。


全体の正答率 : 66.6%

(H20 司法 第39問 ア)
住民訴訟は、当該普通地方公共団体の住民である者に特に出訴を認めた客観訴訟であるから、原告が、口頭弁論終結時までに当該普通地方公共団体から転出したときは、訴えは不適法になる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項は、「普通地方公共団体の住民は、…裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。」と規定している。
そして、裁判例(大阪高判昭59.1.25)は、「本件口頭弁論終結時以前に芦屋市の住民ではなくなっていることは、控訴人らの自認するところであるから、右控訴人3名の本件訴えは当事者適格を欠く不適法のものというべきである。したがって右控訴人3名の本件訴えはこれを却下すべきである。」として、原告適格の判断基準時は口頭弁論終結時であることを示している。
したがって、住民訴訟の原告が、口頭弁論終結時までに当該普通地方公共団体から転出したときは、訴えは不適法になる。


全体の正答率 : 33.3%

(H20 司法 第39問 イ)
住民訴訟は、当該普通地方公共団体の住民である者に、違法な財務会計行為を是正する権能を特に認めた客観訴訟であるから、違法な財務会計行為が行われた当時、当該普通地方公共団体の住民であったことが、訴えの適法要件になる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項は、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。」と規定している。
したがって、違法な財務会計行為が行われた当時に住民であることは、住民訴訟の要件とされていない。


全体の正答率 : 0.0%

(H21 司法 第34問 ウ)
他の住民が既に住民監査請求をしていて、監査結果が出ていた場合、別個に住民監査請求をする必要はなく、住民訴訟を起こすことができる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項柱書は、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、…裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。」と規定しており、242条1項は、住民監査請求について規定している。
したがって、住民訴訟を提起しようとする住民自身が住民監査請求をしなければ、住民訴訟を提起することができない。


全体の正答率 : 66.6%

(H21 司法 第34問 エ)
A市の市長が、極端に安い賃料でA市の有力者Xに市有地を貸した場合、市長個人を被告として、A市に損害賠償を支払えという訴訟を提起することができる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項は、柱書において、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。」と規定し、4号本文において、「当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。」を掲げている。
したがって、市長個人を被告として、A市に損害賠償を支払えという訴訟を提起することはできない。


全体の正答率 : 100.0%

(H22 司法 第34問 イ)
地方公共団体の所有する土地をAが権原なく使用していることが判明していながら長期にわたり理由なく放置されている事案において、住民が住民監査請求及び住民訴訟の制度(地方自治法第242条以下)を利用しようとするときに関する記述として、次の記述は正しいか。
地方自治法には、違法又は不当に「公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実」があると認められるとして適法な住民監査請求がされた場合については、住民訴訟を提起することができる期間に関する規定はない。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第2項は、住民訴訟について、「前項の規定による訴訟は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に提起しなければならない。」として、出訴期間の制限について規定している。


全体の正答率 : 33.3%

(H22 司法 第34問 ウ)
地方公共団体の所有する土地をAが権原なく使用していることが判明していながら長期にわたり理由なく放置されている事案において、住民が住民監査請求及び住民訴訟の制度(地方自治法第242条以下)を利用しようとするときに関する記述として、次の記述は正しいか。
地方公共団体の長又は関係する権限を有する職員について違法又は不当に「公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実」があると認められるとして適法な住民監査請求がされた場合、これをした住民は、長又は当該職員を被告として、当該怠る事実の違法確認の請求をする住民訴訟を提起することができる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項は、柱書において、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。 」と規定し、3号において、「当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求」を掲げている。
したがって、本肢における住民は、3号の請求として住民訴訟を提起することができる。


全体の正答率 : 100.0%

(H23 司法 第33問 ア)
普通地方公共団体であるA市においては、公金の支出を内容とする特定の処分をする権限が、市長から総務部長に委任されていた。このような場合において、A市の住民Xが地方自治法(以下「法」という。)第242条の2第1項の規定に基づいて提起する住民訴訟における被告とすべき者(他の訴訟要件については問題はないものとする。)に関する次の記述について、正しい場合には〇を、誤っている場合には×を選びなさい。

問題とされる処分がされることが相当の確実さをもって予測される事例において、Xは、総務部長Bを被告として、法第242条の2第1項第1号の規定に基づき処分の差止めを求める住民訴訟を適法に提起することができる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項は、柱書において、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。 」と規定し、1号において、「当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求」を掲げている。
公金の支出を内容とする特定の処分の権限は、市長から総務部長Bに委任されている。委任は、権限の委譲であるため、被告となる「当該行為の主体」は、Bである。
したがって、Xは、総務部長Bを被告として、法第242条の2第1項第1号の規定に基づき処分の差止めを求める住民訴訟を適法に提起することができる。


全体の正答率 : 100.0%

(H23 司法 第33問 ウ)
普通地方公共団体であるA市においては、公金の支出を内容とする特定の処分をする権限が、市長から総務部長に委任されていた。このような場合において、A市の住民Xが地方自治法(以下「法」という。)第242条の2第1項の規定に基づいて提起する住民訴訟における被告とすべき者(他の訴訟要件については問題はないものとする。)に関する次の記述について、正しい場合には〇を、誤っている場合には×を選びなさい。

問題とされる処分が総務部長Bにより既にされた事例において、Xは、市長Cを被告として、法第242条の2第1項第4号本文の規定に基づきBに損害賠償の請求をすることを求める住民訴訟を適法に提起することができる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項は、柱書において、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。 」と規定し、4号本文において、「当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。」を掲げている。
したがって、Xは、「当該普通地方公共団体の執行機関」に当たるC市長を被告として、Bに対して損害賠償の請求をすることを求める住民訴訟を適法に提起することができる。


全体の正答率 : 100.0%

(H23 司法 第33問 エ)
普通地方公共団体であるA市においては、公金の支出を内容とする特定の処分をする権限が、市長から総務部長に委任されていた。このような場合において、A市の住民Xが地方自治法(以下「法」という。)第242条の2第1項の規定に基づいて提起する住民訴訟における被告とすべき者(他の訴訟要件については問題はないものとする。)に関する次の記述について、正しい場合には〇を、誤っている場合には×を選びなさい。

問題とされる処分が総務部長Bにより既にされた事例において、Xは、市長CのBに対する指揮監督上の過失を理由に法第242条の2第1項第4号本文の規定に基づきCに損害賠償の請求をすることを求める住民訴訟を提起するときは、市長以外の職員を被告としなければならない。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項は、柱書において、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。 」と規定し、4号本文において、「当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。」を掲げている。
したがって、Xは、「当該普通地方公共団体の執行機関又は職員」に当たるCを被告として、Cに対して損害賠償請求をすることを求める住民訴訟を適法に提起することができる。


全体の正答率 : 100.0%

(H24 司法 第35問 ア)
普通地方公共団体であるA市においては、観光の振興のために、宗教法人Bの主宰により長年にわたり行われている行事と提携する事業が企画されたが、A市の住民であるXは、この事業の内容については政教分離の原則等との関係で慎重に検討すべき問題があると考えている。A市の市長Cが宗教法人Bの主宰する行事に特定の日時に出席することが予定されている事例において、Xは、当該出席行為に伴う公金の支出その他の法の定める財務会計上の行為について、法第242条の2第1項第1号の規定に基づき、その差止めを求める住民訴訟を、適法に提起することができる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項は、柱書において、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。 」と規定し、1号において、「当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求」を掲げている。
本肢における宗教法人Bの主宰する行事へのCの出席行為に伴う公金の支出その他の法の定める財務会計上の行為は、憲法20条1項後段、89条前段に違反する「違法…な公金の支出」(地方自治法242条1項)に当たり、A市の市長Cが、宗教法人Bの主宰する行事に特定の日時に出席することが予定されているため、「当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合」(同項括弧書)といえる。
したがって、A市の住民であるXは、同242条の2第1項1号の規定に基づき、その差止めを求める住民訴訟を、適法に提起することができる。


全体の正答率 : 33.3%

(H24 司法 第35問 イ)
普通地方公共団体であるA市においては、観光の振興のために、宗教法人Bの主宰により長年にわたり行われている行事と提携する事業が企画されたが、A市の住民であるXは、この事業の内容については政教分離の原則等との関係で慎重に検討すべき問題があると考えている。問題とされる事業に関して公金の支出を内容とする処分がされた事例において、Xは、当該処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に当たるか否かにかかわらず、法第242条の2第1項第2号の規定に基づき、その取消しを求める住民訴訟を、適法に提起することができる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項は、柱書において、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。 」と規定し、2号において、「行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求」を掲げている。
本肢における問題とされる事業に関する公金の支出を内容とする処分は、普通地方公共団体の長等が行う「違法…な公金の支出」(地方自治法242条1項)に当たり、当該行為は既に行われた「行政処分」であるため、住民訴訟の類型として当該行為の取消しの請求を選択できる。
そして、住民訴訟は客観訴訟であるから、当該処分を行った普通地方公共団体の「住民」であれば、請求につき法律上の利益を有する者に当たるか否かにかかわらず(行訴法43条1項)、地方自治法242条1項の規定する請求を経た上で、住民訴訟を提起することができる。
したがって、A市の住民であるXは、当該処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に当たるか否かにかかわらず、同法242条1項の規定する請求を経た上で、同法242条の2第1項2号の規定に基づき、当該処分の取消しを求める住民訴訟を適法に提起することができる。


全体の正答率 : 100.0%

(H24 司法 第35問 ウ)
普通地方公共団体であるA市においては、観光の振興のために、宗教法人Bの主宰により長年にわたり行われている行事と提携する事業が企画されたが、A市の住民であるXは、この事業の内容については政教分離の原則等との関係で慎重に検討すべき問題があると考えている。市から町内会Dが貸付けを受けていた土地の上に宗教法人B の礼拝の施設が存在する事例において、Xは、法第242条の2第1項第3号の規定に基づき、市長Cが町内会Dに上記の施設が存在する状態の解消を求めること等の当該土地の管理を怠る事実の違法確認を求める住民訴訟を、適法に提起することができる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項は、柱書において、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。 」と規定し、3号において、「当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求」を掲げている。
A市が町内会Dに貸し付けている土地上に宗教法人Bの礼拝の施設が存在しているところ、これが政教分離の原則(憲法20条1項後段、89条前段)に反するとすれば、市長Cには、当該土地の貸付けに係る契約を解除し当該施設の撤去及び土地明渡しを請求するといった、施設が存在する状態の解消を求めること等の措置を採る義務が生じ得る(地方財政法8条、地方自治法238条1項1号、138条の2)。
そして、市長Cがこのような措置を採っていない場合は、「違法…に…財産の管理を怠る事実」(同法242条1項)に当たるため、A市の住民であるXは、同法242条の2第1項3号の規定に基づき、当該土地の管理を怠る事実の違法確認を求める住民訴訟を、適法に提起することができる。


全体の正答率 : 66.6%

(H24 司法 第35問 エ)
普通地方公共団体であるA市においては、観光の振興のために、宗教法人Bの主宰により長年にわたり行われている行事と提携する事業が企画されたが、A市の住民であるXは、この事業の内容については政教分離の原則等との関係で慎重に検討すべき問題があると考えている。町内会DがA市から貸付けを受けていた土地の貸付料の支払を滞っていた事例において、Xは、法第242条の2第1項第4号本文の規定に基づき、市長Cが町内会Dに契約による債務の履行としての貸付料の支払を請求することを求める住民訴訟を、適法に提起することができる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項は、柱書において、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。 」と規定し、4号本文において、「当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。」を掲げている。
A市の住民であるXが提起しようとしている住民訴訟に係る請求は、契約による債務の履行としてのものである。もっとも、同号本文が対象としているのは、「損害賠償又は不当利得返還の請求」であり、契約による債務の履行請求はこれに含まれない。
したがって、Xは、同号本文の規定に基づき、市長Cが町内会Dに契約による債務の履行としての貸付料の支払を請求することを求める住民訴訟を、適法に提起することはできない。


全体の正答率 : 100.0%

(H25 司法 第35問 ア)
普通地方公共団体であるA市の住民であるXが地方自治法(以下「法」という。)第242条の2第1項の規定に基づいて提起する住民訴訟に係る各事例に関する記述として、次の記述は正しいか。
Xが違法であると主張する公金の支出がされるであろうことが確実となった事例において、Xは、対象とする行為が処分に当たる場合に限り、法第242条の2第1項第1号の規定に基づき、その差止めを求める住民訴訟を、適法に提起することができる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項柱書は、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。 」と規定し、1号において、「当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求」を掲げている。
同242条1項は、住民訴訟の前提となる住民監査請求の対象事項について、「普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担がある(当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合を含む。)と認めるとき…。」と規定している。
したがって、Xは、対象とする行為が処分に当たらなくても、同法第242条の2第1項第1号の規定に基づき、その差止めを求める住民訴訟を、適法に提起することができる。


全体の正答率 : 33.3%

(H25 司法 第35問 イ)
普通地方公共団体であるA市の住民であるXが地方自治法(以下「法」という。)第242条の2第1項の規定に基づいて提起する住民訴訟に係る各事例に関する記述として、次の記述は正しいか。
Xが違法であると主張する公金の支出を内容とする処分がされたが実際の金銭の支払は未了である事例において、Xは、法第242条の2第1項第2号の規定に基づき当該処分の取消しを求める住民訴訟を適法に提起した場合には、当該処分に係る金銭の支払について、行政事件訴訟法第25条の規定の適用により、それが当該処分の相手方にされることによりXの経営する事業が受ける重大な損害を避けるため、執行停止の申立てを、適法にすることができる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第11項は、「第2項から前項までに定めるもののほか、第1項の規定による訴訟については、行政事件訴訟法第43条の規定の適用があるものとする。」と規定している。
したがって、住民訴訟において、執行停止の申立てをすることは可能である(行訴法43条)。
もっとも、住民訴訟に準用される場合には、「重大な損害」(行訴法25条2項)は、公共の利益に関わる損害が主張されるべきとされている。
よって、Xは、自身の経営する事業が受ける重大な損害しか主張していないことから、「重大な損害」の要件を満たしておらず、執行停止の申立てを、適法に提起することができない。


全体の正答率 : 100.0%

(H25 司法 第35問 ウ)
普通地方公共団体であるA市の住民であるXが地方自治法(以下「法」という。)第242条の2第1項の規定に基づいて提起する住民訴訟に係る各事例に関する記述として、次の記述は正しいか。
A市の住民であるBがその企画する事業についてした法令に基づく許可の申請に対するA市の応答が遅れていることをXが違法であると主張している事例において、上記の不作為がA市の財務会計上の行為に関するものではない場合には、Xは、法第242条の2第1項第3号の規定に基づき、それが違法であることの確認を求める住民訴訟を、適法に提起することはできない。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項は、柱書において、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。 」と規定し、3号において、「当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求」を掲げている。
次に、同法242条1項は、住民訴訟の前提となる住民監査請求の対象事項について、「普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担がある(当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合を含む。)と認めるとき…。」と規定している。
したがって、A市の不作為がA市の財務会計上の行為に関するものではない場合には、Xは、同法第242条の2第1項第3号の規定に基づき、それが違法であることの確認を求める住民訴訟を、適法に提起することはできない。


全体の正答率 : 66.6%

(H26 司法 第34問 イ)
Xは、事案の重要性その他の事情によっては、住民監査請求をすることなく、適法に住民訴訟を提起することができる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項柱書は、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、…裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。 」と規定しており、住民監査請求(242条1項)を必須のものとしている。
そして、これに事案の重大性による例外は設けられていない。


全体の正答率 : 100.0%

(H26 司法 第34問 ウ)
A市の住民であるXは、A市の職員が公金の支出の手続においてした財務会計上の行為に問題があると考え、地方自治法の規定に基づき住民監査請求をすること及び住民訴訟を提起することを検討している。このような事例に関する次の記述について、それぞれ正しい場合には〇を、誤っている場合には×を選びなさい。

Xは、住民監査請求をし監査の結果の通知を受けた場合において、一定の期間内でなければ、適法に住民訴訟を提起することができない。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第2項は、「前項の規定による訴訟は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に提起しなければならない。」として、住民訴訟の提訴期間について規定している。
したがって、監査の結果の通知を受けた後、一定の期間内でなければ、適法に住民訴訟を提起することができない。


全体の正答率 : 0.0%

(H26 司法 第34問 エ)
A市の住民であるXは、A市の職員が公金の支出の手続においてした財務会計上の行為に問題があると考え、地方自治法の規定に基づき住民監査請求をすること及び住民訴訟を提起することを検討している。このような事例に関する次のアからエまでの各記述について、それぞれ正しい場合には〇を、誤っている場合には×を選びなさい。

住民訴訟において、Xは、当該財務会計上の行為が違法なものであることのみを主張することができ、それが不当なものであると主張することはできない。

(正答)

(解説)
地方自治法242条1項は、「普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担がある(当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合を含む。)と認めるとき、又は違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実(以下「怠る事実」という。)があると認めるときは、これらを証する書面を添え、監査委員に対し、監査を求め、当該行為を防止し、若しくは是正し、若しくは当該怠る事実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実によつて当該普通地方公共団体の被つた損害を補塡するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる。」と規定しており、242条の2第1項は、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。 」と規定している。
住民監査請求(地方自治法242条1項)と異なり、住民訴訟(地方自治法242条の2第1項)においては、財務会計上の行為の違法性のみを主張することができ、不当性について主張することができない。


全体の正答率 : 33.3%

(H27 予備 第22問 ア)
市の住民であるXは、市の所有地上に産業廃棄物の処理施設を設置、操業して違法に有害な物質を排出している産業廃棄物処理業者を被告として、当該施設の操業の差止めを求める住民訴訟を適法に提起することができる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条1項は、住民監査請求について、「普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担がある(当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合を含む。)と認めるとき、又は違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実(以下「怠る事実」という。)があると認めるときは、これらを証する書面を添え、監査委員に対し、監査を求め、当該行為を防止し、若しくは是正し、若しくは当該怠る事実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実によつて当該普通地方公共団体の被つた損害を補塡するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる。」と規定している。
市の所有地上で違法に有害な物質を排出している産業廃棄物処理施設の操業の差止めは、「違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実」には当たらないから、住民訴訟の前提となる住民監査請求をすることができない。
また、242条の2第1項は、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。 」と規定している。
産業廃棄物処理業者は、被告として規定されている、「長その他の執行機関若しくは職員」に当たらない。
したがって、Xは、産業廃棄物処理施設を設置している産業廃棄物処理業者を被告として、当該施設の操業の差止めを求める住民訴訟を適法に提起することはできない。


全体の正答率 : 100.0%

(H27 予備 第22問 イ)
市の住民であるXは、市が特定の市有地を権原なく占用する者に対し占用料相当額の請求を怠ることの違法確認を求める住民訴訟を、市長を被告として適法に提起することができる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条は、「普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、…違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実(以下「怠る事実」という。)があると認めるときは、…監査委員に対し、監査を求め、当該行為を防止し、若しくは是正し、若しくは当該怠る事実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実によって当該普通地方公共団体の被った損害を補塡するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる。」と規定している。
そして、「財産」(地方自治法242条1項)とは、公有財産、物品及び債権並びに基金をいい(同法237条1項)、「財産の管理」とは、当該財産の財産的価値の維持、保全又は実現を直接の目的とする執行機関又は職員の行為をいう。
したがって、公有財産が不法占拠されている場合において、執行機関等が占用料相当額の請求を怠ることも「財産の管理を怠る事実」に当たる。
法242条の2第1項柱書は、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。 」と規定しており、同項2号は、「行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求」を掲げている。
ここでいう、「当該執行機関又は職員」(同法242条の2第1項2号)とは、怠る事実に係る行為の権限を有する執行機関又は職員をいう。
本肢においては、市長がこれに該当する。
よって、市の住民であるXは、市長を被告として、市が特定の市有地を権限なく占用する者に対し占用料相当額の請求を怠ることの違法確認を求める住民訴訟を適法に提起することができる。


全体の正答率 : 33.3%

(H27 予備 第22問 ウ)
市の住民であるXは、市が廃棄物運搬業者との間で締結した委託契約に基づく委託料の支出が違法であることを理由に、支出行為をした当時の市長個人を被告として、市への損害賠償の支払を求める住民訴訟を適法に提起することができる。

(正答)

(解説)
地方自治法242条の2第1項は、柱書において、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第5項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第5項の規定による監査若しくは勧告を同条第6項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。 」と規定し、4号本文において、「当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。」を掲げている。
「執行機関又は職員」とは、損害賠償又は不当利得返還の請求の相手方に対し、損害賠償請求権や不当利得返還請求権を行使する権限を有する者をいう。普通地方公共団体でいうと、損害賠償請求権も不当利得返還請求権も金銭の給付を目的とする権利であり、これを管理するのは長であるから(同法240条)、あくまでも機関としての長が被告となる。
したがって、Xが、市が廃棄物運搬業者との間で締結した委託契約に基づく委託料の支出が違法であることを理由として、同法242条の2第1項4号に基づく住民訴訟を提起する場合に、被告適格を有するのは、機関としての市長であって、支出行為をした当時機関の地位にあった市長個人ではない。

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