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使用貸借
使用貸借契約と解除に必要となる相当な期間 最三小判昭和34年8月18日
概要
適当な家屋を見付けるまでの一時的住居として使用収益することを目的として締結された建物の使用貸借契約は、適当な家屋を見付けるに必要と思われる期間を経過した場合には、たとえ現実に適当な家屋が見つかる以前でも、貸主において解約することができる。
判例
事案:適当な家屋を見付けるまでの一時的住居として使用収益することを目的として、建物の使用貸借契約が締結された場合において、適当な家屋を見付けるに必要と思われる期間を経過したときには、たとえ現実に適当な家屋が見つかる以前でも、貸主において解約することができるかが問題となった。
判旨:「本件使用貸借については、返還の時期(民法597条1項)の定めはないけれども、使用、収益の目的(同条第2項)が定められているものと解すべきである。そして、「使用、収益の目的」は、当事者の意思解釈上、適当な家屋を見付けるまでの一時的住居として使用収益するということであると認められるから、適当な家屋を見付けるに必要と思われる期間を経過した場合には、たとえ現実に見付かる以前でも民法597条2項但書により貸主において告知し得べきものと解すべきである。」
判旨:「本件使用貸借については、返還の時期(民法597条1項)の定めはないけれども、使用、収益の目的(同条第2項)が定められているものと解すべきである。そして、「使用、収益の目的」は、当事者の意思解釈上、適当な家屋を見付けるまでの一時的住居として使用収益するということであると認められるから、適当な家屋を見付けるに必要と思われる期間を経過した場合には、たとえ現実に見付かる以前でも民法597条2項但書により貸主において告知し得べきものと解すべきである。」
過去問・解説
(H23 共通 第27問 エ)
Aを貸主、Bを借主とするA所有の甲建物の使用貸借契約が締結されている。AB間の使用貸借契約が、返還の時期は定めていないが、Bが他の適当な建物に移るまでのしばらくの間、Bが住居として使用することを目的としていた場合において、Bが現実に適当な建物を見つけることができなくても、それに必要な期間を経過したときは、Aは、使用貸借契約の解約をすることができる。
Aを貸主、Bを借主とするA所有の甲建物の使用貸借契約が締結されている。AB間の使用貸借契約が、返還の時期は定めていないが、Bが他の適当な建物に移るまでのしばらくの間、Bが住居として使用することを目的としていた場合において、Bが現実に適当な建物を見つけることができなくても、それに必要な期間を経過したときは、Aは、使用貸借契約の解約をすることができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭34.8.18)は、本肢と同種の事案において、「適当な家屋を見付けるに必要と思われる期間を経過した場合には、たとえ現実に見付かる以前でも民法597条2項但書により貸主において告知し得べきものと解すべきである。」と判示している。この判例の理解は、改正民法下における597条2項、598条1項の貸主の解約についても妥当すると解されている。
したがって、AB間の使用貸借契約が、返還の時期は定めていないが、Bが他の適当な建物に移るまでのしばらくの間、Bが住居として使用することを目的としていた場合において、Bが現実に適当な建物を見つけることができなくても、それに必要な期間を経過したときは、Aは、使用貸借契約の解約をすることができる。
判例(最判昭34.8.18)は、本肢と同種の事案において、「適当な家屋を見付けるに必要と思われる期間を経過した場合には、たとえ現実に見付かる以前でも民法597条2項但書により貸主において告知し得べきものと解すべきである。」と判示している。この判例の理解は、改正民法下における597条2項、598条1項の貸主の解約についても妥当すると解されている。
したがって、AB間の使用貸借契約が、返還の時期は定めていないが、Bが他の適当な建物に移るまでのしばらくの間、Bが住居として使用することを目的としていた場合において、Bが現実に適当な建物を見つけることができなくても、それに必要な期間を経過したときは、Aは、使用貸借契約の解約をすることができる。
総合メモ
建物の貸借関係が使用貸借であると認められた事例 最一小判昭和41年10月27日
過去問・解説
(H20 司法 第24問 1)
賃貸借契約は有償契約であり、賃料を伴う点で使用貸借と区別することができるから、借主が金銭を支払うことを約束して契約を締結すれば、その額の多寡にかかわらず賃貸借契約が成立する。
賃貸借契約は有償契約であり、賃料を伴う点で使用貸借と区別することができるから、借主が金銭を支払うことを約束して契約を締結すれば、その額の多寡にかかわらず賃貸借契約が成立する。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭41.10.27)は、「建物の借主がその建物等につき賦課される公租公課を負担しても、それが使用収益に対する対価の意味をもつものと認めるに足りる特別の事情のないかぎり、この負担は借主の貸主に対する関係を使用貸借と認める妨げとなるものではない。」と判示している。したがって、借主が金銭を支払うことを約束して契約を締結したとしても、その額の多寡にかかわらず賃貸借契約が成立することとなるとは限らない。
判例(最判昭41.10.27)は、「建物の借主がその建物等につき賦課される公租公課を負担しても、それが使用収益に対する対価の意味をもつものと認めるに足りる特別の事情のないかぎり、この負担は借主の貸主に対する関係を使用貸借と認める妨げとなるものではない。」と判示している。したがって、借主が金銭を支払うことを約束して契約を締結したとしても、その額の多寡にかかわらず賃貸借契約が成立することとなるとは限らない。
(H26 司法 第24問 イ)
判例によれば、建物の借主がその建物に課される公租公課に相当する額を全て負担している場合には、特別の事情のない限り、当該建物の貸借関係を使用貸借と認めることはできない。
判例によれば、建物の借主がその建物に課される公租公課に相当する額を全て負担している場合には、特別の事情のない限り、当該建物の貸借関係を使用貸借と認めることはできない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭41.10.27)は、「建物の借主がその建物等につき賦課される公租公課を負担しても、それが使用収益に対する対価の意味をもつものと認めるに足りる特別の事情のないかぎり、この負担は借主の貸主に対する関係を使用貸借と認める妨げとなるものではない。」と判示している。
判例(最判昭41.10.27)は、「建物の借主がその建物等につき賦課される公租公課を負担しても、それが使用収益に対する対価の意味をもつものと認めるに足りる特別の事情のないかぎり、この負担は借主の貸主に対する関係を使用貸借と認める妨げとなるものではない。」と判示している。