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寄託

期限の利益 大判昭和9年9月15日

概要
銀行定期預金の期限は、当事者双方のために定められたものといえ、当該預金については、当事者双方が期限の利益を有する。
判例
事案:銀行定期預金について、当事者の双方が期限の利益を有するが問題となった。

判旨:「定期預金ノ返還期カ当事者双方ノ利益ノ為ニ定メラレタルモノナル場合ニアリテモ債務者タル預リ主ハ其ノ返還期迄ノ約定利息ヲ支払フ等債権者タル預金者カ返還期ノ未到来ニ依リテ享クヘキ利益ノ喪失ヲ填補スルニ於テハ其ノ返還期ニ付自己ノ有スル利益ヲ一方的ニ抛棄スルコトヲ得ルモノト謂ハサルヘカラス。」
過去問・解説
(H19 司法 第4問 エ)
有償の金銭消費寄託契約においては、当事者の双方が期限の利益を有する。

(正答)

(解説)
判例(大判昭9.9.15)は、銀行定期預金の期限は、当事者双方のために定められたものといえ、当該預金については、当事者双方が期限の利益を有する旨判示している。銀行定期預金は、有償の金銭消費寄託契約に当たるため、有償の金銭消費寄託契約においては、当事者の双方が期限の利益を有するといえる。
総合メモ

振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在しない場合における振込みに係る普通預金契約の成否 最二小判平成8年4月26日

概要
振込依頼人から受取人の銀行の普通預金口座に振込みがあったときは、両者の間に振込みの原因となる法律関係が存在するか否かにかかわらず、受取人と銀行との間に振込金額相当の普通預金契約が成立し、振込依頼人は、受取人に対し、当該金額と同額の不当利得返還請求権を有するにとどまる。
判例
事案:振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在しない場合において、受取人と銀行との間に、当該振込金額相当の普通預金契約が成立するかが問題となった。

判旨:「振込依頼人から受取人の銀行の普通預金口座に振込みがあったときは、振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在するか否かにかかわらず、受取人と銀行との間に振込金額相当の普通預金契約が成立し、受取人が銀行に対して右金額相当の普通預金債権を取得するものと解するのが相当である。けだし、前記普通預金規定には、振込みがあった場合にはこれを預金口座に受け入れるという趣旨の定めがあるだけで、受取人と銀行との間の普通預金契約の成否を振込依頼人と受取人との間の振込みの原因となる法律関係の有無に懸からせていることをうかがわせる定めは置かれていないし、振込みは、銀行間及び銀行店舗間の送金手続を通して安全、安価、迅速に資金を移動する手段であって、多数かつ多額の資金移動を円滑に処理するため、その仲介に当たる銀行が各資金移動の原因となる法律関係の存否、内容等を関知することなくこれを遂行する仕組みが採られているからである。」
 「また、振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在しないにかかわらず、振込みによって受取人が振込金額相当の預金債権を取得したときは、振込依頼人は、受取人に対し、右同額の不当利得返還請求権を有することがあるにとどま…る。」
過去問・解説
(R2 司法 第18問 ア)
AはB銀行に預金口座を開設し、金銭を預け入れた。Cが、B銀行のDの預金口座に振込みをするつもりで、誤ってAの預金口座への100万円の振込みをCの取引銀行に依頼し、その振込みが実行された場合、Cは、B銀行に対し、100万円の支払を請求することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判平8.4.26)は、本肢と同種の事案において、「振込依頼人から受取人の銀行の普通預金口座に振込みがあったときは、振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在するか否かにかかわらず、受取人と銀行との間に振込金額相当の普通預金契約が成立し、受取人が銀行に対して右金額相当の普通預金債権を取得するものと解するのが相当である。」と判示した上で、「振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在しないにかかわらず、振込みによって受取人が振込金額相当の預金債権を取得したときは、振込依頼人は、受取人に対し、右同額の不当利得返還請求権を有することがあるにとどま…る。」と判示している。したがって、Cは、Aに対して100万円の不当利得返還請求をすることができるにとどまり、B銀行に対し、100万円の支払を請求することはできない。
総合メモ

共同相続人の1人が被相続人名義の預金口座の取引経過開示請求権を単独で行使することの可否 最一小判平成21年1月22日

概要
預金者が死亡した場合、その共同相続人の1人は、共同相続人全員に帰属する預金契約上の地位に基づき、被相続人名義の預金口座についてその取引経過の開示を求める権利を単独で行使することができる。
判例
事案:預金者が死亡した場合において、その共同相続人の1人が、被相続人名義の預金口座についてその取引経過の開示を求める権利を単独で行使することができるかが問題となった。

判旨:「預金者が死亡した場合、その共同相続人の1人は、預金債権の一部を相続により取得するにとどまるが、これとは別に、共同相続人全員に帰属する預金契約上の地位に基づき、被相続人名義の預金口座についてその取引経過の開示を求める権利を単独で行使することができる(同法264条、252条但書)というべきであり、他の共同相続人全員の同意がないことは上記権利行使を妨げる理由となるものではない。」
過去問・解説
(R2 司法 第18問 イ)
AはB銀行に預金口座を開設し、金銭を預け入れた。Aが死亡してEとFがAを相続した場合、Eは単独で、B銀行に対し、A名義の預金口座の取引経過の開示を求めることができる。

(正答)

(解説)
判例(最判平21.1.22)は、本肢と同種の事案において、「預金者が死亡した場合、その共同相続人の1人は…共同相続人全員に帰属する預金契約上の地位に基づき、被相続人名義の預金口座についてその取引経過の開示を求める権利を単独で行使することができる(同法264条、252条但書)…。」と判示している。252条ただし書は、民法改正により252条5項に改められたが、この判例の理解は、改正民法下においても妥当すると解されている。したがって、Aが死亡してEとFがAを相続した場合、Eは単独で、B銀行に対し、A名義の預金口座の取引経過の開示を求めることができる。
総合メモ