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和解
係争物と関係のない物を給付する和解契約 最二小判昭和27年2月8日
総合メモ
重要な錯誤と裁判上の和解 最一小判昭和33年6月14日
概要
裁判上の和解について重要な部分に錯誤があった場合においては、錯誤による取消しを主張することができる。
判例
事案:裁判上の和解について、錯誤による取消しを主張できる場合があるかが問題となった。
判旨:「本件和解は、本件請求金額62万9777円50銭の支払義務あるか否かが争の目的であつて、当事者である原告(被控訴人、被上告人)、被告(控訴人、上告人)が原判示のごとく互に譲歩をして右争を止めるため仮差押にかかる本件ジヤムを市場で一般に通用している…苺ジヤムであることを前提とし、これを1箱当り3千円(1罐平均62円50銭相当)と見込んで控訴人から被控訴人に代物弁済として引渡すことを約したものであるところ、本件ジヤムは、原判示のごとき粗悪品であつたから、本件和解に関与した被控訴会社の訴訟代理人の意思表示にはその重要な部分に錯誤があつた…。」
判旨:「本件和解は、本件請求金額62万9777円50銭の支払義務あるか否かが争の目的であつて、当事者である原告(被控訴人、被上告人)、被告(控訴人、上告人)が原判示のごとく互に譲歩をして右争を止めるため仮差押にかかる本件ジヤムを市場で一般に通用している…苺ジヤムであることを前提とし、これを1箱当り3千円(1罐平均62円50銭相当)と見込んで控訴人から被控訴人に代物弁済として引渡すことを約したものであるところ、本件ジヤムは、原判示のごとき粗悪品であつたから、本件和解に関与した被控訴会社の訴訟代理人の意思表示にはその重要な部分に錯誤があつた…。」
総合メモ
賭博による債務の履行のために交付された第三者振出の小切手の支払につき所持人と振出人との間に成立した和解契約の効力 最二小判昭和46年4月9日
概要
賭博により生じた債務の履行のため、第三者が振り出した小切手が交付された場合において、当該小切手の所持人と振出人との間で、当該小切手金の支払いに関して和解契約が成立したとき、当該和解契約は公序良俗に反するものとして無効となる。
判例
事案:賭博による債務の履行のため、第三者が振り出した小切手が交付された場合において、当該小切手の所持人と振出人との間で、当該小切手金の支払いに関する和解契約が成立したとき、当該和解契約が有効といえるかが問題となった。
判旨:「AとBとの間で、AがCから交付を受けたB振出にかかる本件小切手金の支払に関して和解契約が成立し、BからAに対して金55万円を支払う旨を約したが、右小切手は、賭博によつてCが負うことになつた金銭給付義務の履行のために、同人からAに交付されたものであつたというのである。してみれば、本来、AがBに対して右小切手金の支払を求めることは、公序良俗に違反するものとして許されないところというべく、右和解上の金銭支払の約束も、実質上、その金額の限度でAをして賭博による金銭給付を得させることを目的とするものであることが明らかであるから、同じく、公序良俗違反の故をもつて、無効とされなければならない。このことは、右合意が、論旨のいう創設的なものとして、すなわち、小切手金支払債務の存否と無関係に金銭支払義務を負担すべきものとする趣旨でなされたものとしても、異なるところはない。右契約の実質に存する不法性は、当事者の合意によつて払拭しうるものではないからである。」
判旨:「AとBとの間で、AがCから交付を受けたB振出にかかる本件小切手金の支払に関して和解契約が成立し、BからAに対して金55万円を支払う旨を約したが、右小切手は、賭博によつてCが負うことになつた金銭給付義務の履行のために、同人からAに交付されたものであつたというのである。してみれば、本来、AがBに対して右小切手金の支払を求めることは、公序良俗に違反するものとして許されないところというべく、右和解上の金銭支払の約束も、実質上、その金額の限度でAをして賭博による金銭給付を得させることを目的とするものであることが明らかであるから、同じく、公序良俗違反の故をもつて、無効とされなければならない。このことは、右合意が、論旨のいう創設的なものとして、すなわち、小切手金支払債務の存否と無関係に金銭支払義務を負担すべきものとする趣旨でなされたものとしても、異なるところはない。右契約の実質に存する不法性は、当事者の合意によつて払拭しうるものではないからである。」
過去問・解説
(H30 司法 第27問 ウ)
Aは、Bとの賭博に負けたため、Cに事情を話して小切手を振り出させ、これらの経緯を知るBに交付したところ、BC間で、小切手の支払金額につき争いが生じ、和解契約が成立した。この場合、BC間の和解契約は公序良俗に反し無効である。
Aは、Bとの賭博に負けたため、Cに事情を話して小切手を振り出させ、これらの経緯を知るBに交付したところ、BC間で、小切手の支払金額につき争いが生じ、和解契約が成立した。この場合、BC間の和解契約は公序良俗に反し無効である。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭46.4.9)は、本肢と同種の事案において、賭博により生じた債務の履行のため、第三者が振り出した小切手が交付された場合において、当該小切手の所持人と振出人との間で、当該小切手金の支払いに関して和解契約が成立したとき、当該和解契約は公序良俗に反するものとして無効となる旨判示している。したがって、本肢においても、BC間の和解契約は公序良俗に反し無効である。
判例(最判昭46.4.9)は、本肢と同種の事案において、賭博により生じた債務の履行のため、第三者が振り出した小切手が交付された場合において、当該小切手の所持人と振出人との間で、当該小切手金の支払いに関して和解契約が成立したとき、当該和解契約は公序良俗に反するものとして無効となる旨判示している。したがって、本肢においても、BC間の和解契約は公序良俗に反し無効である。