現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

建築中の建物 大判昭和10年10月1日

概要
工事中の建物といえども屋根及び周壁を備えて土地に定着して、1個の建築物として存在するに至っていれば、床及び天井を備えていなくても、土地から独立した不動産として認められる。
判例
事案:屋根および周壁を有し土地に定着しているのみで、床及び天井を備えていない工事中の建物が、建物と認められるかが問題となった。

判旨:「建物ハ其ノ使用ノ目的ニ応シテ構造ヲ異ニスルモノニシテ之ヲ新築スル場合ニハ建物カ其ノ目的トスル使用ニ適当ナル構成部分ヲ具備スル程度ニ達セサル限リ末タ完成シタル建物ト称スル能ハスト雖建物トシテ不動産登記法ニ依リ登記ヲ為スヲ得ルニ至ルトキハ当該有体物ハ已ニ動産ノ領域ヲ脱シテ不動産ノ部類ニ入リタリト云ハサルヘカラス而シテ如上登記ヲ為スヲ得ルニハ右ニ所謂完成シタル建物ノ存在ヲ必要トセス工事中ノ建物ト雖已ニ屋根及周壁ヲ有シ土地ニ定著セル1個ノ建造物トシテ存在スルニ至ルヲ以テ足レリトシ床及天井ノ如キハ末タ之ヲ具ヘサルモ可ナリ蓋此等ハ本件ニ於ケルカ如キ住宅用建物ノ完成ニ役立ツモノニ外ナラサレハナリ。」
過去問・解説
(H19 司法 第7問 1)
判例によれば、建物は、屋根瓦を葺き荒壁を塗り床及び天井を張る等して初めて独立した不動産となる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭10.10.1)は、工事中の建物といえども屋根及び周壁を備えて土地に定着して、1個の建築物として存在するに至っていれば、床及び天井を備えていなくても、土地から独立した不動産として認められる旨判示している。したがって、建物が独立した不動産となるためには、床及び天井まで備える必要はない。
総合メモ

宅地上の従物と抵当権の効力 最二小判昭和44年3月28日

概要
宅地に対する抵当権の効力は、その効力から除外する等特段の事情のないかぎり、抵当権設定当時に当該宅地に存していた従物にも及び、宅地に対する抵当権設定登記をもって、370条により、従物についても対抗力を有する。
判例
事案:宅地に設定された根抵当権の効力が、根抵当権設定当時から存する当該宅地の従物である、石灯籠及び取り外しのできる庭石等にも及ぶかが問題となった。

判旨:「本件宅地の根抵当権の効力は、右構成部分に及ぶことはもちろん、右従物にも及び(大判大正8年3月15日、民緑25輯473頁参照)、この場合右根抵当権は本件宅地に対する根抵当権設定登記をもつて、その構成部分たる右物件についてはもちろん、抵当権の効力から除外する等特段の事情のないかぎり、民法370条により従物たる右物件についても対抗力を有するものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H25 司法 第16問 1)
Aがその所有する甲建物をBに賃貸している場合において、Aが甲建物にCのために抵当権を設定したときは、その抵当権の効力は、Bが甲建物において使用しているB所有の畳に対しても及ぶ。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.3.28)は、抵当権の効力は、その効力から除外する等特段の事情のないかぎり、抵当権設定当時にその抵当権の目的となっていた宅地の従物にも及ぶ旨判示している。もっとも、従物といえるためには、主物と従物とが、同一の所有者の所有にかかる必要がある(87条1項)。本肢においては、甲建物はAが所有している一方、「畳」はBが所有しているため、所有者が異なる。したがって、「畳」は甲建物の従物であるとはいえず、甲建物に設定された抵当権の効力は、B所有の「畳」に対して及ばない。

(H29 予備 第6問 ア)
AのBに対する債権を被担保債権として、C所有の甲土地について抵当権(以下「本件抵当権」という。)が設定され、その旨の登記がされている場合、甲土地の従物である石灯籠が本件抵当権の設定前に備え付けられていた場合、本件抵当権の効力は、その石灯籠には及ばない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.3.28)は、抵当権の効力は、その効力から除外する等特段の事情のないかぎり、抵当権設定当時にその抵当権の目的となっていた宅地の従物にも及ぶ旨判示している。したがって、甲土地の従物である石灯籠が甲土地の抵当権の設定前に備え付けられていた場合、当該抵当権の効力は、その石灯籠に及ぶ。
総合メモ

抵当権の効力の及ぶ範囲 最一小判平成2年4月19日

概要
ガソリンスタンドの店舗用建物に対する抵当権設定当時、本件諸設備を当該建物の敷地上又は地下に近接して設置し、これらを同建物に付属させて経済的に一体としてその営業に使用していたなどの事情の下においては、同諸設備には、同建物の従物として抵当権の効力が及ぶ。
判例
事案:ガソリンスタンドの店舗用建物に設定された抵当権の効力が、地下タンクを含む諸設備にも及ぶかが問題となった。

判旨:「…Aは、…本件諸設備…を使用してガソリンスタンド営業を継続したが、本件諸設備はすべて右賃借地上又は地下に近接して設置されて本件建物内の設備と一部管によって連通し、本件建物を店舗とし、これに本件諸設備が付属してガソリンスタンドとして使用され、経済的に一体をなしている、…Aは、本件建物につき同52年1月22日受付をもって本件根抵当権を設定していたが、該債権者の申立により本件建物が競売に付され、Bが同56年3月2日これを競落し、その代金を支払って所有権を取得した、というのであり、右事実関係の下においては、地下タンク、ノンスぺース型計量機、洗車機などの本件諸設備は本件根抵当権設定当時借地上の本件建物の従物であり、本件建物を競落したBは、同時に本件諸設備の所有権をも取得したとする原審の判断は、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。」
過去問・解説
(H22 司法 第9問 ウ)
ガソリンスタンドが営まれている借地上の店舗用建物に設定された抵当権が実行された場合において、競売手続によりその所有権を取得した者は、抵当権設定当時に存した地下タンクの所有権をも取得する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭2.4.19)は、本肢と同種の事案において、ガソリンスタンドの店舗用建物に対する抵当権設定当時、本件諸設備を当該建物の敷地上又は地下に近接して設置し、これらを同建物に付属させて経済的に一体としてその営業に使用していたなどの事情の下においては、同諸設備には、同建物の従物として抵当権の効力が及ぶ旨判示している。したがって、本肢においても、抵当権設定当時に存した地下タンクに対して、ガソリンスタンドが営まれている借地上の店舗用建物に設定された抵当権の効力が及ぶため、競売手続により当該建物の所有権を取得した者は、当該地下タンクの所有権をも取得する。
総合メモ