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法律行為(条件及び期限)

停止条件の成立を故意に妨げた場合 最一小判昭和39年1月23日

概要
停止条件の成就を故意に妨げた場合、条件が成就したとみなされる上、相手方の期待権を侵害したとして、不法行為責任を負う。
判例
事案:停止条件の成就を故意に妨げた場合において、条件が成就したとみなされるか、及び不法行為責任が認められるかが問題となった。

判旨:「Aの前示斡旋事務の処理は、その事務の進行の程度如何にかかわらず、BのCに対する右の売却に因り履行不能に陥ったものと解すべきであるから、Bは故意に前示停止条件の成就を妨げたものと云わなければならない。…果たして然らば、Aにおいて右条件が成就したものと看做し得べく、…BはAに対し報酬…の支払義務を免れない…。」
 「AはBの有するいわゆる期待権を故意に侵害した不法行為の責を免れない。」
過去問・解説
(H27 司法 第5問 エ)
AがBに対し「Bが医学部の卒業試験に合格したら、私が所有する甲自動車を贈与する。」と約束した場合、卒業試験の前にAが甲自動車を第三者Cに売却したときは、Bは、Aに対し、それにより生じた損害の賠償を請求することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭39.1.23)は、停止条件の成就を故意に妨げた者は、相手方の期待権を故意に侵害した不法行為の責任を負う旨判示している。Aは、甲自動車を第三者Cに売却することによって、「Bが医学部の卒業試験に合格したら、私が所有する甲自動車を贈与する。」という停止条件の成就を故意に妨げている。したがって、Bは、Aに対し、これにより生じた損害の賠償を請求することができる。

(H27 司法 第5問 オ)
AがBに対し「私の所有する乙土地の購入希望者をBが見つけることができ、Bの仲介により売買契約に至れば、その仲介報酬を支払う。」と約束した場合、Aが、Bの見つけてきた乙土地の購入希望者との間で、Bの仲介によらずに直接乙土地の売買契約を結んだときは、Bは、Aに対し、仲介報酬を請求することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭39.1.23)は、本肢と同種の事案において、停止条件の成就を故意に妨げた場合、条件が成就したとみなされる旨判示している。したがって、Aが、Bの見つけてきた乙土地の購入希望者との間で、Bの仲介によらずに直接乙土地の売買契約を結んだときは、Aが停止条件の成就を故意に妨げたといえ、停止条件が成就したとみなされるため、Bは、Aに対し、仲介報酬を請求することができる。
総合メモ

出世払いと期限 大判大正4年3月24日

概要
出世払債務は、停止条件付債務ではなく、不確定期限付債務である。
判例
事案:出世払債務が停止条件付債務に当たるかが問題となった。

判旨:「出世ナル事実カ後日到来スルヤ否不確定ノモノナルコト勿論ナルモ本件消費貸借契約ノ趣旨ニシテ原判決認定ノ如ク出世ナル事実ノ到来ニ因リテ債務ノ効力発生スルモノニ非スシテ既ニ発生シタル債務ノ履行ヲ之ニ因リテ制限シ債務者出世ノ時ニ至リ其履行ヲ為スヘキモノナルニ於テハ其債務ハ不確定期限ヲ附シタルモノト謂フ可ク停止条件附ノ債務ニ非サル…。」
過去問・解説
(H19 司法 第4問 ア)
「100万円借りるが出世したら返す」という約束をした場合、出世しないことが確定したときには、借主は返還義務を免れる。

(正答)

(解説)
判例(大判大4.3.24)は、出世払債務について、停止条件付債務ではなく、不確定期限付債務である旨判示している。したがって、出世払債務の期限は、出世した時、又は出世しないことが確定した時に到来する。よって、出世しないことが確定したときには、借主は返還義務を負うことになる。

(H27 司法 第5問 ア)
医学部に入学したAがBから金銭を借り入れた際に「借入金は私が医師になった時に返済する。」と約束していたが、その後、Aの父親が急死し、Aがその父親の事業を継がざるを得なくなったため医学部を中途退学した場合、Aは、Bに対する借入金の返還債務を免れる。

(正答)

(解説)
判例(大判大4.3.24)は、出世払債務について、停止条件付債務ではなく、不確定期限付債務である旨判示している。したがって、出世払債務の期限は、出世した時、又は出世しないことが確定した時に到来する。Aがその父親の事業を継がざるを得なくなったため医学部を中途退学したときは、医者になれないことが確定するため、Aは、Bに対する借入金の返還義務を負うことになる。
総合メモ

公序良俗違反と不法条件 大判大正9年5月28日

概要
現在の配偶者との離婚を条件として他人との間で婚姻の予約をした場合、当該婚姻の予約は公序良俗(90条)に反し無効となる。
判例
事案:現在の配偶者との離婚を条件として他人との間で婚姻の予約をした場合、当該婚姻の予約は有効となるかが問題となった。

判旨:「婚姻ノ予約カ原則トシテ有効ナルコトハ本院従来ノ判例ノ示ス所ナリ然レトモ…被上告人ニハ配偶者アリテ上告人モ其事実ヲ知レルニ拘ハラス将来該婚姻ノ解消シタル場合ニ於テ互ニ婚姻ヲ為スヘキ旨ヲ予約シタルモノトス斯クノ如キ婚姻ノ予約ハ我国民道徳ノ観念ニ照シ善良ノ風俗ニ反スル事項ヲ目的トスル法律行為ニシテ全然無効ナルモノト解スルヲ相当トス。」
過去問・解説
(H19 司法 第4問 オ)
現在の配偶者との離婚を条件として他人との間で婚姻の予約をした場合、この条件は無効であるから、無条件で婚姻の予約が行われたものとみなされる。

(正答)

(解説)
判例(大判大9.5.28)は、現在の配偶者との離婚を条件として他人との間で婚姻の予約をした場合、当該婚姻の予約は公序良俗(90条)に反し無効となる旨判示している。したがって、婚姻の予約自体が無効となるのであり、無条件で婚姻の予約が行われたものとみなされるわけではない。
総合メモ