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先取特権
破産手続開始後の先取特権の行使 最一小判昭和59年2月2日
概要
先取特権者は、債務者が破産宣告を受けた場合であっても、目的債権を差し押えて物上代位権を行使することができる。
判例
事案:先取特権者は、債務者が破産宣告を受けた場合であっても、目的債権を差し押えて物上代位権を行使することができるかどうかが問題となった。
判旨:「民法304条1項但書において、先取特権者が物上代位権を行使するためには金銭その他の払渡又は引渡前に差押をしなければならないものと規定されている趣旨は、先取特権者のする右差押によつて、第三債務者が金銭その他の目的物を債務者に払渡し又は引渡すことが禁止され、他方、債務者が第三債務者から債権を取立て又はこれを第三者に譲渡することを禁止される結果、物上代位の対象である債権の特定性が保持され、これにより物上代位権の効力を保全せしめるとともに、他面第三者が不測の損害を被ることを防止しようとすることにあるから、第三債務者による弁済又は債務者による債権の第三者への譲渡の場合とは異なり、単に一般債権者が債務者に対する債務名義をもつて目的債権につき差押命令を取得したにとどまる場合には、これによりもはや先取特権者が物上代位権を行使することを妨げられるとすべき理由はないというべきである。そして、債務者が破産宣告決定を受けた場合においても、その効果の実質的内容は、破産者の所有財産に対する管理処分権能が剥奪されて破産管財人に帰属せしめられるとともに、破産債権者による個別的な権利行使を禁止されることになるというにとどまり、これにより破産者の財産の所有権が破産財団又は破産管財人に譲渡されたことになるものではなく、これを前記一般債権者による差押の場合と区別すべき積極的理由はない。したがつて、先取特権者は、債務者が破産宣告決定を受けた後においても、物上代位権を行使することができるものと解するのが相当である。」
判旨:「民法304条1項但書において、先取特権者が物上代位権を行使するためには金銭その他の払渡又は引渡前に差押をしなければならないものと規定されている趣旨は、先取特権者のする右差押によつて、第三債務者が金銭その他の目的物を債務者に払渡し又は引渡すことが禁止され、他方、債務者が第三債務者から債権を取立て又はこれを第三者に譲渡することを禁止される結果、物上代位の対象である債権の特定性が保持され、これにより物上代位権の効力を保全せしめるとともに、他面第三者が不測の損害を被ることを防止しようとすることにあるから、第三債務者による弁済又は債務者による債権の第三者への譲渡の場合とは異なり、単に一般債権者が債務者に対する債務名義をもつて目的債権につき差押命令を取得したにとどまる場合には、これによりもはや先取特権者が物上代位権を行使することを妨げられるとすべき理由はないというべきである。そして、債務者が破産宣告決定を受けた場合においても、その効果の実質的内容は、破産者の所有財産に対する管理処分権能が剥奪されて破産管財人に帰属せしめられるとともに、破産債権者による個別的な権利行使を禁止されることになるというにとどまり、これにより破産者の財産の所有権が破産財団又は破産管財人に譲渡されたことになるものではなく、これを前記一般債権者による差押の場合と区別すべき積極的理由はない。したがつて、先取特権者は、債務者が破産宣告決定を受けた後においても、物上代位権を行使することができるものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H18 司法 第16問 ウ)
甲動産を所有するAが、これをBに売り、さらにBがCに譲渡した。AはBから代金の支払を受けていない。BからCへの甲動産の譲渡が売買に基づくものである場合、Bに対して破産手続開始の決定がされたときであっても、Aは、動産売買先取特権の行使として、BのCに対する代金債権を差し押さえることができる。
甲動産を所有するAが、これをBに売り、さらにBがCに譲渡した。AはBから代金の支払を受けていない。BからCへの甲動産の譲渡が売買に基づくものである場合、Bに対して破産手続開始の決定がされたときであっても、Aは、動産売買先取特権の行使として、BのCに対する代金債権を差し押さえることができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭59.2.2)は、「先取特権者は、債務者が破産宣告決定を受けた後においても、物上代位権を行使することができるものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、BからCへの甲動産の譲渡が売買に基づくものである場合、Bに対して破産手続開始の決定がされたときであっても、Aは、動産売買先取特権の行使として、BのCに対する代金債権を差し押さえることができる。
判例(最判昭59.2.2)は、「先取特権者は、債務者が破産宣告決定を受けた後においても、物上代位権を行使することができるものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、BからCへの甲動産の譲渡が売買に基づくものである場合、Bに対して破産手続開始の決定がされたときであっても、Aは、動産売買先取特権の行使として、BのCに対する代金債権を差し押さえることができる。
総合メモ
先取特権者による物上代位権行使 最二小判昭和60年7月19日
概要
動産売買の先取特権を有する者は、物上代位権行使の目的である債権について、一般債権者が差押えをした後であっても、当該目的債権に対して物上代位権を行使することができる。
判例
事案:動産売買の先取特権を有する者は、物上代位権行使の目的である債権について、一般債権者が差押えをした後であっても、当該目的債権に対して物上代位権を行使することができるかが問題となった。
判旨:「民法304条1項但書において、先取特権者が物上代位権を行使するためには物上代位の対象となる金銭その他の物の払渡又は引渡前に差押をしなければならないものと規定されている趣旨は、先取特権者のする右差押によつて、第三債務者が金銭その他の物を債務者に払い渡し又は引き渡すことを禁止され、他方、債務者が第三債務者から債権を取り立て又はこれを第三者に譲渡することを禁止される結果、物上代位の目的となる債権(以下「目的債権」という。)の特定性が保持され、これにより、物上代位権の効力を保全せしめるとともに、他面目的債権の弁済をした第三債務者又は目的債権を譲り受け若しくは目的債権につき転付命令を得た第三者等が不測の損害を被ることを防止しようとすることにあるから、目的債権について一般債権者が差押又は仮差押の執行をしたにすぎないときは、その後に先取特権者が目的債権に対し物上代位権を行使することを妨げられるものではないと解すべきである(最高裁昭和56年(オ)第927号同59年2月2日第一小法廷判決・民集38巻3号431頁参照)。」
判旨:「民法304条1項但書において、先取特権者が物上代位権を行使するためには物上代位の対象となる金銭その他の物の払渡又は引渡前に差押をしなければならないものと規定されている趣旨は、先取特権者のする右差押によつて、第三債務者が金銭その他の物を債務者に払い渡し又は引き渡すことを禁止され、他方、債務者が第三債務者から債権を取り立て又はこれを第三者に譲渡することを禁止される結果、物上代位の目的となる債権(以下「目的債権」という。)の特定性が保持され、これにより、物上代位権の効力を保全せしめるとともに、他面目的債権の弁済をした第三債務者又は目的債権を譲り受け若しくは目的債権につき転付命令を得た第三者等が不測の損害を被ることを防止しようとすることにあるから、目的債権について一般債権者が差押又は仮差押の執行をしたにすぎないときは、その後に先取特権者が目的債権に対し物上代位権を行使することを妨げられるものではないと解すべきである(最高裁昭和56年(オ)第927号同59年2月2日第一小法廷判決・民集38巻3号431頁参照)。」
過去問・解説
(H19 司法 第14問 2)
動産売買の先取特権を有する者は、物上代位権行使の目的である債権について、一般債権者が差押えをした後であっても、物上代位権を行使することができる。
動産売買の先取特権を有する者は、物上代位権行使の目的である債権について、一般債権者が差押えをした後であっても、物上代位権を行使することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭60.7.19)は、動産売買の先取特権を有する者は、物上代位権行使の目的である債権について、一般債権者が差押えをした後であっても、当該目的債権に対して物上代位権を行使することができる旨判示している。
判例(最判昭60.7.19)は、動産売買の先取特権を有する者は、物上代位権行使の目的である債権について、一般債権者が差押えをした後であっても、当該目的債権に対して物上代位権を行使することができる旨判示している。
(H23 司法 第14問 1)
動産売買の先取特権者は、一般債権者が物上代位権行使の目的となる債権を差し押さえた後は、自らその目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができない。
動産売買の先取特権者は、一般債権者が物上代位権行使の目的となる債権を差し押さえた後は、自らその目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭60.7.19)は、動産売買の先取特権を有する者は、物上代位権行使の目的である債権について、一般債権者が差押えをした後であっても、当該目的債権に対して物上代位権を行使することができる旨判示している。
判例(最判昭60.7.19)は、動産売買の先取特権を有する者は、物上代位権行使の目的である債権について、一般債権者が差押えをした後であっても、当該目的債権に対して物上代位権を行使することができる旨判示している。
(R2 司法 第11問 ウ)
動産の売主は、買主がその動産の転売によって得た売買代金債権につき、買主の一般債権者が当該売買代金債権を差し押さえた後は、動産の売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することはできない。
動産の売主は、買主がその動産の転売によって得た売買代金債権につき、買主の一般債権者が当該売買代金債権を差し押さえた後は、動産の売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することはできない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭60.7.19)は、動産売買の先取特権を有する者は、物上代位権行使の目的である債権について、一般債権者が差押えをした後であっても、当該目的債権に対して物上代位権を行使することができる旨判示している。
判例(最判昭60.7.19)は、動産売買の先取特権を有する者は、物上代位権行使の目的である債権について、一般債権者が差押えをした後であっても、当該目的債権に対して物上代位権を行使することができる旨判示している。
(R6 司法 第13問 オ)
AがA所有の動産をBに売却し、代金の支払を受けないうちに、BがこれをCに転売して引き渡した場合において、Bの一般債権者DがBのCに対する代金債権を差し押さえたにすぎないときは、Aは、当該債権について動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができる。
AがA所有の動産をBに売却し、代金の支払を受けないうちに、BがこれをCに転売して引き渡した場合において、Bの一般債権者DがBのCに対する代金債権を差し押さえたにすぎないときは、Aは、当該債権について動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭60.7.19)は、動産売買の先取特権を有する者は、物上代位権行使の目的である債権について、一般債権者が差押えをした後であっても、当該目的債権に対して物上代位権を行使することができる旨判示している。したがって、Bの一般債権者DがBのCに対する代金債権を差し押さえたにすぎないときは、Aは、当該債権について動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができる。
判例(最判昭60.7.19)は、動産売買の先取特権を有する者は、物上代位権行使の目的である債権について、一般債権者が差押えをした後であっても、当該目的債権に対して物上代位権を行使することができる旨判示している。したがって、Bの一般債権者DがBのCに対する代金債権を差し押さえたにすぎないときは、Aは、当該債権について動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができる。
総合メモ
動産売買の先取特権に基づく物上代位権の行使 最三小決平成10年12月18日
概要
動産売買の先取特権者は、買主が目的動産を用いて施工した請負工事の請負代金債権に対しては、原則として物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価値の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らし、請負代金債権の全部又は一部を動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、物上代位権を行使することができる。
判例
事案:動産売買の先取特権者が、買主が目的動産を用いて施工した請負工事の請負代金債権に対して物上代位権を行使することができるかが問題となった。
判旨:「動産の買主がこれを用いて請負工事を行ったことによって取得する請負代金債権は、仕事の完成のために用いられた材料や労力等に対する対価をすべて包含するものであるから、当然にはその一部が右動産の転売による代金債権に相当するものということはできない。したがって、請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して右物上代位権を行使することができると解するのが相当である。」
判旨:「動産の買主がこれを用いて請負工事を行ったことによって取得する請負代金債権は、仕事の完成のために用いられた材料や労力等に対する対価をすべて包含するものであるから、当然にはその一部が右動産の転売による代金債権に相当するものということはできない。したがって、請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して右物上代位権を行使することができると解するのが相当である。」
過去問・解説
(H23 司法 第14問 3)
動産売買の先取特権者は、買主が目的動産を用いて施工した請負工事の請負代金債権に対しては、原則として物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価値の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らし、請負代金債権の全部又は一部を動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、物上代位権を行使することができる。
動産売買の先取特権者は、買主が目的動産を用いて施工した請負工事の請負代金債権に対しては、原則として物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価値の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らし、請負代金債権の全部又は一部を動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、物上代位権を行使することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最決平10.12.18)は、「請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して右物上代位権を行使することができると解するのが相当である。」と判示している。
判例(最決平10.12.18)は、「請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して右物上代位権を行使することができると解するのが相当である。」と判示している。
(R6 司法 第13問 ア)
動産の売主Aは、買主Bがこれを用いて請負工事をしたときは、Bの注文者に対する報酬債権に対し、当然に動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができる。
動産の売主Aは、買主Bがこれを用いて請負工事をしたときは、Bの注文者に対する報酬債権に対し、当然に動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最決平10.12.18)は、「請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して右物上代位権を行使することができると解するのが相当である。」と判示している。したがって、動産の売主Aは、買主Bがこれを用いて請負工事をしたときは、Bの注文者に対する報酬債権に対し、当然には動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができない。
判例(最決平10.12.18)は、「請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して右物上代位権を行使することができると解するのが相当である。」と判示している。したがって、動産の売主Aは、買主Bがこれを用いて請負工事をしたときは、Bの注文者に対する報酬債権に対し、当然には動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができない。
総合メモ
動産売買の先取特権者の物上代位権と債権譲渡 最三小判平成17年2月22日
概要
動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできない。
判例
事案:動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた場合においても、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができるかどうかが問題となった。
判旨:「民法304条1項ただし書は、先取特権者が物上代位権を行使するには払渡し又は引渡しの前に差押えをすることを要する旨を規定しているところ、この規定は、抵当権とは異なり公示方法が存在しない動産売買の先取特権については、物上代位の目的債権の譲受人等の第三者の利益を保護する趣旨を含むものというべきである。そうすると、動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできないものと解するのが相当である。」
判旨:「民法304条1項ただし書は、先取特権者が物上代位権を行使するには払渡し又は引渡しの前に差押えをすることを要する旨を規定しているところ、この規定は、抵当権とは異なり公示方法が存在しない動産売買の先取特権については、物上代位の目的債権の譲受人等の第三者の利益を保護する趣旨を含むものというべきである。そうすると、動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H23 司法 第14問 2)
動産売買の先取特権者は、物上代位権行使の目的となる債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後であっても、自らその目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができる。
動産売買の先取特権者は、物上代位権行使の目的となる債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後であっても、自らその目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平17.2.22)は、「動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできないものと解するのが相当である。」と判示している。
判例(最判平17.2.22)は、「動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできないものと解するのが相当である。」と判示している。
(H29 司法 第12問 イ)
動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡されて第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできない。
動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡されて第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平17.2.22)は、「動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできないものと解するのが相当である。」と判示している。
判例(最判平17.2.22)は、「動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできないものと解するのが相当である。」と判示している。
総合メモ
日用品の供給の先取特権の債務者 最一小判昭和46年10月21日
概要
310条にいう「債務者」は、自然人に限られ、法人は含まれない。
判例
事案:310条にいう「債務者」に法人が含まれるかが問題となった。
判旨:「民法306条4号、310条の法意は、同条の飲食品および薪炭油の供給者に対し一般先取特権を与えることによつて、多くの債務を負つている者あるいは資力の乏しい者に日常生活上必要不可欠な飲食品および薪炭油の入手を可能ならしめ、もつてその生活を保護しようとすることにあると解される。かかる法意ならびに同法310条の文言に照らせば、同条の債務者は、自然人に限られ、法人は右債務者に含まれないと解するのが相当である。もし法人が右債務者に含まれると解するならば、法人に対する日用品供給の先取特権の範囲の限定が著しく困難になり、一般債権者を不当に害するに至ることは明らかである。そして、このような解釈は、法人の規模、経営態様等のいかんを問わず妥当する…。」
判旨:「民法306条4号、310条の法意は、同条の飲食品および薪炭油の供給者に対し一般先取特権を与えることによつて、多くの債務を負つている者あるいは資力の乏しい者に日常生活上必要不可欠な飲食品および薪炭油の入手を可能ならしめ、もつてその生活を保護しようとすることにあると解される。かかる法意ならびに同法310条の文言に照らせば、同条の債務者は、自然人に限られ、法人は右債務者に含まれないと解するのが相当である。もし法人が右債務者に含まれると解するならば、法人に対する日用品供給の先取特権の範囲の限定が著しく困難になり、一般債権者を不当に害するに至ることは明らかである。そして、このような解釈は、法人の規模、経営態様等のいかんを問わず妥当する…。」
過去問・解説
(H25 司法 第14問 オ)
判例によれば、日用品供給の先取特権の債務者は、自然人に限られ、法人は含まれない。
判例によれば、日用品供給の先取特権の債務者は、自然人に限られ、法人は含まれない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭46.10.21)は、310条にいう「債務者」は、自然人に限られ、法人は含まれない旨判示している。
判例(最判昭46.10.21)は、310条にいう「債務者」は、自然人に限られ、法人は含まれない旨判示している。
(H27 司法 第12問 オ)
判例によれば、日用品の供給の先取特権は、債務者が法人のときは認められない。
判例によれば、日用品の供給の先取特権は、債務者が法人のときは認められない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭46.10.21)は、310条にいう「債務者」は、自然人に限られ、法人は含まれない旨判示している。
判例(最判昭46.10.21)は、310条にいう「債務者」は、自然人に限られ、法人は含まれない旨判示している。
(R2 司法 第11問 ア)
法人に対して電気料金債権を有する者は、供給した電気がその代表者及びその家族の生活に使用されていた場合、法人の財産について一般の先取特権を有する。
法人に対して電気料金債権を有する者は、供給した電気がその代表者及びその家族の生活に使用されていた場合、法人の財産について一般の先取特権を有する。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭46.10.21)は、310条にいう「債務者」は、自然人に限られ、法人は含まれない旨判示している。本肢においても、電気の供給は「日用品の供給」(306条5号)に当たるものの、法人は310条にいう「債務者」に含まれないのであるから、法人に対して電気料金債権を有する者は、供給した電気がその代表者及びその家族の生活に使用されていた場合であっても、法人の財産について一般の先取特権を有しない。
判例(最判昭46.10.21)は、310条にいう「債務者」は、自然人に限られ、法人は含まれない旨判示している。本肢においても、電気の供給は「日用品の供給」(306条5号)に当たるものの、法人は310条にいう「債務者」に含まれないのであるから、法人に対して電気料金債権を有する者は、供給した電気がその代表者及びその家族の生活に使用されていた場合であっても、法人の財産について一般の先取特権を有しない。
総合メモ
333条における「引き渡し」 大判大正6年7月26日
過去問・解説
(H18 司法 第16問 オ)
甲動産を所有するAが、これをBに売り、さらにBがCに譲渡したが、AはBから代金の支払を受けていない。BからCへの譲渡がCの有する債権を担保するためのものである場合、甲動産がAからBに現実に引き渡され、さらにBからCに占有改定がされたときは、Aは、動産売買先取特権の行使として、甲動産を差し押さえることができない。
甲動産を所有するAが、これをBに売り、さらにBがCに譲渡したが、AはBから代金の支払を受けていない。BからCへの譲渡がCの有する債権を担保するためのものである場合、甲動産がAからBに現実に引き渡され、さらにBからCに占有改定がされたときは、Aは、動産売買先取特権の行使として、甲動産を差し押さえることができない。
(正答)〇
(解説)
判例(大判大6.7.26)は、333条の「引き渡し」には183条の占有改定も含まれる旨判示している。また、判例(最判昭62.11.10)は、譲渡担保権者は「第三取得者」(333条)に当たる旨判示している。そして、333条は、「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。」と規定している。
本肢において、BからCへの譲渡がCの有する債権を担保するためのものである場合、Cは「第三取得者」に当たり、甲動産がAからBに現実に引き渡され、さらにBからCに占有改定がされたときは、Cは「引き渡し」を受けたといえるから、333条の要件を満たす。したがって、同条により、Aは、動産売買先取特権の行使として、甲動産を差し押さえることができない。
判例(大判大6.7.26)は、333条の「引き渡し」には183条の占有改定も含まれる旨判示している。また、判例(最判昭62.11.10)は、譲渡担保権者は「第三取得者」(333条)に当たる旨判示している。そして、333条は、「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。」と規定している。
本肢において、BからCへの譲渡がCの有する債権を担保するためのものである場合、Cは「第三取得者」に当たり、甲動産がAからBに現実に引き渡され、さらにBからCに占有改定がされたときは、Cは「引き渡し」を受けたといえるから、333条の要件を満たす。したがって、同条により、Aは、動産売買先取特権の行使として、甲動産を差し押さえることができない。
(H30 司法 第12問 イ)
AがBに対して動産売買の先取特権を有していた場合、BがCに対してその目的物である動産を売却し、占有改定によりこれを引き渡したとしても、Aの動産売買の先取特権は消滅しない。
AがBに対して動産売買の先取特権を有していた場合、BがCに対してその目的物である動産を売却し、占有改定によりこれを引き渡したとしても、Aの動産売買の先取特権は消滅しない。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大6.7.26)は、333条の「引き渡し」には183条の占有改定も含まれる旨判示している。したがって、BがCに対して、Aの動産売買の先取特権の目的物である動産を売却し、占有改定によりこれを引き渡した場合、「債務者がその目的物である動産をその第三取得者に引き渡した」(333条)といえ、同条が適用されるから、Aの動産売買の先取特権は消滅する。
判例(大判大6.7.26)は、333条の「引き渡し」には183条の占有改定も含まれる旨判示している。したがって、BがCに対して、Aの動産売買の先取特権の目的物である動産を売却し、占有改定によりこれを引き渡した場合、「債務者がその目的物である動産をその第三取得者に引き渡した」(333条)といえ、同条が適用されるから、Aの動産売買の先取特権は消滅する。
(R4 司法 第12問 イ)
Aは、Bに対し、自己が所有する工作機械甲を売り、甲を引き渡した。Bが甲をCに売り、占有改定による引渡しがされた場合には、Aは、Bが弁済期到来後も代金債務を履行しないときであっても、先取特権に基づいて甲を差し押さえることはできない。
Aは、Bに対し、自己が所有する工作機械甲を売り、甲を引き渡した。Bが甲をCに売り、占有改定による引渡しがされた場合には、Aは、Bが弁済期到来後も代金債務を履行しないときであっても、先取特権に基づいて甲を差し押さえることはできない。
(正答)〇
(解説)
判例(大判大6.7.26)は、333条の「引き渡し」には183条の占有改定も含まれる旨判示している。したがって、Bが甲をCに売り、占有改定による引渡しがされた場合には、「債務者がその目的物である動産をその第三取得者に引き渡した」(333条)といえ、同条が適用されるから、Aは、Bが弁済期到来後も代金債務を履行しないときであっても、先取特権に基づいて甲を差し押さえることはできない。
判例(大判大6.7.26)は、333条の「引き渡し」には183条の占有改定も含まれる旨判示している。したがって、Bが甲をCに売り、占有改定による引渡しがされた場合には、「債務者がその目的物である動産をその第三取得者に引き渡した」(333条)といえ、同条が適用されるから、Aは、Bが弁済期到来後も代金債務を履行しないときであっても、先取特権に基づいて甲を差し押さえることはできない。
(R5 司法 第13問 ウ)
AがBに対してA所有の動産甲を売却して現実の引渡しをした後、BがCに対して甲を売却し、Bが甲を以後Cのために占有する旨の合意がBC間でされたときは、Aは、甲について、動産売買の先取特権を行使することができない。
AがBに対してA所有の動産甲を売却して現実の引渡しをした後、BがCに対して甲を売却し、Bが甲を以後Cのために占有する旨の合意がBC間でされたときは、Aは、甲について、動産売買の先取特権を行使することができない。
(正答)〇
(解説)
判例(大判大6.7.26)は、333条の「引き渡し」には183条の占有改定も含まれる旨判示している。したがって、AがBに対してA所有の動産甲を売却して現実の引渡しをした後、BがCに対して甲を売却し、Bが甲を以後Cのために占有する旨の合意がBC間でされたときは、「債務者がその目的物である動産をその第三取得者に引き渡した」(333条)といえ、同条が適用されるから、Aは、甲について、動産売買の先取特権を行使することができない。
判例(大判大6.7.26)は、333条の「引き渡し」には183条の占有改定も含まれる旨判示している。したがって、AがBに対してA所有の動産甲を売却して現実の引渡しをした後、BがCに対して甲を売却し、Bが甲を以後Cのために占有する旨の合意がBC間でされたときは、「債務者がその目的物である動産をその第三取得者に引き渡した」(333条)といえ、同条が適用されるから、Aは、甲について、動産売買の先取特権を行使することができない。