現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

贈与

他人の財産を贈与する場合に負う義務 最二小判昭和44年1月31日

概要
他人の財産権を贈与の目的としたときは、贈与義務者は自ら当該財産権を取得して受贈者に移転する義務を負うこととなり、贈与契約として有効に成立する。
判例
事案:他人の財産権を目的とする贈与契約が、有効に成立するかが問題となった。

判旨:「他人の財産権をもつて贈与の目的としたときは、贈与義務者はみずからその財産権を取得して受贈者に移転する義務を負うもので、贈与契約として有効に成立する。」
過去問・解説
(H29 司法 第25問 イ)
贈与者が他人の不動産を贈与した場合において、他人の物であることを知りながら受贈者に告げなかったときは、贈与者は、その不動産の所有権を取得して受贈者に移転する義務を負う。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.1.31)は、「他人の財産権をもつて贈与の目的としたときは、贈与義務者はみずからその財産権を取得して受贈者に移転する義務を負うもので、贈与契約として有効に成立する。」と判示している。
総合メモ

贈与の履行と所有権移転登記 最二小判昭和40年3月26日

概要
不動産の贈与契約に基づき所有権移転登記がなされたときは、その引渡しの有無を問わず、「履行の終わった」(550条)に当たる。
判例
事案:不動産の贈与契約に基づき所有権移転登記がなされた場合において、「履行の終わった」(550条)といえるかが問題となった。

判旨:「不動産の贈与契約において、該不動産の所有権移転登記が経由されたときは、該不動産の引渡の有無を問わず、贈与の履行を終つたものと解すべきであり、この場合、当事者間の合意により、右移転登記の原因を形式上売買契約としたとしても、右登記は実体上の権利関係に符合し無効ということはできないから、前記履行完了の効果を生ずるについての妨げとなるものではない。」
過去問・解説
(H22 司法 第22問 3)
判例によれば、書面によらない不動産の贈与において、受贈者に登記を移転すれば、引渡しが未了でも、贈与者は贈与を撤回することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭40.3.26)は、「不動産の贈与契約において、該不動産の所有権移転登記が経由されたときは、該不動産の引渡の有無を問わず、贈与の履行を終つたものと解すべきであ」ると判示している。そして、550条は、「書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。」と規定している。したがって、書面によらない不動産の贈与において、受贈者に登記を移転すれば、引渡しが未了でも、贈与者は贈与を撤回することができない。

(R3 司法 第24問 オ)
登記された建物が書面によらずに贈与された場合、贈与者は、受贈者への目的物の引渡し及び所有権移転登記の双方がされるまでは、贈与契約を解除することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭40.3.26)は、「不動産の贈与契約において、該不動産の所有権移転登記が経由されたときは、該不動産の引渡の有無を問わず、贈与の履行を終つたものと解すべきであ」ると判示している。そして、550条は、「書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。」と規定している。そうすると、登記された建物が書面によらずに贈与された場合、贈与者は、受贈者への所有権移転登記をすれば、目的物の引き渡しをしていなくても、贈与契約を解除することができなくなる。
総合メモ

書面による贈与契約の撤回 最二小判昭和60年11月29日

概要
贈与が書面によってされたといえるためには、贈与の意思表示自体が書面によっていることを必要としないことはもちろん、書面が贈与の当事者間で作成されたこと、又は書面に無償の趣旨の文言が記載されていることも必要とせず、書面に贈与がされたことを確実に看取しうる程度の記載があれば足りる。
判例
事案:贈与が書面によってされたといえるためには、どの程度の記載が必要とされるかが問題となった。

判旨:「民法550条が書面によらない贈与を取り消しうるものとした趣旨は、贈与者が軽率に贈与することを予防し、かつ、贈与の意思を明確にすることを期するためであるから、贈与が書面によつてされたといえるためには、贈与の意思表示自体が書面によつていることを必要としないことはもちろん、書面が贈与の当事者間で作成されたこと、又は書面に無償の趣旨の文言が記載されていることも必要とせず、書面に贈与がされたことを確実に看取しうる程度の記載があれば足りるものと解すべきである。」
過去問・解説
(H22 司法 第22問 4)
判例によれば、贈与において、受贈者にあてた書面がなければ、贈与者は書面によらない贈与として、これを撤回することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭60.11.29)は、「贈与が書面によつてされたといえるためには、贈与の意思表示自体が書面によつていることを必要としないことはもちろん、書面が贈与の当事者間で作成されたこと、又は書面に無償の趣旨の文言が記載されていることも必要とせず、書面に贈与がされたことを確実に看取しうる程度の記載があれば足りるものと解すべきである。」と判示している。したがって、贈与において、受贈者に充てた書面がなくても、贈与がされたことを確実に看取しうる程度の記載がされた書面があれば、書面による贈与となる。
そして、550条は、「書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。」と規定しているところ、この規定を反対解釈すれば、書面による贈与は、各当事者が解除することはできないということとなる。したがって、本肢においては、贈与者は必ずしも贈与を撤回することができるとはいえない。
総合メモ

死因贈与の方式 最三小判昭和32年5月21日

概要
死因贈与の方式については、遺贈に関する規定の準用はない。
判例
事案:死因贈与の方式について、遺贈に関する規定の準用があるかが問題となった。

判旨:「民法554条の規定は、贈与者の死亡によつて効力を生ずべき贈与契約(いわゆる死因贈与契約)の効力については遺贈(単独行為)に関する規定に従うべきことを規定しただけで、その契約の方式についても遺言の方式に関する規定に従うべきことを定めたものではないと解すべきである。」
過去問・解説
(H21 司法 第24問 ウ)
判例によると、死因贈与の贈与者は、いつでも、その全部又は一部を撤回することができるが、その撤回は、遺言の方式に従ってしなければならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭32.5.21)は、「民法554条の規定は、贈与者の死亡によって効力を生ずべき贈与契約(いわゆる死因贈与契約)の効力については遺贈(単独行為)に関する規定に従うべきことを規定しただけで、その契約の方式についても遺言の方式に関する規定に従うべきことを定めたものではないと解すべきである。」と判示している。そうすると、554条は、「贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。」と規定し、1024条は、「遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。」と規定しているところ、遺言の方式に従う旨規定されている部分は、死因贈与に準用されない。したがって、死因贈与の贈与者は、いつでも、その全部又は一部を撤回することができるところ、その撤回は、遺言の方式に従う必要はない。

(R3 司法 第24問 ア)
死因贈与は、書面によることを要せず、当事者の合意のみで成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭32.5.21)は、「民法554条の規定は、贈与者の死亡によって効力を生ずべき贈与契約(いわゆる死因贈与契約)の効力については遺贈(単独行為)に関する規定に従うべきことを規定しただけで、その契約の方式についても遺言の方式に関する規定に従うべきことを定めたものではないと解すべきである。」と判示している。そうすると、遺贈は遺言の方式によってなされ(964条参照)、967条本文は、「遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。」と規定しているが、当該規定は554条により死因贈与に準用されない。したがって、死因贈与は、書面によることを要せず、当事者の合意のみで成立する(549条参照)。
総合メモ

死因贈与の撤回 最一小判昭和47年5月25日

概要
死因贈与の撤回については、遺言の取消に関する1022条が、その方式に関する部分を除いて準用される。
判例
事案:死因贈与を取り消す場合において、1022条が準用されるかどうかが問題となった。

判旨:「死因贈与については、遺言の取消に関する民法1022条がその方式に関する部分を除いて準用されると解すべきである。けだし、死因贈与は贈与者の死亡によつて贈与の効力が生ずるものであるが、かかる贈与者の死後の財産に関する処分については、遺贈と同様、贈与者の最終意思を尊重し、これによつて決するのを相当とするからである。」
過去問・解説
(H29 司法 第25問 オ)
書面によって死因贈与がされたとしても、贈与者は、生前、いつでもその贈与を撤回することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭47.5.25)は、「死因贈与については、遺言の取消に関する民法1022条がその方式に関する部分を除いて準用されると解すべきである。」と判示している。そして、1022条は、「遺言者は、いつでも、…その遺言の全部又は一部を撤回することができる」と規定している。したがって、書面によって死因贈与がされたとしても、贈与者は、生前、いつでもその贈与を撤回することができる。
総合メモ