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親族 - 解答モード

「当事者間に婚姻をする意思がないとき」(742条1号)の意義 最二小判昭和44年10月31日

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概要
742条1号にいう「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指し、たとえ婚姻の届出自体については当事者間に意思の合致があったとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないときは、婚姻は効力を生じない。
判例
事案:婚姻の届出に当たり、当事者の間には、当該当事者らの子に両名の嫡出子としての地位を得させるための便法としての婚姻の届出についての意思の合致はあったが、真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかった場合において、742条1号にいう「当事者間に婚姻をする意思がないとき」に当たるかが問題となった。

判旨:「「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものと解すべきであり、したがつてたとえ婚姻の届出自体について当事者間に意思の合致があり、ひいて当事者間に、一応、所論法律上の夫婦という身分関係を設定する意思はあつたと認めうる場合であつても、それが、単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないものであつて、前述のように真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合には、婚姻はその効力を生じないものと解すべきである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H24 共通 第31問 エ)
判例によれば、AとBが、両名間の子Cに嫡出である子の身分を得させるための便法として、後日離婚することを合意した上で婚姻の届出をしたにすぎず、真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思がなかった場合には、婚姻の効力は生じない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.10.31)は、本肢と同種の事案において、742条1号にいう「「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものと解すべきであり、したがってたとえ婚姻の届出自体について当事者間に意思の合致があり、ひいて当事者間に、一応、…法律上の夫婦という身分関係を設定する意思はあつたと認めうる場合であつても、あっても、それが、単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないものであって、前述のように真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合には、婚姻はその効力を生じないものと解すべきである。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R1 司法 第30問 イ)
婚姻の届出自体については当事者間に意思の合致があったとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないときは、婚姻はその効力を生じない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.10.31)は、742条1号にいう「「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものと解すべきであり、したがってたとえ婚姻の届出自体について当事者間に意思の合致があり、ひいて当事者間に、一応、…法律上の夫婦という身分関係を設定する意思はあつたと認めうる場合であつても、あっても、それが、単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないものであって、前述のように真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合には、婚姻はその効力を生じないものと解すべきである。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R6 司法 第32問 ア)
父と母が、子に嫡出子の地位を得させるための便法としてすることを合意して婚姻の届出をしたものの、父母の双方に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思がなかったときは、婚姻は、無効である。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.10.31)は、本肢と同種の事案において、742条1号にいう「「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものと解すべきであり、したがってたとえ婚姻の届出自体について当事者間に意思の合致があり、ひいて当事者間に、一応、…法律上の夫婦という身分関係を設定する意思はあつたと認めうる場合であつても、あっても、それが、単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないものであって、前述のように真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合には、婚姻はその効力を生じないものと解すべきである。」と判示している。

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届出意思の欠缺による婚姻の無効とその追認の効力 最三小判昭和47年7月25日

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概要
事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合において、当時両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、かつ、のちに他方の配偶者が届出の事実を知ってこれを追認したときは、婚姻は追認によりその届出の当初に遡って有効となると解すべきである。
判例
事案:事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合において、これを他方の配偶者が追認したとき、婚姻が有効となる場合があるのか、有効になるとしていつの時点から有効となるのかが問題となった。

判旨:「事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合においても、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に右他方の配偶者が右届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解するのを相当とする。けだし、右追認により婚姻届出の意思の欠缺は補完され、また、追認に右の効力を認めることは当事者の意思にそい、実質的生活関係を重視する身分関係の本質に適合するばかりでなく、第三者は、右生活関係の存在と戸籍の記載に照らし、婚姻の有効を前提として行動するのが通常であるので、追認に右の効力を認めることによつて、その利益を害されるおそれが乏しいからである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H25 司法 第31問 ア)
A男とB女は内縁関係にある。AがBに無断で婚姻届を作成して提出した場合、その当時両名に夫婦としての実質的生活関係が存在し、かつ、後にBが届出の事実を知ってこれを追認したときは、その婚姻は、追認により届出の当初にさかのぼって有効となる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭47.7.25)は、本肢と同種の事案において、「事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合においても、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に右他方の配偶者が右届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解するのを相当とする。」と判示している。


全体の正答率 : 0.0%

(H30 司法 第5問 イ)
事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成して提出した場合において、当時両名に夫婦としての実質的生活関係が存在し、かつ、後に他方が届出の事実を知ってこれを追認したときは、その婚姻は追認時から将来に向かって効力を生ずる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭47.7.25)は、「事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合においても、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に右他方の配偶者が右届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解するのを相当とする。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R3 司法 第30問 エ)
A男とB女は内縁関係にある。AがBに無断で婚姻届を作成して届出をした場合において、Bが後に届出の事実を知ってこれを追認したときは、届出の当初に遡ってその婚姻が有効となる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭47.7.25)は、本肢と同種の事案において、「事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合においても、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に右他方の配偶者が右届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解するのを相当とする。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R6 司法 第32問 ウ)
夫婦としての実質的生活関係が存在している男女の一方が他方の意思に基づかずに婚姻届を作成し、これを提出したものの、後に他方が当該届出の事実を知ってこれを追認したときは、婚姻は、その追認の時から有効となる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭47.7.25)は、「事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合においても、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に右他方の配偶者が右届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解するのを相当とする。」と判示している。

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内縁関係破棄の場合の不法行為の成否及び760条の準用 最二小判昭和33年4月11日

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概要
①内縁を正当な理由なく破棄された者は、相手方に対し不法行為を理由として損害の賠償を求めることができる。
②婚姻費用の分担に関する760条の規定は、内縁に準用される。
判例
事案:①内縁が正当な理由なく破棄された場合において、不法行為責任を肯定することができるかが問題となった。
 ②内縁関係に、婚姻費用の分担に関する760条が準用されるかが問題となった。

判旨:①「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。そして民法709条にいう「権利」は、厳密な意味で権利と云えなくても、法律上保護せらるべき利益があれば足りるとされるのであり(大審院大正14年(オ)第625号、同年11月28日判決、民事判例集4巻670頁、昭和6年(オ)第2771号、同7年10月6日判決、民事判例集11巻2023頁参照)、内縁も保護せられるべき生活関係に外ならないのであるから、内縁が正当の理由なく破棄された場合には、故意又は過失により権利が侵害されたものとして、不法行為の責任を肯定することができるのである。されば、内縁を不当に破棄された者は、相手方に対し婚姻予約の不履行を理由として損害賠償を求めることができるとともに、不法行為を理由として損害賠償を求めることもできるものといわなければならない。」
 ②「内縁が法律上の婚姻に準ずる関係と認むべきであること前記説明の如くである以上、民法760条の規定は、内縁に準用されるものと解すべきであり、従つて、前記被上告人の支出した医療費は、別居中に生じたものであるけれども、なお、婚姻から生ずる費用に準じ、同条の趣旨に従い、上告人においてこれを分担すべきものといわなければならない。」
過去問・解説
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(H20 司法 第31問 3)
不法行為による生命侵害の場合、被害者Aの扶養を受けていた内縁配偶者Bは、Aに相続人(Aの兄弟)がいる場合であっても、BがAから受けることができた将来の扶養利益の喪失を損害として、加害者に対し、その賠償を請求することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭33.4.11)は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と判示している。そうすると、内縁当事者間には、夫婦間の扶助義務に関する規定(752条)が準用されるといえ、内縁当事者の一方が不法行為による生命侵害を受けた場合、内縁当事者の他方は、扶養利益の喪失を損害として、加害者に対し、その賠償を請求することができる。これは、死亡した被害者である一方の内縁当事者に相続人がいる場合でも変わらない。したがって、本肢においても、Aは、BがAから受けることができた将来の扶養利益の喪失を損害として、加害者に対し、その賠償を請求することができる。


全体の正答率 : 0.0%

(H20 司法 第31問 5)
内縁夫婦ABの一方Bと日常の家事に関する取引をした第三者は、BにAの代理権があることを主張して、Aにその取引に基づく債務の履行を請求することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭33.4.11)は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と判示している。そうすると、内縁当事者間には、夫婦間における日常の家事に関する債務の連帯責任についての規定(761条)が準用される。
そして、判例(最判昭44.12.18)は、761条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定している旨判示している。したがって、内縁夫婦ABの一方Bと日常の家事に関する取引をした第三者は、BにAの代理権があることを主張して、Aにその取引に基づく債務の履行を請求することができる。


全体の正答率 : 100.0%

(H25 司法 第31問 ウ)
A男とB女は内縁関係にある。Bが内縁継続中に病気療養のためAと別居している場合において、その間にBが支出した医療費は、婚姻から生ずる費用に準じてABが分担する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭33.4.11)は、本肢と同種の事案において、「内縁が法律上の婚姻に準ずる関係と認むべきである…以上、民法760条の規定は、内縁に準用されるものと解すべきであり、従つて、前記被上告人の支出した医療費は、別居中に生じたものであるけれども、なお、婚姻から生ずる費用に準じ、同条の趣旨に従い、上告人においてこれを分担すべきものといわなければならない。」と判示している。したがって、Bが内縁継続中に病気療養のためAと別居している場合において、その間にBが支出した医療費は、婚姻から生ずる費用に準じてABが分担する。


全体の正答率 : 100.0%

(R3 司法 第30問 オ)
A男とB女は内縁関係にある。Aが日常の家事に関して第三者と取引をした場合、Bは、その取引によって生じた債務について責任を負わない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭33.4.11)は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と判示している。そうすると、内縁当事者間には、夫婦間における日常の家事に関する債務の連帯責任についての規定(761条)が準用される。
そして、判例(最判昭44.12.18)は、761条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定している旨判示している。したがって、男とB女が内縁関係にある場合において、Aが日常の家事に関して第三者と取引をしたとき、当該Aの取引の効果はBに帰属するから、Bは、その取引によって生じた債務について責任を負う。

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夫婦の日常代理権 最一小判昭和44年12月18日

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概要
①761条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定している。
②夫婦の一方が761条所定の日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権を基礎として一般的に同法110条所定の表見代理の成立を肯定すべきではなく、その越権行為の相手方である第三者においてその行為がその夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、同条の趣旨が類推適用され、当該第三者が保護される。
判例
事案:①761条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を夫婦に与える規定かが問題となった。
 ②夫婦の一方が761条所定の日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合において、表見代理が成立するかが問題となった。

判旨:①「民法761条は、「夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによつて生じた債務について、連帯してその責に任ずる。」として、その明文上は、単に夫婦の日常の家事に関する法律行為の効果、とくにその責任のみについて規定しているにすぎないけれども、同条は、その実質においては、さらに、右のような効果の生じる前提として、夫婦は相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定しているものと解するのが相当である。」
 ②「しかしながら、その反面、夫婦の一方が右のような日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権の存在を基礎として広く一般的に民法110条所定の表見代理の成立を肯定することは、夫婦の財産的独立をそこなうおそれがあつて、相当でないから、夫婦の一方が他の一方に対しその他の何らかの代理権を授与していない以上、当該越権行為の相手方である第三者においてその行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、民法110条の趣旨を類推適用して、その第三者の保護をはかれば足りるものと解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H21 司法 第6問 イ)
夫婦の日常家事に関する相互の代理権を基礎として権限外の行為の表見代理は成立しないが、相手方においてその夫婦の日常の家事に関する法律行為と信ずるにつき正当の理由のあるときに限り、権限外の行為についての表見代理の規定の趣旨が類推適用される。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.12.18)は、「夫婦の一方が右のような日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権の存在を基礎として広く一般的に民法110条所定の表見代理の成立を肯定することは、夫婦の財産的独立をそこなうおそれがあつて、相当でないから、夫婦の一方が他の一方に対しその他の何らかの代理権を授与していない以上、当該越権行為の相手方である第三者においてその行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、民法110条の趣旨を類推適用して、その第三者の保護をはかれば足りるものと解するのが相当である。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(H25 共通 第4問 オ)
夫が、日常の家事の範囲を越えて、妻を代理して法律行為をした場合、相手方において、その行為がその夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由があるときは、権限外の行為についての表見代理に関する規定の趣旨が類推され、妻は夫がした法律行為によって生じた債務について、連帯してその責任を負う。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.12.18)は、「夫婦の一方が右のような日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権の存在を基礎として広く一般的に民法110条所定の表見代理の成立を肯定することは、夫婦の財産的独立をそこなうおそれがあつて、相当でないから、夫婦の一方が他の一方に対しその他の何らかの代理権を授与していない以上、当該越権行為の相手方である第三者においてその行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、民法110条の趣旨を類推適用して、その第三者の保護をはかれば足りるものと解するのが相当である。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(H26 司法 第3問 オ)
個別に代理権の授権がなければ、日常の家事に関する事項についても、夫婦の一方は、他の一方のために法律行為をすることはできない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.12.18)は、「民法761条は、「夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによつて生じた債務について、連帯してその責に任ずる。」として、その明文上は、単に夫婦の日常の家事に関する法律行為の効果、とくにその責任のみについて規定しているにすぎないけれども、同条は、その実質においては、さらに、右のような効果の生じる前提として、夫婦は相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定しているものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、日常の家事に関する事項については、夫婦の一方は、個別に代理権の授権がなくても、761条により、他の一方のために法律行為をすることができる。

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婚姻の届出が受理された当時本人が意識を失っていた場合と婚姻の届出の効力 最一小判昭和44年4月3日

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概要
事実上の夫婦共同生活関係にある者が、婚姻意思を有し、その意思に基づいて婚姻の届書を作成したときは、届書の受理された当時意識を失っていたとしても、その受理前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、当該届書の受理により婚姻は有効に成立する。
判例
事案:婚姻の届書が受理された当時本人が意識を失っていた場合において、当該婚姻の届出の受理により婚姻が有効に成立するかが問題となった。

判旨:「本件婚姻届は、Aが昭和40年4月5日午前9時10分前後に盛岡市役所に持参し、係員に交付して受理されたものであり、一方、Bは、昭和39年9月頃より肝硬変症で入院していたが、昭和40年4月3日頃より病状が悪化し、同月4日朝から完全な昏睡状態に陥り、同月5日午前10時20分死亡するに至つたというのであつて、原審は右の状態の下における届出は意思能力ない者の届出として無効であるとしたのである。しかしながら、本件婚姻届がBの意思に基づいて作成され、同人がその作成当時婚姻意思を有していて、同人とCとの間に事実上の夫婦共同生活関係が存続していたとすれば、その届書が当該係官に受理されるまでの間に同人が完全に昏睡状態に陥り、意識を失つたとしても、届書受理前に死亡した場合と異なり、届出書受理以前に翻意するなど婚姻の意思を失う特段の事情のないかぎり、右届書の受理によつて、本件婚姻は、有効に成立したものと解すべきである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(R6 司法 第32問 イ)
夫婦としての実質的生活関係が存続している男女が婚姻意思に基づいて婚姻届を作成したものの、婚姻届の提出の時にその一方が昏睡状態に陥っていたときは、婚姻は、無効である。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.4.3)は、事実上の夫婦共同生活関係にある者が、婚姻意思を有し、その意思に基づいて婚姻の届書を作成したときは、届書の受理された当時意識を失っていたとしても、その受理前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、当該届書の受理により婚姻は有効に成立する旨判示している。

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離婚訴訟における財産分与と過去の婚姻費用分担の態様の斟酌 最三小判昭和53年11月14日

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概要
離婚訴訟において裁判所が財産分与を命ずる場合においては、当事者の一方が婚姻継続中に過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を定めることができる。
判例
事案:離婚訴訟で裁判所が財産分与を命ずる場合において、当事者の一方が婚姻継続中に過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を定めることができるかが問題となった。

判旨:「離婚訴訟において裁判所が財産分与の額及び方法を定めるについては当事者双方の一切の事情を考慮すべきものであることは民法771条、768条3項の規定上明らかであるところ、婚姻継続中における過去の婚姻費用の分担の態様は右事情のひとつにほかならないから、裁判所は、当事者の一方が過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を定めることができるものと解するのが、相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H29 共通 第32問 オ)
裁判所は、離婚訴訟において財産分与を命ずるに当たり、当事者の一方が過当に負担した婚姻費用の清算のための給付を含めて財産分与の額及び方法を定めることができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭53.11.14)は、「離婚訴訟において…裁判所は、当事者の一方が過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を定めることができるものと解するのが、相当である。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R5 予備 第14問 ア)
裁判所は、離婚をした者の一方が過当に負担した婚姻費用の清算のための給付を含めて、財産分与の額及び方法を定めることができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭53.11.14)は、「離婚訴訟において…裁判所は、当事者の一方が過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を定めることができるものと解するのが、相当である。」と判示している。

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婚姻関係が破綻して父母が別居状態にある場合に子と同居していない親と子の面接交渉について家庭裁判所が相当な処分を命ずることの可否 最一小決平成12年5月1日

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概要
婚姻関係が破綻して父母が別居状態にある場合に、子と同居していない親と子の面接交渉につき父母の間で協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、766条を類推適用し、面接交渉について相当な処分を命ずることができる。
判例
事案:婚姻関係が破綻して父母が別居状態にある場合において、子と同居していない親と子の面接交渉について、家庭裁判所が相当な処分を命ずることができるかが問題となった。

判旨:「父母の婚姻中は、父母が共同して親権を行い、親権者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負うものであり(民法818条3項、820条)、婚姻関係が破綻して父母が別居状態にある場合であっても、子と同居していない親が子と面接交渉することは、子の監護の一内容であるということができる。そして、別居状態にある父母の間で右面接交渉につき協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、民法766条を類推適用し、家事審判法9条1項乙類4号により、右面接交渉について相当な処分を命ずることができると解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(R1 司法 第32問 ア)
婚姻中の父母が別居し、子と同居していない親と同居している親との間で、子との面会交流について協議が調わない場合であっても、父母の離婚前は、家庭裁判所は、面会交流について相当な処分を命ずることはできない。

(正答)

(解説)
判例(最決平12.5.1)は、本肢と同種の事案において、「別居状態にある父母の間で右面接交渉につき協議が調わないとき…は、家庭裁判所は、民法766条を類推適用し、…面接交渉について相当な処分を命ずることができると解するのが相当である。」と判示している。

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離婚による慰謝料と財産分与 最二小判昭和46年7月23日

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概要
離婚の際、すでに財産分与がなされた場合でも、相手方においても、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解されないか、又は、その額及び方法において分与請求者の精神的苦痛を慰藉するに足りないと認められるものであるときは、同請求者は、別個に、相手方の不法行為を理由として離婚による慰藉料を請求することができる。
判例
事案:離婚に際して財産分与がなされた場合において、それとは別個に、相手方の不法行為を理由として離婚による慰藉料を請求することができるかが問題となった。

判旨:「離婚における財産分与の制度は、夫婦が婚姻中に有していた実質上共同の財産を清算分配し、かつ、離婚後における一方の当事者の生計の維持をはかることを目的とするものであつて、分与を請求するにあたりその相手方たる当事者が離婚につき有責の者であることを必要とはしないから、財産分与の請求権は、相手方の有責な行為によつて離婚をやむなくされ精神的苦痛を被つたことに対する慰藉料の請求権とは、その性質を必ずしも同じくするものではない。したがつて、すでに財産分与がなされたからといつて、その後不法行為を理由として別途慰藉料の請求をすることは妨げられないというべきである。もつとも、裁判所が財産分与を命ずるかどうかならびに分与の額および方法を定めるについては、当事者双方におけるいつさいの事情を考慮すべきものであるから、分与の請求の相手方が離婚についての有責の配偶者であつて、その有責行為により離婚に至らしめたことにつき請求者の被つた精神的損害を賠償すべき義務を負うと認められるときには、右損害賠償のための給付をも含めて財産分与の額および方法を定めることもできると解すべきである。そして、財産分与として、右のように損害賠償の要素をも含めて給付がなされた場合には、さらに請求者が相手方の不法行為を理由に離婚そのものによる慰謝料の支払を請求したときに、その額を定めるにあたつては、右の趣旨において財産分与がなされている事情をも斟酌しなければならないのであり、このような財産分与によつて請求者の精神的苦痛がすべて慰藉されたものと認められるときには、もはや重ねて慰藉料の請求を認容することはできないものと解すべきである。しかし、財産分与がなされても、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解せられないか、そうでないとしても、その額および方法において、請求者の精神的苦痛を慰藉するには足りないと認められるものであるときには、すでに財産分与を得たという一事によつて慰藉料請求権がすべて消滅するものではなく、別個に不法行為を理由として離婚による慰藷料を請求することを妨げられないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H27 共通 第29問 オ)
判例によれば、協議上の離婚をした夫婦の一方は、相手方に対し財産の分与を請求した場合には、相手方に対し慰謝料を請求することはできない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭46.7.23)は、「財産分与がなされても、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解せられないか、そうでないとしても、その額および方法において、請求者の精神的苦痛を慰藉するには足りないと認められるものであるときには、すでに財産分与を得たという一事によって慰藉料請求権がすべて消滅するものではなく、別個に不法行為を理由として離婚による慰藷料を請求することを妨げられないものと解するのが相当である。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R1 予備 第13問 ア)
離婚に伴う財産分与は、離婚後における一方の当事者の生計の維持を図ることを目的としてもすることができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭46.7.23)は、「離婚における財産分与の制度は…離婚後における一方の当事者の生計の維持をはかることを目的とする」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R1 予備 第13問 ウ)
離婚に伴う財産分与を得た者は、その財産分与が損害賠償の要素を含む趣旨とは解されないときには、別個に不法行為を理由として離婚による慰謝料を請求することを妨げられない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭46.7.23)は、「財産分与がなされても、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解せられないか、そうでないとしても、その額および方法において、請求者の精神的苦痛を慰藉するには足りないと認められるものであるときには、すでに財産分与を得たという一事によって慰藉料請求権がすべて消滅するものではなく、別個に不法行為を理由として離婚による慰藷料を請求することを妨げられないものと解するのが相当である。」と判示している。

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内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合に768条の規定を類推適用することの可否 最一小判平成12年3月10日

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概要
内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合においては、768条の規定は類推適用されず、生存内縁配偶者は、死亡内縁配偶者の相続人に対して清算的要素及び扶養的要素を含む財産分与請求権を有しない。
判例
事案:内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合において、768条の規定を類推適用することができるかが問題となった。

判旨:「内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合に、法律上の夫婦の離婚に伴う財産分与に関する民法768条の規定を類推適用することはできないと解するのが相当である。民法は、法律上の夫婦の婚姻解消時における財産関係の清算及び婚姻解消後の扶養については、離婚による解消と当事者の一方の死亡による解消とを区別し、前者の場合には財産分与の方法を用意し、後者の場合には相続により財産を承継させることでこれを処理するものとしている。このことにかんがみると、内縁の夫婦について、離別による内縁解消の場合に民法の財産分与の規定を類推適用することは、準婚的法律関係の保護に適するものとしてその合理性を承認し得るとしても、死亡による内縁解消のときに、相続の開始した遺産につき財産分与の法理による遺産清算の道を開くことは、相続による財産承継の構造の中に異質の契機を持ち込むもので、法の予定しないところである。また、死亡した内縁配偶者の扶養義務が遺産の負担となってその相続人に承継されると解する余地もない。したがって、生存内縁配偶者が死亡内縁配偶者の相続人に対して清算的要素及び扶養的要素を含む財産分与請求権を有するものと解することはできないといわざるを得ない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H23 共通 第31問 オ)
判例によれば、内縁の夫婦の一方が死亡したときは、他の一方は、財産分与に関する民法の規定の類推適用により、遺産について財産分与を請求することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭12.3.10)は、内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合においては、768条の規定は類推適用されず、生存内縁配偶者は、死亡内縁配偶者の相続人に対して清算的要素及び扶養的要素を含む財産分与請求権を有しない旨判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(H25 司法 第31問 オ)
A男とB女は内縁関係にある。この場合、Bは、Aが死亡したときの相続について、Aと他の女性との間の子であるCに対し、Aの配偶者に準ずる相続分を主張することができる。

(正答)

(解説)
判例(最決平12.3.10)は、内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合においては、768条の規定は類推適用されず、生存内縁配偶者は、死亡内縁配偶者の相続人に対して清算的要素及び扶養的要素を含む財産分与請求権を有しない旨判示している。したがって、A男とB女は内縁関係にある場合において、Bは、Aが死亡したときの相続について、Aと他の女性との間の子であるCに対し、Aの配偶者に準ずる相続分を主張することができない。


全体の正答率 : 100.0%

(H27 共通 第29問 エ)
婚姻が離婚により終了した場合には、配偶者の財産分与請求権が認められ、また、婚姻が夫婦の一方の死亡により終了した場合には、生存配偶者の相続権が認められるが、判例によれば、配偶者について認められるこれらの権利は、内縁関係にある者についても類推して認められる。

(正答)

(解説)
判例(最判平12.3.10)は、「内縁の夫婦について、離別による内縁解消の場合に民法の財産分与の規定を類推適用することは、準婚的法律関係の保護に適するものとしてその合理性を承認し得る」と判示している。したがって、内縁関係が離別により終了した場合には、財産分与請求権の規定(768条)が類推適用されるから、この場合においては、同請求権は、内縁関係にある者についても認められるといえる。
これに対し、同判例は、内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合においては、768条の規定は類推適用されず、生存内縁配偶者は、死亡内縁配偶者の相続人に対して清算的要素及び扶養的要素を含む財産分与請求権を有しない旨判示している。したがって、内縁関係にある者について、婚姻が夫婦の一方の死亡により終了した場合における生存配偶者の相続権が、類推して認められることはない。


全体の正答率 : 100.0%

(R1 予備 第13問 オ)
内縁の夫が死亡して内縁関係が解消したときには、内縁の妻は、内縁の夫の相続人に対し、財産の分与を請求することができる。

(正答)

(解説)
判例(最決平12.3.10)は、内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合においては、768条の規定は類推適用されず、生存内縁配偶者は、死亡内縁配偶者の相続人に対して清算的要素及び扶養的要素を含む財産分与請求権を有しない旨判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R3 司法 第30問 ウ)
内縁関係にあるA男とB女について、ABがBの所有する建物で同居していた場合において、Bの死亡により内縁関係が解消したときは、Aは、Bの相続人に対して建物の所有権について財産分与を請求することができる。

(正答)

(解説)
判例(最決平12.3.10)は、内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合においては、768条の規定は類推適用されず、生存内縁配偶者は、死亡内縁配偶者の相続人に対して清算的要素及び扶養的要素を含む財産分与請求権を有しない旨判示している。したがって、Bの死亡により内縁関係が解消したとしても、768条は類推適用されず、Aは、Bの相続人に対して建物の所有権について財産分与を請求することができない。


全体の正答率 : 100.0%

(R5 予備 第14問 ウ)
内縁の妻Aの死亡により内縁の夫Bとの内縁関係が解消した場合には、Bは、離婚に伴う財産分与の規定の類推適用により、Aの相続人に対して財産分与を請求することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判平12.3.10)は、内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合においては、768条の規定は類推適用されず、生存内縁配偶者は、死亡内縁配偶者の相続人に対して清算的要素及び扶養的要素を含む財産分与請求権を有しない旨判示している。したがって、内縁の妻Aの死亡により内縁の夫Bとの内縁関係が解消した場合には、768条は類推適用されないから、Bは、Aの相続人に対して財産分与を請求することができない。

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生活保護の受給を継続するための方便としてなされた離婚届の効力 最二小判昭和57年3月26日

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概要
夫婦が事実上の婚姻関係を継続しつつ、単に生活扶助を受けるための方便として協議離婚の届出をした場合でも、当該届出が真に法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてされたものであるときは、当該協議離婚は無効とはいえない。
判例
事案:夫婦が事実上の婚姻関係を継続しつつ、生活保護金受給のための方便として協議離婚の届出がされた場合において、当該届出により協議離婚が有効に成立するかかが問題となった。

判旨:「本件離婚の届出が、法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてされたものであって、本件離婚を無効とすることはできない…。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(R6 司法 第32問 エ)
夫婦が、法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいて離婚の届出をしたものの、その届出が生活保護費の受給を継続するための方便としてのものであり、その後も夫婦としての実質的生活関係を継続したときは、離婚は、無効である。

(正答)

(解説)
判例(最判昭57.3.26)は、夫婦が事実上の婚姻関係を継続しつつ、単に生活扶助を受けるための方便として協議離婚の届出をした場合でも、当該届出が真に法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてされたものであるときは、当該協議離婚は無効とはいえない旨判示している。

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協議離婚届出書作成後の翻意と届出の効力 最二小判昭和34年8月7日

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概要
夫婦が、離婚意思に基づいて離婚届を作成し、夫婦の一方がいったん保管した後にこれを提出したものの、他方が届出時までに翻意していたことが明確であったときは、離婚は、無効である。
判例
事案:夫婦が、離婚意思に基づいて離婚届を作成し、夫婦の一方がいったん保管した後にこれを提出したものの、他方が届出時までに翻意していたことが明確であったという事案において、離婚は無効であるかが問題となった。

判旨:「本件協議離婚届書は判示の如き経緯によって作成されたこと、右届出書の作成後Aは右届出をBに委託し、Bにおいてこれを保管していたところ、その後右届出書が甲市長に提出された昭和27年3月11日の前日たる同月10日Aは甲市役所の係員Cに対してBから離婚届が出されるかもしれないが、Aとしては承諾したものではないから受理しないでほしい旨申し出でたことおよび右事実によるとAは右届出のあつた前日協議離婚の意思をひるがえしていたことが認められるというのであって、右認定は当裁判所でも肯認できるところである。そうであるとすればBから届出がなされた当時にはAに離婚の意思がなかったものであるところ、協議離婚の届出は協議離婚意思の表示とみるべきであるから、本件の如くその届出の当時離婚の意思を有せざることが明確になった以上、右届出による協議離婚は無効であるといわなければならない。そして、かならずしも所論の如く右翻意が相手方に表示されること、または、届出委託を解除する等の事実がなかったからといって、右協議離婚届出が無効でないとはいいえない。従って、論旨は採用できない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(R6 司法 第32問 オ)
夫婦が、離婚意思に基づいて離婚届を作成し、夫婦の一方がいったん保管した後にこれを提出したものの、他方が届出時までに翻意していたことが明確であったときは、離婚は、無効である。

(正答)

(解説)
判例(最判昭34.8.7)は、「Bから届出がなされた当時にはAに離婚の意思がなかったものであるところ、協議離婚の届出は協議離婚意思の表示とみるべきであるから、本件の如くその届出の当時離婚の意思を有せざることが明確になった以上、右届出による協議離婚は無効であるといわなければならない。」と判示している。したがって、夫婦が、離婚意思に基づいて離婚届を作成し、夫婦の一方がいったん保管した後にこれを提出したものの、他方が届出時までに翻意していたことが明確であったときは、離婚は、無効である。。

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内縁関係が先行する場合における嫡出推定 大連判昭和15年1月23日

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概要
内縁の妻が、内縁関係の継続中その夫によって懐胎し、適法に婚姻をした後に出生した場合において、生まれた子は、夫が認知をするか否かにかかわらず、出生と同時に当然に嫡出子たる身分を有する。
判例
事案:内縁関係の係属中に内縁の妻が内縁の夫により懐胎し、当該内縁の夫婦が法律上の婚姻をした後に出産した場合において、生まれた子が、父の認知を要することなく嫡出子としての身分を取得するかが問題となった。

判旨:「未タ婚姻ノ届出ヲ為ササルモ既ニ事実上ノ夫婦トシテ同棲シ所謂内縁関係ノ継続中ニ内縁ノ妻カ内縁ノ夫ニ因リテ懐胎シ而モ右内縁ノ夫妻カ適式ニ法律上ノ婚姻ヲ為シタル後ニ於テ出生シタル子ノ如キハ仮令婚姻ノ届出ト其ノ出生トノ間ニ民法第820条所定ノ200日ノ期間ヲ存セサル場合ト雖モ之ヲ民法上私生子ヲ以テ目スヘキモノニアラスカクノ如キ子ハ特ニ父母ノ認知ノ手続ヲ要セスシテ出生ト同時ニ当然ニ父母ノ嫡出子タル身分ヲ有スルモノト解スルハ之ヲ民法中親子法ニ関スル規定全般ノ精神ヨリ推シテ当ヲ得タルモノト謂ハサルヘカラス。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(R3 予備 第13問 エ)
婚姻の届出から1か月後に妻が出産した子について夫がその子との間の法律上の父子関係を否定しようとする場合、婚姻前に数年にわたり内縁関係が先行するときに限り、嫡出否認の訴えによらなければならない。

(正答)

(解説)
772条は、1項において「妻が婚姻中に懐胎した子は、当該婚姻における夫の子と推定する。女が婚姻前に懐胎した子であって、婚姻が成立した後に生まれたものも、同様とする。」と規定した上で、2項前段において「前項の場合において、婚姻の成立の日から200日以内に生まれた子は、婚姻前に懐胎したものと推定…する。」と規定している。そうすると、婚姻の届出から1か月後に妻が出産した子は、婚姻前に数年にわたり内縁関係が先行するか否かにかかわらず、「婚姻前に懐胎したものと推定」され、それにより「夫の子と推定」される。そして、嫡出推定を覆す場合には、嫡出否認の訴えによる必要がある(774条1項、775条)。
したがって、婚姻の届出から1か月後に妻が出産した子について夫がその子との間の法律上の父子関係を否定しようとする場合、婚姻前に数年にわたり内縁関係が先行するか否かにかかわらず、嫡出否認の訴えによらなければならない。

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内縁の妻が懐胎した子と父の推定 最一小判昭和29年1月21日

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概要
内縁の妻が懐胎した子については、772条が類推適用される。
判例
事案:内縁の妻が懐胎した子について、772条が類推適用されるかが問題となった。

判旨:「民法772条の適用によつて嫡出子の推定を受ける子が、特に父の認知を必要としないのは、単に同条の推定があるばかりではなく、さらにその他に民法774条、775条、777条、人訴29条により、嫡出子の推定は一定の期間内に否認の訴を提起してこれを覆す途が設けられているに止まり、それ以外の方法において反証を挙げてこの推定を争うことは許されていないものと解すべきだからである。また民法779条においては、嫡出子については認知を問題としていないし、民法776条では、「その嫡出であることを承認したとき」という表現を用い、認知という言葉は使つていない。しかるに、内縁の子についても民法772条が類推されるという趣旨は、事実の蓋然性に基いて立証責任の問題として、父の推定があるというに過ぎない。それ故、認知の訴訟において父の推定を受けている者が、父にあらざることを主張する場合には、その推定を覆すに足るだけの反証をあげる責任を負うわけである。そして、父と推定される者は、認知をまたずして、法律上一応その子の父として取扱われることもなく、また同様にその子は、認知をまたずして、法律上一応推定を受ける父の子として取扱われることもないものと言わねばならぬ。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(H25 司法 第31問 エ)
A男とB女の内縁成立の日から200日を経過した後又は内縁解消の日から300日以内にBが分娩した子のAに対する認知の訴えにおいては、その子はAの子と推定されない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭29.1.21)は、「内縁の子についても民法772条が類推される」と判示している。そして、772条2項後段は、「婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。」と規定しており、同条1項前段は、「妻が婚姻中に懐胎した子は、当該婚姻における夫の子と推定する。」と規定している。したがって、A男とB女の内縁成立の日から200日を経過した後又は内縁解消の日から300日以内にBが分娩した子のAに対する認知の訴えにおいては、その子はBが内縁関係中に解体したものと推定され(同条2項後段類推)、それに伴い同条1項前段が類推適用されるから、その子はAの子と推定される。

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母と非嫡出子間の親子関係と認知 最二小判昭和37年4月27日

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概要
母と非嫡出子間の親子関係は、原則として、母の認知をまたず、分娩の事実により当然発生する。
判例
事案:母と非嫡出子間の間に親子関係を生じさせるには、母の認知を必要とするかが問題となった。

判旨:「母とその非嫡出子との間の親子関係は、原則として、母の認知を俟たず、分娩の事実により当然発生すると解するのが相当である…。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(H23 司法 第32問 3)
母とその嫡出でない子との間の親子関係は、母が認知をしたときに認知の時から発生する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭37.4.27)は、「母とその非嫡出子との間の親子関係は、原則として、母の認知を俟たず、分娩の事実により当然発生すると解するのが相当である…。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R4 司法 第31問 ア)
いずれも婚姻していないA女とB男との間に子Cが生まれた場合、AとCとの法律上の母子関係は、認知によって生ずる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭37.4.27)は、本肢と同種の事案において、「母とその非嫡出子との間の親子関係は、原則として、母の認知を俟たず、分娩の事実により当然発生すると解するのが相当である…。」と判示している。したがって、AとCとの法律上の母子関係は、AがCを分娩した事実によって当然に発生し、Aの認知を要しない。

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内縁関係成立の日から200日後、婚姻成立の日から200日以内に生まれた子は772条所定の嫡出の推定を受けるか 最三小判昭和41年2月15日

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概要
婚姻成立の日から200日以内に生まれた子は、婚姻に先行する内縁関係の成立の日から200日後に生まれたものであっても、772条が類推適用されることはないため、同条所定の嫡出の推定を受けない。
判例
事案:婚姻に先行する内縁関係の成立の日から200日後に生まれた子について、婚姻成立の日から200日以内に生まれた場合であっても、772条所定の嫡出の推定が及ぶかが問題となった。

判旨:「民法772条2項にいう「婚姻成立の日」とは、婚姻の届出の日を指称すると解するのが相当であるから、AとBの婚姻届出の日から200日以内に出生したCは、同条により、Bの嫡出子としての推定を受ける者ではなく、たとえ、C出生の日が、AとBの挙式あるいは同棲開始の時から200日以後であつても、同条の類推適用はないものというべきである(大審院民事連合部昭和15年1月23日判決、民集19巻1号54頁、大審院昭和15年9月20日判決、民集19巻18号1596頁参照)。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(H27 司法 第30問 ア)
婚姻成立後200日以内に生まれた子は、同棲開始の時から200日経過後に生まれたときに限り、嫡出子であることが推定され、親子関係を否定するには、嫡出否認の方法によらなければならない。

(正答)

(解説)
772条は、1項において「妻が婚姻中に懐胎した子は、当該婚姻における夫の子と推定する。女が婚姻前に懐胎した子であって、婚姻が成立した後に生まれたものも、同様とする。」と規定した上で、2項前段において「前項の場合において、婚姻の成立の日から200日以内に生まれた子は、婚姻前に懐胎したものと推定…する。」と規定している。そうすると、婚姻成立後200日以内に生まれた子は、同棲開始の時から200日経過後に生まれたか否かに関わらず、「婚姻前に懐胎したものと推定」され、それにより「夫の子」と推定される。そして、嫡出推定を覆す場合には、嫡出否認の訴えによる必要がある(774条1項、775条)。
したがって、婚姻成立後200日以内に生まれた子については、同棲開始の時から200日経過後に生まれたか否かにかかわらず、嫡出子であることが推定され、親子関係を否定するには、嫡出否認の方法によらなければならない。

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婚姻解消と嫡出子の推定 最一小判昭和44年5月29日

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概要
①離婚による婚姻解消後300日以内に出生した子であっても、母とその夫とが、離婚の届出に先だち約2年半以前から事実上の離婚をして別居し、まったく交渉を絶って、夫婦としての実態が失われていた場合には、その子は772条による嫡出の推定を受けない。
②772条の推定を受けない嫡出子は、戸籍上の父からの嫡出否認を待つまでもなく、血縁上の父に対して認知の請求をすることができる。
判例
事案:①母とその夫が、離婚の届出に先立ち、約2年半以上前から事実上の離婚をしており、夫婦としての実態が失われていたという場合において、当該母が離婚による婚姻解消後300日以内に子を出生したとき、その子が772条によるの嫡出の推定を受けるかが問題となった。
 ②772条の推定を受けない嫡出子がある場合において、戸籍上の父からの嫡出否認を受けなくても、血縁上の父に対して認知の請求をすることができるかが問題となった。

判旨:「Aらの母Bは、昭和21年Cと結婚したが、同24年4月頃Cと事実上の離婚をして別居し、爾来同人とは全く交渉を絶ち、同26年10月2日正式に離婚したのであるが、それに先だつ同25年9月頃から同39年3月頃までの間Dと肉体関係を持続し、その間同27年3月28日A1を、同31年1月31日A2を各分娩し、同人らを自己の嫡出でない子として出生届をしたというのである。
 右事実関係のもとにおいては、A1は母BとCとの婚姻解消の日から300日以内に出生した子であるけれども、BとC間の夫婦関係は、右離婚の届出に先だち約2年半以前から事実上の離婚をして爾来夫婦の実態は失われ、たんに離婚の届出がおくれていたにとどまるというのであるから、A1は実質的には民法772条の推定を受けない嫡出子というべく、A1はCからの嫡出否認を待つまでもなく、Dに対して認知の請求ができる…。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H23 司法 第32問 1)
離婚による婚姻解消後300日以内に出生した子であっても、母とその夫とが離婚に先立ち長期間事実上の離婚をして別居し、全く交渉を絶って、夫婦の実態が失われていた場合には、夫の子と推定されない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.5.29)は、離婚による婚姻解消後300日以内に出生した子であっても、母とその夫とが、離婚の届出に先だち約2年半以前から事実上の離婚をして別居し、まったく交渉を絶って、夫婦としての実態が失われていた場合には、その子は772条による嫡出の推定を受けない旨判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(H27 司法 第30問 ウ)
離婚後300日以内に生まれた子であっても、嫡出の推定が及ばないときには、その子は、血縁上の父に対して認知の訴えを提起することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.5.29)は、離婚による婚姻解消後300日以内に出生した子であっても、母とその夫とが、離婚の届出に先だち約2年半以前から事実上の離婚をして別居し、まったく交渉を絶って、夫婦としての実態が失われていた場合には、その子は772条による嫡出の推定を受けない旨判示した上で、772条の推定を受けない嫡出子は、戸籍上の父からの嫡出否認を待つまでもなく、血縁上の父に対して認知の請求をすることができる旨判示している。

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第三者が親子関係存否確認の訴えを提起する場合において、親子の一方が死亡し他方が生存しているときに被告とすべき者 最一小判昭和56年10月1日

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概要
第三者が親子関係不存在確認の訴えを提起する場合において、親子の片方が死亡しているならば、当該第三者は、生存している者のみを相手方として当該訴えを提起することができる。
判例
事案:第三者が親子関係不存在確認の訴えを提起する場合において、親子の一方が死亡しており、他方が生存しているとき、当該第三者は、誰を相手方にして当該訴えを提起すればよいかが問題となった。

判旨:「第三者が親子関係存否確認の訴を提起する場合において、親子の双方が死亡しているときには、第三者は検察官を相手方として右訴を提起することが必要であるが(最高裁昭和43年(オ)第179号同45年7月15日大法廷判決・民集24巻7号861頁)、親子のうちの一方のみが死亡し他方が生存しているときには、第三者は生存している者のみを相手方として右訴を提起すれば足り、死亡した者について検察官を相手方に加える必要はないものと解するのが相当である(人事訴訟手続法2条項の類推適用)。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(H18 司法 第8問 オ)
母子関係の存在を争う第三者は、母と子のどちらか一方が死亡した後は、訴えを提起することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭56.10.1)は、第三者が親子関係不存在確認の訴えを提起する場合において、親子の片方が死亡しているならば、当該第三者は、生存している者のみを相手方として当該訴えを提起することができる旨判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(H30 司法 第30問 エ)
母子関係の存在を争う第三者は、母と子のどちらか一方が死亡した後は、親子関係不存在確認の訴えを提起することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭56.10.1)は、第三者が親子関係不存在確認の訴えを提起する場合において、親子の片方が死亡しているならば、当該第三者は、生存している者のみを相手方として当該訴えを提起することができる旨判示している。

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婚姻関係が終了していることと嫡出の推定を受ける子に対する親子関係不存在確認の訴えの許否 最三小判平成12年3月14日

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概要
772条2項所定の期間内に妻が出産した子について、妻が当該子を懐胎すべき時期に、既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ、又は遠隔地に居住して、夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合には、当該子は実質的には772条の推定を受けない嫡出子に当たるということができるから、夫は、親子関係不存在確認の訴えにより、当該子との間の父子関係の存否を争うことができる。
判例
事案:772条2項所定の期間内に妻が出産した子について、妻が右子を懐胎すべき時期に、既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ、又は遠隔地に居住して、夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合において、夫が当該子との間の父子関係を争うための手段として、親子関係不存在確認の訴えによることができるかが問題となった。

判旨:「民法772条2項所定の期間内に妻が出産した子について、妻が右子を懐胎すべき時期に、既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ、又は遠隔地に居住して、夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合には、右子は実質的には民法772条の推定を受けない嫡出子に当たるということができるから、同法774条以下の規定にかかわらず、夫は右子との間の父子関係の存否を争うことができると解するのが相当である(最高裁昭和43年(オ)第1184号同44年5月29日第一小法廷判決・民集23巻6号1064頁、最高裁平成7年(オ)第2178号同10年8月31日第二小法廷判決・裁判集民事189号497頁参照)。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H30 司法 第30問 ウ)
夫が長期間服役しており、妻が夫の子を懐胎することが不可能であったと認められる時期に妻が懐胎した子について、夫が父子関係を争う場合には、嫡出否認の訴えによらなければならない。

(正答)

(解説)
判例(最判平12.3.14)は、「民法772条2項所定の期間内に妻が出産した子について、妻が右子を懐胎すべき時期に、既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ、又は遠隔地に居住して、夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合には、右子は実質的には民法772条の推定を受けない嫡出子に当たるということができるから、同法774条以下の規定にかかわらず、夫は右子との間の父子関係の存否を争うことができると解するのが相当である…。」と判示している。本肢においても、夫が長期間服役しており、妻が夫の子を懐胎することが不可能であったと認められる時期に妻が懐胎した子は、772条の推定を受けない嫡出子に当たるということができる。したがって、その子について、夫が父子関係を争う場合には、嫡出否認の訴え(774条)ではなく、親子関係不存在確認の訴えによることができる。

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保存された男性の精子を用いて当該男性の死亡後に行われた人工生殖により女性が懐胎し出産した子と当該男性との間における法律上の親子関係の形成の可否 最二小判平成18年9月4日

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概要
保存された男性の精子を用いて当該男性の死亡後に行われた人工生殖により、女性が懐胎し出産した子と、当該男性との間に、法律上の親子関係の形成は認められない。
判例
事案:保存された男性の精子を用いて当該男性の死亡後に行われた人工生殖により女性が懐胎し出産した場合において、その子と当該男性との間に、法律上の親子関係の形成が認められるかが問題となった。

判旨:「民法の実親子に関する法制は、血縁上の親子関係を基礎に置いて、嫡出子については出生により当然に、非嫡出子については認知を要件として、その親との間に法律上の親子関係を形成するものとし、この関係にある親子について民法に定める親子、親族等の法律関係を認めるものである。ところで、現在では、生殖補助医療技術を用いた人工生殖は、自然生殖の過程の一部を代替するものにとどまらず、およそ自然生殖では不可能な懐胎も可能とするまでになっており、死後懐胎子はこのような人工生殖により出生した子に当たるところ、上記法制は、少なくとも死後懐胎子と死亡した父との間の親子関係を想定していないことは、明らかである。すなわち、死後懐胎子については、その父は懐胎前に死亡しているため、親権に関しては、父が死後懐胎子の親権者になり得る余地はなく、扶養等に関しては、死後懐胎子が父から監護、養育、扶養を受けることはあり得ず、相続に関しては、死後懐胎子は父の相続人になり得ないものである。また、代襲相続は、代襲相続人において被代襲者が相続すべきであったその者の被相続人の遺産の相続にあずかる制度であることに照らすと、代襲原因が死亡の場合には、代襲相続人が被代襲者を相続し得る立場にある者でなければならないと解されるから、被代襲者である父を相続し得る立場にない死後懐胎子は、父との関係で代襲相続人にもなり得ないというべきである。このように、死後懐胎子と死亡した父との関係は、上記法制が定める法律上の親子関係における基本的な法律関係が生ずる余地のないものである。そうすると、その両者の間の法律上の親子関係の形成に関する問題は、本来的には、死亡した者の保存精子を用いる人工生殖に関する生命倫理、生まれてくる子の福祉、親子関係や親族関係を形成されることになる関係者の意識、更にはこれらに関する社会一般の考え方等多角的な観点からの検討を行った上、親子関係を認めるか否か、認めるとした場合の要件や効果を定める立法によって解決されるべき問題であるといわなければならず、そのような立法がない以上、死後懐胎子と死亡した父との間の法律上の親子関係の形成は認められないというべきである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H27 司法 第30問 オ)
保存された男性の精子を用いてその男性の死亡後に行われた人工生殖によって女性が子を懐胎し出産した場合には、その男性と子の間に法律上の親子関係は認められない。

(正答)

(解説)
判例(最判平18.9.4)は、本肢と同種の事案において、「その両者の間の法律上の親子関係の形成に関する問題は、本来的には、死亡した者の保存精子を用いる人工生殖に関する生命倫理、生まれてくる子の福祉、親子関係や親族関係を形成されることになる関係者の意識、更にはこれらに関する社会一般の考え方等多角的な観点からの検討を行った上、親子関係を認めるか否か、認めるとした場合の要件や効果を定める立法によって解決されるべき問題であるといわなければならず、そのような立法がない以上、死後懐胎子と死亡した父との間の法律上の親子関係の形成は認められないというべきである。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R3 予備 第13問 ウ)
妻が、夫の死亡後に、凍結保存されていた夫の精子を用いて懐胎し、子を出産した場合において、夫が生前にその精子を用いて懐胎することに同意していたときであっても、死後認知によって夫と子との間に法律上の父子関係が認められることはない。

(正答)

(解説)
判例(最判平18.9.4)は、本肢と同種の事案において、「その両者の間の法律上の親子関係の形成に関する問題は、本来的には、死亡した者の保存精子を用いる人工生殖に関する生命倫理、生まれてくる子の福祉、親子関係や親族関係を形成されることになる関係者の意識、更にはこれらに関する社会一般の考え方等多角的な観点からの検討を行った上、親子関係を認めるか否か、認めるとした場合の要件や効果を定める立法によって解決されるべき問題であるといわなければならず、そのような立法がない以上、死後懐胎子と死亡した父との間の法律上の親子関係の形成は認められないというべきである。」と判示している。

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代理出産と母子関係 最二小判平成19年3月23日

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概要
女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産した場合においても、出生した子の母は、その子を懐胎し出産した女性であり、その子を懐胎、出産していない女性との間には、その女性が卵子を提供していたとしても、母子関係の成立は認められない。
判例
事案:女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産した場合において、出生した子の母が、その子を解体、出産した女性となるのか、卵子を提供した女性となるのかが問題となった。

判旨:「子を懐胎し出産した女性とその子に係る卵子を提供した女性とが異なる場合についても、現行民法の解釈として、出生した子とその子を懐胎し出産した女性との間に出産により当然に母子関係が成立することとなるのかが問題となる。この点について検討すると、民法には、出生した子を懐胎、出産していない女性をもってその子の母とすべき趣旨をうかがわせる規定は見当たらず、このような場合における法律関係を定める規定がないことは、同法制定当時そのような事態が想定されなかったことによるものではあるが、前記のとおり実親子関係が公益及び子の福祉に深くかかわるものであり、一義的に明確な基準によって一律に決せられるべきであることにかんがみると、現行民法の解釈としては、出生した子を懐胎し出産した女性をその子の母と解さざるを得ず、その子を懐胎、出産していない女性との間には、その女性が卵子を提供した場合であっても、母子関係の成立を認めることはできない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H27 司法 第30問 エ)
女性が、他人の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産した場合であっても、出生した子の母は、その子を懐胎し出産した女性である。

(正答)

(解説)
判例(最決平19.3.23)は、本肢と同種の事案において、「現行民法の解釈としては、出生した子を懐胎し出産した女性をその子の母と解さざるを得ず、その子を懐胎、出産していない女性との間には、その女性が卵子を提供した場合であっても、母子関係の成立を認めることはできない」と判示している。

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性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻中に懐胎した子と嫡出の推定 最三小決平成25年12月10日

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概要
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律4条1項の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻中に懐胎した子は、772条の規定により夫の子と推定される。
判例
事案:性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が、婚姻中に子を懐胎した場合において、当該子が、772条の規定によって、当該夫の子と推定されるかが問題となった。

判旨:「特例法4条1項は、性別の取扱いの変更の審判を受けた者は、民法その他の法令の規定の適用については、法律に別段の定めがある場合を除き、その性別につき他の性別に変わったものとみなす旨を規定している。したがって、特例法4条1項の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者は、以後、法令の規定の適用について男性とみなされるため、民法の規定に基づき夫として婚姻することができるのみならず、婚姻中にその妻が子を懐胎したときは、同法772条の規定により、当該子は当該夫の子と推定されるというべきである。もっとも、民法772条2項所定の期間内に妻が出産した子について、妻がその子を懐胎すべき時期に、既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ、又は遠隔地に居住して、夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合には、その子は実質的には同条の推定を受けないことは、当審の判例とするところであるが(最高裁昭和43年(オ)第1184号同44年5月29日第一小法廷判決・民集23巻6号1064頁、最高裁平成8年(オ)第380号同12年3月14日第三小法廷判決・裁判集民事197号375頁参照)、性別の取扱いの変更の審判を受けた者については、妻との性的関係によって子をもうけることはおよそ想定できないものの、一方でそのような者に婚姻することを認めながら、他方で、その主要な効果である同条による嫡出の推定についての規定の適用を、妻との性的関係の結果もうけた子であり得ないことを理由に認めないとすることは相当でないというべきである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(R3 予備 第13問 イ)
妻が、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた夫と婚姻中に懐胎し、子を出産した場合には、子は夫の嫡出子と推定される。

(正答)

(解説)
判例(最決平25.12.10)は、本肢と同種の事案において、「特例法4条1項の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者は、以後、法令の規定の適用について男性とみなされるため、民法の規定に基づき夫として婚姻することができるのみならず、婚姻中にその妻が子を懐胎したときは、同法772条の規定により、当該子は当該夫の子と推定されるというべきである。」と判示している。

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夫と772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであるなどの事情がある場合における親子関係不存在確認の訴えの許否 最一小判平成26年7月17日

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概要
夫と772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり、かつ、子が、現時点において夫の下で監護されておらず、妻及び生物学上の父の下で順調に成長しているという事情があっても、同条による嫡出の推定が及ばなくなるものとはいえず、親子関係不存在確認の訴えをもって夫と子との間の父子関係の存否を争うことはできない。
判例
事案:772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり、かつ、子が、現時点において夫の下で監護されておらず、妻及び生物学上の父の下で順調に成長しているという事情がある場合において、夫が父子関係を争う手段として、親子関係不存在確認によることができるかが問題となった。

判旨:「民法772条により嫡出の推定を受ける子につきその嫡出であることを否認するためには、夫からの嫡出否認の訴えによるべきものとし、かつ、同訴えにつき1年の出訴期間を定めたことは、身分関係の法的安定を保持する上から合理性を有するものということができる(最高裁昭和54年(オ)第1331号同55年3月27日第一小法廷判決・裁判集民事129号353頁、最高裁平成8年(オ)第380号同12年3月14日第三小法廷判決・裁判集民事197号375頁参照)。そして、夫と子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり、かつ、子が、現時点において夫の下で監護されておらず、妻及び生物学上の父の下で順調に成長しているという事情があっても、子の身分関係の法的安定を保持する必要が当然になくなるものではないから、上記の事情が存在するからといって、同条による嫡出の推定が及ばなくなるものとはいえず、親子関係不存在確認の訴えをもって当該父子関係の存否を争うことはできないものと解するのが相当である。このように解すると、法律上の父子関係が生物学上の父子関係と一致しない場合が生ずることになるが、同条及び774条から778条までの規定はこのような不一致が生ずることをも容認しているものと解される。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(R3 予備 第13問 ア)
妻が夫と婚姻中に懐胎し、子を出産した場合において、夫と子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであるときは、子は、親子関係不存在確認の訴えにより、夫との法律上の父子関係を否定することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判平26.7.17)は、本肢と同種の事案において、「夫と子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであ…るという事情があっても、子の身分関係の法的安定を保持する必要が当然になくなるものではないから、上記の事情が存在するからといって、同条による嫡出の推定が及ばなくなるものとはいえず、親子関係不存在確認の訴えをもって当該父子関係の存否を争うことはできないものと解するのが相当である。」と判示している。

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婚姻成立の日から200日以後に出生した子を被告として父親の死亡後にその養子が提起した親子関係不存在確認の訴えが適法とされた事例 最二小判平成10年8月31日

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概要
母が子を懐胎した当時、夫が当該母と性的関係を持つ機会がなく、当該母が当該夫の子を懐胎することが不可能であったことが明らかである場合には、出生した子は772条の推定を受けない嫡出子となる。
判例
事案:母が子を懐胎した当時、夫が出征していまだ帰還しておらず、当該母が当該夫の子を懐胎することが不可能であったことが明らかであるという事情がある場合において、出生した子が、722条の推定を受けるかが問題となった。

判旨:「A男は、応召した昭和18年10月13日から名古屋港に帰還した昭和21年5月28日の前日までの間、B女と性的関係を持つ機会がなかったことが明らかである。そして、…昭和21年当時における我が国の医療水準を考慮すると、当時、妊娠週数26週目に出生した子が生存する可能性は極めて低かったものと判断される。そうすると、B女がCを懐胎したのは昭和21年5月28日より前であると推認すべきところ、当時、A男は出征していまだ帰還していなかったのであるから、B女がA男の子を懐胎することが不可能であったことは、明らかというべきである。したがって、Cは実質的には民法722条の推定を受けない嫡出子であり、A男の養子であるDが亡A男とCとの間の父子関係の存否を争うことが権利の濫用に当たると認められるような特段の事情の存しない本件においては、Dは、親子関係不存在確認の訴えをもって、亡A男とCとの間の父子関係の存否を争うことができるものと解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(H25 共通 第32問 ウ)
判例によれば、母の夫が服役していた間に母が懐胎したことが明らかな子は夫の子と推定されないから、母も嫡出否認の訴えを提起することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判平10.8.31)は、母が子を懐胎した当時、夫が当該母と性的関係を持つ機会がなく、当該母が当該夫の子を懐胎することが不可能であったことが明らかである場合には、出生した子は772条の推定を受けない嫡出子となる旨判示している。したがって、母の夫が服役していた間に母が懐胎したことが明らかな子は夫の子と推定されないといえる。
そして、嫡出否認の訴え(775条)は、772条の規定による嫡出推定を覆すための訴えであるから(774条1項)、772条の推定を受けない嫡出子に対しては、嫡出否認の訴えを提起することはできない。したがって、母の夫が服役していた間に母が懐胎したことが明らかな子は夫の子と推定されず、母は嫡出否認の訴えを提起することができない。

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虚偽の嫡出子出生届と認知としての効力 大判大正15年10月11日

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概要
父が嫡出でない子につき嫡出子として出生届を提出したときは、当該子に対する認知の効力が生じる。
判例
事案:父が、その妾との間に生まれた子について、妻との間に生まれた子であるとして嫡出子としての出生届を提出した場合において、当該出生届の提出が、認知としての効力を生じるかが問題となった。

判旨:「原審ノ認定シタル事実ニ依レハAハ父Bト其ノ妾Cトノ間ニ明治43年9月28日出生シタルモノナル処BハAヲ妻Dトノ間ニ生レタル嫡出子トシテ同年10月6日所轄戸籍吏ニ対シ出生届出ヲ為シタルモノトス而シテ右届出カ旧戸籍法第215条ニ該当スル違法行為ナルコト洵ニ所論ノ如シト雖之カ為ニ直ニ該届出カ全然何等ノ効力ヲ生セサルモノト速断スヘカラス該届出中ニハ自ラBニ於テAカ自己ノ子ナルコトヲ認ムル意思表示ヲ包含スルヲ以テ父タルBカ所轄戸籍吏ニ対シ右ノ如キ出生届出ヲ為シ該出生子カ事実妾腹ノ子ナル本件ノ如キ場合ニ於テハ之ニ依リ私生子認知ノ効力ヲ生スルモノト解スルヲ相当トス。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(H27 司法 第30問 イ)
父が、嫡出でない子について嫡出子として出生の届出をし、それが受理された場合であっても、その出生の届出は、認知の届出としての効力を有しない。

(正答)

(解説)
判例(大判大15.10.11)は、父が嫡出でない子につき嫡出子として出生届を提出したときは、当該子に対する認知の効力が生じる旨判示している。

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認知の確定判決がある場合に第三者は認知無効の訴を提起できるか 最二小判昭和28年6月26日

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概要
認知の判決が正当な当事者の間に確定している以上、当該判決は第三者に対しても効力を有するから、これに対し再審の手続で争うのは格別、もはや第三者も反対の事実を主張して認知無効の訴えを提起することはできない。
判例
事案:認知の訴えについてこれを認容する確定判決がある場合において、第三者が認知無効の訴えを提起できるかが問題となった。

判旨:「認知の訴につき言渡した判決は第三者に対しても効力を有することは人訴32条1項、18条1項の明定するところであるから、すでに前記の如くAを亡Bの子であるとした認知の判決が正当なる当事者の間に確定している以上、該判決は第三者たるCに対しても効力を有するのであつて、Cは同判決に対し再審の手続で争うのは格別、もはや反対の事実を主張して認知無効の訴を提起することを得ないのは当然である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(H23 司法 第32問 5)
認知の判決が正当な当事者の間で確定している以上、当該判決は第三者に対しても効力を有するから、これに対して再審の手続で争うのは別として、もはや第三者も反対の事実を主張して認知の無効の訴えを提起することはできない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭28.6.26)は、認知の判決が正当な当事者の間に確定している以上、当該判決は第三者に対しても効力を有するから、これに対し再審の手続で争うのは格別、もはや第三者も反対の事実を主張して認知無効の訴えを提起することはできない旨判示している。

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父が認知しない場合における母が胎児を代理しておこなう認知の訴えの可否 大判明治32年1月12日

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概要
母は、胎児を代理して認知の訴えを提起することはできない。
判例
事案:母が、胎児を代理して認知の訴えを提起することができるかが問題となった。

判旨:「明治6年布告第21号ニ於テ私生児ニハ父ニ対シテ認知ヲ求ムルコトヲ許サス民法第835条ニ於テ始メテ之ヲ許シ而シテ明治6年布告第21号ハ民法施行法第9条ニ依リ民法施行ノ日即チ明治31年7月16日ヨリ廃止セラレタリト雖モ私権ノ享有ハ出生ニ始マリ胎児カ之ヲ享有スルヲ得サル法理ハ民法未タ施行セラレサリシ時ト雖モ存在セシコトハ毫モ疑ヲ容ルヘキニ非ス且父又ハ母ニ対シテ認知ヲ求ムルノ権ハ其性質子其直系卑属又ハ其法定代理人ノ行使スヘキ所ノモノニシテ第三者ノ行使スヘキモノニ非サルコト固ヨリ論ヲ待タス。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(H20 司法 第32問 3)
父が胎児を認知するためには、母の承諾が必要であるが、父が認知しない場合は、母は胎児を代理して認知の訴えを提起することができる。

(正答)

(解説)
判例(大判明32.1.12)は、母は、胎児を代理して認知の訴えを提起することはできない旨判示している。したがって、父が認知しない場合であっても、母は胎児を代理して認知の訴えを提起することができない。なお、783条1項は、「父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。」と規定している。


全体の正答率 : 100.0%

(H30 司法 第1問 エ)
胎児の母は、胎児を代理して認知の訴えを提起することはできない。

(正答)

(解説)
判例(大判明32.1.12)は、母は、胎児を代理して認知の訴えを提起することはできない旨判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R5 司法 第1問 オ)
胎児の母は、認知の訴えを提起することができない。

(正答)

(解説)
判例(大判明32.1.12)は、母は、胎児を代理して認知の訴えを提起することはできない旨判示している。

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認知無効の訴えとその理由 大判大正11年3月27日

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概要
子その他の利害関係人は、認知が真実に反する事由に基づいて、認知無効の訴えを提起することができる。
判例
事案:認知無効の訴えにおいて、子その他の利害関係人が、いかなる事由をもって認知の無効を主張することができるかが問題となった。

判旨:「子其ノ他ノ利害関係人ハ認知ニ対シテ反対ノ事実ヲ主張スルコトヲ得ヘキコト同法第834条ノ定ムルトコロナリ而シテ認知ハ或私生子ノ事実上ノ父タル者又ハ母タル者カ之ヲ承認シテ法律上ノ親子関係ヲ発生セシムル行為ナレハ認知ニヨリ法律上ノ親子関係ヲ発生スルニハ事実上父タル者又ハ母タル者ニ於テ之ヲ為スコトヲ要シ然ラサル場合ニ於テハ認知ハ其ノ効力ナキモノナルヲ以テ子其ノ他ノ利害関係人ハ認知カ真実ニ反スルノ事由ヲ以テ其ノ無効ナルコトヲ主張スルコトヲ得ルモノト為ササルヘカラス。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H25 共通 第32問 オ)
戸籍法の定めるところにより認知の届出がされた場合であっても、子その他の利害関係人は、認知が真実に反することを理由として認知無効の訴えを提起することができる。

(正答)

(解説)
判例(大判大11.3.27)は、子その他の利害関係人は、認知が真実に反する事由に基づいて、認知無効の訴えを提起することができる旨判示している。

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認知者が血縁上の父子関係がないことを理由に認知の無効を主張することの可否 最三小判平成26年1月14日

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概要
認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合においても、当該認知者は、786条に基づき、認知無効の訴えを提起することができる。
判例
事案:認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をしたという場合において、当該認知者が血縁上の父子関係がないことを理由に認知の無効を主張することができるかが問題となった。

判旨:「血縁上の父子関係がないにもかかわらずされた認知は無効というべきであるところ、認知者が認知をするに至る事情は様々であり、自らの意思で認知したことを重視して認知者自身による無効の主張を一切許さないと解することは相当でない。また、血縁上の父子関係がないにもかかわらずされた認知については、利害関係人による無効の主張が認められる以上(民法786条)、認知を受けた子の保護の観点からみても、あえて認知者自身による無効の主張を一律に制限すべき理由に乏しく、具体的な事案に応じてその必要がある場合には、権利濫用の法理などによりこの主張を制限することも可能である。そして、認知者が、当該認知の効力について強い利害関係を有することは明らかであるし、認知者による血縁上の父子関係がないことを理由とする認知の無効の主張が民法785条によって制限されると解することもできない。そうすると、認知者は、民法786条に規定する利害関係人に当たり、自らした認知の無効を主張することができるというべきである。この理は、認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合においても異なるところはない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(R3 予備 第13問 オ)
生物学上の父子関係がないことを知りながら認知をした者は、認知無効の訴えを提起することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判平26.1.14)は、「認知者は、民法786条に規定する利害関係人に当たり、自らした認知の無効を主張することができるというべきである。この理は、認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合においても異なるところはない。」と判示しており、改正民法下における786条1項2号にいう「認知をした者」についても同様に解されている。したがって、生物学上の父子関係がないことを知りながら認知をした者であっても、同号にいう「認知をした者」に当たり、認知無効の訴えを提起することができる。

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養子縁組の追認 最二小判昭和27年10月3日

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概要
養子縁組が、法定代理人でない者の代諾によりなされた場合において、その養子は、満15歳に達した後は、当該養子縁組を有効に追認することができる。
判例
事案:養子縁組が、他人の子を自分の実子として届け出た者の代諾によりなされた場合において、当該無効な養子縁組を、養子が有効に追認することができるかが問題となった。

判旨:「旧民法843条の場合につき民法は追認に関する規定を設けていないし、民法総則の規定は、直接には、親族法上の行為に適用を見ないと解すべきであるが、15歳未満の子の養子縁組に関する、家に在る父母の代諾は、法定代理に基くものであり、その代理権の欠缺した場合は一種の無権代理と解するを相当とするのであるから、民法総則の無権代理の追認に関する規定、及び前叙養子縁組の追認に関する規定の趣旨を類推して、旧民法843条の場合においても、養子は満15歳に達した後は、父母にあらざるものの自己のために代諾した養子縁組を有効に追認することができるものと解するを相当とする。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H30 司法 第5問 オ)
養子縁組が法定代理人でない者の代諾によるために無効である場合であっても、養子本人は、縁組の承諾をすることができる満15歳に達すれば、追認することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭27.10.3)は、「15歳未満の子の養子縁組に関する、家に在る父母の代諾は、法定代理に基くものであり、その代理権の欠缺した場合は一種の無権代理と解するを相当とするのであるから、民法総則の無権代理の追認に関する規定、及び前叙養子縁組の追認に関する規定の趣旨を類推して、…養子は満15歳に達した後は、父母にあらざるものの自己のために代諾した養子縁組を有効に追認することができるものと解するを相当とする。」と判示している。

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仮装の養子縁組についての心裡留保 最一小判昭和23年12月23日

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概要
802条第1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」とは、当事者間に真に養親子関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指し、たとえ養子縁組の届出自体については当事者間に意思の一致があったとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものに過ぎないときは、802条1号により、養子縁組は無効となり、93条が適用される余地はない。
判例
事案:養子縁組の届出自体については当事者間に意思の一致があるが、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものであるという場合において、当該養子縁組が効力を生じるかが問題となった。

判旨:「所論は、旧民法第851条第1号(新民法第802条第1号)に「当事者間に縁組をする意思がないとき」とは、「届出自体が当事者の意思に反する場合即ち届出其のものに瑕疵ある場合」を指すものであると主張する。しかし、それは、当事者間に真に養親子関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものであると解すべきは、言をまたないところである。されば、たとい養子縁組の届出自体については当事者間に意思の一致があつたとしても、それは単に他の目的を達するための便法として仮託されたに過ぎずして真に養親子関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合においては、養子縁組は効力を生じないのである。」
 「真に養親子関係の設定を欲する効果意思がない場合においては、養子縁組は旧民法第851条第1号(新民法802条第1号)によつて無効である。そして、この無効は絶対的なものであるから、所論のように原審が同第93条但書を適用する必要もなく、又適用したものでもない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(H19 司法 第1問 4)
表示と内心の意思とが異なる意味に解されることを表意者自身が知りながらそのことを告げないで意思表示をした場合、それがたとえ婚姻に関するものであっても、意思表示の相手方を保護するため、その意思表示は無効とならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭23.12.23)は、802条第1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」とは、当事者間に真に養親子関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指し、たとえ養子縁組の届出自体については当事者間に意思の一致があったとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものに過ぎないときは、802条1号により、養子縁組は無効となり、93条が適用される余地はない旨判示している。この判例は、93条は、当事者の意思を尊重すべき縁組のような身分行為には適用されないという理解に基づいており、この理解は、婚姻についても妥当すると解されている。
したがって、表示と内心の意思とが異なる意味に解されることを表意者自身が知りながらそのことを告げないで意思表示をした場合であっても、それが婚姻に関するものであれば、93条本文は適用されず、802条1号により、その意思表示は無効となる。

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養子縁組前に生まれた養子と養親の間の親族関係 大判昭和7年5月11日

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概要
養子縁組が成立した場合において、その養子縁組成立前から養子に子があるとき、養親と当該養子の子との間には、血族間におけるのと同一の親族関係は生じない。
判例
事案:養子縁組が成立する前から、養子に子がある場合において、養親と当該養子の子との間に、親族関係が生じるかが問題となった。

判旨:「養子ハ其ノ縁組ノ日ニ於テ養親ノ嫡出子トシテ生レタルト同一ノ効力ヲ生スルコトハ之ヲ民法第727条ノ趣旨ニ稽ヘ殊ニ同法第970条第2項ノ明文ニ照シ多言ヲ俟タサルカ故ニ養子ノ直系卑属ニシテ其ノ以後ニ生レタルモノハ当然養親トモ直系血族ノ関係ヲ生スルニ反シ縦令養子ノ直系卑属ト雖其ノ以前ニ生レタル者ハ養親ト何等血族関係ニ立ツコト無キハ是亦当然自明ノ理ト云ハサルヲ得ス。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(H22 司法 第32問 エ)
養子縁組をした養子に子がある場合、養子縁組の日から、養子の子と養親との間において血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。

(正答)

(解説)
判例(大判昭7.5.11)は、養子縁組が成立した場合において、その養子縁組成立前から養子に子があるとき、養親と当該養子の子との間には、血族間におけるのと同一の親族関係は生じない旨判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(H29 司法 第31問 イ)
A男はB女と婚姻したが、Bには姉Cと妹Dがおり、Cには配偶者Eがいる。その後、Aは、Bの同意を得て、Fを養子としたが、その縁組前からFには子Gがいた。GはAの親族ではない。

(正答)

(解説)
判例(大判昭7.5.11)は、養子縁組が成立した場合において、その養子縁組成立前から養子に子があるとき、養親と当該養子の子との間には、血族間におけるのと同一の親族関係は生じない旨判示している。したがって、Aが、Bの同意を得て、Fを養子としたところ、その縁組前からFには子Gがいたという場合、GはAの親族ではない。


全体の正答率 : 100.0%

(R5 司法 第31問 ウ)
Aを養親とし、Bを養子とする普通養子縁組が成立した場合において、その縁組前からBに子Cがいたときは、AとCとの間には親族関係が生じない。

(正答)

(解説)
判例(大判昭7.5.11)は、本肢と同種の事案において、養子縁組が成立した場合において、その養子縁組成立前から養子に子があるとき、養親と当該養子の子との間には、血族間におけるのと同一の親族関係は生じない旨判示している。

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利益相反行為の追認 大判昭和11年8月7日

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概要
親権者が子を代理した行った行為が利益相反行為に当たる場合において、子が成年に達したときは、当該利益相反行為を追認することができる。
判例
事案:親権者が子を代理した行った行為が利益相反行為に当たる場合において、子が成年に達したとき、当該利益相反行為を追認することができるかが問題となった。

判旨:「民法第886条及第888条ハ共ニ親権者ノ法定代理権ヲ制限シタル規定ニ外ナラス唯各場合ニ於ケル未成年者ノ保護ニ稽フルトコロアリ此ハ則チ全然親権者ノ代理ヲ禁シタルニ反シ彼ハ則チ親族会ノ同意ヲ得サル限リ代理行為ヲ以テ取消シ得ヘキモノトシタル差異コソアレ畢竟孰レノ場合モ当該規定違背ノ行為ハ則チ代理権限ニ欠缺アルモノタル点ニ於テ彼此選フトコロ無シ則チ爾ルカ故ニ子カ成年ニ達シタル後ニ至リ斯ル行為ヲ追認スル以上無権代理人ノ一般ノ場合ト同様当該代理行為ノ完全ナル効力ヲ生スルヤ又疑ヲ容ルヘカラス。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H30 司法 第5問 エ)
親権者の代理行為が利益相反行為に当たる場合、本人は、成年に達すれば、追認することができる。

(正答)

(解説)
判例(大判昭11.8.7)は、親権者が子を代理した行った行為が利益相反行為に当たる場合において、子が成年に達したときは、当該利益相反行為を追認することができる旨判示している。

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親権者の一方に利益相反関係のある場合における代理の方法 最一小判昭和35年2月25日

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概要
親権者たる父母の一方に826条1項にいう利益相反関係があるときは、利益相反関係のない親権者と同項の特別代理人とが共同して子のための代理行為をなすべきである。
判例
事案:親権者たる父母の一方にのみ利益相反関係がある場合において、誰が子を代理するべきかが問題となった。

判旨:「利益相反の関係にある親権者は特別代理人の選任を求め、特別代理人と利益相反の関係にない親権者と共同して代理行為をなすべきものとする…。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(H19 司法 第2問 4)
未成年の子と親権者である父母の一方に利益相反関係があるときは、利益相反関係のない親権者と家庭裁判所で選任された特別代理人とが共同して子のための代理行為をなすべきである。

(正答)

(解説)
判例(最判昭35.2.25)は、親権者たる父母の一方に826条1項にいう利益相反関係があるときは、利益相反関係のない親権者と同項の特別代理人とが共同して子のための代理行為をなすべきである旨判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(H21 司法 第33問 イ)
父母が共同で親権を行う子の所有する不動産を、父の債務の担保に供するためには、特別代理人を選任して、その特別代理人と母が共同で子の代理をする。

(正答)

(解説)
判例(最判昭35.2.25)は、親権者たる父母の一方に826条1項にいう利益相反関係があるときは、利益相反関係のない親権者と同項の特別代理人とが共同して子のための代理行為をなすべきである旨判示している。本肢においては、父母が共同で親権を行う子の所有する不動産を、父の債務の担保に供する場合、当該父と子との間に利益相反関係があるといえる。したがって、当該行為を行うためには、特別代理人を選任して、その特別代理人と母が共同で子の代理をする。


全体の正答率 : 100.0%

(R2 司法 第31問 オ)
父母が共に親権者である場合に、父とその子との利益が相反する行為をするには、母が親権者として単独でその子のための代理行為をする必要がある。

(正答)

(解説)
判例(最判昭35.2.25)は、親権者たる父母の一方に826条1項にいう利益相反関係があるときは、利益相反関係のない親権者と同項の特別代理人とが共同して子のための代理行為をなすべきである旨判示している。

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親権者と子の利益相反行為の判断基準 最三小判昭和37年10月2日

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概要
親権者が子を代理してした法律行為が利益相反行為(826条)に当たるかを判断する場合においては、親権者が子を代理してした行為自体を外形的客観的に考察して判断するべきであり、代理行為を行うについての親権者の動機や意図をもって判断するべきではない。
判例
事案:親権者が子を代理してなした行為が利益相反行為(826条)に当たるかを判断する場合において、いかなる基準で判断するべきかが問題となった。

判旨:「親権者が子の法定代理人として、子の名において金員を借受け、その債務につき子の所有不動産の上に抵当権を設定することは、仮に借受金を親権者自身の用途に充当する意図であつても、かかる意図のあることのみでは、民法826条所定の利益相反する行為とはいえないから、子に対して有効であり、これに反し、親権者自身が金員を借受けるに当り、右債務につき子の所有不動産の上に抵当権を設定することは、仮に右借受金を子の養育費に充当する意図であつたとしても、同法条所定の利益相反する行為に当るから、子に対しては無効であると解すべきである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(H19 司法 第2問 3)
親権者が未成年の子を代理して子の所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為は、親権者による利益相反行為に当たる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭37.10.2)は、親権者が子を代理してした法律行為が利益相反行為(826条)に当たるかを判断する場合においては、親権者が子を代理してした行為自体を外形的客観的に考察して判断するべきであり、代理行為を行うについての親権者の動機や意図をもって判断するべきではない旨判示している。
本肢においては、親権者が未成年の子を代理して子の所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為を外形的客観的に見ると、当該行為により不利益を受けるのが子であるのに対して、当該行為により利益を得るのが債務者たる第三者であるから、親権者と子の利益が相反する行為には当たらない。したがって、親権者による利益相反行為に当たらない。


全体の正答率 : 100.0%

(H24 司法 第5問 2)
判例によれば、Aの親権者Bは、Cから金銭を借り入れるに当たり、Aを代理してA所有の不動産にCのBに対する債権を担保するために抵当権を設定することはできないし、その設定行為を追認することもできない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭37.10.2)は、本肢と同種の事案において、「親権者自身が金員を借受けるに当り、右債務につき子の所有不動産の上に抵当権を設定することは、仮に右借受金を子の養育費に充当する意図であつたとしても、同法条所定の利益相反する行為に当るから、子に対しては無効であると解すべきである。」と判示している。したがって、本肢前段は正しい。
また、判例(最判昭46.4.20)は、「親権者が民法826条に違反して、親権者と子の利益相反行為につき法定代理人としてなした行為は民法113条所定の無権代理行為にあたる…。」と判示している。そして、113条1項は、「代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。」と規定しており、無権代理行為を、無権代理人自身が追認をすることは認められないと解される。したがって、Aの親権者Bが、Cから金銭を借り入れるに当たり、Aを代理してA所有の不動産にCのBに対する債権を担保するために抵当権を設定した場合、当該設定行為は利益相反行為として無権代理行為に当たり、B自らその設定行為を追認することはできない。よって、本肢後段も正しい。


全体の正答率 : 100.0%

(R2 司法 第31問 エ)
親権者がその子の名義で金銭を借り受け、その子が所有する不動産に抵当権を設定する場合であっても、親権者がその金銭を自らの用途に供する意図を有していたときには、利益相反行為に当たる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭37.10.2)は、「親権者が子の法定代理人として、子の名において金員を借受け、その債務につき子の所有不動産の上に抵当権を設定することは、仮に借受金を親権者自身の用途に充当する意図であつても、かかる意図のあることのみでは、民法826条所定の利益相反する行為とはいえないから、子に対して有効であ…ると解すべきである。」と判示している。

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親権者の無権代理行為 最三小判昭和42年4月18日

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概要
利益相反行為に該当するかどうかは、親権者が子を代理してなした行為自体を外形的客観的に考察して判定すべきであり、親権者の動機、意図により判定するべきではない。
判例
事案:親権者が子を代理してなした行為が利益相反行為(826条)に当たるかを判断する場合において、いかなる基準で判断するべきか問題となった。

判旨:「民法826条にいう利益相反行為に該当するかどうかは、親権者が子を代理してなした行為自体を外形的客観的に考察して判定すべきであつて、当該代理行為をなすについての親権者の動機、意図をもつて判定すべきでない…(昭和36年(オ)第1013号同37年2月27日第三小法廷判決、最高裁判所裁判集民事58号1023頁参照)。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H23 司法 第4問 エ)
判例によれば、親権者が子の財産を第三者に売却する行為を代理するに当たって、親権者がその子に損害を及ぼし、第三者の利益を図る目的を有していたときは、その子の利益に反する行為であるから、無権代理となる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭42.4.18)は、「民法826条にいう利益相反行為に該当するかどうかは、親権者が子を代理してなした行為自体を外形的客観的に考察して判定すべきであつて、当該代理行為をなすについての親権者の動機、意図をもつて判定すべきでない…。」と判示している。本肢においては、親権者が子の財産を第三者に売却する行為を代理する行為を外形的客観的に考察すると、親権者は当該売却により何らの利益を受けないから、利益相反行為に該当しない。親権者がその子に損害を及ぼし、第三者の利益を図る目的を有していたか否かは、利益相反行為に該当するかの判断に影響を及ぼさない。したがって、当該行為は、その子の利益に反する行為とはいえず、無権代理とならない。

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利益相反行為の意義 最一小判昭和49年7月22日

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概要
826条2項所定の利益相反行為とは、行為の客観的性質上数人の子ら相互間に利害の対立を生ずるおそれのあるものを指称し、その行為の結果、現実にその子らの間に利害の対立を生ずるか否かは問わないから、遺産分割の協議は、同項の適用上は利益相反行為に該当する。
判例
事案:親権者が、共同相続人である数人の子を代理して遺産分割の協議をした場合において、当該遺産分割協議が826条2項の利益相反行為に当たるかが問題となった。

判旨:「民法826条2項所定の利益相反行為とは、行為の客観的性質上数人の子ら相互間に利害の対立を生ずるおそれのあるものを指称するのであつて、その行為の結果現実にその子らの間に利害の対立を生ずるか否かは問わないものと解すべきであるところ、遺産分割の協議は、その行為の客観的性質上相続人相互間に利害の対立を生ずるおそれのある行為と認められるから、前記条項の適用上は、利益相反行為に該当するものといわなければならない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H19 司法 第2問 5)
親権者が共同相続人である数人の子を代理して遺産分割の協議をすることは、仮に親権者において数人の子のいずれに対しても衡平を欠く意図がなく、親権者の代理行為の結果、数人の子の間に利害対立が現実化されていなかったとしても、利益相反行為に当たる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭49.7.22)は、「民法826条2項所定の利益相反行為とは、行為の客観的性質上数人の子ら相互間に利害の対立を生ずるおそれのあるものを指称するのであつて、その行為の結果現実にその子らの間に利害の対立を生ずるか否かは問わないものと解すべきであるところ、遺産分割の協議は、その行為の客観的性質上相続人相互間に利害の対立を生ずるおそれのある行為と認められるから、前記条項の適用上は、利益相反行為に該当するものといわなければならない。」と判示している。


全体の正答率 : 0.0%

(H21 司法 第33問 エ)
父の相続に当たり、母が数人の子の親権者として遺産分割の協議をした場合、母が取得する財産はないとする遺産分割であれば、利益相反行為にならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭49.7.22)は、「民法826条2項所定の利益相反行為とは、行為の客観的性質上数人の子ら相互間に利害の対立を生ずるおそれのあるものを指称するのであつて、その行為の結果現実にその子らの間に利害の対立を生ずるか否かは問わないものと解すべきであるところ、遺産分割の協議は、その行為の客観的性質上相続人相互間に利害の対立を生ずるおそれのある行為と認められるから、前記条項の適用上は、利益相反行為に該当するものといわなければならない。」と判示している。したがって、父の相続に当たり、母が数人の子の親権者として遺産分割の協議をした場合には、当該遺産分割は利益相反行為になる。母が取得する財産はないとされたか否かは、結論に影響を及ぼさない。


全体の正答率 : 100.0%

(R2 司法 第31問 イ)
親権者が共同相続人である数人の子を代理して遺産分割の協議をすることは、利益相反行為に当たる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭49.7.22)は、「民法826条2項所定の利益相反行為とは、行為の客観的性質上数人の子ら相互間に利害の対立を生ずるおそれのあるものを指称するのであつて、その行為の結果現実にその子らの間に利害の対立を生ずるか否かは問わないものと解すべきであるところ、遺産分割の協議は、その行為の客観的性質上相続人相互間に利害の対立を生ずるおそれのある行為と認められるから、前記条項の適用上は、利益相反行為に該当するものといわなければならない。」と判示している。

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相続放棄と後見人の利益相反行為 最二小判昭和53年2月24日

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概要
共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者の後見をしている場合において、後見人が被後見人全員を代理してする相続の放棄は、後見人みずからが相続の放棄をしたのちにされたか、又は後見人自らの相続の放棄と同時にされたときは、後見人と被後見人の間においても、被後見人相互間においても、利益相反行為にならない。
判例
事案:共同相続人の1人である後見人が、他の共同相続人である被後見人を代理して相続の放棄をした場合において、当該相続放棄が利益相反行為に当たるかが問題となった。

判旨:「共同相続人の一部の者が相続の放棄をすると、その相続に関しては、その者は初めから相続人とならなかつたものとみなされ、その結果として相続分の増加する相続人が生ずることになるのであつて、相続の放棄をする者とこれによつて相続分が増加する者とは利益が相反する関係にあることが明らかであり、また、民法860条によつて準用される同法826条は、同法108条とは異なり、適用の対象となる行為を相手方のある行為のみに限定する趣旨であるとは解されないから、相続の放棄が相手方のない単独行為であるということから直ちに民法826条にいう利益相反行為にあたる余地がないと解するのは相当でない。…しかしながら、共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者を後見している場合において、後見人が被後見人を代理してする相続の放棄は、必ずしも常に利益相反行為にあたるとはいえず、後見人がまずみずからの相続の放棄をしたのちに被後見人全員を代理してその相続の放棄をしたときはもとより、後見人みずからの相続の放棄と被後見人全員を代理してするその相続の放棄が同時にされたと認められるときもまた、その行為の客観的性質からみて、後見人と被後見人との間においても、被後見人相互間においても、利益相反行為になるとはいえないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(H19 司法 第2問 2)
共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者の後見をしている場合、後見人が被後見人全員を代理してする相続の放棄は、後見人自らが相続の放棄をした後にされたときは、後見人と被後見人との間において利益相反行為に当たらない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭53.2.24)は、「共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者を後見している場合において、後見人が被後見人を代理してする相続の放棄は、必ずしも常に利益相反行為にあたるとはいえず、後見人がまずみずからの相続の放棄をしたのちに被後見人全員を代理してその相続の放棄をしたときは…、その行為の客観的性質からみて、後見人と被後見人との間においても、被後見人相互間においても、利益相反行為になるとはいえないものと解するのが相当である。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(H28 共通 第30問 オ)
夫婦であるAとBの間に未成年の子Cがいる。判例によれば、Aが死亡し、その相続人がBとCの2人であり、BがCの親権者である場合において、BがAを被相続人とする相続につき自ら相続放棄をするのと同時にCを代理してCについて相続放棄をしたときは、B及びCの相続放棄はいずれも有効となる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭53.2.24)は、本肢と同種の事案において、「共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者を後見している場合において、後見人が被後見人を代理してする相続の放棄は、必ずしも常に利益相反行為にあたるとはいえず、…後見人みずからの相続の放棄と被後見人全員を代理してするその相続の放棄が同時にされたと認められるときもまた、その行為の客観的性質からみて、後見人と被後見人との間においても、被後見人相互間においても、利益相反行為になるとはいえないものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、本肢においても、BがAを被相続人とする相続につき自ら相続放棄をするのと同時にCを代理してCについて相続放棄をしたときは、B及びCの相続放棄はいずれも有効となる。


全体の正答率 : 100.0%

(R2 司法 第31問 ウ)
親権者とその数人の子が共同相続人である場合に、親権者が自ら相続の放棄をすると同時にその子全員を代理して相続の放棄をすることは、利益相反行為に当たらない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭53.2.24)は、「共同相続人の1人が他の共同相続人の全部又は一部の者を後見している場合において、後見人が被後見人を代理してする相続の放棄は、必ずしも常に利益相反行為にあたるとはいえず、…後見人みずからの相続の放棄と被後見人全員を代理してするその相続の放棄が同時にされたと認められるときもまた、その行為の客観的性質からみて、後見人と被後見人との間においても、被後見人相互間においても、利益相反行為になるとはいえないものと解するのが相当である。」と判示している。

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親権者死亡後の親権者変更 名古屋高金沢支決昭和52年3月23日

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概要
離婚の際未成年の子の単独親権者と定められた一方の親が死亡して親権を行なう者が欠けた場合に、他方の親が共存し、それを望み、それが子の福祉に沿うときは、裁判所は、819条6項の親権者変更の規定を準用し、生存する他方の親を当該子の親権者とすることができる。
判例
事案:離婚の際未成年の子の単独親権者と定められた一方の親が死亡した場合において、裁判所が、未成年者の親族の請求により、親権者を離婚の際親権者とならなかった他方の親とすることができるかが問題となった。

判旨:「離婚の際未成年の子の単独親権者と定められた親が死亡した場合、家庭裁判所は子の親族の請求により親権者を離婚の際親権者とならなかった他方の親とすることができるものであり、そのことは単独親権者の死亡によつて開始した後見について既に後見人が選任されている場合であっても同様である(死亡した単独親権者の遺言によって後見人が指定されている場合についてはしばらくおくこととする)と解するのが相当である。
 すなわち、親権も未成年後見もともに未成年の子のための監護、養育および財産管理の面における保護を目的とする制度であるが、未成年後見の開始事由、終了事由等についての民法の規定に照らせば、民法の基本的な態度は、親子の自然的社会的関係に基盤を置く、親による子の保護を原則とし、後見は親権者たる親がない場合あるいは親の親権行使が制限される場合に補充的にその機能を果すことを予定しているものとみることができる。
 従って後見が開始し、さらに後見人が選任された後であっても、そのことを理由に親権が機能する余地がないと解するのは相当でない。
 そして、離婚の際一方の親を未成年の子の親権者と定めることを要するのは、離婚した両親にとって親権を共同行使することが事実上困難であることによるものであるから、親権者と定められた一方の親が死亡して親権を行なう者が欠けた場合に、他方の親が共存し、それを望み、それが当該未成年者の福祉にそうときは、民法第819条第6項の親権者変更の規定を準用し、生存する他方の親に親権を行使する可能性を認めることは、民法の明文に反するものでないばかりか、むしろそう解してこそ民法の基本的態度にも、国民一般の感情にも合致するものである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0.0%

(R6 司法 第33問 エ)
父母が離婚した場合において、親権者と定められた父が死亡したときは、生存している母が、直ちに親権者となる。

(正答)

(解説)
裁判例(名古屋高金沢支決昭52.3.23)は、「離婚の際未成年の子の単独親権者と定められた親が死亡した場合、家庭裁判所は子の親族の請求により親権者を離婚の際親権者とならなかった他方の親とすることができるものであり、そのことは単独親権者の死亡によつて開始した後見について既に後見人が選任されている場合であっても同様である…と解するのが相当である。」と判示している。したがって、父母が離婚した場合において、親権者と定められた父が死亡したときは、生存している母は、直ちに親権者となるのではなく、家庭裁判所が子の親族の請求により親権者を当該母とすることを要する。

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過去の扶養料の求償と878条及び879条 最二小判昭和42年2月17日

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概要
扶養義務者の1人のみが扶養権利者を扶養してきた場合に、過去の扶養料を他の扶養義務者に求償する場合、各自の分但額は、協議が整わないかぎり、家庭裁判所が、各自の資力その他一切の事情を考慮して審判で決定すべきであって、通常裁判所が判決手続で判定すべきではない。
判例
事案:扶養権利者を扶養してきた扶養義務者が、他の扶養義務者に対して求償する場合において、各自の扶養分担額について、家庭裁判所の審判と、通常裁判所の判決手続のいずれによって定めるべきかが問題となった。

判旨:「民法878条・879条によれば、扶養義務者が複数である場合に各人の扶養義務の分担の割合は、協議が整わないかぎり、家庭判所が審判によつて定めるべきである。扶養義務者の1人のみが扶養権利者を扶養してきた場合に、過去の扶養料を他の扶養義務者に求償する場合においても同様であつて、各自の分但額は、協議が整わないかぎり、家庭裁判所が、各自の資力その他一切の事情を考慮して審判で決定すべきであつて、通常裁判所が判決手続で判定すべきではないと解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H28 司法 第32問 ウ)
判例によれば、扶養権利者を扶養した扶養義務者が他の扶養義務者に対して求償する場合における各自の分担額は、扶養義務者間で協議が調わないときは、家庭裁判所がこれを定めるべきであって、地方裁判所がこれを定めることはできない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭42.2.17)は、「扶養義務者の1人のみが扶養権利者を扶養してきた場合に、過去の扶養料を他の扶養義務者に求償する場合において…、各自の分但額は、協議が整わないかぎり、家庭裁判所が、各自の資力その他一切の事情を考慮して審判で決定すべきであつて、通常裁判所が判決手続で判定すべきではないと解するのが相当である。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R3 司法 第32問 オ)
妻Aと夫Bの間に子Cが、Bには父D及び弟Eが、Aには前夫との間の子Fがいる。Aを扶養してきたCが、過去の扶養料をFに求償する場合において、各自の分担額の協議が調わないときは、家庭裁判所が各自の資力その他一切の事情を考慮してこれを定める。

(正答)

(解説)
判例(最判昭42.2.17)は、本肢と同種の事案において、「扶養義務者の1人のみが扶養権利者を扶養してきた場合に、過去の扶養料を他の扶養義務者に求償する場合において…、各自の分但額は、協議が整わないかぎり、家庭裁判所が、各自の資力その他一切の事情を考慮して審判で決定すべきであつて、通常裁判所が判決手続で判定すべきではないと解するのが相当である。」と判示している。したがって、本肢においても、Aを扶養してきたCが、過去の扶養料をFに求償する場合において、各自の分担額の協議が調わないときは、家庭裁判所が各自の資力その他一切の事情を考慮してこれを定める。

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