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意思表示(意思表示の効力発生時期等 97条) - 解答モード

意思表示の到達時期 大判昭和17年11月28日

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概要
夫と同居する内縁の妻が、内縁の夫の住所に配達された夫宛ての郵便物を受領した時は、当該郵便物に記載されている内容の意思表示は、夫に到達したものとしてその効力が生じる。
判例
事案:夫と同居する内縁の妻が、内縁の夫の住所に配達された夫宛ての郵便物を受領した場合、当該郵便物に記載されている内容の意思表示が夫に到達したと言えるかが問題となった。

判旨:「夫ト同居スル内縁ノ妻カ夫ノ住所ニ配達セラレタル夫宛ノ郵便物ヲ受領スルトキハ其ノ郵便物ニ記載セラレタル意思表示ハ一般取引ノ通念ニ照ラシ夫ニ於テ了知シ得ヘキ通常ノ状態ニ置カレタルモノ即チ夫ニ到達シタルモノトシテ其ノ効力ヲ生シ縦令内縁ノ妻カ該郵便物ヲ其ノ受領後ニ於テ夫不在ノ故ヲ以テ差出人ニ返還シタリトスルモ之カ為前示意思表示ノ効力ノ発生ヲ妨クルモノニ非サルコトハ洵ニ原審ノ判示セル如クニシテ右ハ郵便物ノ返還カ其ノ受領後直ニ為サレタルト其ノ後相当ノ期間ヲ置キテ為サレタルトニ因リ差異アルモノニ非ス。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H23 司法 第2問 ウ)
判例によれば、Aに対する意思表示が記載された書面がAの事務所兼自宅に発送され、その書面が配達された時にAが買物に出掛けていてたまたま不在であっても、Aと同居している内縁の妻が受領した場合、意思表示の効力は生ずる。

(正答)

(解説)
判例(大判昭17.11.28)は、夫と同居する内縁の妻が、内縁の夫の住所に配達された夫宛ての郵便物を受領した時は、当該郵便物に記載されている内容の意思表示は、夫に到達したものとしてその効力が生じる旨判示している。したがって、Aに対する意思表示が記載された書面がAの事務所兼自宅に発送され、Aと同居している内縁の妻が受領した場合、Aに到達したものとして、意思表示の効果は生ずる。

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意思表示の到達時期 最一小判昭和36年4月20日

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概要
会社に対する催告書が使者によって持参された時、たまたま受け取る権限のない者が居合わせ、代表取締役の机の上の印を使用して使者の持参した送達簿に捺印の上、右催告書を右机に入れておいたという場合には、同人に催告書を受領する権限がなく、また同人が社員に右の旨を告げなかったとしても、勢力範囲に入ったもの、すなわち了知可能の状態に置かれたといえ、催告書の到達があったものと解すべきである。
判例
事案:会社に対する催告書を何ら受け取る権限が無い者が受け取った場合、当該催告書による催告は到達したと認められるかが問題となった。

要旨:「思うに、隔地者間の意思表示に準ずべき右催告は民法97条によりA社に到達することによつてその効力を生ずべき筋合のものであり、ここに到達とは右会社の代表取締役であつたBないしは同人から受領の権限を付与されていた者によつて受領され或は了知されることを要するの謂ではなく、それらの者にとつて了知可能の状態におかれたことを意味するものと解すべく、換言すれば意思表示の書面がそれらの者のいわゆる勢力範囲(支配圏)内におかれることを以て足るものと解すべきところ(昭和6年2月14日、同9年11月26日、同11年2月14日、同17年11月28日の各大審院判決参照)、前示原判決の確定した事実によれば、A社の事務室においてその代表取締役であつたBの娘であるCに手交され且つ同人においてDの持参した送達簿にBの机の上に在つた同人の印を押して受取り、これを右机の抽斗に入れておいたというのであるから、この事態の推移にかんがみれば、Cはたまたま右事務室に居合わせた者で、右催告書を受領する権限もなく、その内容も知らず且つA社の社員らに何ら告げることがなかつたとしても、右催告書はBの勢力範囲に入つたもの、すなわち同人の了知可能の状態におかれたものと認めていささかも妨げなく、従つてこのような場合こそは民法97条にいう到達があつたものと解するを相当とする。」
過去問・解説
全体の正答率 : 85.7%

(R4 司法 第3問 ア)
隔地者に対する意思表示は、相手方が了知するまでは効力を生じない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭36.4.20)は、「隔地者間の意思表示に準ずべき右催告は民法97条によりA社に到達することによつてその効力を生ずべき筋合のものであり、ここに到達とは右会社の代表取締役であつたBないしは同人から受領の権限を付与されていた者によつて受領され或は了知されることを要するの謂ではなく、それらの者にとつて了知可能の状態におかれたことを意味する」と判示している。したがって、隔地者に対する意思表示は、相手方が了知しなくても、その了知可能な状態におかれるに至れば、効力を生じる。

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意思表示の到達時期 最一小判平成10年6月11日

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概要
特定の意思表示が記載された内容証明郵便が受取人不在のために配達することができず、留置期間の経過により差出人に還付された場合において、受取人がその内容を充分に推知することができ、また、受取人に受領の意思があれば、郵便物の受取方法を指定することによって、さしたる労力、困難を伴うことなく当該内容証明郵便を受領することができたなどの事情の下においては、当該意思表示は、社会通念上、受取人の了知可能な状態に置かれ、遅くとも留置期間が満了した時点で受取人に到達したものと認められる。
判例
事案:内容証明郵便を受取人が受け取らず、差出人に還付された場合において、意思表示の到達が認められるかが問題となった。

要旨:「(一)隔地者に対する意思表示は、相手方に到達することによってその効力を生ずるものであるところ(民法97条1項)、右にいう「到達」とは、意思表示を記載した書面が相手方によって直接受領され、又は了知されることを要するものではなく、これが相手方の了知可能な状態に置かれることをもって足りるものと解される(最高裁昭和33年(オ)第315号同36年4月20日第1小法廷判決・民集15巻4号774頁参照)。
 (二)ところで、本件当時における郵便実務の取扱いは、(1)内容証明郵便の受取人が不在で配達できなかった場合には、不在配達通知書を作成し、郵便受箱、 郵便差入口その他適宜の箇所に差し入れる、(2)不在配達通知書には、郵便物の差出人名、配達日時、留置期限、郵便物の種類(普通、速達、現金書留、その他の書留等)等を記入する、(3)受取人としては、自ら郵便局に赴いて受領するほか、配達希望日、配達場所(自宅、近所、勤務先等)を指定するなど、郵便物の受取方法を選択し得る、(4)原則として、最初の配達の日から7日以内に配達も交付もできないものは、その期間経過後に差出人に還付する、というものであった(郵便規則74条、90条、平成6年3月14日郵郵業第19号郵務局長通達「集配郵便局郵便取扱手続の制定について」別冊・集配郵便局郵便取扱手続272条参照)。
 (三)前記一の事実関係によれば、Aは、不在配達通知書の記載により、B弁護士から書留郵便(本件内容証明郵便)が送付されたことを知り(右(二)(2)参照)、その内容が本件遺産分割に関するものではないかと推測していたというのであり、さらに、この間B弁護士を訪れて遺留分減殺について説明を受けていた等の事情が存することを考慮すると、Aとしては、本件内容証明郵便の内容が遺留分減殺の意思表示又は少なくともこれを含む遺産分割協議の申入れであることを十分に推知することができたというべきである。また、Aは、本件当時、長期間の不在、その他郵便物を受領し得ない客観的状況にあったものではなく、その主張するように仕事で多忙であったとしても、受領の意思があれば、郵便物の受取方法を指定することによって(右(2)(3)参照)、さしたる労力、困難を伴うことなく本件内容証明郵便を受領することができたものということができる。そうすると、本件内容証明郵便の内容である遺留分減殺の意思表示は、社会通念上、 Aの了知可能な状態に置かれ、遅くとも留置期間が満了した時点でAに到達したものと認めるのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H30 司法 第3問 オ)
特定の意思表示が記載された内容証明郵便が受取人不在のために配達することができず、留置期間の経過により差出人に還付された場合、受取人がその内容を十分に推知することができ、受領も困難でなかったとしても、当該意思表示が受取人に到達したものと認められることはない。

(正答)

(解説)
判例(最判平10.6.11)は、特定の意思表示が記載された内容証明郵便が受取人不在のために配達することができず、留置期間の経過により差出人に還付された場合において、受取人がその内容を充分に推知することができ、また、受取人に受領の意思があれば、郵便物の受取方法を指定することによって、さしたる労力、困難を伴うことなく当該内容証明郵便を受領することができたなどの事情の下においては、当該意思表示は、社会通念上、受取人の了知可能な状態に置かれ、遅くとも留置期間が満了した時点で受取人に到達したものと認められる旨判示している。

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