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代理(無権代理 113条~118条) - 解答モード
親権者と子の利益相反行為と無権代理 最三小判昭和46年4月20日
概要
判例
判旨:「親権者が民法826条に違反して、親権者と子の利益相反行為につき法定代理人としてなした行為は民法113条所定の無権代理行為にあたる…。」
無権代理行為の追認行為 大判大正8年10月23日
概要
判例
判旨:「民法第113条第2項ハ無権代理人ノ為シタル契約ノ追認又ハ拒絶ヲ以テ相手方ニ対抗スル場合ニ関スル規定ニシテ代理人ニ対抗スルニモ尚ホ相手方ニ対シテ追認又ハ拒絶ヲ為スコトヲ必要トセス従テ代理人ニ対抗スルニハ代理人ニ対シテ追認又ハ拒絶ヲ為スヲ以テ足ルモノトス。」
過去問・解説
(H26 共通 第4問 エ)
本人が無権代理人に対して無権代理行為を追認したとしても、相手方がこれを知るまでの間は、本人は、無権代理人に対しても追認の効果を主張することができない。
無権代理行為と相続 最二小判昭和37年4月20日
概要
判例
判旨:「無権代理人が本人を相続した場合においては、自らした無権代理行為につき本人の資格において追認を拒絶する余地を認めるのは信義則に反するから、右無権代理行為は相続と共に当然有効となると解するのが相当であるけれども、本人が無権代理人を相続した場合は、これと同様に論ずることはできない。後者の場合においては、相続人たる本人が被相続人の無権代理行為の追認を拒絶しても、何ら信義に反するところはないから、被相続人の無権代理行為は一般に本人の相続により当然有効となるものではないと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H18 司法 第33問 3)
本人は、無権代理人の地位を単独相続した場合、無権代理行為の追認を拒絶することができる。
(R2 司法 第4問 オ)
Aは、Bの代理人と称して、Cとの間でBの所有する土地をCに売却する旨の売買契約を締結したが、実際にはその契約を締結する代理権を有していなかった。売買契約の締結後にBがAを単独で相続した場合、売買契約は当該相続により当然に有効となるものではない。
無権代理行為と相続 最三小判昭和48年7月3日
概要
判例
判旨:「民法117条による無権代理人の債務が相続の対象となることは明らかであつて、このことは本人が無権代理人を相続した場合でも異ならないから、本人は相続により無権代理人の右債務を承継するのであり、本人として無権代理行為の追認を拒絶できる地位にあつたからといつて右債務を免れることはできないと解すべきである。」
過去問・解説
(H18 司法 第33問 4)
本人は、無権代理人の地位を単独相続した場合、無権代理人の相手方に対する責任を承継する。
無権代理の責任と表見代理の責任 最三小判昭和62年7月7日
概要
判例
判旨:「表見代理の成立が認められ、代理行為の法律効果が本人に及ぶことが裁判上確定された場合には、無権代理人の責任を認める余地がないことは明らかであるが、無権代理人の責任をもつて表見代理が成立しない場合における補充的な責任すなわち表見代理によつては保護を受けることのできない相手方を救済するための制度であると解すべき根拠はなく、右両者は、互いに独立した制度であると解するのが相当である。したがつて、無権代理人の責任の要件と表見代理の要件がともに存在する場合においても、表見代理の主張をすると否とは相手方の自由であると解すべきであるから、相手方は、表見代理の主張をしないで、直ちに無権代理人に対し同法117条の責任を問うことができるものと解するのが相当である(最高裁昭和31年(オ)第629号同33年6月17日第三小法廷判決・民集12巻10号1532頁参照)。そして、表見代理は本来相手方保護のための制度であるから、無権代理人が表見代理の成立要件を主張立証して自己の責任を免れることは、制度本来の趣旨に反するというべきであり、したがつて、右の場合、無権代理人は、表見代理が成立することを抗弁として主張することはできないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H23 共通 第3問 ウ)
無権代理行為の相手方は、表見代理の主張をしないで、無権代理人に対し履行又は損害賠償の請求をすることができるが、これに対し無権代理人は、表見代理の成立を主張してその責任を免れることができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭62.7.7)は、「無権代理人の責任の要件と表見代理の要件がともに存在する場合においても、表見代理の主張をすると否とは相手方の自由であると解すべきであるから、相手方は、表見代理の主張をしないで、直ちに無権代理人に対し同法117条の責任を問うことができるものと解するのが相当である…。」と判示している。したがって、本肢前段は正しい。
もっとも、同判例は、「無権代理人が表見代理の成立要件を主張立証して自己の責任を免れることは、制度本来の趣旨に反するというべきであり、したがつて、…無権代理人は、表見代理が成立することを抗弁として主張することはできないものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、本肢後段は誤っている。
(H29 司法 第5問 オ)
相手方から履行の請求を受けた無権代理人は、表見代理が成立することを理由として無権代理人の責任を免れることはできない。
(R6 司法 第4問 エ)
無権代理人の責任の要件と表見代理の要件が共に存在する場合において、相手方が無権代理人に対し履行又は損害賠償を求めたときは、無権代理人は、表見代理が成立することを主張して無権代理人の責任を免れることができない。
無権代理行為と相続 最三小判昭和63年3月1日
概要
判例
判旨:「無権代理人を本人とともに相続した者がその後更に本人を相続した場合においては、当該相続人は本人の資格で無権代理行為の追認を拒絶する余地はなく、本人が自ら法律行為をしたと同様の法律上の地位ないし効果を生ずるものと解するのが相当である。けだし、無権代理人が本人を相続した場合においては、本人の資格で無権代理行為の追認を拒絶する余地はなく、右のような法律上の地位ないし効果を生ずるものと解すべきものであり(大審院大正15年(オ)第1073号昭和2年3月22日判決・民集6巻106頁、最高裁昭和39年(オ)第1267号同40年6月18日第二小法廷判決・民集19巻4号986頁参照)、このことは、信義則の見地からみても是認すべきものであるところ(最高裁昭和35年(オ)第3号同37年4月20日第二小法廷判決・民集16巻4号955頁参照)、無権代理人を相続した者は、無権代理人の法律上の地位を包括的に承継するのであるから、一旦無権代理人を相続した者が、その後本人を相続した場合においても、この理は同様と解すべきであつて、自らが無権代理行為をしていないからといつて、これを別異に解すべき根拠はなく(大審院昭和16年(オ)第728号同17年2月25日判決・民集21巻164頁参照)、更に、無権代理人を相続した者が本人と本人以外の者であつた場合においても、本人以外の相続人は、共同相続であるとはいえ、無権代理人の地位を包括的に承継していることに変わりはないから、その後の本人の死亡によつて、結局無権代理人の地位を全面的に承継する結果になつた以上は、たとえ、同時に本人の地位を承継したものであるとしても、もはや、本人の資格において追認を拒絶する余地はなく、前記の場合と同じく、本人が自ら法律行為をしたと同様の法律上の地位ないし効果を生ずるものと解するのが相当であるからである。」
無権代理行為と相続 最一小判平成5年1月21日
概要
判例
判旨:「無権代理人が本人を他の相続人と共に共同相続した場合において、無権代理行為を追認する権利は、その性質上相続人全員に不可分的に帰属するところ、無権代理行為の追認は、本人に対して効力を生じていなかった法律行為を本人に対する関係において有効なものにするという効果を生じさせるものであるから、共同相続人全員が共同してこれを行使しない限り、無権代理行為が有効となるものではないと解すべきである。そうすると、他の共同相続人全員が無権代理行為の追認をしている場合に無権代理人が追認を拒絶することは信義則上許されないとしても、他の共同相続人全員の追認がない限り、無権代理行為は、無権代理人の相続分に相当する部分においても、当然に有効となるものではない。」
過去問・解説
(H18 司法 第33問 2)
無権代理人が本人の地位を共同相続した場合、他の共同相続人のだれかが追認をすることに反対すれば、無権代理行為は有効にならない。
(H21 司法 第6問 オ)
無権代理人が本人を共同相続した場合においては、無権代理人の相続分の限度で無権代理行為は当然に有効になる。
(H23 共通 第3問 エ)
無権代理人が本人を代理して第三者の貸金債務につき本人名義で連帯保証契約を締結した後、本人が追認も追認拒絶もしないまま死亡し、無権代理人が他の者と共に本人を相続した場合、他の共同相続人全員の追認がなくても、無権代理人が本人から相続により承継した部分について、無権代理行為は有効となる。
(H26 共通 第4問 オ)
無権代理人が本人を他の相続人と共に共同相続した場合において、他の共同相続人の1人が追認を拒絶したときは、無権代理行為は有効にならない。
(R2 司法 第4問 エ)
Aは、Bの代理人と称して、Cとの間でBの所有する土地をCに売却する旨の売買契約を締結したが、実際にはその契約を締結する代理権を有していなかった。売買契約の締結後にAがDと共にBを相続した場合、Dの追認がない限り、Aの相続分に相当する部分においても、売買契約は当然に有効となるものではない。
無権代理行為と相続 最二小判平成10年7月17日
概要
判例
判旨:「本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合には、その後に無権代理人が本人を相続したとしても、無権代理行為が有効になるものではないと解するのが相当である。けだし、無権代理人がした行為は、本人がその追認をしなければ本人に対してその効力を生ぜず(民法113条1項)、本人が追認を拒絶すれば無権代理行為の効力が本人に及ばないことが確定し、追認拒絶の後は本人であっても追認によって無権代理行為を有効とすることができず、右追認拒絶の後に無権代理人が本人を相続したとしても、右追認拒絶の効果に何ら影響を及ぼすものではないからである。このように解すると、本人が追認拒絶をした後に無権代理人が本人を相続した場合と本人が追認拒絶をする前に無権代理人が本人を相続した場合とで法律効果に相違が生ずることになるが、本人の追認拒絶の有無によって右の相違を生ずることはやむを得ないところであり、相続した無権代理人が本人の追認拒絶の効果を主張することがそれ自体信義則に反するものであるということはできない。」
過去問・解説
(H18 司法 第33問 1)
無権代理人が本人の地位を単独相続した場合、本人が追認を拒絶した後に死亡したときでも、無権代理行為は有効になる。
(H21 司法 第6問 エ)
本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合には、その後無権代理人が本人を相続したとしても、無権代理行為が有効になるものではない。
(H23 共通 第3問 オ)
無権代理人が本人所有の土地に抵当権を設定したため、本人が抵当権設定登記の抹消登記請求訴訟を提起した後死亡し、無権代理人が本人を相続したとしても、無権代理行為は、有効とならない。
(H26 共通 第4問 イ)
本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合であっても、その後に無権代理人が本人を相続したときは、無権代理行為は有効になる。
無権代理行為と転付命令 大判昭和5年3月4日
概要
判例
判旨:「然レトモ追認ハ別段ノ意思表示ナキトキハ契約ノ前ニ遡リテ其ノ效力ヲ生スルモ第三者ノ權利ヲ害スルコトヲ得サルコトハ民法第116條ノ規定スル所ニシテ其ノ第三者ノ權利トハ追認ノ遡及效ニヨリテ侵害セラレ得ヘキ總テノ第三者ノ權利ヲ包含スルモノト解セサル可ラス…Aハ本件賣買代金受領ノ權限ナキニ拘ラス代金ヲ受領シタル處B先代Cハ右代金債權ニ付差押命令竝轉付命令ヲ申請シ該命令ハ大正15年6月6日債務者竝第三債務者ニ送達セラレ其ノ後右Aノ代金受領行爲カ追認セラレタリト云フニ在ルヲ以テ右ノ追認カ遡及效ヲ有スルニ於テハ轉付命令ノ送達ニ依リテ本件代金債權ヲ取得シタルB先代Cノ權利ヲ侵害スヘキコト極メテ明ナルヲ以テ敍上ノ如キ轉付ヲ受ケタル債權者モ亦同條但書ニ所謂第三者ニ該當スルモノト謂ハサル可ラス。」
過去問・解説
(H26 共通 第4問 ア)
本人に代わって弁済を受領する権限がない者が本人の有する債権について本人に代わって弁済を受領した後に、第三者が当該債権を差し押さえて転付命令を得た場合において、その後に本人がその弁済受領行為を追認したときは、当該第三者は、転付命令により当該債権を取得することはできない。
他人の権利を無断で処分した場合における無権代理行為 最二小判昭和37年8月10日
概要
判例
判旨:「或る物件につき、なんら権利を有しない者が、これを自己の権利に属するものとして処分した場合において真実の権利者が後日これを追認したときは、無権代理行為の追認に関する民法116条の類推適用により、処分の時に遡つて効力を生ずるものと解するのを相当とする(大審院昭和10年(オ)第637号同年9月10日云渡判決、民集14巻1717頁参照)。」
過去問・解説
(H18 司法 第14問 ア)
Aがその所有するギター(以下「甲」という。)をBに貸していたところ、無職のCが金に困ってBから甲を盗み、自分の物だと称して友人のDに売却した。Dは、甲がCの所有物だと過失なく信じて、その引渡しを受けた。Aは、CD間の売買契約を追認すれば、Dに代金を請求することができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭37.8.10)は、「或る物件につき、なんら権利を有しない者が、これを自己の権利に属するものとして処分した場合において真実の権利者が後日これを追認したときは、無権代理行為の追認に関する民法116条の類推適用により、処分の時に遡つて効力を生ずる…。」と判示している。したがって、AがCD間の売買契約を追認したときは、当該契約の時に遡って当該契約の効力が生じる。
もっとも、当該契約によりDに代金を請求することができるのは、当該契約の売主であるCである。当該契約の当事者でないAは、当該契約を追認したとしても、Dに対する代金支払請求権を取得するわけではないため、Dに代金を請求することはできない。
(H25 司法 第5問 エ)
AがB所有の動産をBから何らの代理権も与えられていないのにその代理人としてCに売却した場合には、Bがこれを追認すれば、BC間の売買契約は契約時にさかのぼって有効となるが、AがB所有の動産をBに断りなく自分の物としてCに売却した場合には、Bがこれを追認すると、その追認の時に新たにAC間の売買契約が締結されたものとみなされる。
(正答)✕
(解説)
113条1項は、「代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。」と規定し、116条本文は、「追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。」と規定している。したがって、本肢前段は正しい。
もっとも、判例(最判昭37.8.10)は、「或る物件につき、なんら権利を有しない者が、これを自己の権利に属するものとして処分した場合において真実の権利者が後日これを追認したときは、無権代理行為の追認に関する民法116条の類推適用により、処分の時に遡つて効力を生ずる…。」と判示している。したがって、AがB所有の動産をBに断りなく自分の物としてCに売却した場合に、Bがこれを追認すると、当該売買契約は契約時にさかのぼって効力を生ずる。よって、本肢後段は誤っている。
無権代理行為による抵当権設定登記と追認後の無効主張 最二小判昭和42年10月27日
概要
判例
判旨:「本人名義の偽造文書によつて無権代理人が抵当権設定登記手続をし、その旨の登記がされたとしても、本人たる登記義務者において、その抵当権設定行為を追認したことにより、右抵当権の設定登記の記載が実体上の権利関係と符合するようになつたときには、その結果、右登記義務者は、その登記をすることを拒みうるような事情がなくなつたものというべきであつて、その抵当権の設定登記の無効を主張することができないと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H29 司法 第7問 ウ)
Aは、Bから代理権を与えられていないのに、Bの代理人として、Cとの間で、B所有の甲土地にCの債権を担保するための抵当権設定契約を締結し、その旨の登記がされた。判例の趣旨に照らすと、この場合において、Bがその抵当権設定契約を追認したときは、Bは、Cに対し、その抵当権設定の登記の無効を主張することはできない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭42.10.27)は、「本人名義の偽造文書によつて無権代理人が抵当権設定登記手続をし、その旨の登記がされたとしても、本人たる登記義務者において、その抵当権設定行為を追認したことにより、右抵当権の設定登記の記載が実体上の権利関係と符合するようになつたときには、その結果、右登記義務者は、その登記をすることを拒みうるような事情がなくなつたものというべきであつて、その抵当権の設定登記の無効を主張することができないと解するのが相当である。」と判示している。したがって、Bが、無権代理人Aがした甲土地にCの債権を担保するための抵当権設定契約を追認したときは、Bは、Cに対し、その抵当権設定の登記の無効を主張することはできない。