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債権総論(債権譲渡 466条~469条) - 解答モード
譲渡禁止の特約と善意の第三者 大判昭和13年5月14日
概要
判例
判旨:「AカB等ニ対シテ有シタル本件消費貸借上ノ債権ニ付テハ当事者間ニ譲渡禁止ノ特約アリテC(第一審原告)ハ右ノ特約ノ存在ヲ知リ乍ラAヨリ該債権ノ譲渡ヲ受ケD(参加人)ハ該譲渡禁止ノ特約ヲ知ラス善意ニテ該債権ヲCヨリ更ニ譲受ケタルモノニシテ右各譲渡ニ付夫々譲渡人ヨリ債務者タルB等ニ其ノ旨ノ通知ヲ為シタルモノナリ然ラハB等ハ債務者トシテ第一譲受人タルCニ対シテハ前示譲渡禁止ノ特約ニ基キ本件債権ノ譲渡ノ無効ヲ主張シ得ルモCヨリ更ニ該債権ノ譲渡ヲ受ケタル第二ノ譲受人タルDハ右譲渡禁止ノ特約ヲ知ラサル善意者ナルヲ以テB等ハ右特約ノ存在ヲDニ対抗スルコトヲ得ス。」
過去問・解説
(R4 共通 第20問 ウ)
Cが譲渡禁止の特約の存在を知りながら債権甲を譲り受け、その後Dにこれを譲渡した場合において、Dがその特約の存在について善意無重過失であったときは、Bは、Dに対し、譲渡禁止を理由として債務の履行を拒むことができない。
債権譲渡の承諾の相手方 大判大正6年10月2日
概要
判例
判旨:「民法第467条第1項ニ所謂承諾トハ債権譲渡ノ事実ヲ承認スルノ義ニシテ同条ニ定ムル債権譲渡ノ対抗要件ヲ具備スル為メニハ債務者カ譲渡ノ事実ヲ譲渡人又ハ譲受人ニ対シテ承認スルヲ以テ足レリトスル法意ナリトス蓋同条ノ規定ニ於テ債務者ノ承諾ヲ以テ譲渡人ノ債務者ニ対スル通知ト等シク債権譲渡ノ対抗要件ト為シタルハ畢竟債務者カ債権譲渡ノ事実ヲ了知スルコトヲ明確ニスルヲ主眼トシ之ニ依リテ債務者其他ノ第三者カ債権ノ譲渡ニ因リ被ルコトアルヘキ不測ノ損害ヲ防カンカ為メニ外ナラスシテ債権譲渡ノ事実ニ付キ債務者カ譲渡ノ当事者中ノ何レニ対シテ承認ヲ為スモ其事実ヲ了知スルコト明確ニシテ不測ノ損害ヲ被ムル虞ナキコトハ譲渡人カ其事実ヲ債務者ニ通知スル場合ト異ナルコトナケレハナリ而シテ同法第468条第1項ニハ債務者カ異議ヲ留メスシテ前条ノ承諾ヲ為シタルトキハ譲渡人ニ対抗スルコトヲ得ヘカリシ事由アルモ之ヲ以テ譲受人ニ対抗スルコトヲ得ス云云トアルニ由テ之ヲ観レハ其承諾ハ前条ニ定ムル承諾ノ場合ノ中殊ニ債務者カ譲受人ニ対シテ承認ヲ為シタル場合ヲ謂ヘルモノニシテ即チ同条ハ債権譲渡ノ事実ニ付キ債務者カ譲受人ニ対シ異議ヲ留メスシテ承認ヲ為シタルトキハ之ニ因リ債務ノ承認ニ等シキ効果ヲ生セシムル趣旨ヲ以テ特ニ規定シタルモノト解スヘク前条ニ定ムル債権譲渡ノ対抗要件トシテハ所謂債務者ノ承諾ハ前ニ説示シタルカ如ク債権譲渡ノ事実ヲ譲渡人ニ対シテ承認スルモ又譲受人ニ対シテ承認スルモ共ニ其要件ヲ充タスニ足ルモノト解スルヲ相当トス。」
過去問・解説
(H21 司法 第20問 2)
債務者が譲渡人又は譲受人のいずれかに対して債権譲渡を承諾した場合、譲受人は、その譲渡を債務者に対抗することができる。
二重譲渡と債権譲渡の通知 大連判大正8年3月28日
概要
判例
判旨:「指名債権ニ付キテ譲渡契約アリタルトキハ契約当事者間ニ於テハ譲受人ハ特約ナキ限リ契約ト同時ニ其債権ヲ取得スト雖モ之ヲ以テ債務者其他ノ第三者ニ対抗スルニハ民法第467条所定ノ手続ヲ履践セサルヘカラス而シテ同条ハ譲受人カ其債権ヲ債務者ニ対抗スルニハ譲渡人ヨリ債務者ニ対シ債権譲渡ノ事実ヲ通知シ又ハ債務者カ之ヲ承諾シタルコトヲ要シ更ニ其債権ヲ債務者以外ノ第三者ニ対抗スルニハ叙上ノ通知又ハ承諾カ確定日附アル証書ニ依テ行ハルルコトヲ要スル旨規定シタルノミニシテ指名債権者カ其債権ヲ第三者ニ譲渡シ債務者ニ対スル債権譲渡ノ通知又ハ其承諾カ確定日附アル証書ニ依ラスシテ行ハレタル後更ニ同一債権ヲ他ノ第三者ニ譲渡シ確定日附アル証書ヲ以テ債権譲渡ノ事実ヲ通知シタル場合ニ於テ真正ノ債権者ハ第1ノ譲受人ナリヤ将タ第2ノ譲受人ナリヤニ付キテハ直接ニ之ヲ明定セスト雖モ同条ノ法意ヲ審究スルニ第1ノ譲受人ハ同条第1項ノ規定ニ依レハ其債権ヲ債務者ニ対抗スルコトヲ得ルモノノ如シト雖モ同条第2項ノ規定ニ依リ第2ノ譲受人ニ対抗スルコトヲ得サル結果トシテ債務者ニモ其債権ヲ対抗スルコトヲ得サルニ至ル詳言スレハ第2ノ譲受人ハ確定日附アル証書ヲ以テ債権譲渡ノ事実ヲ債務者ニ通知シタルカ故ニ同条第2項ノ規定ニ依リ爾後其債権ヲ以テ第1ノ譲受人ニ対抗スルコトヲ得ヘク其結果トシテ第1ノ譲受人ハ其債権ヲ債務者ニ対抗スルヲ得スシテ其一旦取得シタル債権モ取得セサルコトト為リ第二ノ譲受人ハ唯一ノ債権者ト為ルニ至ルモノト解スルヲ相当トス。」
過去問・解説
(H25 共通 第19問 ウ)
債権者Aは債務者Bに対して有する甲債権をCとDに二重譲渡した。Cに対する債権譲渡を「第1譲渡」といい、Dに対する債権譲渡を「第2譲渡」という。Aが第1譲渡については確定日付のある証書によって通知をしてこれがBに到達し、第2譲渡については確定日付のある証書によらずに通知をしてこれがBに到達した場合には、これらの通知の到達後に、BがDに対して弁済をすれば、甲債権はこれによって消滅する。
(正答)✕
(解説)
判例(大連判大8.3.28)は、債権の二重譲渡が行われた場合において、467条1項の債務者対抗要件を具備したとにとどまる譲受人と、同条2項の第三者対抗要件を具備した譲受人とでは、同条2項の第三者対抗要件を具備した譲受人が優先することとなり、唯一の債権者となる旨判示している。本肢においては、Aが第1譲渡については確定日付のある証書によって通知をしてこれがBに到達し、第2譲渡については確定日付のある証書によらずに通知をしてこれがBに到達したのであるから、467条2項の第三者対抗要件を具備しているCが優先し、Cが甲債権の債権者となる。そうすると、第1譲渡、第2譲渡についての通知の到達後に、BがDに対して弁済をしたとしても、債権者に対する有効な弁済ではないため、甲債権はこれによって消滅しない。
(H29 共通 第19問 エ)
債権が二重に譲渡され、第1の債権譲渡について譲渡人が債務者に対して確定日付のある証書によらずに通知をした後に、第2の債権譲渡について譲渡人が債務者に対して確定日付のある証書による通知をした場合、第1の譲受人は債権の取得を債務者にも対抗することができない。
保証が付された債権の譲渡と対抗要件 最三小判昭和45年4月21日
概要
判例
判旨:「一般に保証債権は、主たる債権を担保する目的上附従性を有し、主たる債権の移転に随伴する性質をもつものであるから、主たる債権の移転とともに移転し、主たる債権の譲渡について対抗要件が具備された場合には、主たる債権を取得した者は、保証債権の譲渡につき別段の対抗要件たる手続を履践することなく、保証債務の履行を求めることができると解するのが相当である(大判明治38年(オ)第542号同39年3月3日民録12輯435頁、明治39年(オ)第470号同40年4月11日民録13輯421頁、明治42年(オ)第145号同42年6月29日民録15輯640頁、大正元年(オ)第114号同年12月27日民録18輯1114頁、大正3年(オ)第117号同年5月30日民録20輯430頁、大正6年(オ)第467号同年7月2日民録23輯1265頁参照)。」
過去問・解説
(H30 共通 第18問 ア)
保証が付された債権が譲渡された場合においては、譲渡人から主たる債務者に対して債権譲渡の通知をすれば、保証人に対して通知をしなくても、譲受人は保証人に対して保証債務の履行を請求することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭45.4.21)は、「一般に保証債権は、主たる債権を担保する目的上附従性を有し、主たる債権の移転に随伴する性質をもつものであるから、主たる債権の移転とともに移転し、主たる債権の譲渡について対抗要件が具備された場合には、主たる債権を取得した者は、保証債権の譲渡につき別段の対抗要件たる手続を履践することなく、保証債務の履行を求めることができると解するのが相当である…。」と判示している。したがって、保証が付された債権が譲渡された場合においては、譲渡人から主たる債務者に対して債権譲渡の通知をすれば、保証人に対して通知をしなくても、譲受人は保証人に対して保証債務の履行を請求することができる。
二重譲渡と債権譲渡の通知 最一小判昭和49年3月7日
概要
判例
判旨:「思うに、民法467条1項が、債権譲渡につき、債務者の承諾と並んで債務者に対する譲渡の通知をもつて、債務者のみならず債務者以外の第三者に対する関係においても対抗要件としたのは、債権を譲り受けようとする第三者は、先ず債務者に対し債権の存否ないしはその帰属を確かめ、債務者は、当該債権が既に譲渡されていたとしても、譲渡の通知を受けないか又はその承諾をしていないかぎり、第三者に対し債権の帰属に変動のないことを表示するのが通常であり、第三者はかかる債務者の表示を信頼してその債権を譲り受けることがあるという事情の存することによるものである。このように、民法の規定する債権譲渡についての対抗要件制度は、当該債権の債務者の債権譲渡の有無についての認識を通じ、右債務者によってそれが第三者に表示されうるものであることを根幹として成立しているものというべきである。そして、同条2項が、右通知又は承諾が第三者に対する対抗要件たり得るためには、確定日附ある証書をもつてすることを必要としている趣旨は、債務者が第三者に対し債権譲渡のないことを表示したため、第三者がこれに信頼してその債権を譲り受けたのちに譲渡人たる旧債権者が、債権を他に二重に譲渡し債務者と通謀して譲渡の通知又はその承諾のあつた日時を遡らしめる等作為して、右第三者の権利を害するに至ることを可及的に防止することにあるものと解すべきであるから、前示のような同条1項所定の債権譲渡についての対抗要件制度の構造になんらの変更を加えるものではないのである。
右のような民法467条の対抗要件制度の構造に鑑みれば、債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互の間の優劣は、通知又は承諾に付された確定日附の先後によって定めるべきではなく、確定日附のある通知が債務者に到達した日時又は確定日附のある債務者の承諾の日時の先後によって決すべきであり、また、確定日附は通知又は承諾そのものにつき必要であると解すべきである。」
過去問・解説
(R1 司法 第18問 5)
債権が二重に譲渡され、第1の債権譲渡について確定日付のある証書による通知が債務者に到達した後、第2の債権譲渡について確定日付のある証書による通知が債務者に到達した場合、第1の債権譲渡の確定日付が第2の債権譲渡の確定日付に後れるときは、第1の債権譲渡の譲受人は、債権の取得を第2の債権譲渡の譲受人に対抗することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭49.3.7)は、「譲受人相互の間の優劣は、通知又は承諾に付された確定日附の先後によって定めるべきではなく、確定日附のある通知が債務者に到達した日時又は確定日附のある債務者の承諾の日時の先後によって決すべきであ…る。」と判示している。本肢においては、第1の債権譲渡について確定日付のある証書による通知が債務者に到達した後、第2の債権譲渡について確定日付のある証書による通知が債務者に到達しているから、第1の債権譲渡の譲受人が優先する。したがって、第1の債権譲渡の確定日付が第2の債権譲渡の確定日付に後れるときであっても、第1の債権譲渡の譲受人は、債権の取得を第2の債権譲渡の譲受人に対抗することができる。
指名債権が二重に譲渡され確定日付のある各譲渡通知が同時に債務者に到達した場合における譲受人の1人からする弁済請求 最三小判昭和55年1月11日
概要
判例
判旨:「指名債権が二重に譲渡され、確定日付のある各譲渡通知が同時に第三債務者に到達したときは、各譲受人は、第三債務者に対しそれぞれの譲受債権についてその全額の弁済を請求することができ、譲受人の1人から弁済の請求を受けた第三債務者は、他の譲受人に対する弁済その他の債務消滅事由がない限り、単に同順位の譲受人が他に存在することを理由として弁済の責めを免れることはできないもの、と解するのが相当である。」
過去問・解説
(H23 司法 第20問 2)
指名債権が二重に譲渡され、各譲渡についての確定日付のある証書による通知が同時に債務者に到達したときは、各譲受人は、債務者に対し、それぞれ譲受債権全額の弁済を請求することができる。
(H25 共通 第19問 エ)
債権者Aは債務者Bに対して有する甲債権をCとDに二重譲渡した。Cに対する債権譲渡を「第1譲渡」といい、Dに対する債権譲渡を「第2譲渡」という。第1譲渡及び第2譲渡のいずれについても、Aが確定日付のある証書によって通知をし、これらの通知が同時にBに到達した場合には、Bは、Dからの請求に応じなくても債務不履行責任を負うことはない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭55.1.11)は、「指名債権が二重に譲渡され、確定日付のある各譲渡通知が同時に第三債務者に到達したときは、各譲受人は、第三債務者に対しそれぞれの譲受債権についてその全額の弁済を請求することができ、譲受人の1人から弁済の請求を受けた第三債務者は、他の譲受人に対する弁済その他の債務消滅事由がない限り、単に同順位の譲受人が他に存在することを理由として弁済の責めを免れることはできないもの、と解するのが相当である。」と判示している。本肢においては、第1譲渡及び第2譲渡のいずれについても、Aが確定日付のある証書によって通知をし、これらの通知が同時にBに到達しているから、譲受人の1人であるDから弁済の請求を受けた第三債務者Bは、弁済の責任を免れることはできない。したがって、Bは、Dからの請求に応じない場合には、債務不履行責任を負う。
(H25 共通 第19問 オ)
債権者Aは債務者Bに対して有する甲債権をCとDに二重譲渡した。Cに対する債権譲渡を「第1譲渡」といい、Dに対する債権譲渡を「第2譲渡」という。第1譲渡及び第2譲渡のいずれについても、Aが確定日付のある証書によって通知をし、これらの通知が同時にBに到達した後に、BがCに対して弁済をすれば、甲債権はこれによって消滅する。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭55.1.11)は、「指名債権が二重に譲渡され、確定日付のある各譲渡通知が同時に第三債務者に到達したときは、各譲受人は、第三債務者に対しそれぞれの譲受債権についてその全額の弁済を請求することができ、譲受人の1人から弁済の請求を受けた第三債務者は、他の譲受人に対する弁済その他の債務消滅事由がない限り、単に同順位の譲受人が他に存在することを理由として弁済の責めを免れることはできないもの、と解するのが相当である。」と判示している。本肢においては、第1譲渡及び第2譲渡のいずれについても、Aが確定日付のある証書によって通知をし、これらの通知が同時にBに到達しているから、CとDはいずれもそれぞれの譲受債権についてその全額の弁済を請求することができる地位にある。したがって、その後BがCに対して弁済をすれば、甲債権はこれによって消滅する。
(H29 共通 第19問 オ)
債権が二重に譲渡され、確定日付のある証書による通知が同時に債務者に到達したときは、譲受人の1人から弁済の請求を受けた債務者は、同順位の譲受人が他に存在することを理由として弁済の責任を免れることができる。
債権譲渡の通知と債務者の主張立証責任 最三小判昭和56年10月13日
概要
判例
判旨:「民法467条1項所定の通知又は承諾は、債権の譲受人が債務者に対して債権を行使するための積極的な要件ではなく、債務者において通知又は承諾の欠けていることを主張して譲受人の債権行使を阻止することができるにすぎないものと解するのが相当である…。」
過去問・解説
(H22 司法 第19問 オ)
債権の譲受人が債務者に対して譲受債権の履行を請求してきたときに、債務者がこれを拒むためには、債権譲渡の通知がなくその承諾もないことを主張立証する必要はない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭56.10.13)は、「民法467条1項所定の通知又は承諾は、債権の譲受人が債務者に対して債権を行使するための積極的な要件ではなく、債務者において通知又は承諾の欠けていることを主張して譲受人の債権行使を阻止することができるにすぎないものと解するのが相当である…。」と判示している。この判例は、債務者が債権の履行を拒むためには、債権譲渡の通知又は承諾があるまでは譲受人を債権者と認めない旨の権利主張をすれば足り、債務者からこの権利主張がされた場合において、再抗弁として、債権譲渡の通知又は承諾の存在を主張立証する責任を、債権の譲受人が負うものと理解している。したがって、債権の譲受人が債務者に対して譲受債権の履行を請求してきたときに、債務者がこれを拒むためには、債権譲渡の通知がなくその承諾もないことを主張立証する必要はない。
債権の譲受人と同一債権に対し債権差押命令及び転付命令を得た者との間の優劣の基準 最三小判昭和58年10月4日
概要
判例
判旨:「債権の譲受人と同一債権に対し仮差押命令の執行をした者との間の優劣は、確定日付のある譲渡通知が債務者に到達した日時又は確定日付のある債務者の承諾の日時と仮差押命令が第三債務者に送達された日時の先後によって決すべきものであることは当裁判所の判例とするところ(最高裁昭和47年(オ)第596号同49年3月7日第一小法廷判決・民集28巻2号174頁)、この理は、本件におけるように債権の譲受人と同一債権に対し債権差押・転付命令の執行をした者との間の優劣を決する場合においても、なんら異なるものではないと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H24 司法 第21問 3)
同一の債権に対する債権譲渡と債権差押えとの間の優劣は、債権譲渡についての第三者対抗要件が具備された時と債権差押命令が当該債権の債務者に送達された時の先後で決する。
債権が発生する可能性の程度と債権譲渡契約の効力 最三小判平成11年1月29日
概要
判例
判旨:「将来発生すべき債権を目的とする債権譲渡契約にあっては、契約当事者は、譲渡の目的とされる債権の発生の基礎を成す事情をしんしゃくし、右事情の下における債権発生の可能性の程度を考慮した上、右債権が見込みどおり発生しなかった場合に譲受人に生ずる不利益については譲渡人の契約上の責任の追及により清算することとして、契約を締結するものと見るべきであるから、右契約の締結時において右債権発生の可能性が低かったことは、右契約の効力を当然に左右するものではないと解するのが相当である。」
過去問・解説
(R1 司法 第18問 2)
将来発生すべき債権を目的とする債権譲渡契約は、その締結時において目的債権の発生が確実に期待されるものでなければ、効力を生じない。
指名債権譲渡の予約についての確定日付のある証書による債務者に対する通知又は債務者の承諾をもって予約の完結による債権譲渡の効力を第三者に対抗することの可否 最三小判平成13年11月27日
概要
判例
判旨:「民法467条の規定する指名債権譲渡についての債務者以外の第三者に対する対抗要件の制度は、債務者が債権譲渡により債権の帰属に変更が生じた事実を認識することを通じ、これが債務者によって第三者に表示され得るものであることを根幹として成立しているところ(最高裁昭和47年(オ)第596号同49年3月7日第一小法廷判決・民集28巻2号174頁参照)、指名債権譲渡の予約につき確定日付のある証書により債務者に対する通知又はその承諾がされても、債務者は、これによって予約完結権の行使により当該債権の帰属が将来変更される可能性を了知するに止まり、当該債権の帰属に変更が生じた事実を認識するものではないから、上記予約の完結による債権譲渡の効力は、当該予約についてされた上記の通知又は承諾をもって、第三者に対抗することはできないと解すべきである。」
過去問・解説
(H23 司法 第20問 1)
指名債権譲渡の予約につき確定日付のある証書により債務者に対して通知がされていれば、その予約が完結された時に、譲受人は、債権譲渡の効力を第三者に対抗することができることになる。
(R1 司法 第18問 1)
債権譲渡の予約について確定日付のある証書による債務者の承諾がされても、予約の完結による債権譲渡の効力は、その承諾をもって第三者に対抗することができない。
譲渡禁止特約のある債権と質権の設定 大判大正13年6月12日
概要
判例
判旨:「債権譲渡禁止ノ特約ハ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得サルヲ以テ譲渡禁止ノ特約アル債権ヲ以テ質権ノ目的ト為シタル場合ニ於テ質権者ノ意思ノ善悪ハ該質権ノ効力ノ有無ニ影響アルコト勿論ナリ。」
過去問・解説
(R6 司法 第15問 イ)
AはBに対して貸金債権甲を有する。AとBが甲の質入れを禁止する旨を合意していた場合において、悪意のCがAから甲を目的とする質権の設定を受けたときは、質権の設定は、その効力を生じない。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大13.6.12)は、譲渡禁止特約が付されている債権を目的とする質権の設定を受けた者が、当該債権に譲渡禁止特約が付されていることを知っていた場合には、当該債権の債務者は、質権者に対して、債権譲渡の無効を主張することができる旨判示している。もっとも、この判例は、改正前民法下においての判例であり、改正民法下における466条2項は、「当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」と規定し、譲渡禁止特約付債権も自由に譲渡をすることができるとしている。
その上で、改正民法下における同条3項は、「前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ…る。」と規定し、譲渡制限につき悪意重過失であっても、債権譲渡の効力自体は生じ、ただ、これを債務者に対して対抗することができないとしている。したがって、AとBが甲の質入れを禁止する旨を合意していた場合において、悪意のCがAから甲を目的とする質権の設定を受けたときであっても、質権の設定は、その効力を生じるといえ、ただ、Bは、Cからの履行の請求を拒めるに過ぎないといえる。