現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

弁済(弁済による代位 499条~504条) - 解答モード

保証と弁済による代位 最三小判昭和59年5月29日

ノートページ表示
概要
①代位弁済者が弁済による代位によって取得した担保権を実行する場合において、その被担保債権として扱うべきものは、原債権である。
②保証人と物上保証人との間に501条所定の代位の割合と異なる特約がある場合には、代位弁済をした当該保証人は、物上保証人の後順位担保権者等の利害関係人に対する関係において、当該特約の割合に応じて債権者が物上保証人に対して有していた抵当権等の担保権を代位行使することができる。
判例
事案:①代位弁済者が弁済による代位によつて取得した担保権を実行する場合において、その被担保債権として扱うべきものは、原債権であるか保証人の債務者に対する求償権であるかが問題となった。
 ②保証人と物上保証人との間に成立した501条所定の代位の割合と異なる特約がある場合において、当該保証人が代位弁済をした際の代位の範囲が問題となった。

判旨:①「弁済による代位の制度は、代位弁済者が債務者に対して取得する求償権を確保するために、法の規定により弁済によつて消滅すべきはずの債権者の債務者に対する債権(以下「原債権」という。)及びその担保権を代位弁済者に移転させ、代位弁済者がその求償権の範囲内で原債権及びその担保権を行使することを認める制度であり、したがつて、代位弁済者が弁済による代位によつて取得した担保権を実行する場合において、その被担保債権として扱うべきものは、原債権であつて、保証人の債務者に対する求償権でないことはいうまでもない。」
 ②「民法501条は、その本文において弁済による代位の効果を定め、その但書各号において代位者相互間の優劣ないし代位の割合などを定めている。弁済による代位の制度は、すでに説示したとおり、その効果として、債権者の有していた原債権及びその担保権をそのまま代位弁済者に移転させるのであり、決してそれ以上の権利を移転させるなどして右の原債権及びその担保権の内容に変動をもたらすものではないのであつて、代位弁済者はその求償権の範囲内で右の移転を受けた原債権及びその担保権自体を行使するにすぎないのであるから、弁済による代位が生ずることによつて、物上保証人所有の担保不動産について右の原債権を担保する根抵当権等の担保権の存在を前提として抵当権等の担保権その他の権利関係を設定した利害関係人に対し、その権利を侵害するなどの不当な影響を及ぼすことはありえず、それゆえ、代位弁済者は、代位によつて原債権を担保する根抵当権等の担保権を取得することについて、右の利害関係人との間で物権的な対抗問題を生ずる関係に立つことはないというべきである。そして、同条但書5号は、右のような代位の効果を前提として、物上保証人及び保証人相互間において、先に代位弁済した者が不当な利益を得たり、代位弁済が際限なく循環して行われたりする事態の生ずることを避けるため、右の代位者相互間における代位の割合を定めるなど一定の制限を設けているのであるが、その窮極の趣旨・目的とするところは代位者相互間の利害を公平かつ合理的に調節することにあるものというべきであるから、物上保証人及び保証人が代位の割合について同号の定める割合と異なる特約をし、これによつてみずからその間の利害を具体的に調節している場合にまで、同号の定める割合によらなければならないものと解すべき理由はなく、同号が保証人と物上保証人の代位についてその頭数ないし担保不動産の価格の割合によつて代位するものと規定しているのは、特約その他の特別な事情がない一般的な場合について規定しているにすぎず、同号はいわゆる補充規定であると解するのが相当である。したがつて、物上保証人との間で同号の定める割合と異なる特約をした保証人は、後順位抵当権者等の利害関係人に対しても右特約の効力を主張することができ、その求償権の範囲内で右特約の割合に応じ抵当権等の担保権を行使することができるものというべきである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 50.0%

(H19 司法 第20問 ウ)
代位弁済者が弁済による代位によって取得した担保権を実行する場合において、その被担保債権は、代位弁済者の債務者に対する求償権である。

(正答)

(解説)
判例(最判昭59.5.29)は、「代位弁済者が弁済による代位によつて取得した担保権を実行する場合において、その被担保債権として扱うべきものは、原債権であつて、保証人の債務者に対する求償権でないことはいうまでもない。」と判示している。


全体の正答率 : 50.0%

(R2 司法 第19問 ウ)
保証人Aと物上保証人Bとの間で、Aが自己の弁済した全額につき債権者に代位することができる旨の特約をした場合において、弁済をしたAが債権者に代位してB所有の不動産上の第1順位の抵当権を行使するときは、Aはその特約の効力を当該不動産の後順位抵当権者に主張することはできない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭59.5.29)は、保証人と物上保証人との間に501条所定の代位の割合と異なる特約がある場合には、代位弁済をした当該保証人は、物上保証人の後順位担保権者等の利害関係人に対する関係において、当該特約の割合に応じて債権者が物上保証人に対して有していた抵当権等の担保権を代位行使することができる旨判示している。したがって、保証人Aと物上保証人Bとの間で、Aが自己の弁済した全額につき債権者に代位することができる旨の特約をした場合において、弁済をしたAが債権者に代位してB所有の不動産上の第1順位の抵当権を行使するときは、Aはその特約の効力を当該不動産の後順位抵当権者に主張することができる。

該当する過去問がありません

弁済による代位と原債権と求償権の関係 最三小判昭和60年1月22日

ノートページ表示
概要
弁済による代位が生じた場合、弁済者が代位により取得する担保権の被担保債権は、求償権ではなく原債権である。
判例
事案:弁済による代位が生じた場合に、弁済者が代位により取得する担保権の被担保債権が、原債権又は求償権のいずれかが問題となった。

判旨:「民法501条の定める弁済による代位は、代位弁済者が債務者に対して取得する求償権を確保するために、債権者の債務者に対する貸金等の債権(以下「原債権」という。)及び債務者ないし物上保証人に対するその担保権を消滅させずに、その全部又は一部を代位弁済者に当然に移転させ、代位弁済者がその求償権の範囲内で右の原債権及び担保権を行使することを認めるものである。したがつて、代位弁済した保証人は、当該担保権が根抵当権の場合においては、民法501条本文の規定により債権者が債務者又は物上保証人に対し有していた根抵当権を行使することができるが、弁済による代位があっても、右根抵当権の被担保権が保証人の債務者に対する求償権に変更されるものではなく、右根抵当権は従来どおり原債権を担保することに変わりはないから、担保不動産の競売手続において保証人が優先弁済を受けるのは、右の原債権であつて、債務者に対する求償権ではない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 50.0%

(H25 予備 第10問 2)
弁済による代位が生じた場合、弁済者が代位により取得する担保権の被担保債権は、求償権ではなく原債権である。

(正答)

(解説)
判例(最判昭60.1.22)は、「代位弁済した保証人は、当該担保権が根抵当権の場合においては、民法501条本文の規定により債権者が債務者又は物上保証人に対し有していた根抵当権を行使することができるが、弁済による代位があっても、右根抵当権の被担保権が保証人の債務者に対する求償権に変更されるものではなく、右根抵当権は従来どおり原債権を担保することに変わりはないから、担保不動産の競売手続において保証人が優先弁済を受けるのは、右の原債権であって、債務者に対する求償権ではない。」と判示している。

該当する過去問がありません

代位弁済と償権の成立及びその内容に関する主張立証責任 最一小判昭和61年2月20日

ノートページ表示
概要
代位弁済者が、原債権及び担保権を行使して訴訟においてその給付又は確認を請求する場合には、それによって確保されるべき求償権の成立、債権の内容を主張立証しなければならない。
判例
事案:代位弁済者が、原債権及び担保権を行使して訴訟においてその給付又は確認を請求する場合において、それによって確保されるべき求償権の成立、債権の内容の主張立証責任を負うかが問題となった。

判旨:「弁済による代位の制度は、代位弁済者の債務者に対する求償権を確保することを目的として、弁済によって消滅するはずの債権者の債務者に対する債権(以下「原債権」という。)及びその担保権を代位弁済者に移転させ、代位弁済者がその求償権を有する限度で右の原債権及びその担保権を行使することを認めるものである。それゆえ、代位弁済者が代位取得した原債権と求償権とは、元本額、弁済期、利息・遅延損害金の有無・割合を異にすることにより総債権額が各別に変動し、債権としての性質に差違があることにより別個に消滅時効にかかるなど、別異の債権ではあるが、代位弁済者に移転した原債権及びその担保権は、求償権を確保することを目的として存在する附従的な性質を有し、求償権が消滅したときはこれによって当然に消滅し、その行使は求償権の存する限度によって制約されるなど、求償権の存在、その債権額と離れ、これと独立してその行使が認められるものではない。したがつて、代位弁済者が原債権及び担保権を行使して訴訟においてその給付又は確認を請求する場合には、それによって確保されるべき求償権の成立、債権の内容を主張立証しなければなら…ないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 50.0%

(H19 司法 第20問 エ)
代位弁済をした保証人が原債権を行使してその給付を請求する場合には、保証人は、主たる債務者に対する求償権の成立及びその内容について主張立証することを要しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭61.2.20)は、「代位弁済者が原債権及び担保権を行使して訴訟においてその給付又は確認を請求する場合には、それによって確保されるべき求償権の成立、債権の内容を主張立証しなければなら…ないものと解するのが相当である。」と判示している。

該当する過去問がありません

遅延損害金の代位の範囲 最三小判昭和59年5月29日

ノートページ表示
概要
保証人と債務者との間に求償権について法定利息と異なる約定利率による遅延損害金を支払う旨の特約がある場合には、代位弁済をした保証人は、物上保証人及び当該物件の後順位担保権者等の利害関係人に対する関係において、債権者の有していた債権及び担保権につき、特約に基づく遅延損害金を含む求償権の総額を上限として、求償権を行使することができる。
判例
事案:保証人と債務者との間に求償権について法定利息と異なる約定利率による遅延損害金を支払う旨の特約がある場合において、代位弁済をした保証人が、債権者の有していた債権及び担保権につき、いかなる範囲で代位をすることができるのかが問題となった。

判旨:「債務者から委託を受けた保証人が債務者に対して取得する求償権の内容については、民法459条2項によって準用される同法442条2項は、これを代位弁済額のほかこれに対する弁済の日以後の法定利息等とする旨を定めているが、右の規定は、任意規定であって、保証人と債務者との間で右の法定利息に代えて法定利率と異なる約定利率による代位弁済の日の翌日以後の遅延損害金を支払う旨の特約をすることを禁ずるものではない。また、弁済による代位の制度は保証人と債務者との右のような特約の効力を制限する性質を当然に有すると解する根拠もない。けだし、単に右のような特約の効力を制限する明文がないというのみならず、当該担保権が根抵当権の場合においては、根抵当権はその極度額の範囲内で原債権を担保することに変わりはなく、保証人と債務者が約定利率による遅延損害金を支払う旨の特約によって求償権の総額を増大させても、保証人が代位によって行使できる根抵当権の範囲は右の極度額及び原債権の残存額によって限定されるのであり、また、原債権の遅延損害金の利率が変更されるわけでもなく、いずれにしても、右の特約は、担保不動産の物的負担を増大させることにはならず、物上保証人に対しても、後順位の抵当権者その他の利害関係人に対しても、なんら不当な影響を及ぼすものではないからである。そして、保証人と右の利害関係人とが保証人と債務者との間で求償権の内容についてされた特約の効力に関して物権変動の対抗問題を生ずるような関係に立つものでないことは、右に説示したところから明らかであり、保証人は右の特約を登記しなければこれをもつて右の利害関係人に対抗することができない関係にあるわけでもない(法がそのような特約を登記する方法を現に講じていないのも、そのゆえであると解される。)。以上のとおりであるから、保証人が代位によって行使できる原債権の額の上限は、これらの利害関係人に対する関係において、約定利率による遅延損害金を含んだ求償権の総額によって画されるものというべきである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 50.0%

(H23 司法 第22問 オ)
保証人が債権者に弁済をした場合、債務者との間であらかじめ求償権につき法定利率を超える利率による遅延損害金を支払う特約をしていたとしても、当該債務者の物上保証人との関係においては、保証人が取得した求償権についての遅延損害金は、法定利率の範囲に限定される。

(正答)

(解説)
判例(最判昭59.5.29)は、保証人と債務者との間に求償権について法定利息と異なる約定利率による遅延損害金を支払う旨の特約がある場合には、代位弁済をした保証人は、物上保証人に対する関係において、債権者の有していた債権及び担保権につき、特約に基づく遅延損害金を含む求償権の総額を上限として、これを行使することができる旨判示している。したがって、本肢においても、保証人が取得した求償権についての遅延損害金は、法定利率の範囲に限定されず、債権者の有していた債権及び担保権につき、特約に基づく遅延損害金を含む求償権の総額を上限として、これを行使することができる。

該当する過去問がありません

保証人・物上保証人の両資格を兼ねる者と弁済による代位の割合 最一小判昭和61年11月27日

ノートページ表示
概要
複数の保証人及び物上保証人の中に二重の資格をもつ者が含まれる場合における代位の割合は、二重の資格をもつ者も1人と扱い、全員の頭数に応じた平等の割合とする。
判例
事案:複数の保証人及び物上保証人の中に二重の資格をもつ者が含まれる場合における代位の割合を算定するにあたって、二重の資格を持つものを1人として扱うか、2人として扱うかが問題となった。

判旨:「民法501条但書4号、5号の規定は、保証人又は物上保証人が複数存在する場合における弁済による代位に関し、右代位者相互間の利害を公平かつ合理的に調整するについて、代位者の通常の意思ないし期待によって代位の割合を決定するとの原則に基づき、代位の割合の決定基準として、担保物の価格に応じた割合と頭数による平等の割合を定めているが、右規定は、物上保証人相互間、保証人相互間、そして保証人及び物上保証人が存在する場合における保証人全員と物上保証人全員との間の代位の割合は定めているものの、代位者の中に保証人及び物上保証人の二重の資格をもつ者が含まれる場合における代位の割合の決定基準については直接定めていない。したがつて、右の場合における代位の割合の決定基準については、二重の資格をもつ者を含む代位者の通常の意思ないし期待なるものを捉えることができるのであれば、右規定の原則に基づき、その意思ないし期待に適合する決定基準を求めるべきであるが、それができないときは、右規定の基本的な趣旨・目的である公平の理念にたち返って、代位者の頭数による平等の割合をもつて決定基準とするほかはないものといわざるをえない。しかして、右の場合に、二重の資格をもつ者は他の代位者との関係では保証人の資格と物上保証人の資格による負担を独立して負う、すなわち、二重の資格をもつ者は代位者の頭数のうえでは2人である、として代位の割合を決定すべきであると考えるのが代位者の通常の意思ないし期待でないことは、取引の通念に照らして明らかであり、また、仮に二重の資格をもつ者を頭数のうえであくまで1人と扱い、かつ、その者の担保物の価格を精確に反映させて代位の割合を決定すべきであると考えるのが代位者の通常の意思ないし期待であるとしても、右の2つの要請を同時に満足させる簡明にしてかつ実効性ある基準を見い出すこともできない。そうすると、複数の保証人及び物上保証人の中に二重の資格をもつ者が含まれる場合における代位の割合は、民法501条但書4号、5号の基本的な趣旨・目的である公平の理念に基づいて、二重の資格をもつ者も1人と扱い、全員の頭数に応じた平等の割合であると解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H23 司法 第22問 イ)
900万円の主たる債務について2人の連帯保証人がおり、そのうちの1人が物上保証人を兼ねている場合、連帯保証債務のみを負担している者が全額弁済をすると、この者が代位する債権額は600万円である。

(正答)

(解説)
判例(最判昭61.11.27)は、「複数の保証人及び物上保証人の中に二重の資格をもつ者が含まれる場合における代位の割合は、501条但書4号、5号の基本的な趣旨・目的である公平の理念に基づいて、二重の資格をもつ者も1人と扱い、全員の頭数に応じた平等の割合であると解するのが相当である。」と判示しており、改正民法下における501条3項4号の解釈においても同様に解されている。そして、同号本文は、「保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する。」と規定している。
本肢においては、900万円の主たる債務について2人の連帯保証人がおり、そのうちの1人が物上保証人を兼ねている場合、保証人と物上保証人を兼ねている者も、1人として扱われることとなるから、保証人と物上保証人の数は、2人ということになる。そうすると、連帯保証債務のみを負担している者が全額弁済をすると、全員の頭数に応じた平等の割合で代位の割合が決せられるから、この者が代位する債権額は、2分の1の範囲に当たる450万円であるといえる。

該当する過去問がありません

保証人及び物上保証人が要る場合の代位 最一小判平成9年12月18日

ノートページ表示
概要
501条3項4号には、保証人と物上保証人の間における弁済による代位の割合は頭数によるべきことが規定されているところ、単独所有であった物件に担保権が設定された後、これが弁済までの間に共同相続により共有となった場合には、弁済の時における物件の共有持分権者をそれぞれ1名としてその頭数を数える。
判例
事案:担保権の設定された物件が弁済までの間に共同相続により共有となった場合において、501条3項4号の物上保証人の数の数え方に変動が生じるかが問題となった。

判旨:「民法501条5号には、保証人と物上保証人の間における弁済による代位の割合は頭数によるべきことが規定されているところ、単独所有であった物件に担保権が設定された後、これが弁済までの間に共同相続により共有となった場合には、弁済の時における物件の共有持分権者をそれぞれ1名として右頭数を数えるべきものと解するのが相当である。けだし、弁済による代位は、弁済がされたことによって初めて生ずる法律関係であるところ、弁済の時点においては、各相続人がそれぞれ相続によって自己の取得した共有持分を担保に供しているのであるから、各相続人それぞれが民法501条5号の物上保証人に当たるというべきであるからである。当初から共有に属していた物件について全共有者が共有持分を担保に供した場合には、共有者ごとに頭数を数えるべきことは明らかであり、この場合と、単独所有であった物件に担保権が設定された後に弁済までの間に相続又は持分譲渡等により共有になった場合とで、頭数を別異に解することは、法律関係を複雑にするだけで、必ずしも合理的でない。確かに、相続という偶然の事情により頭数が変化することは当事者の意思ないし期待に反する場合がないではないが、このように頭数が変化する事態は、保証人の増加、担保物件の滅失等によっても起こり得ることであり、弁済時における人数と解することにより法律関係の簡明を期するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 50.0%

(H23 司法 第22問 ウ)
1000万円の主たる債務に対する連帯保証人と物上保証人が1人ずついたところ、連帯保証人が債権者に弁済をする前に、物上保証の目的不動産が3人の共同相続人により相続され共有となった場合、その後連帯保証人が全額弁済をすると、この者が法定代位する債権額の合計は750万円である。

(正答)

(解説)
判例(最判平9.12.18)は、「民法501条5号には、保証人と物上保証人の間における弁済による代位の割合は頭数によるべきことが規定されているところ、単独所有であった物件に担保権が設定された後、これが弁済までの間に共同相続により共有となった場合には、弁済の時における物件の共有持分権者をそれぞれ1名として右頭数を数えるべきものと解するのが相当である。」と判示しており、改正民法下における501条3項4号の解釈においても同様に解されている。そして、同号本文は、「保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する。」と規定している。
本肢においては、1000万円の主たる債務に対する連帯保証人と物上保証人が1人ずついたところ、連帯保証人が債権者に弁済をする前に、物上保証の目的不動産が3人の共同相続人により相続され共有となっているから、保証人が1人、物上保証人が3人の計4人を頭数として、代位の割合を計算することとなる。そうすると、その後連帯保証人が全額弁済をすると、当該保証人は、主たる債務額1000万円の4分の3の割合に当たる750万円について、債権者に代位することができるといえる。したがって、この者が法定代位する債権額の合計は750万円である。

該当する過去問がありません

物上保証人による免責の主張の可否 最二小判平成7年6月23日

ノートページ表示
概要
債権者が過失により担保を減少させた後に物上保証人から抵当目的不動産を譲り受けた者は、物上保証人と債権者との間に債権者の担保保存義務を免除する旨の特約がされていたために担保の減少に基づく免責が生じていなかった場合、債権者に対して担保の減少に基づく自己の免責(504条1項)を主張することはできない。
判例
事案:物上保証人と債権者との間に債権者の担保保存義務を免除する旨の特約がされていたために担保の減少に基づく免責が生じていなかった場合において、債権者が過失により担保を減少させた後に物上保証人から抵当目的不動産を譲り受けた者が、債権者に対して担保の減少に基づく自己の免責(504条1項)を主張することができるかどうかが問題となった。

判旨:「債権者が担保を喪失し、又は減少させた後に、物上保証人として代位の正当な利益を有していた者から担保物件を譲り受けた者も、民法504条による免責の効果を主張することができるのが原則である(最高裁昭和61年(オ)第1194号平成3年9月3日第三小法廷判決・民集45巻7号1121頁参照)。しかし、債権者と物上保証人との間に本件特約のような担保保存義務免除の特約があるため、債権者が担保を喪失し、又は減少させた時に、右特約の効力により民法504条による免責の効果が生じなかった場合は、担保物件の第三取得者への譲渡によって改めて免責の効果が生ずることはないから、第三取得者は、免責の効果が生じていない状態の担保の負担がある物件を取得したことになり、債権者に対し、民法504条による免責の効果を主張することはできないと解するのが相当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 50.0%

(R2 司法 第19問 オ)
債権者が過失により担保を減少させた後に物上保証人から抵当目的不動産を譲り受けた者は、物上保証人と債権者との間に債権者の担保保存義務を免除する旨の特約がされていたために担保の減少に基づく免責が生じていなかった場合、債権者に対して担保の減少に基づく自己の免責を主張することはできない。

(正答)

(解説)
判例(最判平7.6.23)は、「債権者と物上保証人との間に本件特約のような担保保存義務免除の特約があるため、債権者が担保を喪失し、又は減少させた時に、右特約の効力により民法504条による免責の効果が生じなかった場合は、担保物件の第三取得者への譲渡によって改めて免責の効果が生ずることはないから、第三取得者は、免責の効果が生じていない状態の担保の負担がある物件を取得したことになり、債権者に対し、民法504条による免責の効果を主張することはできないと解するのが相当である。」と判示しており、改正民法下における504条1項の解釈においても同様に解されている。

該当する過去問がありません

前のカテゴリ 次のカテゴリ