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親族(離婚 763条~771条) - 解答モード
離婚訴訟における財産分与と過去の婚姻費用分担の態様の斟酌 最三小判昭和53年11月14日
概要
判例
判旨:「離婚訴訟において裁判所が財産分与の額及び方法を定めるについては当事者双方の一切の事情を考慮すべきものであることは民法771条、768条3項の規定上明らかであるところ、婚姻継続中における過去の婚姻費用の分担の態様は右事情のひとつにほかならないから、裁判所は、当事者の一方が過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を定めることができるものと解するのが、相当である。」
過去問・解説
(H29 共通 第32問 オ)
裁判所は、離婚訴訟において財産分与を命ずるに当たり、当事者の一方が過当に負担した婚姻費用の清算のための給付を含めて財産分与の額及び方法を定めることができる。
婚姻関係が破綻して父母が別居状態にある場合に子と同居していない親と子の面接交渉について家庭裁判所が相当な処分を命ずることの可否 最一小決平成12年5月1日
概要
判例
判旨:「父母の婚姻中は、父母が共同して親権を行い、親権者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負うものであり(民法818条3項、820条)、婚姻関係が破綻して父母が別居状態にある場合であっても、子と同居していない親が子と面接交渉することは、子の監護の一内容であるということができる。そして、別居状態にある父母の間で右面接交渉につき協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、民法766条を類推適用し、家事審判法9条1項乙類4号により、右面接交渉について相当な処分を命ずることができると解するのが相当である。」
離婚による慰謝料と財産分与 最二小判昭和46年7月23日
概要
判例
判旨:「離婚における財産分与の制度は、夫婦が婚姻中に有していた実質上共同の財産を清算分配し、かつ、離婚後における一方の当事者の生計の維持をはかることを目的とするものであつて、分与を請求するにあたりその相手方たる当事者が離婚につき有責の者であることを必要とはしないから、財産分与の請求権は、相手方の有責な行為によつて離婚をやむなくされ精神的苦痛を被つたことに対する慰藉料の請求権とは、その性質を必ずしも同じくするものではない。したがつて、すでに財産分与がなされたからといつて、その後不法行為を理由として別途慰藉料の請求をすることは妨げられないというべきである。もつとも、裁判所が財産分与を命ずるかどうかならびに分与の額および方法を定めるについては、当事者双方におけるいつさいの事情を考慮すべきものであるから、分与の請求の相手方が離婚についての有責の配偶者であつて、その有責行為により離婚に至らしめたことにつき請求者の被つた精神的損害を賠償すべき義務を負うと認められるときには、右損害賠償のための給付をも含めて財産分与の額および方法を定めることもできると解すべきである。そして、財産分与として、右のように損害賠償の要素をも含めて給付がなされた場合には、さらに請求者が相手方の不法行為を理由に離婚そのものによる慰謝料の支払を請求したときに、その額を定めるにあたつては、右の趣旨において財産分与がなされている事情をも斟酌しなければならないのであり、このような財産分与によつて請求者の精神的苦痛がすべて慰藉されたものと認められるときには、もはや重ねて慰藉料の請求を認容することはできないものと解すべきである。しかし、財産分与がなされても、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解せられないか、そうでないとしても、その額および方法において、請求者の精神的苦痛を慰藉するには足りないと認められるものであるときには、すでに財産分与を得たという一事によつて慰藉料請求権がすべて消滅するものではなく、別個に不法行為を理由として離婚による慰藷料を請求することを妨げられないものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H27 共通 第29問 オ)
判例によれば、協議上の離婚をした夫婦の一方は、相手方に対し財産の分与を請求した場合には、相手方に対し慰謝料を請求することはできない。
(R1 予備 第13問 ア)
離婚に伴う財産分与は、離婚後における一方の当事者の生計の維持を図ることを目的としてもすることができる。
(R1 予備 第13問 ウ)
離婚に伴う財産分与を得た者は、その財産分与が損害賠償の要素を含む趣旨とは解されないときには、別個に不法行為を理由として離婚による慰謝料を請求することを妨げられない。
内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合に768条の規定を類推適用することの可否 最一小判平成12年3月10日
概要
判例
判旨:「内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合に、法律上の夫婦の離婚に伴う財産分与に関する民法768条の規定を類推適用することはできないと解するのが相当である。民法は、法律上の夫婦の婚姻解消時における財産関係の清算及び婚姻解消後の扶養については、離婚による解消と当事者の一方の死亡による解消とを区別し、前者の場合には財産分与の方法を用意し、後者の場合には相続により財産を承継させることでこれを処理するものとしている。このことにかんがみると、内縁の夫婦について、離別による内縁解消の場合に民法の財産分与の規定を類推適用することは、準婚的法律関係の保護に適するものとしてその合理性を承認し得るとしても、死亡による内縁解消のときに、相続の開始した遺産につき財産分与の法理による遺産清算の道を開くことは、相続による財産承継の構造の中に異質の契機を持ち込むもので、法の予定しないところである。また、死亡した内縁配偶者の扶養義務が遺産の負担となってその相続人に承継されると解する余地もない。したがって、生存内縁配偶者が死亡内縁配偶者の相続人に対して清算的要素及び扶養的要素を含む財産分与請求権を有するものと解することはできないといわざるを得ない。」
過去問・解説
(H23 共通 第31問 オ)
判例によれば、内縁の夫婦の一方が死亡したときは、他の一方は、財産分与に関する民法の規定の類推適用により、遺産について財産分与を請求することができる。
(H25 司法 第31問 オ)
A男とB女は内縁関係にある。この場合、Bは、Aが死亡したときの相続について、Aと他の女性との間の子であるCに対し、Aの配偶者に準ずる相続分を主張することができる。
(H27 共通 第29問 エ)
婚姻が離婚により終了した場合には、配偶者の財産分与請求権が認められ、また、婚姻が夫婦の一方の死亡により終了した場合には、生存配偶者の相続権が認められるが、判例によれば、配偶者について認められるこれらの権利は、内縁関係にある者についても類推して認められる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平12.3.10)は、「内縁の夫婦について、離別による内縁解消の場合に民法の財産分与の規定を類推適用することは、準婚的法律関係の保護に適するものとしてその合理性を承認し得る」と判示している。したがって、内縁関係が離別により終了した場合には、財産分与請求権の規定(768条)が類推適用されるから、この場合においては、同請求権は、内縁関係にある者についても認められるといえる。
これに対し、同判例は、内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合においては、768条の規定は類推適用されず、生存内縁配偶者は、死亡内縁配偶者の相続人に対して清算的要素及び扶養的要素を含む財産分与請求権を有しない旨判示している。したがって、内縁関係にある者について、婚姻が夫婦の一方の死亡により終了した場合における生存配偶者の相続権が、類推して認められることはない。
(R1 予備 第13問 オ)
内縁の夫が死亡して内縁関係が解消したときには、内縁の妻は、内縁の夫の相続人に対し、財産の分与を請求することができる。
(R3 司法 第30問 ウ)
内縁関係にあるA男とB女について、ABがBの所有する建物で同居していた場合において、Bの死亡により内縁関係が解消したときは、Aは、Bの相続人に対して建物の所有権について財産分与を請求することができる。
(R5 予備 第14問 ウ)
内縁の妻Aの死亡により内縁の夫Bとの内縁関係が解消した場合には、Bは、離婚に伴う財産分与の規定の類推適用により、Aの相続人に対して財産分与を請求することができる。
生活保護の受給を継続するための方便としてなされた離婚届の効力 最二小判昭和57年3月26日
概要
判例
判旨:「本件離婚の届出が、法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてされたものであって、本件離婚を無効とすることはできない…。」
過去問・解説
協議離婚届出書作成後の翻意と届出の効力 最二小判昭和34年8月7日
概要
判例
判旨:「本件協議離婚届書は判示の如き経緯によって作成されたこと、右届出書の作成後Aは右届出をBに委託し、Bにおいてこれを保管していたところ、その後右届出書が甲市長に提出された昭和27年3月11日の前日たる同月10日Aは甲市役所の係員Cに対してBから離婚届が出されるかもしれないが、Aとしては承諾したものではないから受理しないでほしい旨申し出でたことおよび右事実によるとAは右届出のあつた前日協議離婚の意思をひるがえしていたことが認められるというのであって、右認定は当裁判所でも肯認できるところである。そうであるとすればBから届出がなされた当時にはAに離婚の意思がなかったものであるところ、協議離婚の届出は協議離婚意思の表示とみるべきであるから、本件の如くその届出の当時離婚の意思を有せざることが明確になった以上、右届出による協議離婚は無効であるといわなければならない。そして、かならずしも所論の如く右翻意が相手方に表示されること、または、届出委託を解除する等の事実がなかったからといって、右協議離婚届出が無効でないとはいいえない。従って、論旨は採用できない。」
過去問・解説
(R6 司法 第32問 オ)
夫婦が、離婚意思に基づいて離婚届を作成し、夫婦の一方がいったん保管した後にこれを提出したものの、他方が届出時までに翻意していたことが明確であったときは、離婚は、無効である。