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短答判例

強迫における二段の故意 大判昭和11年11月21日

概要
強迫による意思表示が成立するためには、強迫者が相手方に畏怖を生じさせ、その畏怖によって一定の意思表示をさせる目的で不法に害悪を告知し、相手方がその畏怖の結果として意思表示をしたことを要する。
判例
事案:債権者側の者が債務者を告訴する旨の告知をしたところ、これを聞いた者らが新たな手形行為をした場合に、その手形行為が強迫による意思表示として取り消すことができるかが問題となった。

判旨:「ソ強迫ニ因ル意思表示ハ強迫者カ相手方ヲシテ或ル意思表示ヲ為サシムル為不法ニ害悪ヲ通知シ相手方カ之ニ畏怖シタル結果為シタル其ノ意思表示タルコトヲ要スルモノトス」
「村上卯平カ被上告人等ヲ畏怖セシメテ意思表示ヲ為サシメンカ為右ノ告訴ヲ為スヘキ旨不法ニ告知シタルモノニシテ本件各手形行為カ卯平ノ欲シタル右意思表示ノ範囲ニ属スル場合ニ非スンハ右ノ手形行為ヲ以テ強迫ニ因ル意思表示ナリト云フヲ得サル」
過去問・解説
全体の正答率 : 33.3%

(R8 共通 第3問 エ)
表意者が強迫による意思表示を取り消すためには、強迫者に、強迫行為によって表意者に畏怖を生じさせる故意と、その畏怖により表意者に意思表示をさせる故意とが必要である。

(正答)〇

(解説)
96条1項は、「強迫による意思表示は、取り消すことができる。」と規定している。そして、判例(大判昭11.11.21)は、強迫による意思表示が成立するためには、強迫した者が相手方を畏怖させ、その畏怖によって一定の意思表示をさせる目的で不法に害悪を告知することを要する旨判示している。したがって、表意者が強迫による意思表示を取り消すためには、強迫者に、強迫行為によって表意者に畏怖を生じさせる故意と、その畏怖により表意者に意思表示をさせる故意とが必要である。

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