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民法 土地の賃貸借契約の合意解除と建物の賃借人 最一小判昭和38年2月21日 - 解答モード
概要
土地賃貸人から土地を賃借している借地人が、当該土地上に建物を建ててこれを第三者に賃貸している場合において、土地賃貸人と賃借人との間で土地賃貸借契約を合意解除しても、土地賃貸人は、特別の事情がないかぎり、その効果を地上建物の賃借人に対抗できない。
判例
事案:土地賃貸人から土地を賃借している借地人が、当該土地上に建物を建ててこれを第三者に賃貸している場合において、土地賃貸借が合意解除されたとき、土地賃貸人は、当該解除を当該土地上の建物の賃借人に対抗できるかが問題となった。
判旨:「本件借地契約は、右の如く、調停により地主たるAと借地人たるBとの合意によつて解除され、消滅に至つたものではあるが、原判決によれば、前叙の如く、Bは、右借地の上に建物を所有しており、昭和30年3月からは、Cがこれを賃借して同建物に居住し、家具製造業を営んで今日に至つているというのであるから、かかる場合においては、たとえAとBとの間で、右借地契約を合意解除し、これを消滅せしめても、特段の事情がない限りは、Aは、右合意解除の効果を、Cに対抗し得ないものと解するのが相当である。なぜなら、AとCとの間には直接に契約上の法律関係がないにもせよ、建物所有を目的とする土地の賃貸借においては、土地賃貸人は、土地賃借人が、その借地上に建物を建築所有して自らこれに居住することばかりでなく、反対の特約がないかぎりは、他にこれを賃貸し、建物賃借人をしてその敷地を占有使用せしめることをも当然に予想し、かつ認容しているものとみるべきであるから、建物賃借人は、当該建物の使用に必要な範囲において、その敷地の使用收益をなす権利を有するとともに、この権利を土地賃貸人に対し主張し得るものというべく、右権利は土地賃借人がその有する借地権を抛棄することによつて勝手に消滅せしめ得ないものと解するのを相当とするところ、土地賃貸人とその賃借人との合意をもつて賃貸借契約を解除した本件のような場合には賃借人において自らその借地権を抛棄したことになるのであるから、これをもつて第三者たるCに対抗し得ないものと解すべきであり、このことは民法398条、538条の法理からも推論することができるし、信義誠実の原則に照しても当然のことだからである。(昭和9年3月7日大審院判決、民集13巻278頁、昭和37年2月1日当裁判所第一小法廷判決、最高裁判所民事裁判集58巻441頁各参照)。」
判旨:「本件借地契約は、右の如く、調停により地主たるAと借地人たるBとの合意によつて解除され、消滅に至つたものではあるが、原判決によれば、前叙の如く、Bは、右借地の上に建物を所有しており、昭和30年3月からは、Cがこれを賃借して同建物に居住し、家具製造業を営んで今日に至つているというのであるから、かかる場合においては、たとえAとBとの間で、右借地契約を合意解除し、これを消滅せしめても、特段の事情がない限りは、Aは、右合意解除の効果を、Cに対抗し得ないものと解するのが相当である。なぜなら、AとCとの間には直接に契約上の法律関係がないにもせよ、建物所有を目的とする土地の賃貸借においては、土地賃貸人は、土地賃借人が、その借地上に建物を建築所有して自らこれに居住することばかりでなく、反対の特約がないかぎりは、他にこれを賃貸し、建物賃借人をしてその敷地を占有使用せしめることをも当然に予想し、かつ認容しているものとみるべきであるから、建物賃借人は、当該建物の使用に必要な範囲において、その敷地の使用收益をなす権利を有するとともに、この権利を土地賃貸人に対し主張し得るものというべく、右権利は土地賃借人がその有する借地権を抛棄することによつて勝手に消滅せしめ得ないものと解するのを相当とするところ、土地賃貸人とその賃借人との合意をもつて賃貸借契約を解除した本件のような場合には賃借人において自らその借地権を抛棄したことになるのであるから、これをもつて第三者たるCに対抗し得ないものと解すべきであり、このことは民法398条、538条の法理からも推論することができるし、信義誠実の原則に照しても当然のことだからである。(昭和9年3月7日大審院判決、民集13巻278頁、昭和37年2月1日当裁判所第一小法廷判決、最高裁判所民事裁判集58巻441頁各参照)。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%
(H22 司法 第24問 イ)
Aが所有する土地をAから建物所有目的で賃借したBが、同土地上に自ら建築して所有する建物をCに賃貸して引き渡した。AとBが土地の賃貸借を解除する旨の合意をした場合において、Aは、特別の事情のない限り、Cに対し土地の賃貸借の終了を主張することができない。