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民法 貨幣価値の下落と割増金付割引勧業債券の券面額による支払 最三小判昭和36年6月20日

概要
金銭債務について給付をすべき金銭の額は、貨幣価値が変動したときであっても、その額面によって定められるものである。
判例
事案:金銭債務の弁済として割増金付割引勧業債券によるものとしていた債権者Xが、Yに対して当該債券を使って弁済を求めたところ、本件債券売出し当時とその後において、純金の価値が大きく変動していたという事案において、金の価格を、額面か現実のいずれの金額を基準として定めるかが問題となった。

判旨:「原判示の本件割増金付割引勧業債券売出当時においては純金750ミリグラムが1円とされていたのにわが国が国際通貨基金に加盟したのに伴いわが国貨幣の対外価値が純金約2.468ミリグラムが1円と定められたことも、また、右債券売出後その償還期限までの間に他にいわゆる平価切下が行われたことのないことも、ともに顕著な事実であり、そして、金硬貨による支払の特約若しくは償還期限における貨幣価値の著しい騰落のあった場合債券売出当時の貨幣価値を償還期限のそれに引直した金額によって償還金を支払う旨の特約がないかぎり、債券発行売出銀行は償還期限に債券面記載の償還金額を支払うをもって足りると解しなければならない。本件債券につきかような特約のあった事実は原判決の判示しないところであるから、論旨主張の如き理由により本件債券につき増額評価が認められるべきものとはなし難く、右債券の償還としては、貨幣価値の下落があったとしても、被上告人は償還当時の貨幣をもって弁済することにより免責されるものといわなければならない。」
過去問・解説
(R7 司法 第18問 ア)
金銭債務について給付をすべき金銭の額は、貨幣価値が変動したときであっても、その額面によって定める。

(正答)

(解説)
判例(最判昭36.6.20)は、「金硬貨による支払の特約若しくは償還期限における貨幣価値の著しい騰落のあった場合債券売出当時の貨幣価値を償還期限のそれに引直した金額によって償還金を支払う旨の特約がないかぎり、債券発行売出銀行は償還期限に債券面記載の償還金額を支払うをもって足りると解しなければならない。」と判示している。
したがって、金銭債務について給付をすべき金銭の額は、貨幣価値が変動したときであっても、その額面によって定める。
総合メモ
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