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民法 同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合における一部弁済による時効更新の範囲 最三小判令和2年12月15日
概要
同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合において、借主が、弁済を充当すべき債務を指定することなく全債務を完済するのに足りない額の弁済をしたときは、その弁済は、特段の事情のない限り、各元本債務についての承認に当たる。
判例
事案:同一当事者による複数の消費貸借契約に基づく貸金返還請求事件において、借主が消滅時効の抗弁を主張したが、借主は、消滅時効完成以前に、弁済を充当すべき債務を指定せずに全債務の弁済に足りない弁済をしていた。このような場合に、元本債務の承認(147条3号)による消滅時効の更新はどの範囲で生じるかが問題となった。
判旨:「同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合において、借主が弁済を充当すべき債務を指定することなく全債務を完済するのに足りない額の弁済をしたときは、当該弁済は、特段の事情のない限り、上記各元本債務の承認(民法147条3号)として消滅時効を中断する効力を有すると解するのが相当である(大審院昭和13年(オ)第222号同年6月25日判決・大審院判決全集5輯14号4頁参照)。なぜなら、上記の場合、借主は、自らが契約当事者となっている数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在することを認識しているのが通常であり、弁済の際にその弁済を充当すべき債務を指定することができるのであって、借主が弁済を充当すべき債務を指定することなく弁済をすることは、特段の事情のない限り、上記各元本債務の全てについて、その存在を知っている旨を表示するものと解されるからである。」
判旨:「同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合において、借主が弁済を充当すべき債務を指定することなく全債務を完済するのに足りない額の弁済をしたときは、当該弁済は、特段の事情のない限り、上記各元本債務の承認(民法147条3号)として消滅時効を中断する効力を有すると解するのが相当である(大審院昭和13年(オ)第222号同年6月25日判決・大審院判決全集5輯14号4頁参照)。なぜなら、上記の場合、借主は、自らが契約当事者となっている数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在することを認識しているのが通常であり、弁済の際にその弁済を充当すべき債務を指定することができるのであって、借主が弁済を充当すべき債務を指定することなく弁済をすることは、特段の事情のない限り、上記各元本債務の全てについて、その存在を知っている旨を表示するものと解されるからである。」
過去問・解説
(R7 予備 第3問 エ)
同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合において、借主が、弁済を充当すべき債務を指定することなく全債務を完済するのに足りない額の弁済をしたときは、その弁済は、特段の事情のない限り、各元本債務についての承認に当たる。
同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合において、借主が、弁済を充当すべき債務を指定することなく全債務を完済するのに足りない額の弁済をしたときは、その弁済は、特段の事情のない限り、各元本債務についての承認に当たる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判令2.12.15)は、時効の中断について、「同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合において、借主が弁済を充当すべき債務を指定することなく全債務を完済するのに足りない額の弁済をしたときは、当該弁済は、特段の事情のない限り、上記各元本債務の承認(民法147条3号)として消滅時効を中断する効力を有すると解するのが相当である。」と判示しており、改正民法下における時効の更新(152条1項)についても同様に解されている。
したがって、同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合において、借主が、弁済を充当すべき債務を指定することなく全債務を完済するのに足りない額の弁済をしたときは、その弁済は、特段の事情のない限り、各元本債務についての承認に当たる。
判例(最判令2.12.15)は、時効の中断について、「同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合において、借主が弁済を充当すべき債務を指定することなく全債務を完済するのに足りない額の弁済をしたときは、当該弁済は、特段の事情のない限り、上記各元本債務の承認(民法147条3号)として消滅時効を中断する効力を有すると解するのが相当である。」と判示しており、改正民法下における時効の更新(152条1項)についても同様に解されている。
したがって、同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合において、借主が、弁済を充当すべき債務を指定することなく全債務を完済するのに足りない額の弁済をしたときは、その弁済は、特段の事情のない限り、各元本債務についての承認に当たる。