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民法 連帯保証人と分別の利益 大判大正6年4月28日
概要
連帯保証人は、通常の保証人と異なり、分別の利益を有しない。
判例
事案:連帯保証人に対して保証債務履行請求がなされた事案において、連帯保証人が456条に基づく分別の利益を主張することができるかが問題となった。
判旨:「数人ノ保証人アル場合ニ於テ其相互間ニ連帯ノ特約ナキ限リ各自平等ノ割合ヲ以テ債務ヲ負担スヘク各分別ノ利益ヲ有スヘキコトハ民法第456条第427条ニ依リテ明白ナリト雖モ保証人カ主タル債務者ト連帯シテ債務ヲ負担セル場合ニ於テハ他ノ保証人トノ相互間ニ連帯ノ特約ナキトキト雖モ其保証人ハ分別ノ利益ヲ有スルモノニ非ス蓋シ連帯保証ハ主タル債務者カ其債務ヲ履行セサルトキ他ノ共同保証人ノ如何ニ拘ラス債務全額ヲ弁済スヘキ責ニ任スヘク普通保証ノ有スヘキ分別ノ利益トハ柄鑿相容レサル所ナレハ保証人カ主タル債務者トノ連帯ヲ特約スルハ予メ分別ノ利益ヲ抛棄シタルモノト解スヘク民法第454条カ連帯保証ノ場合ニ於テ保証人ニ催告及ヒ検索ノ抗弁権ヲ有セシメサルハ之ヲシテ分別ノ利益ヲ有セシムル趣旨ニ出タルニ非スシテ此場合ニ保証人カ分別ノ利益ヲ有セサルハ連帯保証ノ本質上当然ナルカ為メノミ其他同第458条又ハ第465条ノ規定ハ援テ以テ連帯保証ノ場合ニ於テ保証人カ分別ノ利益ヲ有スル論拠ト為スニ足ラサルナリ」
判旨:「数人ノ保証人アル場合ニ於テ其相互間ニ連帯ノ特約ナキ限リ各自平等ノ割合ヲ以テ債務ヲ負担スヘク各分別ノ利益ヲ有スヘキコトハ民法第456条第427条ニ依リテ明白ナリト雖モ保証人カ主タル債務者ト連帯シテ債務ヲ負担セル場合ニ於テハ他ノ保証人トノ相互間ニ連帯ノ特約ナキトキト雖モ其保証人ハ分別ノ利益ヲ有スルモノニ非ス蓋シ連帯保証ハ主タル債務者カ其債務ヲ履行セサルトキ他ノ共同保証人ノ如何ニ拘ラス債務全額ヲ弁済スヘキ責ニ任スヘク普通保証ノ有スヘキ分別ノ利益トハ柄鑿相容レサル所ナレハ保証人カ主タル債務者トノ連帯ヲ特約スルハ予メ分別ノ利益ヲ抛棄シタルモノト解スヘク民法第454条カ連帯保証ノ場合ニ於テ保証人ニ催告及ヒ検索ノ抗弁権ヲ有セシメサルハ之ヲシテ分別ノ利益ヲ有セシムル趣旨ニ出タルニ非スシテ此場合ニ保証人カ分別ノ利益ヲ有セサルハ連帯保証ノ本質上当然ナルカ為メノミ其他同第458条又ハ第465条ノ規定ハ援テ以テ連帯保証ノ場合ニ於テ保証人カ分別ノ利益ヲ有スル論拠ト為スニ足ラサルナリ」
過去問・解説
(R7 予備 第8問 イ)
AのBに対する貸金債務甲につき、法人でないCが保証する場合において、Cの保証債務が連帯保証債務であり、Dも貸金債務甲について連帯保証をしているときは、CのBに対する連帯保証債務の額は、貸金債務甲の額の2分の1となる。
AのBに対する貸金債務甲につき、法人でないCが保証する場合において、Cの保証債務が連帯保証債務であり、Dも貸金債務甲について連帯保証をしているときは、CのBに対する連帯保証債務の額は、貸金債務甲の額の2分の1となる。
(正答)✕
(解説)
456条は、「数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、第427条の規定を適用する。」と規定し、427条は、「数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。」と規定している。したがって、保証人は分別の利益を有する。
他方で、判例(大判大6.4.28)は、「数人ノ保証人アル場合ニ於テ其相互間ニ連帯ノ特約ナキ限リ各自平等ノ割合ヲ以テ債務ヲ負担スヘク各分別ノ利益ヲ有スヘキコトハ民法第456条第427条ニ依リテ明白ナリト雖モ保証人カ主タル債務者ト連帯シテ債務ヲ負担セル場合ニ於テハ他ノ保証人トノ相互間ニ連帯ノ特約ナキトキト雖モ其保証人ハ分別ノ利益ヲ有スルモノニ非ス」として、連帯保証人は分別の利益を有しないことを示している。
したがって、Cの保証債務が連帯保証債務であるならば、Dが貸金債権甲について連帯保証をしているかにかかわらず、CのBに対する連帯保証債務の額は、貸金債務甲の全額となる。
456条は、「数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、第427条の規定を適用する。」と規定し、427条は、「数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。」と規定している。したがって、保証人は分別の利益を有する。
他方で、判例(大判大6.4.28)は、「数人ノ保証人アル場合ニ於テ其相互間ニ連帯ノ特約ナキ限リ各自平等ノ割合ヲ以テ債務ヲ負担スヘク各分別ノ利益ヲ有スヘキコトハ民法第456条第427条ニ依リテ明白ナリト雖モ保証人カ主タル債務者ト連帯シテ債務ヲ負担セル場合ニ於テハ他ノ保証人トノ相互間ニ連帯ノ特約ナキトキト雖モ其保証人ハ分別ノ利益ヲ有スルモノニ非ス」として、連帯保証人は分別の利益を有しないことを示している。
したがって、Cの保証債務が連帯保証債務であるならば、Dが貸金債権甲について連帯保証をしているかにかかわらず、CのBに対する連帯保証債務の額は、貸金債務甲の全額となる。