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短答判例

連帯債務者の1人に対する債権譲渡通知の効力 大判大正8年12月15日

概要
連帯債務者全員に対する債権が譲渡された場合、債権譲渡の通知又は承諾は各連帯債務者ごとにその効力を生じる。したがって、連帯債務者の一人に対してのみ債権譲渡の通知がされた場合、譲受人は、その者に対しては債権譲渡を対抗することができるが、通知を受けていない他の連帯債務者に対してまで債権譲渡を対抗することはできない。
判例
事案:連帯債務者2名に対する債権全部が第三者に譲渡されたものの、債権譲渡の通知が連帯債務者の1人に対してのみされた場合に、譲受人が連帯債務者全員に対して債権譲渡を対抗するためには、連帯債務者全員に対する通知又は承諾を要するかが問題となった。

判旨:「連帯債務ハ債権者ニ対シテハ一箇ノ債務ノ如ク看做サルルモ各債務者ハ各自全部ノ給付ヲ内容トスル独立ノ債務ヲ負担スルモノナルヲ以テ債権者ハ連帯債務者ノ一人ニ対スル債権ノミヲ独立シテ譲渡スルコトヲ得ヘク又連帯債務者全員ニ対スル債権ヲ譲渡シタル場合ニ於テモ其債務者全員ニ対シ譲渡ノ通知ヲ為シ又ハ其全員ノ承諾ヲ得ルニ非サレハ譲受人ハ何人ニ対シテモ之カ譲受ヲ以テ対抗スルコトヲ得サルモノニアラスシテ其内ノ一人ニ対シ譲渡ノ通知ヲナシ又ハ其者ノ承諾アリタル以上ハ譲受人ハ其者ニ対シテ譲受ヲ以テ対抗スコルトヲ得ルモノナリト謂ハサルヘカラス」
過去問・解説
(R8 司法 第22問 ア)
連帯債務について連帯債務者全員に対する債権が譲渡された場合において、債権の譲渡人が連帯債務者のうち一人に対して債権譲渡の通知をしたときは、債権の譲渡人がその余の連帯債務者に対して債権譲渡の通知をしなくとも、債権の譲受人は連帯債務者全員に対して債務の履行を求めることができる。

(正答)✕

(解説)
判例(大判大8.12.15)は、連帯債務者全員に対する債権が譲渡された場合、連帯債務者の1人に対して債権譲渡の通知をしたときは、譲受人は、その者に対してのみ債権譲渡を対抗することができるにとどまる旨判示している。
したがって、債権譲渡の通知を受けていない他の連帯債務者に対しては、譲受人は債権譲渡を対抗することができず、その者に対して債務の履行を求めることはできない。
総合メモ