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民法 貸金業者において、特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが信義則に反し許されないとされた事例 最二小判平成21年9月11日
概要
消費貸借契約において、貸主が積極的に借主の誤信を招くような対応をしたために、借主が期限の利益を喪失していないものと信じて各期の支払いを継続し、貸主も借主の誤信を知りながらその誤信を解くことなく弁済金を受領し続けたという事情がある場合、貸主が、借主に対し、期限の利益を喪失した旨の主張をすることは、信義則に反し許されない。
判例
事案:金銭消費貸借の借主が貸主に過払い金の返還を求めた場合において、貸主側の、特約に基づいてされた借主が期限の利益を喪失した旨の主張が認められるかが問題となった。
判旨:「…上告人の対応は…被上告人に期限の利益を喪失していないとの誤信を生じさせかねないものであって、被上告人において、約定の支払期日より支払が遅れることがあっても期限の利益を喪失することはないと誤信したことには無理からぬものがあるというべきである。」
「上告人は、被上告人が期限の利益を喪失していないと誤信していることを知りながら、この誤信を解くことなく…金員等を受領し続けたにもかかわらず、被上告人から過払金の返還を求められるや、被上告人は第5回目の支払期日における支払が遅れたことにより既に期限の利益を喪失しており、その後に発生したのはすべて利息ではなく遅延損害金であったから、利息の制限利率ではなく遅延損害金の制限利率によって過払金の元本への充当計算をすべきであると主張するものであって、このような上告人の期限の利益喪失の主張は、誤信を招くような上告人の対応のために、期限の利益を喪失していないものと信じて支払を継続してきた被上告人の信頼を裏切るものであり、信義則に反し許されないものというべきである。」
判旨:「…上告人の対応は…被上告人に期限の利益を喪失していないとの誤信を生じさせかねないものであって、被上告人において、約定の支払期日より支払が遅れることがあっても期限の利益を喪失することはないと誤信したことには無理からぬものがあるというべきである。」
「上告人は、被上告人が期限の利益を喪失していないと誤信していることを知りながら、この誤信を解くことなく…金員等を受領し続けたにもかかわらず、被上告人から過払金の返還を求められるや、被上告人は第5回目の支払期日における支払が遅れたことにより既に期限の利益を喪失しており、その後に発生したのはすべて利息ではなく遅延損害金であったから、利息の制限利率ではなく遅延損害金の制限利率によって過払金の元本への充当計算をすべきであると主張するものであって、このような上告人の期限の利益喪失の主張は、誤信を招くような上告人の対応のために、期限の利益を喪失していないものと信じて支払を継続してきた被上告人の信頼を裏切るものであり、信義則に反し許されないものというべきである。」
過去問・解説
(H25 司法 第1問 3)
消費貸借契約の貸主が積極的に借主の誤信を招くような対応をしたため、借主が期限の利益を喪失していないものと信じて各期の支払を継続し、貸主も借主が誤信していることを知りながらその誤信を解くことなく弁済金を受領し続けたという事情がある場合、貸主は、借主に対し、期限の利益を喪失した旨の主張は、公序良俗に違反することから、することができない。
消費貸借契約の貸主が積極的に借主の誤信を招くような対応をしたため、借主が期限の利益を喪失していないものと信じて各期の支払を継続し、貸主も借主が誤信していることを知りながらその誤信を解くことなく弁済金を受領し続けたという事情がある場合、貸主は、借主に対し、期限の利益を喪失した旨の主張は、公序良俗に違反することから、することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平21.9.11)は、本肢と同種の事案において、「上告人は、被上告人が期限の利益を喪失していないと誤信していることを知りながら、この誤信を解くことなく…金員等を受領し続けたにもかかわらず、被上告人から過払金の返還を求められるや、被上告人は第5回目の支払期日における支払が遅れたことにより既に期限の利益を喪失しており、その後に発生したのはすべて利息ではなく遅延損害金であったから、利息の制限利率ではなく遅延損害金の制限利率によって過払金の元本への充当計算をすべきであると主張するものであって、このような上告人の期限の利益喪失の主張は、誤信を招くような上告人の対応のために、期限の利益を喪失していないものと信じて支払を継続してきた被上告人の信頼を裏切るものであり、信義則に反し許されないものというべきである。」と判示している。このように、同判例は、本肢と同種の事案において、期限の利益を喪失した旨の主張を退ける法的根拠を、公序良俗(90条)に違反することではなく、信義則に求めている。
判例(最判平21.9.11)は、本肢と同種の事案において、「上告人は、被上告人が期限の利益を喪失していないと誤信していることを知りながら、この誤信を解くことなく…金員等を受領し続けたにもかかわらず、被上告人から過払金の返還を求められるや、被上告人は第5回目の支払期日における支払が遅れたことにより既に期限の利益を喪失しており、その後に発生したのはすべて利息ではなく遅延損害金であったから、利息の制限利率ではなく遅延損害金の制限利率によって過払金の元本への充当計算をすべきであると主張するものであって、このような上告人の期限の利益喪失の主張は、誤信を招くような上告人の対応のために、期限の利益を喪失していないものと信じて支払を継続してきた被上告人の信頼を裏切るものであり、信義則に反し許されないものというべきである。」と判示している。このように、同判例は、本肢と同種の事案において、期限の利益を喪失した旨の主張を退ける法的根拠を、公序良俗(90条)に違反することではなく、信義則に求めている。