現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください
民法 94条2項における「第三者」の意義 大判大正3年7月9日
概要
通謀虚偽表示により作出された法律関係を基礎として、目的物が「善意の第三者」(94条2項)に譲渡された場合において、その後、当該第三者から目的物を譲り受けた転得者は、通謀虚偽表示の事実について悪意であっても、前主の善意を援用して本人に対抗することができる。
判例
事案:通謀虚偽表示により作出された法律関係を基礎として、目的物が「善意の第三者」(94条2項)に譲渡され、さらに当該第三者が、通謀虚偽表示の事実について悪意の者に目的物を譲渡した場合において、本人が、当該転得者に対し、通謀虚偽表示の無効を対抗することができるかが問題となった。
判旨:「売買契約ノ当事者カ相通シテ為シタル虚偽ノ意思表示ニ依リ不動産所有権(又ハ持分)ノ移転登記ヲ為シ次ニ其登記名義人カ之ヲ善意ノ第三者ニ譲渡シタル後其第三者ヨリ所有権(又ハ持分権)ヲ転得シタル者転得ノ当時最初ノ契約当事者ノ為シタル売買カ虚偽ノ意思表示ナルコトヲ了知シタリトスルモ其者ハ善意ノ第三者ノ権利ヲ承継スルヲ以テ最初ノ虚偽意思表示ニ於ケル売主ハ自己ノ為シタル意思表示ノ無効ヲ転得者ニ対抗スルヲ得サルモノトス」
判旨:「売買契約ノ当事者カ相通シテ為シタル虚偽ノ意思表示ニ依リ不動産所有権(又ハ持分)ノ移転登記ヲ為シ次ニ其登記名義人カ之ヲ善意ノ第三者ニ譲渡シタル後其第三者ヨリ所有権(又ハ持分権)ヲ転得シタル者転得ノ当時最初ノ契約当事者ノ為シタル売買カ虚偽ノ意思表示ナルコトヲ了知シタリトスルモ其者ハ善意ノ第三者ノ権利ヲ承継スルヲ以テ最初ノ虚偽意思表示ニ於ケル売主ハ自己ノ為シタル意思表示ノ無効ヲ転得者ニ対抗スルヲ得サルモノトス」
過去問・解説
(H28 司法 第36問 エ)
Aは、BからBの取引上の信用のために、甲土地の所有権を仮装譲渡するように依頼を受け、Bへの所有権移転登記を了した。この場合において、Bから甲土地を仮装譲渡であることについて善意で譲り受けたCから更に甲土地を譲り受けて登記を備えたDは、仮装譲渡について悪意であったとしても甲土地の所有権を取得する。
Aは、BからBの取引上の信用のために、甲土地の所有権を仮装譲渡するように依頼を受け、Bへの所有権移転登記を了した。この場合において、Bから甲土地を仮装譲渡であることについて善意で譲り受けたCから更に甲土地を譲り受けて登記を備えたDは、仮装譲渡について悪意であったとしても甲土地の所有権を取得する。
(正答)〇
(解説)
判例(大判大3.7.9)は、通謀虚偽表示により作出された法律関係を基礎として、目的物が「善意の第三者」(94条2項)に譲渡された場合において、当該第三者から目的物を譲り受けた転得者が現れたときは、転得者の善意・悪意を問わず、虚偽表示の無効を転得者にも対抗することができない旨判示している(佐久間毅「民法の基礎1」第5版134頁)。
本肢においては、Bから甲土地を仮装譲渡であることについて善意で譲り受けたCは「善意の第三者」に当たるから、このCから更に甲土地を譲り受けて登記を備えたDは、仮装譲渡について悪意であったとしても、Cの善意を援用してAに対抗することができ、甲土地の所有権を取得する。
判例(大判大3.7.9)は、通謀虚偽表示により作出された法律関係を基礎として、目的物が「善意の第三者」(94条2項)に譲渡された場合において、当該第三者から目的物を譲り受けた転得者が現れたときは、転得者の善意・悪意を問わず、虚偽表示の無効を転得者にも対抗することができない旨判示している(佐久間毅「民法の基礎1」第5版134頁)。
本肢においては、Bから甲土地を仮装譲渡であることについて善意で譲り受けたCは「善意の第三者」に当たるから、このCから更に甲土地を譲り受けて登記を備えたDは、仮装譲渡について悪意であったとしても、Cの善意を援用してAに対抗することができ、甲土地の所有権を取得する。