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民法 仮装仮登記に基づいてほしいままにされた本登記と仮登記を許容した仮登記義務者の第三者に対する責任 最一小判昭和43年10月17日

概要
不動産について売買の予約がされていないのにかかわらず、相通じて、その予約を仮装して所有権移転請求権保全の仮登記手続をした場合において、外観上の仮登記権利者がほしいままに仮登記に基づく所有権移転の本登記手続をしたときは、外観上の仮登記義務者は、94条2項、110条の法意に照らして、その本登記の無効をもつて善意無過失の第三者に対抗することができないと解すべきである。
判例
事案:通謀虚偽表示による不動産の売買契約の予約に基づく仮登記があり、仮登記権利者が予約完結の意思なく本登記を了したという場合において、その後同人から不動産を買い受けた者が保護を受けるかが問題となった。

判旨:「思うに、不動産について売買の予約がされていないのにかかわらず、相通じて、その予約を仮装して所有権移転請求権保全の仮登記手続をした場合、外観上の仮登記権利者がこのような仮登記があるのを奇貨として、ほしいままに売買を原因とする所有権移転の本登記手続をしたとしても、この外観上の仮登記義務者は、その本登記の無効をもつて善意無過失の第三者に対抗できないと解すべきである。けだし、このような場合、仮登記の外観を仮装した者がその外観に基づいてされた本登記を信頼した善意無過失の第三者に対して、責に任ずべきことは、民法94条2項、同法110条の法意に照らし、外観尊重および取引保護の要請というべきだからである。」
過去問・解説
(H27 司法 第4問 2)
AがBと通謀してA所有の甲土地につきAB間で売買予約がされた旨仮装し、Bへの所有権移転登記請求権保全の仮登記をした後、Bが偽造書類を用いて仮登記を本登記にした上で、善意無過失のCに甲土地を売却し、Cへの所有権移転登記をした場合、Cは、Aに対し、甲土地の所有権をCが有することを主張することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭43.10.17)は、本肢と同種の事案において、「思うに、不動産について売買の予約がされていないのにかかわらず、相通じて、その予約を仮装して所有権移転請求権保全の仮登記手続をした場合、外観上の仮登記権利者がこのような仮登記があるのを奇貨として、ほしいままに売買を原因とする所有権移転の本登記手続をしたとしても、この外観上の仮登記義務者は、その本登記の無効をもつて善意無過失の第三者に対抗できないと解すべきである。けだし、このような場合、仮登記の外観を仮装した者がその外観に基づいてされた本登記を信頼した善意無過失の第三者に対して、責に任ずべきことは、民法94条2項、同法110条の法意に照らし、外観尊重および取引保護の要請というべきだからである。」と判示している。したがって、外観上の仮登記義務者であるAは、本登記の無効を善意無過失のCに対抗できないため、Cは、Aに対し、甲土地の所有権をCが有することを主張することができる。
総合メモ
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