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民法 94条2項における「第三者」の意義 最一小判昭和55年9月11日

概要
①原抵当権が虚偽であることにつき善意で転抵当権の設定を受け登記を経由した者は、抵当権につき377条1項の対抗要件を具備していなくとも、94条2項の「第三者」に当たるため、原抵当権設定者は原抵当権が虚偽表示により無効であることを対抗できない。
②94条2項所定の「第三者」の善意の存否は、同条項の適用の対象となるべき法律関係ごとに当該法律関係につき第三者が利害関係を有するに至った時期を基準として決すべきである。
判例
事案:①抵当権を設定したように仮装した原抵当権設定登記に基づいて転抵当権が設定され、抵当目的不動産の所有者が転抵当権者に対して、転抵当権の抹消登記手続等を求めた場合において、原抵当権が虚偽のものであることにつき善意で転抵当権の設定を受けた者は、377条1項所定の要件を満たしていなくても、民法94条2項の「善意の第三者」に該当し、同項によって保護されるかが問題となった。
 ②94条2項の「善意」を判断する時期の基準が問題となった。

判旨:①「原抵当権が虚偽仮装のものであることにつき善意で転抵当権の設定を受けた者は、たとえ右転抵当権の取得につき民法376条1項所定の要件を未だ具備しておらず、したがつて、右権利そのものを行使し、又は権利取得の効果を原抵当権設定者に主張することができない場合であっても、民法94条2項の関係では、すでに有効な転抵当権設定契約に基づき一定の法律上の地位を取得した者として同条項にいう善意の第三者に該当するものということを妨げないと解すべきであるから、原抵当権設定者は、これに対する関係では、右原抵当権が虚偽仮装のものであることを主張することができないというべきである。」
 ②「思うに、民法94条2項所定の第三者の善意・悪意は、同条項の適用の対象となるべき法律関係ごとに当該法律関係につき第三者が利害関係を有するに至った時期を基準として決すべきものと解するのが相当である…。」
過去問・解説
(H29 司法 第4問 ウ)
甲土地を所有するAがBと通謀して甲土地にBのための抵当権設定を仮装した後、その抵当権設定が仮装であることについて善意のCがBから転抵当権の設定を受け、その旨の登記がされた場合には、Aは、Cに対し、原抵当権の設定が無効であることを主張することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭55.9.11)は、原抵当権が虚偽であることにつき善意で転抵当権の設定を受け登記を経由した者は、抵当権につき377条1項の対抗要件を具備していなくとも、94条2項の「第三者」に当たるため、原抵当権設定者は原抵当権が虚偽表示により無効であることを対抗できない旨判示している。本肢においては、CはAB間の甲土地への抵当権設定が仮装であることについて善意で転抵当権の設定を受けていることから、94条2項の「善意の第三者」に当たる。したがって、Aは、Cに対し、原抵当権の設定が無効であることを主張することができない。

(R3 司法 第2問 ウ)
相手方と通じてした虚偽の意思表示の無効は、第三者がその表示の目的につき法律上の利害関係を有するに至った時に善意であれば、その後悪意になったとしても、その第三者に対抗することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭55.9.11)は、94条2項所定の「第三者」の善意の存否は、同条項の適用の対象となるべき法律関係ごとに当該法律関係につき第三者が利害関係を有するに至った時期を基準として決すべきである旨判示している。したがって、相手方と通じてした虚偽の意思表示の無効は、第三者がその表示の目的につき法律上の利害関係を有するに至った時に善意であれば、この時点で「善意の第三者」に該当するため、その後悪意になったとしても、その「第三者」に対抗することができない。
総合メモ
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