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民法 意思表示の到達時期 最一小判昭和36年4月20日

概要
会社に対する催告書が使者によって持参された時、たまたま受け取る権限のない者が居合わせ、代表取締役の机の上の印を使用して使者の持参した送達簿に捺印の上、右催告書を右机に入れておいたという場合には、同人に催告書を受領する権限がなく、また同人が社員に右の旨を告げなかったとしても、勢力範囲に入ったもの、すなわち了知可能の状態に置かれたといえ、催告書の到達があったものと解すべきである。
判例
事案:会社に対する催告書を何ら受け取る権限が無い者が受け取った場合、当該催告書による催告は到達したと認められるかが問題となった。

要旨:「思うに、隔地者間の意思表示に準ずべき右催告は民法97条によりA社に到達することによつてその効力を生ずべき筋合のものであり、ここに到達とは右会社の代表取締役であつたBないしは同人から受領の権限を付与されていた者によつて受領され或は了知されることを要するの謂ではなく、それらの者にとつて了知可能の状態におかれたことを意味するものと解すべく、換言すれば意思表示の書面がそれらの者のいわゆる勢力範囲(支配圏)内におかれることを以て足るものと解すべきところ(昭和6年2月14日、同9年11月26日、同11年2月14日、同17年11月28日の各大審院判決参照)、前示原判決の確定した事実によれば、A社の事務室においてその代表取締役であつたBの娘であるCに手交され且つ同人においてDの持参した送達簿にBの机の上に在つた同人の印を押して受取り、これを右机の抽斗に入れておいたというのであるから、この事態の推移にかんがみれば、Cはたまたま右事務室に居合わせた者で、右催告書を受領する権限もなく、その内容も知らず且つA社の社員らに何ら告げることがなかつたとしても、右催告書はBの勢力範囲に入つたもの、すなわち同人の了知可能の状態におかれたものと認めていささかも妨げなく、従つてこのような場合こそは民法97条にいう到達があつたものと解するを相当とする。」
過去問・解説
(R4 司法 第3問 ア)
隔地者に対する意思表示は、相手方が了知するまでは効力を生じない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭36.4.20)は、「隔地者間の意思表示に準ずべき右催告は民法97条によりA社に到達することによつてその効力を生ずべき筋合のものであり、ここに到達とは右会社の代表取締役であつたBないしは同人から受領の権限を付与されていた者によつて受領され或は了知されることを要するの謂ではなく、それらの者にとつて了知可能の状態におかれたことを意味する」と判示している。したがって、隔地者に対する意思表示は、相手方が了知しなくても、その了知可能な状態におかれるに至れば、効力を生じる。
総合メモ
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