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民法 他人の権利を無断で処分した場合における無権代理行為 最二小判昭和37年8月10日
概要
ある物件につき、何ら権利を有しない者が、当該物件を自己の権利に属するものとして処分した場合において、真実の権利者が当該処分を追認したときは、同処分は、116条本文の類推適用により、処分の時に遡って効力を生じる。
判例
事案:ある物件につき、何ら権利を有しない者が、当該物件を自己の権利に属するものとして処分した場合において、真実の権利者が当該処分を追認したとき、同処分の効力は生じるかが問題となった。
判旨:「或る物件につき、なんら権利を有しない者が、これを自己の権利に属するものとして処分した場合において真実の権利者が後日これを追認したときは、無権代理行為の追認に関する民法116条の類推適用により、処分の時に遡つて効力を生ずるものと解するのを相当とする(大審院昭和10年(オ)第637号同年9月10日云渡判決、民集14巻1717頁参照)。」
判旨:「或る物件につき、なんら権利を有しない者が、これを自己の権利に属するものとして処分した場合において真実の権利者が後日これを追認したときは、無権代理行為の追認に関する民法116条の類推適用により、処分の時に遡つて効力を生ずるものと解するのを相当とする(大審院昭和10年(オ)第637号同年9月10日云渡判決、民集14巻1717頁参照)。」
過去問・解説
(H18 司法 第14問 ア)
Aがその所有するギター(以下「甲」という。)をBに貸していたところ、無職のCが金に困ってBから甲を盗み、自分の物だと称して友人のDに売却した。Dは、甲がCの所有物だと過失なく信じて、その引渡しを受けた。Aは、CD間の売買契約を追認すれば、Dに代金を請求することができる。
Aがその所有するギター(以下「甲」という。)をBに貸していたところ、無職のCが金に困ってBから甲を盗み、自分の物だと称して友人のDに売却した。Dは、甲がCの所有物だと過失なく信じて、その引渡しを受けた。Aは、CD間の売買契約を追認すれば、Dに代金を請求することができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭37.8.10)は、「或る物件につき、なんら権利を有しない者が、これを自己の権利に属するものとして処分した場合において真実の権利者が後日これを追認したときは、無権代理行為の追認に関する民法116条の類推適用により、処分の時に遡つて効力を生ずる…。」と判示している。したがって、AがCD間の売買契約を追認したときは、当該契約の時に遡って当該契約の効力が生じる。
もっとも、当該契約によりDに代金を請求することができるのは、当該契約の売主であるCである。当該契約の当事者でないAは、当該契約を追認したとしても、Dに対する代金支払請求権を取得するわけではないため、Dに代金を請求することはできない。
判例(最判昭37.8.10)は、「或る物件につき、なんら権利を有しない者が、これを自己の権利に属するものとして処分した場合において真実の権利者が後日これを追認したときは、無権代理行為の追認に関する民法116条の類推適用により、処分の時に遡つて効力を生ずる…。」と判示している。したがって、AがCD間の売買契約を追認したときは、当該契約の時に遡って当該契約の効力が生じる。
もっとも、当該契約によりDに代金を請求することができるのは、当該契約の売主であるCである。当該契約の当事者でないAは、当該契約を追認したとしても、Dに対する代金支払請求権を取得するわけではないため、Dに代金を請求することはできない。
(H25 司法 第5問 エ)
AがB所有の動産をBから何らの代理権も与えられていないのにその代理人としてCに売却した場合には、Bがこれを追認すれば、BC間の売買契約は契約時にさかのぼって有効となるが、AがB所有の動産をBに断りなく自分の物としてCに売却した場合には、Bがこれを追認すると、その追認の時に新たにAC間の売買契約が締結されたものとみなされる。
AがB所有の動産をBから何らの代理権も与えられていないのにその代理人としてCに売却した場合には、Bがこれを追認すれば、BC間の売買契約は契約時にさかのぼって有効となるが、AがB所有の動産をBに断りなく自分の物としてCに売却した場合には、Bがこれを追認すると、その追認の時に新たにAC間の売買契約が締結されたものとみなされる。
(正答)✕
(解説)
113条1項は、「代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。」と規定し、116条本文は、「追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。」と規定している。したがって、本肢前段は正しい。
もっとも、判例(最判昭37.8.10)は、「或る物件につき、なんら権利を有しない者が、これを自己の権利に属するものとして処分した場合において真実の権利者が後日これを追認したときは、無権代理行為の追認に関する民法116条の類推適用により、処分の時に遡つて効力を生ずる…。」と判示している。したがって、AがB所有の動産をBに断りなく自分の物としてCに売却した場合に、Bがこれを追認すると、当該売買契約は契約時にさかのぼって効力を生ずる。よって、本肢後段は誤っている。
113条1項は、「代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。」と規定し、116条本文は、「追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。」と規定している。したがって、本肢前段は正しい。
もっとも、判例(最判昭37.8.10)は、「或る物件につき、なんら権利を有しない者が、これを自己の権利に属するものとして処分した場合において真実の権利者が後日これを追認したときは、無権代理行為の追認に関する民法116条の類推適用により、処分の時に遡つて効力を生ずる…。」と判示している。したがって、AがB所有の動産をBに断りなく自分の物としてCに売却した場合に、Bがこれを追認すると、当該売買契約は契約時にさかのぼって効力を生ずる。よって、本肢後段は誤っている。